アスパラガス
Asparagus officinalis Asparagus
アスパラガスは、春に、地面から、にょきにょきと顔を出す、若い茎(若茎=じゃくけい)を収穫して食べる、多年草の野菜です。シャキッとした歯ごたえ...
かんたんに言うと
アスパラガスは、春に伸びる若い茎を収穫する多年草の野菜。一度植えると同じ株から約10年、毎年春に収穫できます。植え付けから収穫本番まで2〜3年かかり、その間は株づくりに専念。日当たり・水はけのよい場所を好み、寒さにも強い丈夫な春野菜です。
Profile
基本情報
アスパラガスは、春に、地面から、にょきにょきと顔を出す、若い茎(若茎=じゃくけい)を収穫して食べる、多年草の野菜です。シャキッとした歯ごたえと、ほんのりとした甘み、独特の風味が、サラダや、ソテー、天ぷらなど、さまざまな料理で楽しめる、人気の春野菜。
緑色の「グリーンアスパラガス」が一般的ですが、土をかぶせて、日光を当てずに育て、白く軟白した「ホワイトアスパラガス」も、やわらかく上品な味わいで人気です。アスパラガスの、最大の特徴は、一度植えると、同じ株から、10年ほども、毎年、春に若茎を収穫できる「多年草」であること。
植え付けてから、しっかり収穫できるようになるまでに、2〜3年かかりますが、いったん株が育てば、あとは、毎年春に、たくさんの若い茎が、次々と地面から伸びてきて、長く収穫を楽しめる、息の長い野菜です。アスパラガスは、地下に、貯蔵根という、養分をためる太い根を張りめぐらせ、その養分の力で、春に、いっせいに若茎を伸ばします。
そのため、株を充実させることが、たくさん収穫するための、いちばんのポイント。収穫しない夏から秋には、伸びた茎葉を、細い針葉のように茂らせ(この姿が、観賞用アスパラガスにも似ています)、光合成をして、地下の根に、翌年のための養分をためます。日当たりと、水はけのよい場所を好み、寒さにも強い、丈夫な野菜。最初の数年は、株づくりに、じっくり付き合う、忍耐が必要ですが、その後、長く収穫できる、家庭菜園の頼れる多年草です。
💡豆知識
アスパラガスは、地中海沿岸が原産で、古代ギリシャ・ローマの時代から、食用や、薬用として利用されてきた、歴史の古い野菜です。あの独特の風味成分や、疲労回復に役立つとされる「アスパラギン酸」という名前は、このアスパラガスから発見されたことに由来します。
アスパラガスには、観賞用の仲間もあり、切り花の添え葉(グリーン)としておなじみの、ふわふわした「アスパラガス・スプレンゲリ」や「アスパラガス・プルモーサス(レースのような葉)」は、食用アスパラガスと同じ仲間。食用アスパラガスも、収穫せずに伸ばすと、同じような、細かく枝分かれした、針のような葉(じつは葉のように見える茎)を茂らせ、観賞価値もあります。
和名の「オランダキジカクシ」は、茂った茎葉が、キジ(雉)が隠れられるほど密に茂ることにちなむといわれます。グリーンアスパラガスと、ホワイトアスパラガスは、じつは同じ植物。土から出た若茎に、日光を当てて育てると、光合成で緑色になり「グリーン」に、土を高く盛って、日光を当てずに育てると、白いまま伸びて「ホワイト」になります。
ヨーロッパ、とくにドイツやフランスでは、春のホワイトアスパラガスが、季節の到来を告げるごちそうとして、たいへん珍重されます。一度植えれば10年も穫れる、ぜいたくな多年草です。
Calendar
育成カレンダー
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 植え付け | 3月は植え付け | |||||||||||
| 収穫 | 5月は収穫 | |||||||||||
| 追肥 | 7月は追肥 | 12月は追肥 |
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
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| 植え付け | 3月は植え付け | |||||||||||
| 収穫 | 5月は収穫 | |||||||||||
| 追肥 | 7月は追肥 | 12月は追肥 |
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
