トマト
Solanum lycopersicum Tomato
トマトは、夏の家庭菜園を代表する果菜で、真っ赤に完熟した大玉トマトを自分で収穫して頬張る味は、家庭栽培ならではの格別なおいしさです。日当たり...
かんたんに言うと
トマトは雨と過湿を嫌う夏の果菜で、雨よけして水を控えめにし、わき芽をかいて主枝1本に仕立て、尻腐れ防止に水やりを安定させるのがコツです。
Profile
基本情報
トマトは、夏の家庭菜園を代表する果菜で、真っ赤に完熟した大玉トマトを自分で収穫して頬張る味は、家庭栽培ならではの格別なおいしさです。日当たりさえよければプランターでも育てられ、1株からたくさん採れるので人気があります。大玉トマトは、ミニトマトに比べると実つきの管理や生理障害への対策がやや必要で、栽培の手応えと達成感を味わえる野菜です。
栽培で大切なポイントは、第一に、原産地が南米アンデスの乾燥地であることから、雨と過湿を嫌うため、雨よけをして水を控えめに育てると、甘く味の濃い実になること。第二に、放っておくとわき芽が次々伸びて養分が分散するので、わき芽をかき取って主枝1本に仕立て、支柱で支えること。
第三に、大玉トマト特有の、実の尻が黒くへこむ「尻腐れ症」は、カルシウム不足と水分の急変が原因なので、水やりを安定させることです。最初の花房をしっかり実らせると、その後の実つきが安定します。苗から育てるのが手軽で、植え付けは十分暖かくなった5月ごろ。
日当たりと風通しのよい場所で、雨よけと水加減、わき芽かきの3点を押さえれば、夏中、真っ赤な完熟トマトを次々と収穫できる、育てがいのある野菜です。樹上で真っ赤に熟させた採れたての実は、市販品では味わえない濃厚な甘みと酸味が凝縮されており、その一口こそが家庭菜園に挑戦する人へのいちばんのごほうびになります。
💡豆知識
トマトの原産地は南米アンデスの高地で、もともとは小さな実をつける野生種でした。16世紀にヨーロッパへ伝わった当初は、毒草に似たナス科であることから観賞用とされ、食用として広まったのは18世紀以降と意外に新しい歴史を持ちます。日本へは江戸時代に伝わりましたが、独特の青臭さから当初は普及せず、本格的に食べられるようになったのは明治以降です。
「トマトが赤くなると医者が青くなる」ということわざがあるほど栄養豊富で、赤い色素「リコピン」には強い抗酸化作用があるとされます。うま味成分のグルタミン酸を多く含み、加熱するとうま味が増すため、世界中の料理で愛されています。乾燥地原産のため、実は水を控えるほど糖度が上がり、甘くなる性質があります。
Calendar
育成カレンダー
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 植え付け | 5月は植え付け | |||||||||||
| 開花 | 6月は開花 | |||||||||||
| 収穫 | 7月は収穫 | 8月は収穫 | ||||||||||
| 追肥 | 7月は追肥 | |||||||||||
| 病害虫注意 | 6月は病害虫注意 |
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
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| 植え付け | 5月は植え付け | |||||||||||
| 開花 | 6月は開花 | |||||||||||
| 収穫 | 7月は収穫 | 8月は収穫 | ||||||||||
| 追肥 | 7月は追肥 | |||||||||||
| 病害虫注意 | 6月は病害虫注意 |
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
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| 植え付け | 5月は植え付け | |||||||||||
| 開花 | 6月は開花 | |||||||||||
| 収穫 | 7月は収穫 | 8月は収穫 | ||||||||||
| 追肥 | 7月は追肥 | |||||||||||
