スイカ
Citrullus lanatus Watermelon
スイカは、真夏の青空の下で味わう、みずみずしく甘い果肉が格別な、夏を代表する果菜です。植物としてはウリ科のつる性野菜で、地面につるを長く伸ば...
かんたんに言うと
スイカは暑さを好むウリ科のつる野菜。5月以降に植え、雌花は午前中に人工授粉して受粉日を記録し収穫日を見極めます。小玉スイカや空中栽培が家庭向きです。
Profile
基本情報
スイカは、真夏の青空の下で味わう、みずみずしく甘い果肉が格別な、夏を代表する果菜です。植物としてはウリ科のつる性野菜で、地面につるを長く伸ばして大きな実をつけます。家庭菜園では難易度はやや高めですが、自分で育てた採れたてのスイカを切ったときの感動は格別。
広いスペースが必要な大玉スイカに対し、コンパクトに育てられて受粉から収穫までの日数も短い「小玉スイカ」は、家庭菜園や、支柱とネットで立体的に育てる「空中栽培」にも向き、初心者にもおすすめです。栽培のポイントは、第一に、暑さと日ざしが大好きなので、十分暖かくなった5月以降に、日当たりのよい場所に植えること(寒さに弱い)。
第二に、確実に実をつけるため、雌花が咲いた日の午前中に「人工授粉」をし、受粉した日を記録して収穫日を見極めること。第三に、つるを整理する「整枝」をして、実つきと風通しをよくすること。乾燥には比較的強い一方、過湿や水のやりすぎは味を薄くするので、実の肥大後は水を控えると糖度が上がります。
受粉後、小玉で35〜40日ほど、大玉で45〜50日ほどが収穫の目安。手をかけた分だけ甘く実る、夏の家庭菜園の憧れの作物です。つるを伸ばし、人工授粉をして、受粉からの日数を数えながら収穫の日を待つ過程そのものが夏の大きな楽しみで、自分で育てた一玉を割ったときの感動は、何物にも代えがたいものがあります。
💡豆知識
スイカの原産地はアフリカで、古代エジプトでは4000年以上前から栽培されていたとされ、ツタンカーメンの墓からも種が見つかっています。乾燥地で育つスイカは、95%が水分という、まさに「食べる水分補給」。漢字の「西瓜」は、中国の西方(シルクロード)から伝わった瓜という意味で、日本へは比較的新しく、室町〜江戸時代に伝わったとされます。
私たちが「果物」として食べるスイカですが、畑で一年草のつるに実る草本性の作物のため、栽培・分類上は「野菜(果実的野菜)」に位置づけられます。赤い果肉の色素は、トマトにも含まれるリコピンで、抗酸化作用が注目されています。果肉の縞模様や、黄色い果肉の品種、種なしスイカなど多彩。果肉だけでなく、白い皮の部分も漬物や炒め物で食べられ、無駄なく楽しめます。
Calendar
育成カレンダー
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 植え付け | 5月は植え付け | |||||||||||
| 開花 | 6月は開花 | |||||||||||
| 収穫 | 7月は収穫 | 8月は収穫 | ||||||||||
| 追肥 | 7月は追肥 | |||||||||||
| 病害虫注意 | 6月は病害虫注意 |
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
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| 植え付け | 5月は植え付け | |||||||||||
| 開花 | 6月は開花 | |||||||||||
| 収穫 | 7月は収穫 | 8月は収穫 | ||||||||||
| 追肥 | 7月は追肥 | |||||||||||
| 病害虫注意 | 6月は病害虫注意 |
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
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| 植え付け | 5月は植え付け | |||||||||||
| 開花 | 6月は開花 | |||||||||||
| 収穫 | 7月は収穫 | 8月は収穫 | ||||||||||
| 追肥 | 7月は追肥 | |||||||||||
| 病害虫注意 | 6月は病害虫注意 |
数字は月を表します。色帯のある月がその作業の適期です。上のタブで地域を切り替えられます。
At a glance
ひと目でわかる特徴
Specs
形態と環境条件
形態
- 草丈
- 20〜40cm
- 株張り
- 200〜400cm