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| 植え付け | 3月は植え付け | |||||||||||
| 収穫 | 5月は収穫 | |||||||||||
| 追肥 | 7月は追肥 | 12月は追肥 |
数字は月を表します。色帯のある月がその作業の適期です。上のタブで地域を切り替えられます。
At a glance
ひと目でわかる特徴
Specs
形態と環境条件
形態
- 草丈
- 20〜150cm
- 株張り
- 30〜50cm
- 花のサイズ
- 黄緑色の小花(雌雄異株。収穫は若茎が目的)
- 実のサイズ
- 赤い小さな実(雌株。有毒なので食用にしない)
環境条件
- 日照
- 日なた
- 耐寒温度
- -20℃
- 耐暑温度
- 35℃
- 土壌pH
- 6.0〜6.7
- 水やり
- 乾燥を嫌う。土が乾いたらたっぷり。とくに収穫期と夏。
- 肥料
- 堆肥・有機質肥料・化成肥料
How to grow
育て方ステップ
-
1
植え付け(深く耕した土に)
約14日アスパラガスは、一度植えると、同じ場所で10年ほど育てる多年草なので、最初の土づくりと、場所選びが、とても大切です。植え付けは、種から育てる方法もありますが、収穫まで、さらに時間がかかるので、家庭菜園では、1〜2年育てられた「大株(根株)」の苗を植えるのが、手軽で早道。
植え付けの適期は、芽が動き出す前の、早春(3〜4月)です。場所は、日当たりと、水はけがよく、長く使える畑の一角を選びます。アスパラガスは、地下に、太い貯蔵根を、深く広く張りめぐらせるので、植え付け前に、土を、深さ30〜40cmほど、よく耕し、堆肥や、腐葉土、元肥を、たっぷりすき込んで、ふかふかで、肥えた、深い土をつくっておきます。
この土づくりが、その後、10年の収穫を支えます。大株の苗は、根(貯蔵根)を、放射状に、ていねいに広げて、芽の部分が、地面から5〜10cmほど下になるように、やや深めに植えます。株間は、30〜40cmほど、ゆとりをもってとります。植え付けたら、たっぷり水を与えます。
鉢やプランターで育てる場合も、できるだけ、深さと容量の大きい容器を選び、深く根を張れるようにします。最初の土づくりに手をかけることが、長く、たくさん穫るための、いちばんの投資です。
💡10年使う場所を選び、深さ30〜40cm耕して堆肥をたっぷり。大株の苗を、根を広げてやや深植え。株間30〜40cm。
-
2
株づくり(最初の1〜2年は収穫を我慢)
約365日アスパラガス栽培で、いちばん大切で、いちばん忍耐がいるのが、最初の1〜2年の「株づくり」です。植え付けた最初の年(種からなら2年目ごろまで)は、春に、若茎が伸びてきても、ぐっと我慢して、ほとんど収穫せずに、すべて伸ばします。せっかく出てきた若茎を、なぜ収穫しないかというと、伸ばした茎葉に、光合成をさせて、地下の貯蔵根に、たっぷりと養分をためさせ、株を、大きく充実させるためです。
ここで、収穫を急いで、若茎を穫りすぎると、株が、十分に育たず、その後の収穫量が、いつまでも、増えません。最初に、じっくり株を育てることが、結局、長く、たくさん穫るための近道なのです。1〜2年目は、伸びてきた若茎を、夏には、ふわふわとした、針のような茎葉に茂らせます。
この茎葉が、倒れないように、支柱や、ひもで、軽く支えてやります。水切れと、肥料切れに注意して、株を、できるだけ大きく育てます。雑草は、こまめに取り除き、株が、養分や日光を、十分に得られるようにします。じれったいかもしれませんが、この期間に、しっかり株を太らせることが、3年目以降の、うれしい収穫につながります。
💡植え付け後1〜2年は収穫を我慢し、茎葉を伸ばして貯蔵根に養分をためる。倒れないよう支柱で支え、水・肥料切れに注意。
-
3
収穫する(3年目から本番)
約45日株が十分に育った、植え付けから2〜3年目の春から、いよいよ、本格的な収穫が始まります。アスパラガスは、春(4〜6月ごろ)になると、暖かくなるにつれて、地面から、次々と、若い茎(若茎)が、にょきにょきと伸びてきます。収穫の目安は、若茎が、20〜25cmほどの長さに伸びたとき。