| 病害虫注意 | 6月は病害虫注意 |
数字は月を表します。色帯のある月がその作業の適期です。上のタブで地域を切り替えられます。
At a glance
ひと目でわかる特徴
Specs
形態と環境条件
形態
- 草丈
- 100〜200cm
- 株張り
- 40〜60cm
- 花のサイズ
- 直径約2cmの黄色い花
- 実のサイズ
- 直径6〜10cm(大玉)
環境条件
- 日照
- 日なた
- 耐寒温度
- 5℃
- 耐暑温度
- 35℃
- 土壌pH
- 6.0〜6.5
- 水やり
- 乾燥ぎみを好む。過湿厳禁。表面が乾いてからたっぷりが基本。
- 肥料
- 元肥(化成肥料)・追肥
How to grow
育て方ステップ
-
1
苗の選び方と植え付け
約7日大玉トマトは種からも育てられますが、発芽に高温が必要で日数もかかるため、苗から育てるのが手軽で確実です。よい苗は、茎が太く節間が詰まり、葉の色が濃く、最初の花房(一番花)のつぼみがついている、またはすでに咲いているものです。植え付けは、遅霜の心配がなくなり十分暖かくなった5月ごろ。
日当たりと水はけのよい場所に、株間40〜50cmで植えます。プランターは深さ30cm以上の大型のものに1株、野菜用培養土を使います。このとき、一番花の花房を通路側(同じ向き)に向けて植えると、その後の実も同じ側につき、収穫しやすくなります。植え付け直後にたっぷり水を与え、仮支柱を立てて固定します。接ぎ木苗は病気に強く、初心者にもおすすめです。
💡茎が太く一番花がついた苗を5月に植え付け。一番花を同じ向きにそろえると収穫しやすい。
-
2
支柱立てとわき芽かき
約60日トマトは草丈が高くなるので、植え付け後しっかりした支柱(150〜180cm)を立て、茎を麻ひもなどで8の字に結んで誘引します。最も大切な作業が「わき芽かき」。葉のつけ根から出る小さな芽(わき芽)を放っておくと、次々と枝分かれして養分が分散し、実つきや実の肥大が悪くなります。
家庭菜園では、主枝を1本だけ伸ばす「1本仕立て」が基本。わき芽は小さいうちに、晴れた日の午前中に手で摘み取ります(病気予防のため、はさみより手で)。主枝はぐんぐん伸びるので、成長に合わせて随時誘引します。支柱の高さまで伸びたら、先端を摘む「摘心」をして、それ以上の生長を止め、実の充実に養分を回します。
💡わき芽は小さいうちに手で摘み、主枝1本に仕立て。晴れた日の午前中に行います。
-
3
水やり・追肥・着果
約60日トマトは乾燥地原産で過湿を嫌います。水をやりすぎると実が水っぽくなり、味が薄くなったり、実が割れたりするので、土の表面が乾いてからたっぷりと、やや控えめに管理すると甘く味の濃い実になります。肥料は、元肥は控えめにし、最初の実がピンポン玉くらいになってから追肥を始めます。
初期に肥料(とくに窒素)が多すぎると、葉や茎ばかり茂って花や実がつかない「つるぼけ」になるので注意します。最初の花房は実つきが不安定なことがあり、確実に実らせると後が安定するので、必要に応じて着果促進剤(トマトトーンなど)を花に処理する方法もあります。実がつき始めたら2〜3週間ごとに追肥し、肥料切れを防ぎます。
💡水は控えめに甘く育てる。追肥は実つき後に開始。初期の窒素過多はつるぼけのもと。
-
4
雨よけと尻腐れ対策
約60日トマトは雨に弱く、雨に当たると実が割れたり、病気(疫病など)が出やすくなります。簡単な雨よけ(屋根状のビニール)を設けると、品質と健康が大きく向上します。大玉トマトで起こりやすいのが「尻腐れ症」。実の先(尻)が黒く陥没する生理障害で、カルシウムの吸収不足と、水分の急激な変化(乾燥と過湿の繰り返し)が主な原因です。
対策は、水やりを安定させて極端な乾湿差を作らないこと、敷きわらやマルチで土の乾燥を防ぐこと、カルシウムを含む肥料を適切に使うことです。発生した実は早めに取り除きます。病気の葉や下葉も整理して風通しを保つと、夏のあいだ健康に実をつけ続けられます。
💡雨よけで実割れと病気を防止。尻腐れは水やりを安定させカルシウム不足を防ぎます。
-
5
収穫
