犬と暮らす人へ
犬に危険な植物一覧
犬は散歩中や庭で植物を口にしやすく、菜園の野菜や球根を掘り返して食べてしまうこともあります。タマネギやブドウのように、人には身近な食べ物が犬には危険なケースも少なくありません。危険度の高い順に、症状と毒のある部分をまとめました。
📚 根拠:ASPCA 動物中毒管理センター(犬・猫)/厚生労働省 自然毒のリスクプロファイル(人)
誤って食べてしまったときは
犬・猫の場合
すぐにかかりつけの動物病院へ連絡してください。夜間は夜間救急の動物病院へ。
植物の名前・食べた部位・量・時間を伝えられるよう、残りや写真を用意すると対応が早くなります。自己判断で吐かせるのは危険な場合があるので避けてください。
Legend
危険度の見方
「毒がある」といっても程度はさまざまです。このサイトでは、症状の重さで4段階に分けています。
危険(命に関わることがある)
注意(量や部位によっては重くなる)
軽度(軽い胃腸症状・皮膚炎)
無毒とされる(ASPCAで無毒と判定)
「無毒とされる」は、ASPCAで無毒と判定されているという意味で、食用として安全という意味ではありません。出典で判定を確認できなかったものは「未確認」と表示しています。
犬に危険:命に関わることがある(10種)
犬に注意:量や部位によっては重くなる(27種)
-
-
-
アマリリス
毒のある部分:全草(とくに球根)
スイセンと同じリコリンなどのアルカロイドを含み、嘔吐・下痢を起こします。大量に食べるとけいれんや血圧低下を起こすことがあります。いちばん毒が強いのは球根です。
-
-
-
アンズ
毒のある部分:種・葉・茎(果肉は食べられる)
種・葉・茎に青酸配糖体を含みます。果肉は問題ありませんが、種を割って中身を大量に食べると中毒のおそれがあります。犬が種を丸飲みすると腸閉塞の原因にもなります。
-
ウメ
毒のある部分:未熟な実・種・葉・茎
未熟な青梅の実や種、葉・茎に青酸配糖体を含みます。生の青梅は食べられず、梅干しや梅酒に加工すると分解されます。ASPCAは同じサクラ属の植物として犬・猫に有毒としています。
-
-
-
-
サトイモ
毒のある部分:全草(生のイモ・葉・茎)
シュウ酸カルシウムを含み、生のまま口にすると口の中が腫れて痛みます。人は加熱すれば問題なく食べられますが、皮をむくと手がかゆくなることがあります。ペットには与えないようにします。
-
ザミオクルカス
毒のある部分:全草
ASPCAの一覧には載っていませんが、ポトスやモンステラと同じサトイモ科で、同じ針状のシュウ酸カルシウムを含みます。かじると口の中が腫れて痛み、よだれや嘔吐を起こします。
-
-
-
ジャガイモ
毒のある部分:芽・緑色になった皮・葉と茎
芽や緑色になった部分にソラニンなどを含み、吐き気・腹痛・下痢・頭痛を起こします。家庭菜園で育てた小さく未熟なイモは含有量が多いことがあり、学校菜園での食中毒も繰り返し起きています。芽と緑の部分は厚めに取り除きます。ASPCAはナス属の植物全般を犬・猫に有毒としています。
-
スイセン
毒のある部分:全草(とくに球根)
リコリンなどのアルカロイドを含み、嘔吐・下痢を起こします。大量に食べるとけいれんや不整脈も。葉をニラやノビル、球根をタマネギと間違える食中毒が毎年のように起きています。
-
-
-
ディフェンバキア
毒のある部分:全草
シュウ酸カルシウムとたんぱく分解酵素を含み、口に入ると激しい痛みと腫れを起こします。英名の「ダムケーン(口がきけなくなる杖)」はここから来ています。子どもの手の届かない場所に置きます。
-
デルフィニウム
毒のある部分:全草(とくに種子・若い株)
ジテルペン系アルカロイドを含み、神経や心臓に作用します。人が誤って食べると重い中毒を起こすおそれがあります。こぼれた種子や若い株の扱いに注意します。
-
-
-
-
-
-
-
犬に軽度:軽い胃腸症状や皮膚炎(48種)
-
-
-
アスパラガス
毒のある部分:赤い実・茂った葉(食べる若芽は問題なし)
食用の若芽は問題ありませんが、雌株につく赤い実を食べると胃腸の不調を起こすことがあり、茂った葉に何度も触れると皮膚炎の原因になります(ASPCAの記載は近縁のアスパラガス・ファーン)。
-
アネモネ
毒のある部分:全草
ASPCAの一覧には載っていませんが、ラナンキュラスやクレマチスと同じキンポウゲ科で、同じ刺激性のプロトアネモニンを含みます。汁で肌がかぶれることがあり、食べると口の刺激や嘔吐の原因になります。
-
アロエ
毒のある部分:葉の皮の部分(透明なゼリーは食べられる)
サポニンやアントラキノンを含み、犬・猫では嘔吐・下痢・元気消失を起こすことがあります。人でも葉の皮の近くの黄色い汁には強い下剤作用があります。
-
イチジク
毒のある部分:樹液・葉(熟した実は食べられる)
白い樹液にたんぱく分解酵素やソラレンを含み、口の刺激や皮膚炎の原因になります。人は熟した実なら問題なく食べられますが、収穫のとき樹液で手がかぶれることがあります。
-
-
-
カモミール