穂先(先端)が、まだ、しまっていて、ふくらみすぎていない、若いうちに収穫すると、やわらかく、おいしく食べられます。収穫は、若茎の、根元を、ハサミや、専用の収穫ナイフで、地際から切り取ります。アスパラガスは、生育が早く、暖かい時期は、1日に数cmも伸びるので、収穫期には、毎日のように、見回って、ちょうどよい若茎を、穫り続けます。
グリーンアスパラガスは、このまま日光を当てて、緑色に育てたもの。ホワイトアスパラガスにしたい場合は、若茎が伸びてくる前に、株元に、土を高く盛ったり、覆いをかけたりして、日光を当てずに、白いまま育てて、土の中から掘り取ります。収穫の期間は、株の充実度に応じて、加減します。
株が若いうちは、短めに切り上げ、株が、しっかり充実した、4〜5年目以降は、より長い期間(1〜2か月)、収穫を楽しめます。穫りすぎは株を弱らせるので、ある程度収穫したら、残りの若茎は、伸ばして、株を養います。
💡2〜3年目の春から収穫本番。若茎が20〜25cmで穂先がしまったうちに地際で切る。生育が早いので毎日見回る。穫りすぎ注意。
-
4
収穫後の管理(茎葉を茂らせ追肥)
約120日アスパラガスを、毎年、長く収穫し続けるには、収穫を終えたあとの管理が、決定的に重要です。春の収穫期が終わったら、それ以降に伸びてくる若茎は、もう収穫せずに、すべて伸ばして、夏から秋にかけて、ふわふわとした、針のような茎葉を、こんもりと茂らせます。
この茎葉が、夏のあいだ、せっせと光合成をして、地下の貯蔵根に、翌年の春に若茎を伸ばすための、養分を、たっぷりとためてくれます。つまり、収穫後に、いかに、茎葉を、元気に大きく茂らせ、養分をためさせるかが、翌年の収穫量を、左右するのです。そのため、収穫が終わったら、お礼肥として、追肥をして、株を、しっかり養います。
茎葉は、大きく茂ると、倒れやすいので、支柱や、ひもで囲って、倒伏を防ぎます。夏は、乾燥を嫌うので、水切れにも注意します。雑草を取り除き、風通しよく保って、病害虫を防ぎます。雌株には、秋に、赤い小さな実がつきますが、この実は有毒なので、食べないようにし、こぼれ種で、雑草化するのを防ぐためにも、気になる場合は、摘み取ります。
秋が深まると、茎葉が、黄色く枯れていきます。完全に枯れたら、地際で刈り取って、片づけ、株元に、堆肥や寒肥を施して、冬を迎えます。収穫後の「茎葉を茂らせる→養分をためる→翌春また穫る」というサイクルを、毎年くり返すのが、アスパラガス栽培の基本です。
💡収穫後は若茎を伸ばして茎葉を茂らせ、貯蔵根に養分をためるのが翌年の収穫の鍵。収穫後に追肥、倒伏防止、水切れ注意。
-
5
冬越しと長く穫り続けるコツ
約120日アスパラガスは、寒さに非常に強い、丈夫な多年草です。秋が深まり、茎葉が、すっかり黄色く枯れたら、地際から、刈り取って、片づけます。枯れた茎葉を、そのままにしておくと、病害虫の越冬場所になることがあるので、きれいに取り除いておきます。冬のあいだ、地上部は枯れていますが、地下では、貯蔵根が、養分をたくわえて、生きており、休眠して冬を越します。
地植えなら、防寒は不要で、雪の降る寒冷地でも、屋外で楽に冬を越せます。冬の、株が休眠しているあいだに、株元に、堆肥や、有機質肥料を施す「寒肥(かんごえ)」をしておくと、春の芽出しと、生育がよくなります。この寒肥が、翌年の、たくさんの若茎を支えます。
春になって、暖かくなると、また、地面から、若茎が、にょきにょきと伸びてきて、新しいシーズンが始まります。アスパラガスは、こうして、毎年、春に収穫し、収穫後に茎葉を茂らせて養分をため、冬に寒肥を施す、というサイクルをくり返しながら、同じ株で、10年ほども、収穫を続けられます。
年々、株が充実して、収穫量が増えていくのも、多年草ならではの楽しみ。長く穫り続けるコツは、「株を大切にすること」。穫りすぎず、収穫後の茎葉を、しっかり茂らせ、肥料を切らさず、株を、毎年、元気に養うこと。これさえ守れば、一度の植え付けで、長年にわたって、春のごちそうを、届けてくれる、ありがたい野菜です。
💡茎葉が枯れたら地際で刈り取り片づける。冬は地下で休眠(防寒不要)、寒肥で翌春に備える。株を大切に養えば約10年穫れる。
Checklist
育てる前のチェックリスト
-
✓300〜1,000円
アスパラガスの大株(根株)
