ツルナ
Tetragonia tetragonioides New Zealand spinach
ツルナは、海岸の砂地に自生する、多肉質の、つる状に伸びる葉物野菜で、暑さや、乾燥、塩分に、たいへん強く、ホウレンソウの育ちにくい、暑い季節に...
かんたんに言うと
ツルナ(蔓菜・ハマヂシャ)は、海岸に自生する多肉質の葉物野菜で、暑さ・乾燥・塩分に非常に強く「夏のホウレンソウ」として重宝されます。さっとゆでておひたしや炒め物に。β-カロテンやミネラルが豊富。つるを伸ばし夏じゅう次々収穫でき、丈夫で育てやすい夏野菜です。
Profile
基本情報
ツルナは、海岸の砂地に自生する、多肉質の、つる状に伸びる葉物野菜で、暑さや、乾燥、塩分に、たいへん強く、ホウレンソウの育ちにくい、暑い季節に、その代わりとして、重宝される、たくましい夏野菜です。漢字では「蔓菜(つるな)」と書き、つる状に、地をはうように、茎を伸ばして広がります。
別名を「ハマヂシャ(浜萵苣)」といい、「浜辺に生える、チシャ(レタス)」という意味。日本をはじめ、太平洋沿岸の、温暖な地域に、広く自生する、海浜植物です。三角形に近い、多肉質で、厚みのある葉と、やわらかい茎の先を、食用にします。さっと、ゆでると、ホウレンソウに、似た風味と、とろりとした、ぬめりが出て、おひたしや、和え物、炒め物、汁の具などで、楽しめます。
ツルナは、β-カロテンや、ビタミン、カルシウム、鉄などの、ミネラルを、豊富に含む、栄養価の高い、緑黄色野菜。かつて、18世紀に、太平洋を探検した、イギリスの、クック船長が、船員の、壊血病(ビタミンC不足の病気)予防のために、ツルナを、野菜として、採取し、利用したという、逸話でも、知られ、英名の「ニュージーランド・スピナッチ(New Zealand spinach)」も、その航海に、ちなみます。
海岸植物だけあって、暑さ・乾燥・やせ地・潮風に、めっぽう強く、病害虫も、少なく、いったん根づくと、つるを伸ばしながら、夏の間じゅう、次々と、やわらかい茎葉を、収穫できる、たいへん丈夫で、育てやすい野菜です。暑さで、葉物が、不足しがちな、真夏に、頼れる、貴重な、緑の野菜です。
💡豆知識
ツルナ(蔓菜)の英名「ニュージーランド・スピナッチ(New Zealand spinach=ニュージーランドのホウレンソウ)」には、有名な、歴史の逸話が、あります。18世紀、太平洋を探検した、イギリスの、ジェームズ・クック船長(キャプテン・クック)の、航海に、同行した、植物学者の、ジョセフ・バンクスらが、ニュージーランドなどで、自生するツルナを見つけ、長い航海で、新鮮な野菜が、不足して、船員を、悩ませた「壊血病(ビタミンC不足による病気)」の、予防のために、ツルナを、野菜として、採取し、食べたと、伝えられています。
こうして、ツルナは、ヨーロッパに、紹介され、「ニュージーランドのホウレンソウ」として、知られるように、なりました。じつは、ツルナは、ニュージーランドだけでなく、日本を含む、太平洋沿岸の、広い地域に、もともと自生する、海浜植物で、日本では、古くから、「ハマヂシャ(浜萵苣)」、つまり「浜のチシャ(レタス)」と呼ばれ、海辺の、食べられる野草として、親しまれてきました。
海岸という、塩分が多く、乾燥しやすく、養分の、とぼしい、きびしい環境に、適応しているため、暑さ・乾燥・塩分に、めっぽう強い、たくましさを、もちます。この、たくましさのおかげで、ホウレンソウが、暑さで、育ちにくい真夏でも、よく育ち、「夏のホウレンソウ」として、家庭菜園でも、重宝されています。葉を、ゆでると出る、軽いぬめりと、青みのある風味が、特徴です。
Calendar
育成カレンダー
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 種まき | 5月は種まき | |||||||||||
| 収穫 | 7月は収穫 | 9月は収穫 | ||||||||||
| 追肥 | 8月は追肥 |
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
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| 種まき | 5月は種まき | |||||||||||
