ピーマン
Capsicum annuum Bell Pepper
ピーマンは、暑さに強く病害虫にも比較的強いことから、初心者でも育てやすい夏の果菜の代表格です。一度実をつけ始めると、夏から秋にかけて長期間に...
かんたんに言うと
ピーマンは暑さに強く病害虫に強い初心者向けの夏野菜で、3本仕立てにし水と肥料を切らさず育てると長く収穫できます。
Profile
基本情報
ピーマンは、暑さに強く病害虫にも比較的強いことから、初心者でも育てやすい夏の果菜の代表格です。一度実をつけ始めると、夏から秋にかけて長期間にわたって次々と収穫でき、一株でもたっぷり楽しめるのが魅力。トウガラシの仲間ですが辛味のない品種で、ビタミンCやカロテンが豊富な緑黄色野菜です。
完熟させると赤や黄色に色づき、甘みが増した「カラーピーマン」になります。育て方はナスやトマトと共通点が多く、高温を好むため十分暖かくなってから植え付け、主枝と一番花の下の勢いの良いわき芽2本を残す「3本仕立て」にします。最初の実「一番果」は小さいうちに早めに収穫して株の充実を優先するのが、その後の収量を伸ばすコツ。
ナスほど水を必要としませんが、乾燥が続くと尻腐れ果が出やすいので、水切れとカルシウム不足には注意します。枝が細く実の重みで折れやすいので、支柱でしっかり支えましょう。比較的失敗が少なく、収穫期間も長いので、夏野菜づくりの入門としてとてもおすすめできる野菜です。
緑のまま収穫しても、完熟させて赤や黄に色づけても楽しめ、加熱に強いビタミンCの補給にも役立つため、一株あると食卓で重宝する家庭菜園の定番といえます。
💡豆知識
ピーマンは中南米原産で、トウガラシ(唐辛子)の仲間から辛味のない品種として育成されたものです。「ピーマン」という名前は、トウガラシを意味するフランス語「piment(ピマン)」に由来するといわれます。私たちがよく食べる緑色のピーマンは未熟な状態の実で、そのまま枝に残して完熟させると赤や黄色に色づき、苦味が抜けて甘みが増します。
大型で肉厚に改良されたものが「パプリカ」です。ピーマンのビタミンCは加熱しても壊れにくいのが特長で、これは豊富に含まれるビタミンPやカロテンが熱から守る働きをするためと考えられています。
Calendar
育成カレンダー
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 植え付け | 5月は植え付け | |||||||||||
| 収穫 | 6月は収穫 | 7月は収穫 | 8月は収穫 | 9月は収穫 | 10月は収穫 | |||||||
| 病害虫注意 | 6月は病害虫注意 |
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 植え付け | 5月は植え付け | |||||||||||
| 収穫 | 7月は収穫 | 8月は収穫 | 9月は収穫 | 10月は収穫 | ||||||||
| 病害虫注意 | 6月は病害虫注意 |
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 植え付け | 5月は植え付け | |||||||||||
| 収穫 | 6月は収穫 | 7月は収穫 | 8月は収穫 | 9月は収穫 | ||||||||
| 病害虫注意 | 6月は病害虫注意 |
数字は月を表します。色帯のある月がその作業の適期です。上のタブで地域を切り替えられます。
At a glance
ひと目でわかる特徴
Specs
形態と環境条件
形態
- 草丈
- 60〜90cm
- 株張り
- 40〜50cm
- 花のサイズ
- 直径1.5〜2cmの白い花
- 実のサイズ
- 長さ5〜7cm
環境条件
- 日照
- 日なた
- 耐寒温度
- 12℃
- 耐暑温度
- 35℃
- 土壌pH
- 6.0〜6.5
- 水やり
- 土の表面が乾いたらたっぷり。乾燥させすぎない。
- 肥料
- 化成肥料・液体肥料
How to grow
育て方ステップ
-
1
苗の植え付け
約1日ピーマンは高温を好み低温に弱いため、十分に暖かくなる5月以降に植え付けます。一番花のつぼみが見え、茎が太くがっしりした苗を選びます。ナス科の連作障害を避けるため、過去数年ナス科(トマト・ナス・ピーマン)を育てた場所は避けるか、接ぎ木苗を使うと安心です。
日当たりと水はけの良い場所を選び、株間は45〜50cmあけます。プランターは深さ30cm以上・容量15〜20Lのものに1株が目安です。植え付け後はたっぷり水を与え、仮支柱を添えて倒れないようにします。植え付け直後に低温が予想される場合は、あんどんで保温すると活着が良くなります。
💡高温性なので暖かくなってから。接ぎ木苗だと連作障害に強く安心です。
-
2
支柱立て・3本仕立て
約1日ピーマンは枝が細く、実の重みで簡単に折れてしまうため、支柱でしっかり支えることが大切です。仕立て方はナスと同じ「3本仕立て」が基本。最初の花(一番花)のすぐ下から伸びる勢いの良いわき芽2本と主枝の計3本を主軸として残し、それより下のわき芽はすべて摘み取ります。
3本に支柱を立てて誘引すると、株が安定し、日当たりと風通しも良くなります。一番花から上は自然に枝分かれしながら次々と花と実をつけるので、放任気味でも構いませんが、込み合った内向きの枝や枯れ葉は適宜整理して風通しを保ちます。
💡枝が折れやすいので支柱は必須。3本仕立てで株を安定させます。
-