1〜2年養成された大株が収穫まで早い。
-
✓600〜2,000円
堆肥・腐葉土(深い土づくり)
深く耕してたっぷりすき込む。10年の収穫を支える。
-
○400〜1,200円
有機質肥料(お礼肥・寒肥) (任意)
収穫後と冬の追肥に。
-
○300〜1,000円
支柱・ひも (任意)
茂った茎葉の倒伏防止に。
Pests & Diseases
かかりやすい病害虫
アブラムシ
時々症状: 新芽が縮れる、葉がべたつく、すす病を誘発。
予防: 風通しを良くし、窒素過多を避ける。シルバーマルチで忌避。
対処: 見つけ次第捕殺、牛乳スプレーや薬剤で防除。
ヨトウムシ
時々症状: 葉に大きな食害痕、株元の地中に潜む。
予防: 防虫ネットで産卵を防ぐ。
対処: 夜間または株元を掘って捕殺、薬剤を使用。
Nutrition
栄養と食べ方
- エネルギー
- 21kcal
- ビタミンC
- 15mg
- ビタミンA
- 31μg
- ビタミンK
- 43μg
- 葉酸
- 190μg
- 鉄
- 0.7mg
- カルシウム
- 19mg
- カリウム
- 270mg
- 食物繊維
- 1.8g
旬・味: 春が旬。シャキッとした歯ごたえとほのかな甘み。葉酸が豊富で、疲労回復に役立つとされるアスパラギン酸を含む。
保存: 乾燥に弱いので湿らせた紙に包み、穂先を上にして立てて冷蔵。鮮度が落ちやすいので早めに使う。ゆでて冷凍も可。
Common mistakes
失敗あるある TOP3
⚠ 収穫を急いで株が育たない
何年たっても収穫量が増えません。
原因: 最初の1〜2年に若茎を穫りすぎ、株が充実しなかった。
対策: 最初の数年は収穫を我慢して茎葉を伸ばし、貯蔵根に養分をためて株を太らせます。
⚠ 収穫後の管理不足で翌年穫れない
翌春の若茎が細く少なくなります。
原因: 収穫後に茎葉を茂らせず、追肥もせず株が弱った。
対策: 収穫後は若茎を伸ばして茎葉を茂らせ、お礼肥・寒肥で株を養います。
⚠ 若茎が細い・曲がる
穫れる若茎が細く、品質が落ちます。
原因: 株の充実不足、水切れ、肥料切れ、株の老化。
対策: 水と肥料を切らさず株を充実させます。老株は数年で更新も検討します。
FAQ
よくある質問
はい、アスパラガスは丈夫で寒さに強く、一度根づけば約10年も毎年春に収穫できる、頼れる多年草です。ただし、植え付けから収穫本番まで2〜3年かかり、その間は株づくりに専念する必要があるので、気長に付き合える方に向きます。最初の深い土づくりと、収穫後に茎葉を茂らせる管理が、長く穫るコツです。
大株(根株)の苗を植えた場合で、2〜3年目の春から本格的に収穫できます。種から育てるとさらに時間がかかります。最初の1〜2年は、若茎が出ても収穫を我慢して伸ばし、茎葉に光合成させて貯蔵根に養分をため、株を充実させます。この株づくりが、その後の収穫量を大きく左右します。
同じ植物で、育て方が違うだけです。土から出た若茎に日光を当てて育てると、光合成で緑色になり「グリーンアスパラガス」に、若茎に土を高く盛るなどして日光を当てずに白いまま育てると「ホワイトアスパラガス」になります。家庭ではグリーンが手軽で、ホワイトはやわらかく上品な味わいです。
若茎が20〜25cmほどに伸び、穂先(先端)がまだしまって、ふくらみすぎていない若いうちに、地際で切り取ります。暖かい時期は1日に数cmも伸びるほど生育が早いので、収穫期は毎日のように見回ります。穫りすぎると株が弱るので、ある程度収穫したら残りは伸ばして株を養います。
収穫後の管理が鍵です。春の収穫を終えたら、その後の若茎は伸ばして茎葉を大きく茂らせ、貯蔵根に養分をためさせます。収穫後にお礼肥、冬に寒肥を施し、株を毎年元気に養います。穫りすぎず、茎葉をしっかり茂らせ、肥料を切らさないことで、年々株が充実し、収穫量も増えていきます。
いいえ、アスパラガスは雌雄異株で、雌株には秋に赤い小さな実がつきますが、この実には毒があり、食べられません。誤食しないよう注意し、こぼれ種で雑草化するのを防ぐためにも、気になる場合は摘み取ります。食用にするのは、あくまで春に伸びる若い茎(若茎)です。
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