ミニトマト
Solanum lycopersicum Cherry Tomato
ミニトマトは、家庭菜園で最も人気のある果菜のひとつです。一株から数十個〜百個以上の実が次々と収穫でき、深さ30cm以上のプランターひとつでも十分...
かんたんに言うと
ミニトマトは日当たりの良い場所で、苗を植えて支柱を立て、脇芽を摘みながら育てる初心者向けの野菜です。植え付けから約2か月で収穫できます。
Profile
基本情報
ミニトマトは、家庭菜園で最も人気のある果菜のひとつです。一株から数十個〜百個以上の実が次々と収穫でき、深さ30cm以上のプランターひとつでも十分に育てられる手軽さから、初めて野菜づくりに挑戦する人に特におすすめできます。原産地は南米アンデスの高地で、強い日ざしと乾いた空気を好む性質を今も残しており、日本でも日当たり・風通し・水はけの良い環境を用意することが成功の最大のポイントになります。
生育は旺盛で、5月の植え付けから盛夏を越え、秋口まで長い期間にわたって甘い実を実らせ続けます。栽培のコツは大きく三つです。第一に、高さ150cm前後の支柱を立てて主枝を1本に仕立てること。第二に、葉の付け根から出る脇芽をこまめに摘み取り、養分を実に集中させること。
第三に、水やりの量をできるだけ一定に保ち、土の急な乾湿差による実割れを防ぐことです。これらさえ押さえれば病害虫にも比較的強く、収穫の達成感を味わいやすい野菜といえます。あわせて、ナス科の連作を避けることと、自分の栽培環境(日照時間やスペース)に合った品種を選ぶことも、健康に長く実らせるための近道になります。木で完熟させてから収穫できるのは家庭菜園ならではの醍醐味で、市販品とは比べものにならない濃い甘みと香りを楽しめます。
💡豆知識
トマトはもともと南米アンデス地方の野生種に由来し、メキシコで栽培化されたのち大航海時代にヨーロッパへ渡りました。当初は「毒があるのでは」と恐れられ、もっぱら観賞用として育てられていた時期があります。日本へ伝わったのは江戸時代で、やはり最初は赤い実を眺めて楽しむ「唐柿(とうがき)」と呼ばれる観賞植物でした。
食用として本格的に普及したのは、西洋料理が広まった明治以降のことです。赤色のもとであるリコピンは強い抗酸化作用で知られ、加熱と油に合わせると吸収率が高まることが分かっています。
Calendar
育成カレンダー
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 植え付け | 4月は植え付け | 5月は植え付け | ||||||||||
| 開花 | 6月は開花 | |||||||||||
| 収穫 | 7月は収穫 | 8月は収穫 | ||||||||||
| 追肥 | 5月は追肥 | 6月は追肥 | ||||||||||
| 病害虫注意 | 7月は病害虫注意 |
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 植え付け | 5月は植え付け | |||||||||||
| 開花 | 6月は開花 | |||||||||||
| 収穫 | 7月は収穫 | 8月は収穫 | 9月は収穫 | |||||||||
| 追肥 | 6月は追肥 | |||||||||||
| 病害虫注意 | 7月は病害虫注意 |
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 植え付け | 4月は植え付け | 5月は植え付け | ||||||||||
| 開花 | 6月は開花 | |||||||||||
| 収穫 | 7月は収穫 | 8月は収穫 | ||||||||||
| 追肥 | 6月は追肥 | |||||||||||
| 病害虫注意 | 7月は病害虫注意 |
数字は月を表します。色帯のある月がその作業の適期です。上のタブで地域を切り替えられます。
At a glance
ひと目でわかる特徴
Specs
形態と環境条件
形態
- 草丈
- 100〜200cm
