ツルムラサキ
Basella alba Malabar spinach
ツルムラサキは、暑さに非常に強く、ほかの葉物が育ちにくい真夏でも、ぐんぐん育つ、栄養価のたいへん高い、つる性の夏野菜です。熱帯アジアが原産で...
かんたんに言うと
ツルムラサキ(蔓紫)は、暑さに非常に強く真夏もぐんぐん育つ栄養満点のつる性夏野菜。加熱するとぬめりが出て、おひたしや炒め物に。カルシウム・鉄・β-カロテンが豊富です。支柱やネットでつるをからませ、茎先を摘むと次々収穫でき、グリーンカーテンにもなります。
Profile
基本情報
ツルムラサキは、暑さに非常に強く、ほかの葉物が育ちにくい真夏でも、ぐんぐん育つ、栄養価のたいへん高い、つる性の夏野菜です。熱帯アジアが原産で、つるを長く伸ばして育ち、その、肉厚で、つやのある葉と、やわらかい茎の先を、食用にします。加熱すると、独特の、とろりとしたぬめりと、ほのかな土のような風味が出るのが特徴で、おひたしや、和え物、炒め物、みそ汁の具などで、楽しめます。
このぬめりと、緑の濃さは、いかにも、滋養豊かで、実際、ツルムラサキは、カルシウムや、鉄、β-カロテン、ビタミンC、ビタミンK、葉酸などを、豊富に含む、緑黄色野菜。夏バテしがちな、暑い季節に、うれしい、栄養野菜です。ツルムラサキには、茎が緑色の「緑茎種(青茎種)」と、茎や葉脈が、赤紫色をおびる「赤茎種」があり、名前の「ツルムラサキ(蔓紫)」は、この、つるが、紫色をおびる、赤茎種に、ちなみます。
赤茎種は、彩りもよく、観賞をかねて、楽しむこともできますが、食用には、くせの少ない、緑茎種が、多く出回ります。暑さに、ずば抜けて強く、病害虫も、比較的少なく、つるを伸ばしながら、次々と、葉を収穫できるので、夏の家庭菜園に、たいへん向く、育てやすい野菜です。
つる性なので、支柱や、ネットを立てて、つるを、からませて育てると、グリーンカーテンのようにもなり、場所も、有効に使えます。暑い夏に、頼れる、栄養満点の、葉物野菜です。
💡豆知識
ツルムラサキ(蔓紫)の名は、つるを伸ばして育つ性質と、赤茎種の、つるや葉脈が、赤紫色(むらさき)をおびることに、由来します。英語では「マラバルスピナッチ(Malabar spinach)」や「セイロンスピナッチ」「インディアンスピナッチ」などと呼ばれ、インドの、マラバル海岸や、セイロン(スリランカ)など、熱帯アジアと、ゆかりの深い、名前がついています。
名前に「スピナッチ(ホウレンソウ)」とつくように、ホウレンソウのように、葉を食べる野菜として、世界の、熱帯・亜熱帯で、広く栽培されてきました。じつは、ホウレンソウが、暑さに弱く、夏に育てにくいのに対し、ツルムラサキは、暑さに、ずば抜けて強く、夏に、よく育つので、「夏のホウレンソウ」のような、存在として、重宝されてきた、わけです。
赤茎種の、熟した果実からは、濃い赤紫色の、汁がとれ、昔は、染料や、食品の着色に、使われたこともあると、いわれます。日本では、古くから、伝わっていたものの、長く、ローカルな野菜でしたが、近年、栄養価の高さと、夏に強い育てやすさから、健康野菜として、家庭菜園や、スーパーで、すっかり、おなじみになりました。独特のぬめりと、土のような、ほのかな風味は、好みが分かれますが、慣れると、やみつきになる、夏の味です。
Calendar
育成カレンダー
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 種まき | 5月は種まき | |||||||||||
| 収穫 | 7月は収穫 | |||||||||||
| 追肥 | 8月は追肥 | |||||||||||
| 病害虫注意 | 8月は病害虫注意 |
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 種まき | 5月は種まき | |||||||||||
| 収穫 | 7月は収穫 | |||||||||||
| 追肥 | 8月は追肥 | |||||||||||
| 病害虫注意 | 8月は病害虫注意 |
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 種まき | 5月は種まき | |||||||||||