| 収穫 | 7月は収穫 | 9月は収穫 | ||||||||||
| 追肥 | 8月は追肥 |
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 種まき | 5月は種まき | |||||||||||
| 収穫 | 7月は収穫 | 9月は収穫 | ||||||||||
| 追肥 | 8月は追肥 |
数字は月を表します。色帯のある月がその作業の適期です。上のタブで地域を切り替えられます。
At a glance
ひと目でわかる特徴
Specs
形態と環境条件
形態
- 草丈
- 20〜60cm
- 株張り
- 40〜100cm
- 花のサイズ
- 黄緑色の小花(葉の付け根に咲く・目立たない)
- 実のサイズ
- こぶ状の硬い果実(中に種子)
環境条件
- 日照
- 日なた
- 耐寒温度
- 5℃
- 耐暑温度
- 40℃
- 土壌pH
- 6.0〜7.5
- 水やり
- 乾燥に強いが、やわらかい茎葉を育てるには土が乾いたらたっぷり。過湿は避ける。
- 肥料
- 化成肥料・有機質肥料
How to grow
育て方ステップ
-
1
種まき(皮が硬いので一晩水につける)
約21日ツルナは、種から、手軽に育てられますが、ひとつ、コツがあります。ツルナの種は、こぶ状の、硬い殻に、包まれていて、そのままでは、水を、吸いにくく、発芽が、そろいにくい性質があります。そこで、まく前に、種を、一晩(半日〜1日)、水につけて、殻を、やわらかくしてから、まくと、発芽が、よくなります。
種まきの適期は、暖かくなった、春から初夏(4〜6月ごろ)。ツルナは、高温を好み、寒さに弱いので、十分に、暖かくなってから、まきます。発芽適温は、20度以上。種は、畑や、プランターに、点まき(数粒ずつ、ところどころにまく)するか、すじまきします。
覆土は、1〜2cmほど。発芽までは、土を、乾かさないように、管理すると、10日から3週間ほどで、芽が出ます。やや、発芽に、日数がかかり、ばらつくこともあるので、気長に待ちます。発芽したら、混み合ったところを、間引いて、最終的に、株間を、30〜40cmほど、あけます。
ツルナは、つるを、地をはうように、横に広げて、大きく茂るので、株間を、広めに、とるのが、ポイント。植え付け場所は、日当たりのよい場所が基本で、海浜植物だけあって、水はけのよい、やせ地でも、よく育ちます。元肥を、すき込んでおくと、よりよく育ちます。
💡種は皮が硬いので一晩水につけてからまく。暖かくなった春〜初夏に、株間30〜40cmと広めに。日当たり・水はけよく。発芽はやや気長に。
-
2
水やりと追肥
約30日ツルナは、海岸の砂地に生える、海浜植物だけあって、乾燥には、たいへん強い野菜です。地植えで、いったん根づけば、よほど、乾燥が続かないかぎり、自然の雨だけでも、たくましく育ち、水やりに、神経質に、なる必要は、ありません。ただし、家庭菜園で、やわらかく、おいしい茎葉を、たくさん収穫するには、土が、乾いたら、たっぷりと、水を与えるのが、よいです。
とくに、生育の盛んな、真夏は、乾きやすいので、極端な、水切れは、避けます。水が、足りないと、茎葉が、硬くなりがちです。一方、もともと、水はけのよい砂地を好むので、いつも、じめじめした、過湿は、苦手。水はけのよい状態を、保ちます。プランター栽培は、畑より乾きやすいので、土の乾き具合を見て、水やりします。
肥料は、ツルナは、やせ地でも、よく育つ、たくましい野菜なので、それほど、多くは、必要ありませんが、収穫が、長く続くので、適度な追肥は、効果的です。植え付け時の、元肥に加えて、収穫が、始まったら、2〜3週間に一度を目安に、化成肥料や、液体肥料を、追肥すると、次々と、やわらかい茎葉が出て、長く収穫を、楽しめます。肥料が、切れると、茎葉が、硬くなりやすいので、収穫しながら、こまめに、補います。
💡海浜植物で乾燥に非常に強く地植えは水やり控えめでOK。やわらかく育てるには乾いたらたっぷり。過湿は避ける。追肥は2〜3週に一度。
-
3
つる先を摘み取って収穫する
約90日ツルナの収穫は、つるが、伸びて、わき芽が、茂ってきたら、始められます。種まきから、おおむね50〜70日ほどが目安です。収穫の方法は「摘み取り」。つる先の、やわらかい部分(先端から10〜15cmほど)と、やわらかい若葉を、手で折り取るか、ハサミで、切り取って収穫します。