- 花のサイズ
- 直径3〜4cmの黄色い花
- 実のサイズ
- 小玉1.5〜3kg/大玉5〜8kg
環境条件
- 日照
- 日なた
- 耐寒温度
- 8℃
- 耐暑温度
- 40℃
- 土壌pH
- 6.0〜6.5
- 水やり
- 生育期はたっぷり。実の肥大後は控えめにすると糖度が上がる。
- 肥料
- 元肥(化成肥料)・追肥
How to grow
育て方ステップ
-
1
苗の植え付け
約7日スイカは種からも育てられますが、発芽に高温が必要で日数もかかるため、苗から育てるのが手軽で確実です。病気に強く育てやすい「接ぎ木苗」が初心者にはとくにおすすめ。家庭では、コンパクトな「小玉スイカ」が育てやすく人気です。植え付け適期は、十分暖かくなった5月以降(寒さに弱いので遅霜の心配がなくなってから)。
日当たりと水はけのよい場所を選びます。つるが2〜4mと長く伸びて広がるので、大玉は1株あたり2〜3㎡の広いスペースが必要です。小玉スイカなら、支柱とネットを立ててつるを上に誘引する「空中栽培」で、省スペースに育てられ、プランターでも挑戦できます。
株間は90cm以上(空中栽培は狭めも可)。植え付け後はたっぷり水を与え、根づくまで管理します。地温を上げ、泥はね(病気)と乾燥、雑草を防ぐため、黒マルチを張ると生育がよくなります。
💡寒さに弱いので5月以降に。家庭は小玉スイカや空中栽培が手軽。接ぎ木苗が育てやすいです。
-
2
整枝(つるの整理)
約30日スイカを上手に育てるには、つるを整理する「整枝(せいし)」が大切です。放任するとつるが暴れて養分が分散し、実つきが悪くなります。基本は、勢いの強い「親づる」の本葉が5〜6枚になったら先端を摘む「摘心」をして、そこから伸びる「子づる」を3〜4本だけ残し、ほかは早めにかき取ります。
残した子づるを、放射状にバランスよく配置して伸ばします。子づるから出る「孫づる」は、実をつける前は整理し、着果後は伸ばしてよいなど、品種や仕立てで調整します。空中栽培の場合は、子づるを1〜2本に絞り、支柱に誘引します。整枝をすると、養分が必要なつると実に集中し、風通しもよくなって病気を防げます。つるが地面を移動するうちに節から根を出す(不定根)ので、つるの位置が定まったら、軽く土をかけて固定すると安定します。
💡親づるを本葉5〜6枚で摘心し、子づる3〜4本を残して放射状に伸ばします(空中栽培は1〜2本)。
-
3
人工授粉と着果
約14日スイカを確実に実らせるには「人工授粉」が重要です。スイカには雄花と雌花があり、花のつけ根に小さな実(子房)のふくらみがあるのが雌花です。よく晴れた日の朝(開花後数時間が勝負)に、咲いたばかりの雄花を摘み取り、花びらを除いて、おしべの花粉を雌花のめしべにやさしくつけます。
気温が低い朝や雨の日は受粉しにくいので、晴れた日の午前中に行います。重要なのが、受粉した日付を必ず記録しておくこと。これが、後の収穫適期を見極める最大の手がかりになります。実をつける位置も大切で、子づるの根元に近すぎる実は小さくなりやすいので、子づるの15〜22節目あたり(株から離れた位置)についた雌花に受粉させると、大きく甘い実になります。1本のつるに複数着果したら、形のよい実を残して摘果し、養分を集中させます。
💡晴れた日の朝に雄花の花粉を雌花につける人工授粉を。受粉日を必ず記録して収穫日に備えます。
-
4
玉直し・水管理と病気対策
約30日実が握りこぶし大に育ってきたら、追肥をして実を太らせます(着果前の追肥はつるぼけの原因になるので、着果を確認してから施します)。実が大きくなる過程で、地面に接した部分の色が悪くなったり、形がいびつになったりするのを防ぐため、ときどき実の向きを変える「玉直し」をし、実の下に敷きわらや専用の台(果実マット)を敷いて、地面からの湿気や傷み、虫から守ります。
空中栽培では、大きくなった実が落ちないよう、ネットの袋などで吊って支えます。水管理のコツとして、生育期はたっぷり与えますが、実が十分大きくなってきたら水を控えめにすると、果肉に糖が凝縮されて甘くなります。雨に当たると味がぼやけ、つる枯病やうどんこ病も出やすいので、注意します。葉に白い粉が出るうどんこ病は、風通しを確保し、早めに対処します。
💡着果後に追肥。玉直しと敷きわらで実を守り、肥大後は水を控えると糖度が上がります。
-
5
収穫の見極め
約14日スイカ栽培の最大の難関が、収穫適期の見極めです。最も確実なのが、記録しておいた受粉日からの「日数」で判断する方法。気温にもよりますが、収穫の目安は、小玉スイカで受粉後35〜40日、大玉スイカで45〜50日ほどです。あわせて、いくつかのサインで確認します。