| 収穫 | 7月は収穫 | |||||||||||
| 追肥 | 8月は追肥 | |||||||||||
| 病害虫注意 | 8月は病害虫注意 |
数字は月を表します。色帯のある月がその作業の適期です。上のタブで地域を切り替えられます。
At a glance
ひと目でわかる特徴
Specs
形態と環境条件
形態
- 草丈
- 100〜300cm
- 株張り
- 30〜60cm
- 花のサイズ
- 白〜淡紅の小花(夏〜秋・観賞用ではない)
- 実のサイズ
- 黒紫色の小さな実(熟すと濃い色の汁が出る)
環境条件
- 日照
- 日なた
- 耐寒温度
- 10℃
- 耐暑温度
- 40℃
- 土壌pH
- 6.0〜7.0
- 水やり
- 高温期はよく吸うので、土が乾いたらたっぷり。乾燥させすぎない。
- 肥料
- 化成肥料・有機質肥料
How to grow
育て方ステップ
-
1
種まき・苗の植え付け(暖かくなってから)
約14日ツルムラサキは、熱帯生まれで、高温を好み、寒さに弱いので、十分に暖かくなってから育て始めます。種まき・植え付けの適期は、遅霜の心配がなくなった、5月ごろから。発芽には、20〜25度以上の高い温度が必要なので、寒い時期に、早まきしても、うまく発芽しません。
ツルムラサキの種は、皮が硬いので、まく前に、一晩、水につけておくと、発芽がそろいやすくなります。種は、畑や、プランターに、直まきするか、ポットにまいて、苗を育ててから植え付けます。覆土は、1cmほど。発芽までは、乾かさないように、管理すると、1〜2週間で芽が出ます。
手軽に育てたい場合は、初夏に出回る苗を、購入するのが簡単です。植え付け場所は、日当たりのよい場所が基本。ツルムラサキは、つるを長く伸ばす、つる性の野菜なので、支柱や、ネットを、立てられる場所を選びます。土は、肥えた土のほうが、葉がやわらかく、よく茂ります。
植え付け前に、堆肥や、元肥を、すき込んでおきましょう。株間は、30cmほど、あけて植えます。植えたら、たっぷり水を与え、暖かくなるにつれ、つるが、ぐんぐん伸びはじめます。
💡5月以降、暖かくなってから種まき・苗植え。発芽に高温が必要。種は一晩水につける。日当たりよく株間30cm、支柱を立てられる場所へ。
-
2
支柱・ネットでつるをからませる
約20日ツルムラサキは、その名のとおり、つるを、長く伸ばして育つ、つる性の野菜なので、つるを、からませて、立体的に育てるための、支柱や、ネットを、立ててやることが、大切です。つるが伸びてきたら、合掌式の支柱や、あんどん支柱、または、キュウリ用などのネットを立てて、つるを、ていねいに、誘引します。
つるを、上に伸ばして育てると、葉に、まんべんなく、日が当たり、風通しもよくなって、よく茂り、収穫も、しやすくなります。また、ベランダや、フェンス沿いに、ネットを張って、つるを、からませれば、グリーンカーテンのようにもなり、夏の日よけをかねて、収穫も楽しめる、一石二鳥の、育て方ができます。
つるは、生育が旺盛で、放っておくと、どんどん伸びるので、伸びすぎたら、先を摘んで、わき芽を出させ、こんもりと茂らせると、収穫量が増えます。地面を、はわせて育てることも、できなくはありませんが、葉が汚れたり、風通しが悪くなって、蒸れたりしやすいので、支柱やネットで、立体的に育てるほうが、断然、おすすめです。つるが、支柱の、てっぺんまで伸びたら、先を摘んで、高さを抑え、わき芽の収穫を、楽しみます。
💡つる性なので支柱・ネットを立てて誘引。立体的に育てると日当たり・風通しがよく収穫も楽。フェンスに這わせればグリーンカーテンにも。
-
3
水やりと追肥
約30日ツルムラサキは、生育の盛んな夏に、つるを、ぐんぐん伸ばし、たくさんの葉を茂らせて、収穫するので、水と肥料を、しっかり必要とします。水やりは、土の表面が乾いたら、たっぷりと与えます。とくに、気温が高く、葉が茂って、収穫が続く真夏は、水をよく吸い、乾きやすいので、水切れに、注意します。
水が、不足すると、葉が、硬くなったり、生育が、鈍ったり、します。プランター栽培は、畑より乾きやすいので、夏は、毎日のように、水やりが、必要になることもあります。ただし、過湿で、根を傷めないよう、水はけのよい状態は、保ちます。肥料は、収穫が、長く続くので、追肥が大切。
