キュウリ
Cucumis sativus Cucumber
キュウリは、夏の家庭菜園で絶大な人気を誇るつる性の果菜です。生育がとても早く、植え付けからわずか1か月半ほどで収穫が始まり、最盛期には一株か...
かんたんに言うと
キュウリは日当たりの良い場所に苗を植え、支柱やネットに誘引し、水を切らさず追肥しながら育てると夏に次々収穫できる果菜です。
Profile
基本情報
キュウリは、夏の家庭菜園で絶大な人気を誇るつる性の果菜です。生育がとても早く、植え付けからわずか1か月半ほどで収穫が始まり、最盛期には一株から毎日のように実が採れるため、収穫の喜びを存分に味わえます。みずみずしくパリッとした食感は、もぎたてならではのごちそうです。
育て方のポイントは大きく三つ。第一に、つるが旺盛に伸びるので、支柱やネットを立てて上へ誘引し、風通しと日当たりを確保すること。第二に、実の95%以上が水分というほど水を好むため、とくに実がつき始めてからは水を切らさないこと。第三に、次々と実をならせて株が疲れやすいので、こまめな追肥で肥料切れを防ぐことです。
下のほうの子づるや古い葉を整理する「整枝(せいし)」をすると、風通しが良くなって病気を防ぎ、株の負担も軽くなります。うどんこ病やべと病が出やすいので、葉の様子をよく観察し、早めに対処するのが長く収穫を続けるコツです。とり遅れると巨大化して株が疲れるため、適期に若どりして次々と収穫していくのが、おいしさと収量を両立させる秘訣です。
プランターでも支柱を立てれば十分育てられます。最盛期には食べきれないほど次々と実ることもあり、もぎたてのパリッとした歯ごたえを味わえるのは家庭菜園ならではの楽しみ。夏の食卓を彩る、育てて満足度の高い人気野菜です。
💡豆知識
キュウリはウリ科の植物で、原産地はインドのヒマラヤ山麓とされ、3000年以上の栽培の歴史を持つといわれます。日本には平安時代までに伝わりましたが、本格的に食べられるようになったのは江戸時代以降です。果実の成分は95%以上が水分で、かつて「世界一栄養の少ない果実(野菜)」としてギネスブックに紹介されたこともあるほど。
とはいえ水分が多くカリウムを含むため、夏の水分・ミネラル補給に役立ちます。ヘタの近くに感じる苦味は「ククルビタシン」という成分によるもので、品種改良により近年はほとんど気にならなくなっています。
Calendar
育成カレンダー
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 植え付け | 4月は植え付け | 5月は植え付け | ||||||||||
| 収穫 | 6月は収穫 | 7月は収穫 | 8月は収穫 | |||||||||
| 追肥 | 6月は追肥 | |||||||||||
| 病害虫注意 | 6月は病害虫注意 |
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 植え付け | 5月は植え付け | |||||||||||
| 収穫 | 6月は収穫 | 7月は収穫 | 8月は収穫 | |||||||||
| 追肥 | 6月は追肥 | |||||||||||
| 病害虫注意 | 6月は病害虫注意 |
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 植え付け | 4月は植え付け | 5月は植え付け | ||||||||||
| 収穫 | 6月は収穫 | 7月は収穫 | 8月は収穫 | |||||||||
| 病害虫注意 | 6月は病害虫注意 |
数字は月を表します。色帯のある月がその作業の適期です。上のタブで地域を切り替えられます。
At a glance
ひと目でわかる特徴
Specs
形態と環境条件
形態
- 草丈
- 150〜200cm
- 株張り
- 40〜60cm
- 花のサイズ
- 直径2〜3cmの黄色い花
- 実のサイズ
- 長さ20〜22cm
環境条件
- 日照
- 日なた
- 耐寒温度
- 10℃
- 耐暑温度
- 35℃
- 土壌pH
- 6.0〜6.5
- 水やり
- 水を非常に好む。実つき後は毎日たっぷり、真夏は朝夕。
- 肥料
- 化成肥料・液体肥料
How to grow
育て方ステップ
-
1
苗の植え付け
約1日キュウリは生育が早く家庭では苗から育てるのが手軽です。遅霜の心配がなくなる4〜5月に、本葉が3〜4枚でがっしりした苗を選んで植えます。連作障害(同じ場所でウリ科を続けて育てると生育が悪くなる)が出やすいので、過去数年ウリ科を育てた場所は避けるか、接ぎ木苗を使うと安心です。
日当たりと風通し、水はけの良い場所を選び、株間は50cm前後あけます。プランターは深さ30cm以上・容量20L以上のものに1株が目安です。植え付け後はたっぷり水を与え、倒れないよう仮支柱を添えます。
💡接ぎ木苗は連作障害や病気に強く、初心者でも失敗しにくくおすすめです。
-
2
支柱立て・誘引
約1日キュウリはつるを伸ばして登っていくので、植え付け後すぐに高さ2m前後の支柱を立てるか、ネットを張って、つるを誘引できるようにします。地這いにすると場所をとり病気も出やすいため、家庭では立体栽培がおすすめです。つるが伸びてきたら、巻きひげで自分から絡みつきますが、最初のうちは麻ひもでゆるく支柱やネットに固定して、生長の向きを導いてやります。
きつく縛るとつるを傷めるので、余裕をもたせます。こまめに誘引してつるを上へ上へと整理すると、葉が重ならず日当たりと風通しが良くなり、病気の予防にもつながります。
💡ネットを使うと誘引が簡単で、収穫も見つけやすくなります。
-
3
整枝(せいし)