【巻きひげ】実のついた節の近くにある巻きひげが、茶色く枯れてきたら熟したサイン。【接地面】地面に接した部分(地肌)が、白っぽい色から黄色っぽく変わってくる。【音】実を軽くたたくと、未熟だと高く澄んだ音、熟すと「ボンボン」と低く詰まった音がする(慣れが必要)。
これらを総合して、適期に収穫します。早すぎると甘くなく、遅すぎると果肉がボケる(過熟)ので、受粉日数を主軸に判断するのが失敗しないコツ。完熟した採れたてのスイカの甘さとみずみずしさは、家庭菜園ならではの最高のごほうびです。
💡受粉日からの日数(小玉35〜40日・大玉45〜50日)を主軸に、巻きひげの枯れや音で見極めます。
Checklist
育てる前のチェックリスト
-
✓300〜800円
スイカの苗
病気に強い接ぎ木苗・小玉スイカが家庭向き。
-
✓500〜1,500円
黒マルチ・敷きわら
地温確保・乾燥/泥はね防止と実の保護に。
-
✓400〜900円
化成肥料
元肥と着果後の追肥に。
-
○800〜2,500円
支柱・ネット(空中栽培用) (任意)
小玉スイカをつるで立体栽培する場合。
Pests & Diseases
かかりやすい病害虫
アブラムシ
時々症状: 新芽が縮れる、葉がべたつく、すす病を誘発。
予防: 風通しを良くし、窒素過多を避ける。シルバーマルチで忌避。
対処: 見つけ次第捕殺、牛乳スプレーや薬剤で防除。
ハダニ
時々症状: 葉に白いかすり状の斑点、ひどいと葉が枯れる。
予防: 葉裏への葉水で乾燥を防ぐ。
対処: 葉裏への葉水を継続し、専用の殺ダニ剤を使用する。
うどんこ病
よく発生症状: 葉表が白い粉をまぶしたようになる。
予防: 風通しと日当たりを確保、過湿を避ける。
対処: 罹病部を除去し、重曹スプレーや殺菌剤を散布する。
Nutrition
栄養と食べ方
- エネルギー
- 41kcal
- ビタミンC
- 10mg
- ビタミンA
- 69μg
- ビタミンK
- 0μg
- 葉酸
- 3μg
- 鉄
- 0.2mg
- カルシウム
- 4mg
- カリウム
- 120mg
- 食物繊維
- 0.3g
旬・味: 夏が旬。約95%が水分でみずみずしく甘い。赤い果肉はリコピンが豊富。
保存: 丸ごとは常温(冷やしすぎ注意)、カットはラップして冷蔵し早めに食べる。
Common mistakes
失敗あるある TOP3
⚠ 受粉不良で実がつかない
雌花は咲くのに実が育たず落ちます。
原因: 受粉不足、低温時の開花、つるぼけ。
対策: 晴れた朝に人工授粉し、初期の窒素を控えてつるぼけを防ぎます。
⚠ 収穫の失敗(未熟・過熟)
甘くない、または果肉がボケます。
原因: 収穫適期の見誤り。
対策: 受粉日を記録し、日数を主軸に巻きひげの枯れや音で適期を見極めます。
⚠ うどんこ病・つる枯病
葉が白くなる、つるが枯れます。
原因: 茂りすぎ・多湿・雨による病気。
対策: 整枝で風通しを確保し、敷きわらで泥はねを防ぎ、発生時は薬剤で防除します。
FAQ
よくある質問
育てられます。大玉は広いスペースが必要ですが、コンパクトな「小玉スイカ」や、支柱とネットでつるを上に伸ばす「空中栽培」なら省スペースで、プランターでも挑戦できます。接ぎ木苗が育てやすくおすすめです。
受粉不良が主な原因です。晴れた日の朝に、雄花の花粉を雌花(つけ根がふくらんでいる花)につける人工授粉を行います。初期の窒素肥料が多すぎてつるばかり茂る「つるぼけ」でも実つきが悪くなります。
最も確実なのは受粉日からの日数で、小玉で35〜40日、大玉で45〜50日が目安です。あわせて、実の近くの巻きひげが枯れる、接地面が黄色っぽくなる、たたくと低く詰まった音がする、などで確認します。
実が十分大きくなってきたら、水やりを控えめにすると、果肉に糖が凝縮されて甘くなります。日当たりよく育て、雨に当たると味がぼやけるので、収穫前の長雨は避けられると理想です。
必要です。親づるを本葉5〜6枚で摘心し、子づるを3〜4本(空中栽培は1〜2本)に絞ると、養分が集中して実つきがよくなり、風通しもよくなって病気を防げます。放任するとつるが暴れて実つきが落ちます。
「うどんこ病」です。つるが茂って風通しが悪い時期に出やすいです。整枝で風通しを確保し、白くなった葉を除去します。広がるようなら登録薬剤で防除します。雨よけも病気予防に有効です。
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