植え付け時の、元肥に加えて、収穫が始まったら、2〜3週間に一度を目安に、化成肥料や、液体肥料を、追肥すると、次々と、やわらかい葉が出て、長く収穫を、楽しめます。肥料が切れると、葉が、硬くなったり、つるの勢いが、落ちたり、収穫量が、減ったりするので、収穫しながら、こまめに、肥料を補うのが、コツです。
ツルムラサキは、暑さに、ずば抜けて強いので、真夏も、水と肥料さえ、切らさなければ、ぐんぐん育って、次々と、収穫できる、頼れる夏野菜です。
💡夏は水切れに注意しよく与える。収穫が続くので2〜3週に一度の追肥で、やわらかい葉を次々と。過湿による根傷みには注意。
-
4
摘み取って収穫する
約90日ツルムラサキの収穫は、つるが、ある程度伸びて、葉が茂ってきたら、始められます。植え付けから、おおむね50〜70日ほどが目安です。収穫の方法は「摘み取り」。つるの先の、やわらかい部分(先端から15cmほど)と、やわらかい若葉を、手で折り取るか、ハサミで、切り取って収穫します。
このとき、ただ先端を摘むだけでなく、わき芽(葉の付け根から出る芽)を、残して、その上で摘むのが、コツ。摘み取った後、残したわき芽が伸びて、新しい収穫枝になり、収穫すればするほど、枝数が、増えて、こんもりと茂り、収穫量が、増えていきます。これを、繰り返すと、夏の間じゅう、次々と、やわらかい葉と茎先を、収穫できます。
収穫が遅れて、つるや茎が、硬くなった部分は、すじっぽくて、おいしくないので、やわらかい、先のほうだけを使います。収穫適期は、おおむね7月から、霜の降りる前の、10月ごろまで。真夏が、いちばんの最盛期です。とれたての、やわらかい葉と茎先は、加熱すると、独特の、とろりとした、ぬめりが出ます。
おひたしや、和え物、炒め物、みそ汁の具などで、夏のスタミナ野菜として、楽しみましょう。くせの少ない、緑茎種は、食べやすく、家庭菜園に、おすすめです。
💡やわらかいつる先(15cm)と若葉を、わき芽を残して摘み取る。摘むほど枝が増え収穫量アップ。最盛期は真夏。硬い部分は避ける。
-
5
夏越し・終わりと片付け
約60日ツルムラサキは、暑さに、ずば抜けて強いので、真夏の管理に、特別な苦労は、ほとんどありません。むしろ、暑ければ暑いほど、よく育つ野菜です。水と肥料を、切らさず、支柱やネットに、つるを誘引しながら、摘み取り収穫を、続けていれば、夏の間じゅう、次々と、収穫を、楽しめます。
病害虫も、比較的少ない野菜ですが、やわらかい葉を、アブラムシが、吸いに来ることがあるので、ときどき、葉の裏などを確認し、見つけたら、早めに取り除きます。食用にするので、薬剤を使う場合は、野菜に登録のあるものを、使用方法を守って、使います。夏の後半になると、ツルムラサキは、白〜淡紅色の、小さな花を咲かせ、やがて、黒紫色の、小さな実をつけます。
花や実が、ついても、葉は、引き続き、収穫できますが、株が、種づくりに、力を使い始めると、葉の勢いは、すこし、落ちてきます。気温が、下がり、霜が降りると、ツルムラサキは、寒さに弱いので、枯れてしまいます。ツルムラサキは、一年草あつかいなので、霜が降りる、10月ごろを目安に、収穫を終え、株を抜いて、片付けます。
つるが、ネットに、からんでいるので、片付けは、つるをほどきながら、行います。翌年は、また、暖かくなってから、種や苗で、育て始めます。こぼれ種から、芽が出ることも、あります。
💡暑いほどよく育つ。害虫は少なめだがアブラムシに注意。夏後半に花・実がつく。霜で枯れるので10月ごろ収穫終了し片付ける。
Checklist
育てる前のチェックリスト
-
○200〜400円
ツルムラサキの種 (任意)
春〜初夏に出回る。緑茎種・赤茎種がある。
-
✓150〜400円
ツルムラサキの苗
初夏に出回る。手軽に始められる。
-
✓300〜1,500円
支柱・ネット
つるを誘引するために必要。
-
○400〜1,000円
化成肥料・液体肥料 (任意)
収穫期の追肥用。
Pests & Diseases
かかりやすい病害虫
アブラムシ
時々症状: 新芽が縮れる、葉がべたつく、すす病を誘発。
予防: 風通しを良くし、窒素過多を避ける。シルバーマルチで忌避。
対処: 見つけ次第捕殺、牛乳スプレーや薬剤で防除。
ハダニ