約60日キュウリを長く元気に収穫するには「整枝」が効果的です。株元から数えて5〜6節目までの子づる(わき芽)と雌花は、株を充実させるために早めに摘み取ります。それより上の子づるは、葉を1〜2枚残して先を摘み(摘心)、つるが茂りすぎないように管理します。
あわせて、黄ばんだ古い下葉や、病気の出た葉はこまめに取り除きます。これにより株元の風通しが良くなり、うどんこ病・べと病といった病気を予防できます。つると葉を整理することは、限られた養分を実に集中させ、株の寿命を延ばすことにもつながります。
💡下のほうの子づると古葉を整理すると、病気を防ぎ収穫期間が延びます。
-
4
水やり・追肥
約60日キュウリは実の95%以上が水分というほど水を必要とする野菜です。とくに実がつき始めてからは、水切れすると実が曲がったり苦くなったり、株が一気に弱ったりします。土の表面が乾いたらたっぷりと、真夏は朝夕2回を目安に水を与えます。また、次々と実をならせるため株は非常に疲れやすく、肥料切れも実の変形や生育不良の原因になります。
最初の実が採れ始めたら、1〜2週間に1回のペースで追肥を続け、肥料を切らさないようにします。マルチングをすると、土の乾燥防止と地温の安定に役立ち、水やりの手間も減らせます。
💡水と肥料を切らさないことが、まっすぐで瑞々しい実を採り続ける鍵です。
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5
収穫
約60日開花から1週間〜10日ほど、実の長さが20cm前後になったら収穫の適期です。キュウリはとにかく生長が早く、1日で数cm伸びることもあるため、こまめに見回って若いうちに収穫する「若どり」が基本です。とり遅れて実を大きくしすぎると、株がそちらに養分を奪われて疲れ、その後の実つきが一気に悪くなってしまいます。
とくに最初のうちは、やや小さめのうちに早めに収穫すると株が長持ちします。収穫はハサミでヘタの上を切り取ります。朝のうちに採ると、みずみずしさと歯ごたえが格別です。次々採って株の勢いを保ちましょう。
💡若どりが鉄則。とり遅れると株が疲れてその後の収量が落ちます。
Checklist
育てる前のチェックリスト
-
✓200〜500円
キュウリの苗
接ぎ木苗だと丈夫。
-
✓500〜1,000円
野菜用培養土(25L)
プランター栽培用。
-
✓800〜2,000円
深型プランター
深さ30cm以上。
-
✓500〜1,500円
支柱・園芸ネット
つるの誘引に。
Pests & Diseases
かかりやすい病害虫
アブラムシ
よく発生症状: 新芽が縮れる、葉がべたつく、すす病を誘発。
予防: 風通しを良くし、窒素過多を避ける。シルバーマルチで忌避。
対処: 見つけ次第捕殺、牛乳スプレーや薬剤で防除。
ハダニ
時々症状: 葉に白いかすり状の斑点、ひどいと葉が枯れる。
予防: 葉裏への葉水で乾燥を防ぐ。
対処: 葉裏への葉水を継続し、専用の殺ダニ剤を使用する。
うどんこ病
よく発生症状: 葉表が白い粉をまぶしたようになる。
予防: 風通しと日当たりを確保、過湿を避ける。
対処: 罹病部を除去し、重曹スプレーや殺菌剤を散布する。
べと病
時々症状: 葉表に黄色い角張った斑、葉裏に灰白色のカビ。
予防: 水はけと風通しを改善、過湿を避ける。
対処: 罹病部を除去し殺菌剤を散布。
Nutrition
栄養と食べ方
- エネルギー
- 13kcal
- ビタミンC
- 14mg
- ビタミンA
- 28μg
- ビタミンK
- 34μg
- 葉酸
- 25μg
- 鉄
- 0.3mg
- カルシウム
- 26mg
- カリウム
- 200mg
- 食物繊維
- 1.1g
旬・味: 夏が旬。みずみずしくパリッとした食感。
保存: 水気を拭き、ポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室で立てて保存。
Common mistakes
失敗あるある TOP3
⚠ うどんこ病・べと病
葉が白くなる、または葉裏に病斑が出て枯れます。
原因: 風通しの悪さと多湿。
対策: 整枝で風通しを良くし、古葉・罹病葉を除去、必要なら薬剤を使います。
⚠ 曲がり果・尻細り果
実が曲がる、先が細くなるなど形が乱れます。
原因: 水切れ・肥料切れ・株の疲れ。
対策: 水と追肥を切らさず、とり遅れを避けて株の負担を減らします。
⚠ 実つきが悪い
花は咲くが実が大きくならない・少ない。
原因: 整枝不足や高温・乾燥、株の老化。
対策: 整枝で養分を集中させ、水やりと追肥を見直します。
Companions
コンパニオンプランツ
🤝 相性の良い植物
- エダマメ — マメ科のエダマメが根粒菌で土を豊かにし、キュウリの生育を助けます。
FAQ
よくある質問
水切れや肥料切れ、株の疲れが主な原因です。水と追肥を切らさず、とり遅れた大きな実は早めに収穫して株の負担を減らしましょう。
うどんこ病の可能性が高いです。風通しを良くし、古葉や罹病葉を除去します。多湿で葉裏に病斑が出るべと病にも注意が必要です。
本葉3〜4枚で茎が太く節間の詰まった苗を選びます。連作障害や病気が心配なら、丈夫な台木に接いだ接ぎ木苗がおすすめです。
深さ30cm以上・容量20L以上のプランターに1株、支柱かネットを立てれば育てられます。土が乾きやすいので水やりはこまめにします。
株元から5〜6節目までの子づると雌花は早めに摘み、株を充実させます。上部の子づるは葉を残して摘心し、茂りすぎを防ぎます。
一般に6〜8月が最盛期です。株が疲れて秋まで続けにくいので、長く採りたい場合は7月ごろに2回目を植える「ずらし栽培」も有効です。
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