毒のある部分:全草
犬・猫では皮膚炎・嘔吐・下痢・アレルギー反応を起こすことがあります(ASPCAの記載はローマンカモミール)。キク科の花粉にアレルギーのある人は、お茶を飲むときも注意します。
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
トマト
毒のある部分:葉・茎・未熟な青い実(赤く熟した実は問題なし)
葉・茎・未熟な実にアルカロイドを含み、犬・猫がかじると胃腸症状を起こすことがあります。赤く熟した実は問題ありません。菜園やプランターの茎葉をペットがかじらないよう注意します。
-
-
-
-
-
フィカス・ベンガレンシス
毒のある部分:樹液
白い樹液にたんぱく分解酵素やソラレンを含み、口の刺激や皮膚炎の原因になります(ASPCAは同じフィカス属として有毒としています)。剪定のときは樹液が肌につかないよう手袋をします。
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
犬に無毒とされる植物(62種)
ASPCAで犬に無毒とされている植物です。犬と暮らす家で植物を選ぶときの参考にしてください。たくさんかじれば吐くことはあるので、届かない場所に置くのが基本です。
-
アスター
-
アレカヤシ
-
イチゴ
-
インパチェンス
-
ウチワサボテン
-
エケベリア
-
オリヅルラン
-
オンシジウム
-
カスミソウ
-
カトレア
-
カボチャ
-
カラテア
-
ガーベラ
-
キュウリ
-
キンギョソウ
-
キンセンカ
-
クリ
-
ケイトウ
-
コチョウラン
-
サツマイモ
-
サルビア
-
シャコバサボテン
-
ジニア
-
スイスチャード
-
ステビア
-
ズッキーニ
-
セイボリー
-
セダム
-
セージ
-
タイム
-
タンゲマル
-
チャービル
-
テーブルヤシ
-
ディル
-
デンドロビウム
-
ナスタチウム
-
ニンジン
-
ネフロレピス
-
ハイビスカス
-
ハエトリソウ
-
ハオルチア
-
バジル
-
バラ
-
パキラ
-
パクチー
-
ヒマワリ
-
ビカクシダ
-
ビーツ
-
フェンネル
-
ブラックベリー
-
ペチュニア
-
ペペロミア
-
マミラリア
-
マルベリー
-
ムスカリ
-
メロン
-
ヤグルマギク
-
ユリ
-
ラズベリー
-
リトープス
-
レモンバーム
-
ローズマリー
Sources
情報の出典と注意事項
犬・猫:ASPCA(米国動物虐待防止協会)動物中毒管理センターが公開している有毒・無毒植物のリストと、植物ごとの有毒成分・症状の記載をもとに判定しています。品種そのものの記載がなく、同じ属の植物の記載をもとにした場合は、各品種の説明にその旨を書いています。
人:厚生労働省「自然毒のリスクプロファイル(高等植物)」と、有毒成分についての一般的な知見をもとにしています。
出典で確認できない植物は載せていません。掲載していない植物が安全だという意味ではありません。症状の出方は、食べた量・部位・体の大きさ・体質によって大きく変わります。この情報は診断や治療の代わりにはなりません。心配なときは必ず医師・獣医師に相談してください。
FAQ
よくある質問
スズラン・ジギタリス・アデニウムなど心臓に作用する植物と、タマネギ・ニンニクなどのネギ属、腎不全を起こすブドウが特に危険です。庭のスイセンやチューリップの球根を掘り返して食べる事故にも注意が必要です。
タマネギ・ネギ・ニラ・ニンニク・ラッキョウなどネギ属は、加熱しても貧血を起こす成分が残ります。ジャガイモの芽や緑色の部分、トマトやナスの葉と茎も犬がかじらないようにします。ブドウは実を落とさないよう収穫をこまめに行いましょう。
よだれ・嘔吐・下痢が多く見られます。ネギ属では数日たってから貧血(歯ぐきが白い・元気がない・赤い尿)が出ることがあるため、症状がなくても食べたとわかった時点で動物病院に相談してください。
人の場合は、日本中毒情報センターの「中毒110番」(一般専用・24時間・無料)に相談できます。大阪 072-727-2499、つくば 029-852-9999 です。ペットの場合は、すぐにかかりつけの動物病院に連絡してください。どちらも、食べた植物の名前・部位・量・時間を伝えられるよう、植物の残りや写真を用意しておくと対応が早くなります。無理に吐かせるのは危険な場合があるので、自己判断は避けてください。
犬・猫はASPCA(米国動物虐待防止協会)動物中毒管理センターが公開する有毒・無毒植物のリストと、各植物の有毒成分・症状の記載をもとにしています。人への影響は、厚生労働省「自然毒のリスクプロファイル」と、有毒成分についての一般的な知見をもとにしています。出典で確認できない植物は、この一覧には載せていません。
いいえ。ASPCAで毒性が認められていないというだけで、食用として安全という意味ではありません。どんな植物でも、たくさん食べれば嘔吐や下痢を起こすことがあります。農薬や肥料がついている場合もあるので、ペットが植物をかじらない環境をつくることが基本です。