まれ症状: 葉に白いかすり状の斑点、ひどいと葉が枯れる。
予防: 葉裏への葉水で乾燥を防ぐ。
対処: 葉裏への葉水を継続し、専用の殺ダニ剤を使用する。
Nutrition
栄養と食べ方
- エネルギー
- 13kcal
- ビタミンC
- 41mg
- ビタミンA
- 250μg
- ビタミンK
- 350μg
- 葉酸
- 78μg
- 鉄
- 0.5mg
- カルシウム
- 150mg
- カリウム
- 210mg
- 食物繊維
- 2.2g
旬・味: 夏が旬。加熱すると独特のぬめりとほのかな土の風味が出る。カルシウム・鉄・β-カロテン・ビタミンCが豊富で「夏のホウレンソウ」とも。
保存: 湿らせた紙に包みポリ袋で冷蔵庫の野菜室へ立てて保存。傷みやすいので早めに使う。ゆでて刻み冷凍も可。
Common mistakes
失敗あるある TOP3
⚠ 低温・早まきで育たない
発芽しない、生育が止まる。
原因: 高温性なのに寒い時期に育てた。種を水につけずまいた。
対策: 暖かくなった5月以降に育て、種は一晩水につけてからまき、発芽に十分な高温を確保します。
⚠ 支柱なしで地這いし蒸れる
葉が汚れ、風通しが悪く蒸れて傷みます。
原因: つる性なのに支柱・ネットを立てなかった。
対策: 支柱やネットを立ててつるを誘引し、立体的に育てて日当たり・風通しを確保します。
⚠ 水・肥料不足で葉が硬くなる
葉が硬く、つるの勢いが落ち、収穫量が減ります。
原因: 夏の水切れ、追肥の不足。
対策: 水を切らさず、収穫が続く間は2〜3週に一度追肥し、やわらかい茎先を摘み取ります。
FAQ
よくある質問
はい、ツルムラサキは暑さに非常に強く、真夏もぐんぐん育つ、育てやすい夏野菜です。病害虫も比較的少なく、つる先を摘み取って収穫すると、わき芽が伸びて収穫するほど茂り、長く楽しめます。つる性なので支柱やネットを立てる点と、寒さに弱いので暖かくなってから育てる点を押さえれば、初心者にもおすすめです。
暑さを好み寒さに弱いので、暖かくなった5月ごろから育て始めます。発芽に高温が必要なので、早まきは禁物。種は皮が硬いので一晩水につけてからまくと発芽がそろいます。収穫は7月から、霜が降りる前の10月ごろまでで、真夏が最盛期です。霜に当たると枯れるので、寒くなったら収穫を終えます。
つる先のやわらかい部分と若葉を、わき芽を残して摘み取ることです。摘んだあと残したわき芽が伸びて新しい収穫枝になり、収穫するほど枝数が増えて茂ります。あわせて支柱やネットで立体的に育て、水を切らさず2〜3週に一度追肥すると、やわらかい葉が次々と出て、長くたくさん収穫できます。
はい、ツルムラサキはつるを長く伸ばすつる性の野菜なので、支柱やネットを立ててつるを誘引するのがおすすめです。立体的に育てると、葉に日が当たり風通しもよく、よく茂って収穫もしやすくなります。フェンスやベランダにネットを張ってつるをからませれば、夏の日よけをかねたグリーンカーテンとしても楽しめます。
ツルムラサキは緑黄色野菜で、カルシウム、鉄、β-カロテン、ビタミンC、ビタミンK、葉酸などを豊富に含む、栄養価の高い野菜です。加熱したときに出るぬめりには、独特の食感とのどごしがあります。暑さに強く夏によく育つことから「夏のホウレンソウ」のように重宝され、夏バテ予防にもうれしい野菜です。
ツルムラサキは加熱すると、とろりとしたぬめりと、ほのかな土のような風味が出ます。気になる場合は、さっとゆでてから流水でしめる、油で炒める、しょうがやごま油、にんにくなど香りの強い調味と合わせると食べやすくなります。くせの少ない緑茎種を選ぶのもおすすめ。慣れるとやみつきになる夏の味です。
Related
同じカテゴリの植物
🥬 野菜
ミニトマト
Solanum lycopersicum
🥬 野菜
キュウリ
Cucumis sativus
🥬 野菜
トマト
Solanum lycopersicum
🥬 野菜
ラディッシュ
Raphanus sativus var. sativus
🥬 野菜
サツマイモ
Ipomoea batatas
🥬 野菜
オカヒジキ
Salsola komarovii
Compare
ほかの植物と比較する
ツルムラサキと似た植物を、育てやすさや育て方で比べてみましょう。