約60日大玉トマトは、開花から50〜60日ほどで収穫期を迎えます。家庭栽培の最大の特権は、実を樹上で真っ赤に完熟させてから収穫できること。実全体がヘタの近くまで赤く色づき、ツヤが出たら食べごろです。完熟した実は、ヘタの上の関節部分から手で軽くひねるか、ハサミで切って収穫します。
朝のうちに収穫すると、実が締まっておいしくいただけます。下の花房から順に熟していくので、こまめに見回って完熟した実から採ります。採り遅れると割れたり、鳥や虫に食べられたりするので注意します。完熟の自家製大玉トマトは、市販品とは比べものにならない濃厚な味わい。生で味わうほか、ソースやスープにしてもうま味が際立ちます。
💡ヘタの近くまで赤く完熟させてから収穫。朝採りが締まっておいしいです。
Checklist
育てる前のチェックリスト
-
✓200〜600円
トマトの苗
病気に強い接ぎ木苗もおすすめ。
-
✓300〜1,000円
支柱(150〜180cm)
背が高くなるので丈夫なものを。
-
✓500〜1,200円
野菜用培養土
大型プランター栽培用。
-
✓400〜900円
化成肥料
実つき後の追肥に。
Pests & Diseases
かかりやすい病害虫
アブラムシ
よく発生症状: 新芽が縮れる、葉がべたつく、すす病を誘発。
予防: 風通しを良くし、窒素過多を避ける。シルバーマルチで忌避。
対処: 見つけ次第捕殺、牛乳スプレーや薬剤で防除。
ヨトウムシ
時々症状: 葉に大きな食害痕、株元の地中に潜む。
予防: 防虫ネットで産卵を防ぐ。
対処: 夜間または株元を掘って捕殺、薬剤を使用。
コナジラミ
時々症状: 株を揺らすと白い虫が舞う、すす病を誘発。
予防: 黄色粘着トラップを設置、風通しを確保。
対処: 薬剤を散布、天敵を活用。
Nutrition
栄養と食べ方
- エネルギー
- 20kcal
- ビタミンC
- 15mg
- ビタミンA
- 45μg
- ビタミンK
- 4μg
- 葉酸
- 22μg
- 鉄
- 0.2mg
- カルシウム
- 7mg
- カリウム
- 210mg
- 食物繊維
- 1.0g
旬・味: 夏が旬。完熟果はうま味成分グルタミン酸とリコピンが豊富。
保存: 常温で追熟。完熟したらヘタを下にして冷蔵庫の野菜室へ。
Common mistakes
失敗あるある TOP3
⚠ 尻腐れ症
実の先が黒く陥没します。
原因: カルシウム吸収不足、水分の急変。
対策: 水やりを安定させ、マルチで乾燥を防ぎ、カルシウムを補います。発生果は除去します。
⚠ つるぼけ(葉ばかり茂る)
茎葉は旺盛だが花や実がつきません。
原因: 初期の窒素過多。
対策: 元肥を控え、追肥は実つき後に。わき芽かきと摘心で実に養分を回します。
⚠ 実割れ・疫病
実が割れ、葉や実に病斑が出ます。
原因: 雨や過湿、急な水分変化。
対策: 雨よけをし、水やりを安定させ、風通しを確保します。
FAQ
よくある質問
大玉トマトに多い「尻腐れ症」で、カルシウムの吸収不足と水分の急変が原因です。水やりを安定させて極端な乾湿差を避け、マルチで乾燥を防ぎ、カルシウムを含む肥料を適切に使います。
初期の肥料(とくに窒素)の与えすぎによる「つるぼけ」です。元肥を控えめにし、追肥は最初の実がついてから始めます。わき芽かきと摘心で養分を実に集中させます。
大玉トマトでは必要です。わき芽を放置すると養分が分散し実つきが悪くなります。主枝1本に仕立て、わき芽は小さいうちに晴れた日の午前中に手で摘み取ります。
トマトは乾燥地原産で、水を控えめにすると糖度が上がります。雨よけをして過湿を避け、実が色づき始めたら水をやや絞ると、味の濃い甘い実になります。やりすぎると実が割れるので加減します。
乾燥後に急に水を多く与えたり、雨に当たったりして、実が急に水を吸うと割れます。雨よけをし、水やりを安定させて急な乾湿差を避けると防げます。完熟前のこまめな収穫も有効です。
育てられます。深さ30cm以上の大型プランターに1株、支柱を立てて育てます。鉢は乾きやすく肥料も流れやすいので、水やりと追肥をこまめに行い、雨の当たらない場所に置くと管理しやすいです。
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