このとき、ただ先端を摘むだけでなく、わき芽(葉の付け根から出る芽)を、残して、その上で摘むのが、コツ。摘み取った後、残したわき芽が、伸びて、新しい収穫枝になり、収穫すればするほど、わき芽が、次々と出て、こんもりと茂り、収穫量が、増えていきます。
これを、繰り返すと、夏の間じゅう、長い期間、やわらかい茎葉を、次々と、収穫できます。つる先を、こまめに摘むことは、わき芽を、増やして、収穫量を上げる「摘心」にもなり、一石二鳥です。収穫が遅れて、つるや茎が、硬くなった部分は、すじっぽいので、やわらかい、先のほうだけを使います。
収穫適期は、初夏から、霜の降りる前の、秋まで(6〜10月ごろ)。真夏が、いちばんの最盛期です。ホウレンソウが、暑さに弱く、育ちにくい真夏に、ツルナは、元気に茂り、葉物野菜として、たいへん重宝します。とれたての、やわらかい茎葉を、収穫して、夏の食卓の、緑として、楽しみましょう。
💡つる先10〜15cmと若葉を、わき芽を残して摘み取る。摘むほどわき芽が増え収穫量アップ。最盛期は真夏。硬い部分は避ける。
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4
ゆでてアクを抜き、食べる
約1日ツルナを、おいしく食べるための、大切なポイントが「アク抜き」です。ツルナの、生の葉には、シュウ酸など、えぐみ(アク)のもとになる成分が、含まれているため、生のままでは、なく、さっと、ゆでてから、調理するのが、基本です。ホウレンソウと、同じように、収穫した、やわらかい茎葉を、よく洗い、たっぷりの、お湯で、さっと(30秒〜1分ほど)ゆでて、すぐに、冷水にとり、水けを、しぼります。
こうすると、アクが、ほどよく抜けて、青みのある風味と、とろりとした、軽いぬめりのある、おいしい青菜になります。ゆですぎると、食感や、色が、悪くなるので、ゆで時間は、短めにします。アク抜きした、ツルナは、おひたしや、和え物、ごまあえ、からしあえ、汁ものの具、油での炒め物、バター炒め、スムージーなど、ホウレンソウの代わりに、さまざまな料理に、使えます。
多肉質で、厚みのある葉は、加熱しても、ほどよい歯ざわりが残り、ぬめりと、青みのある風味が、特徴。くせは、それほど強くなく、ホウレンソウより、淡白で、食べやすい、という人も、多いです。とれたての、ツルナを、ゆでて、夏の青菜として、味わうのが、家庭菜園ならではの、よろこびです。生食は、アクのため、おすすめしないので、必ず、加熱して、食べましょう。
💡シュウ酸などのアクがあるので、さっと(30秒〜1分)ゆでて冷水にとりアク抜きしてから調理。生食は避ける。おひたし・炒め物などホウレンソウ代わりに。
-
5
夏越し・冬越しと長く楽しむコツ
約120日ツルナは、暑さに、ずば抜けて強いので、真夏の管理に、特別な苦労は、ほとんどありません。むしろ、暑く、ほかの葉物が、育ちにくい真夏ほど、元気に茂り、収穫できる、頼れる野菜です。水と肥料を、切らさず、つる先を、こまめに摘んで、わき芽を、更新させていけば、夏の間じゅう、次々と、やわらかい茎葉を、収穫できます。
病害虫も、少なく、丈夫なので、ほとんど、手がかかりません。夏の間に、葉の付け根に、黄緑色の、小さな花を咲かせ、やがて、こぶ状の、硬い果実(種)を、つけます。花や、実が、ついても、葉は、引き続き、収穫できます。ツルナは、暖かい地方の、海辺では、多年草として、冬を越して、毎年、芽吹くこともありますが、寒さには、それほど強くなく、霜が、降りる地域では、冬に、枯れる、一年草あつかいに、なります。
寒くなったら、収穫を終え、株を、片付けます。こぼれ種や、落ちた果実から、翌年、自然に、芽が出てくることも、多く、いちど育てると、毎年、勝手に、生えてくる、ということもあります。ツルナを、長く楽しむコツは、つる先を、こまめに摘んで、わき芽を、増やし、株を、若く保つこと。
海岸生まれの、たくましさで、暑さ・乾燥・やせ地・潮風に強く、初心者でも、失敗が少ないので、夏の、葉物不足を、補う、頼れる緑の野菜として、おすすめです。
💡暑いほどよく育ち病害虫も少ない。つる先をこまめに摘んでわき芽を更新。暖地の海辺では多年草、霜の降りる地域では一年草。こぼれ種でふえることも。