- 株張り
- 40〜60cm
- 花のサイズ
- 直径1〜2cmの黄色い花
- 実のサイズ
- 直径2〜3cm(10〜30g)
環境条件
- 日照
- 日なた
- 耐寒温度
- 5℃
- 耐暑温度
- 35℃
- 土壌pH
- 6.0〜6.5
- 水やり
- 土の表面が乾いたらたっぷりと。真夏は朝夕2回。
- 肥料
- 化成肥料または液体肥料(カリ・リン酸多め)
How to grow
育て方ステップ
-
1
苗の準備
約1日良い苗を選ぶことが、その後の生育を大きく左右します。本葉が7〜8枚そろい、茎が鉛筆ほどの太さでがっしりとし、節と節の間(節間)が間延びせず詰まっているものを選びましょう。一番花のつぼみが見え始めた苗は根がしっかり育っている証拠で、植え付け後の活着もスムーズです。
葉の色が濃すぎず黄ばみもなく、葉裏に害虫がいないかも確認します。病気に強くしたい場合は、丈夫な台木に接いだ「接ぎ木苗」が割高でもおすすめです。
💡一番花が咲いている苗を選ぶと、最初の実つきが安定します。
-
2
植え付け
約1日日当たり・風通し・水はけの良い場所を選びます。地植えなら株間を40〜50cmあけ、プランターは深さ30cm以上・容量15L以上のものに1〜2株が目安です。植え穴にあらかじめ水をたっぷり注いでから、根鉢を崩さず浅めに植え、一番花を通路側に向けると以降の実も同じ向きにつき収穫しやすくなります。植え付け直後は風で倒れやすいので仮支柱を添え、最後にもう一度たっぷり水を与えて株元を軽く押さえ、根と土を密着させます。
💡ナス科を育てた土の再利用は連作障害を招くので避けます。
-
3
支柱立て・誘引
約1日草丈が高くなり実の重みもかかるため、植え付け後できるだけ早く高さ150cm程度の支柱を立てます。1本仕立てなら株のすぐ脇に直立で1本、放任気味に育てるなら3本を交差させた合掌式が安定します。成長に合わせて20〜30cmごとに、麻ひもを支柱側で結び、茎側はゆるく8の字にかけて誘引します。
きつく縛ると茎が太ったときに食い込むので、指が1本入るくらいの余裕を持たせるのがコツです。支柱は土に深く挿してぐらつかないよう固定し、強風が予想される日は紐の数を増やして補強しておくと安心です。
💡つるが伸びるたびこまめに誘引すると、風折れや実の傷みを防げます。
-
4
脇芽かき
約60日葉の付け根から出てくる小さな芽を「脇芽」といい、放っておくと枝数が増えすぎて養分が分散し、風通しも悪くなります。主枝1本仕立てにする場合は、脇芽が3〜5cmの小さいうちに手でつまんで横に倒すように摘み取ります。作業は晴れた日の午前中に行うのが鉄則で、切り口がその日のうちに乾き、雑菌の侵入による病気を防げます。
雨の日やハサミの使い回しは病気を広げる原因になるので避けましょう。脇芽は一度にすべて取らず、株の勢いを見ながら数日おきに見回って小まめに処理すると、株への負担が少なく済みます。
💡摘んだ元気な脇芽は水に挿すと発根し、新しい苗として増やせます。
-
5
水やりと追肥
約60日水やりは「土の表面が乾いたらたっぷり」が基本で、鉢底から流れ出るまで与えます。真夏は朝夕2回必要なこともありますが、常に湿った状態は根腐れや実割れを招くため、乾湿のメリハリを意識します。追肥は最初の実がピンポン玉ほどになった頃から始め、2〜3週間おきに化成肥料をひとつまみ、または規定倍率の液体肥料を施します。
葉が内側へ強く巻く「つるぼけ」は肥料の与えすぎのサインなので、その場合は追肥を控えます。肥料は株元から少し離してまき、葉や茎に直接かからないよう注意すると肥料焼けを防げます。
💡実つきを良くするにはカリとリン酸がやや多めの肥料が向きます。
-
6
収穫
約60日開花からおよそ45〜50日、実全体がヘタの近くまで均一に赤く色づいたら収穫の適期です。ヘタの少し上の関節部分を指で押さえると、軸からポロッと外れます。とり遅れると裂果したり鳥に食べられたりするので、色づいたものから順にこまめに収穫しましょう。