3
一番果の早採り
約14日ナスやトマトと同じく、ピーマンも最初になる実「一番果」を、大きく育てる前に小さいうち(3〜4cmほど)で早めに収穫するのがコツです。株がまだ小さいうちに実を大きく育てると、養分が実に取られて株の生育が止まり、その後の収量が伸び悩んでしまいます。
一番果を早採りすることで、株は枝葉を伸ばすことに集中でき、夏以降にたくさんの実をつける丈夫な株に育ちます。最初の数個も小さめで採ると、より株が充実します。株がしっかり育ってきたら、あとは適期サイズで普通に収穫していきます。
💡一番果は小さいうちに収穫。株を優先すると後の収量が大きく伸びます。
-
4
水やり・追肥
約60日ピーマンはナスほど多水を必要としませんが、乾燥が続くと実の尻が黒くへこむ「尻腐れ果」が出やすくなります。これはカルシウムの吸収不足が主因で、急激な乾湿差が引き金になります。土の表面が乾いたらたっぷりと水を与え、極端な乾燥を避けることが大切です。
マルチングをすると水分が安定して効果的です。また、夏から秋まで長く実をつけ続けるため、最初の収穫が始まったら2〜3週間に1回の追肥を続け、肥料切れを防ぎます。葉の色が薄くなったり実つきが落ちたりしたら、肥料切れのサインなので追肥します。
💡乾燥と肥料切れで尻腐れや実つき低下に。水と追肥を安定して与えます。
-
5
収穫
約90日開花から2〜3週間ほど、実が5〜7cmほどに育ち、表面につやが出てふっくらしたら、緑色のうちに収穫します。とり遅れて株に実を残しすぎると、株が疲れてその後の実つきが悪くなるので、適期サイズになったものから次々とハサミで切り取って収穫していきます。
こまめに収穫することが、長く採り続ける秘訣です。なお、いくつかの実を収穫せずにそのまま枝に残しておくと、緑から赤や黄色へと完熟し、甘みの増したカラーピーマンとして楽しめます。ただし完熟には日数がかかり株も疲れるので、数個にとどめるのがおすすめです。
💡こまめに若どりすると株が疲れず、長期間たくさん収穫できます。
Checklist
育てる前のチェックリスト
-
✓200〜500円
ピーマンの苗
接ぎ木苗だと丈夫。
-
✓500〜1,000円
野菜用培養土(25L)
プランター栽培用。
-
✓800〜2,000円
深型プランター
深さ30cm以上。
-
✓300〜800円
園芸支柱
枝折れ防止の誘引に。
Pests & Diseases
かかりやすい病害虫
アブラムシ
よく発生症状: 新芽が縮れる、葉がべたつく、すす病を誘発。
予防: 風通しを良くし、窒素過多を避ける。シルバーマルチで忌避。
対処: 見つけ次第捕殺、牛乳スプレーや薬剤で防除。
ハダニ
時々症状: 葉に白いかすり状の斑点、ひどいと葉が枯れる。
予防: 葉裏への葉水で乾燥を防ぐ。
対処: 葉裏への葉水を継続し、専用の殺ダニ剤を使用する。
ヨトウムシ
時々症状: 葉に大きな食害痕、株元の地中に潜む。
予防: 防虫ネットで産卵を防ぐ。
対処: 夜間または株元を掘って捕殺、薬剤を使用。
コナジラミ
時々症状: 株を揺らすと白い虫が舞う、すす病を誘発。
予防: 黄色粘着トラップを設置、風通しを確保。
対処: 薬剤を散布、天敵を活用。
Nutrition
栄養と食べ方
- エネルギー
- 20kcal
- ビタミンC
- 76mg
- ビタミンA
- 33μg
- ビタミンK
- 20μg
- 葉酸
- 26μg
- 鉄
- 0.4mg
- カルシウム
- 11mg
- カリウム
- 190mg
- 食物繊維
- 2.3g
旬・味: 夏が旬。加熱しても壊れにくいビタミンCが豊富。
保存: 水気を拭き、ポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室へ。
Common mistakes
失敗あるある TOP3
⚠ 尻腐れ果
実の先端(尻)が黒く陥没して傷みます。
原因: カルシウム不足と急な乾湿差。
対策: 水やりを安定させ、カルシウムを補い、マルチで乾燥を防ぎます。
⚠ 枝折れ
実の重みや風で枝が折れます。
原因: 枝が細く支えが不足。
対策: 3本仕立てにして支柱でしっかり誘引・固定します。
⚠ アブラムシ・モザイク病
新芽にアブラムシがつき、葉に斑が出ます。
原因: アブラムシの吸汁とウイルス媒介。
対策: アブラムシを早期に防除し、罹病株は処分します。
Companions
コンパニオンプランツ
FAQ
よくある質問
カルシウム不足と急な乾湿差による「尻腐れ果」です。水やりを安定させ、カルシウム入り肥料を補い、極端な乾燥を避けると改善します。
いずれも同じトウガラシの仲間です。辛味のない大型・肉厚種がパプリカ、辛い品種がトウガラシ、緑のうちに食べる中型種が一般的なピーマンです。
緑の実を収穫せず枝に残して完熟させると、赤や黄色に色づき甘みが増します。ただし日数がかかり株が疲れるので、数個にとどめましょう。
株が小さいうちに実を大きくすると養分を奪われ生育が止まります。一番果を小さく早採りすると株が充実し、その後たくさん実ります。
暑さと病害虫に強く、ナスほど水管理も神経質でないため、夏野菜の中でも育てやすい部類です。支柱と追肥さえ押さえれば長く収穫できます。
深さ30cm以上・容量15〜20Lのプランターに1株が目安です。支柱を立て、水切れと肥料切れに注意して育てます。
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