Checklist
育てる前のチェックリスト
-
✓200〜400円
ツルナの種
春〜初夏に出回る。一晩水につけてからまく。
-
○400〜1,000円
野菜用培養土・元肥 (任意)
水はけのよい土。やせ地でも育つ。
-
○400〜1,500円
プランター (任意)
つるが広がるので大きめが向く。
-
○400〜1,000円
化成肥料・液体肥料 (任意)
収穫期の追肥用。
Pests & Diseases
かかりやすい病害虫
アブラムシ
まれ症状: 新芽が縮れる、葉がべたつく、すす病を誘発。
予防: 風通しを良くし、窒素過多を避ける。シルバーマルチで忌避。
対処: 見つけ次第捕殺、牛乳スプレーや薬剤で防除。
Nutrition
栄養と食べ方
- エネルギー
- 15kcal
- ビタミンC
- 22mg
- ビタミンA
- 270μg
- ビタミンK
- 310μg
- 葉酸
- 90μg
- 鉄
- 3.0mg
- カルシウム
- 58mg
- カリウム
- 300mg
- 食物繊維
- 2.3g
旬・味: 初夏〜秋が旬。ゆでるとホウレンソウに似た風味と軽いぬめりが出る。β-カロテン・鉄・ビタミンKが豊富な「夏のホウレンソウ」。
保存: 湿らせた紙に包みポリ袋で冷蔵庫の野菜室へ。早めに使う。ゆでて水けをしぼり冷凍も可。
Common mistakes
失敗あるある TOP3
⚠ 種が発芽しない・そろわない
なかなか芽が出ず、発芽がばらつきます。
原因: 種の殻が硬く水を吸いにくい。低温期にまいた。
対策: 種を一晩水につけてからまき、暖かくなってから種まきします。発芽に日数がかかるので気長に待ちます。
⚠ アクを抜かず食べてえぐい
生やゆで不足だと、えぐみ(アク)が残ります。
原因: シュウ酸などのアクを抜かなかった。
対策: さっとゆでて冷水にとり、アクを抜いてから調理します。生食は避けます。
⚠ 収穫遅れで茎葉が硬くなる
つるや茎がすじっぽく硬くなります。
原因: 収穫の遅れ、水・肥料の不足。
対策: やわらかいつる先をこまめに摘み、水と肥料を切らさないようにします。
FAQ
よくある質問
はい、ツルナは暑さ・乾燥・やせ地・潮風に非常に強い海浜植物で、病害虫も少なく、たいへん丈夫で育てやすい夏野菜です。つるを伸ばし、つる先を摘めばわき芽が次々出て夏じゅう収穫できます。種の皮が硬いので一晩水につけてからまくこと、食べるときはゆでてアクを抜くこと、この2点を押さえれば初心者にもおすすめです。
暑さを好み寒さに弱いので、暖かくなった春から初夏(4〜6月ごろ)が種まきの適期です。種は皮が硬いので一晩水につけてからまくと発芽がそろいます。発芽にやや日数がかかるので気長に待ちます。収穫は初夏から霜が降りる前の秋までで、真夏が最盛期。ホウレンソウが育ちにくい暑い時期に重宝します。
いいえ、ツルナの生葉にはシュウ酸などのアク(えぐみ)が含まれるので、生食は避け、さっとゆでてアクを抜いてから食べます。たっぷりのお湯で30秒〜1分ほどゆで、冷水にとって水けをしぼれば、青みのある風味のおいしい青菜になります。おひたしや和え物、炒め物など、ホウレンソウの代わりに使えます。
つる先のやわらかい部分を、わき芽を残して摘み取ることです。摘んだあと残したわき芽が次々伸びて新しい収穫枝になり、収穫するほど茂って収穫量が増えます。これは摘心もかねています。水と肥料を切らさず、つる先をこまめに摘んで株を若く保つと、夏じゅう長くたくさん収穫できます。
ホウレンソウは暑さに弱く真夏に育ちにくいのに対し、ツルナは暑さに非常に強く、真夏でもよく茂って収穫できるからです。ゆでるとホウレンソウに似た風味と軽いぬめりが出て、同じように青菜として使えます。英名の「New Zealand spinach(ニュージーランドのホウレンソウ)」も、ホウレンソウの代用として使われたことにちなみます。
ツルナはβ-カロテン、ビタミン、カルシウム、鉄などのミネラルを豊富に含む緑黄色野菜です。かつてクック船長の航海で、ビタミンC不足による壊血病の予防に野菜として利用されたという逸話でも知られます。暑さで葉物が不足しがちな夏に、貴重な緑の栄養源になります。
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