最も甘みがのるのは、気温が上がる前の朝の涼しい時間帯です。盛夏に着色が悪くなったら、混み合った下葉を整理して日当たりと風通しを改善すると、秋までおいしい実を楽しめます。
💡房ごと赤く熟す品種は、房どりにすると見栄えよく収穫できます。
Checklist
育てる前のチェックリスト
-
✓200〜500円
ミニトマトの苗
接ぎ木苗だと病気に強い。
-
✓500〜1,000円
野菜用培養土(25L)
元肥入りが手軽。
-
✓800〜2,000円
深型プランター(65cm)
深さ30cm以上が望ましい。
-
✓300〜700円
園芸支柱(150cm)
誘引用に2〜3本。
-
○400〜900円
野菜用液体肥料 (任意)
追肥に使用。
Pests & Diseases
かかりやすい病害虫
アブラムシ
よく発生症状: 新芽が縮れる、葉がべたつく、すす病を誘発。
予防: 風通しを良くし、窒素過多を避ける。シルバーマルチで忌避。
対処: 見つけ次第捕殺、牛乳スプレーや薬剤で防除。
灰色かび病
時々症状: 花弁や果実が褐変し灰色のカビに覆われる。
予防: 枯れ花をこまめに除去、密植を避ける。
対処: 罹病部を処分し殺菌剤を散布。
ヨトウムシ
時々症状: 葉に大きな食害痕、株元の地中に潜む。
予防: 防虫ネットで産卵を防ぐ。
対処: 夜間または株元を掘って捕殺、薬剤を使用。
コナジラミ
時々症状: 株を揺らすと白い虫が舞う、すす病を誘発。
予防: 黄色粘着トラップを設置、風通しを確保。
対処: 薬剤を散布、天敵を活用。
Nutrition
栄養と食べ方
- エネルギー
- 30kcal
- ビタミンC
- 32mg
- ビタミンA
- 80μg
- ビタミンK
- 7μg
- 葉酸
- 35μg
- 鉄
- 0.4mg
- カルシウム
- 12mg
- カリウム
- 290mg
- 食物繊維
- 1.4g
旬・味: 夏が旬。完熟すると甘みと酸味のバランスが良くなる。
保存: ヘタを取り、ポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保存。
Common mistakes
失敗あるある TOP3
⚠ 尻腐れ病
実の先端(尻)が黒く陥没して腐る生理障害です。
原因: カルシウム不足と水分の急変が主な原因です。
対策: 水やりを一定にし、カルシウム入り肥料を補います。石灰で土壌pHを調整します。
⚠ 実割れ
完熟前後の実の表面が裂けてしまう障害です。
原因: 土壌の急な乾湿差や雨による過剰な吸水。
対策: マルチングと安定した水やり、雨よけで予防します。
⚠ 青枯れ・しおれ
日中に株全体が急にしおれ、回復しなくなります。
原因: 青枯病(土壌伝染性の細菌)や水切れ。
対策: 連作を避け、発病株は早めに抜き取って処分します。
Companions
コンパニオンプランツ
FAQ
よくある質問
土の乾湿差が大きいと、急な吸水で実が膨らみ皮が裂けます。水やりを一定に保ち、マルチングで土の乾燥を防ぐと改善します。完熟前後は特に裂けやすいので、色づいた実は早めに収穫しましょう。
主枝1本仕立てでは取ったほうが実が充実します。ただし放任栽培向けの品種もあり、株を大きくして収量を増やしたい場合は脇芽を数本残す仕立て方もあります。
幅65cmの標準プランターで1〜2株が目安です。詰めすぎると風通しが悪くなり、病気や生育不良の原因になります。
日照不足や高温(30℃以上が続く)で着色が遅れます。下葉を整理して日当たりと風通しを良くし、真夏は遮光で株の負担を減らすと改善します。
遅霜の心配がなくなる4月下旬〜5月が適期です。気温が十分に上がってから植えると、低温による生育の停滞を防げます。寒冷地では5月中旬以降が安心です。
ミニトマトは一年草で1シーズンで枯れます。秋に株が弱ったら片付け、翌年は同じ土を避けて新しい用土で植え直します。連作するとナス科特有の病気が出やすくなります。
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