メロン
Cucumis melo Melon
メロンは、あまく、とろけるような果肉と、ゆたかな香りで、果物の王様とも呼ばれる、ウリ科のつる性野菜です。植物の分類上は、キュウリやカボチャと...
かんたんに言うと
メロンは、あまくとろける果肉が魅力のウリ科のつる性野菜(果菜)。高温と日ざしを好む夏野菜で、初夏に植え、夏に収穫します。家庭菜園ではプリンスメロンや小玉メロンが育てやすく、実の数を絞ると糖度が上がります。受粉・玉づくり・収穫期の見きわめがおいしく作るコツです。
Profile
基本情報
メロンは、あまく、とろけるような果肉と、ゆたかな香りで、果物の王様とも呼ばれる、ウリ科のつる性野菜です。植物の分類上は、キュウリやカボチャと同じウリ科の一年草で、家庭菜園では「果菜(実を食べる野菜)」として育てられますが、デザートとして食べることから、くだものとして親しまれています。
表面に、網目(ネット)模様の入る「ネットメロン(マスクメロンなど)」と、網目のない、つるりとした「ノーネットメロン(プリンスメロン、ホームランメロン、まくわうりなど)」に大きく分かれ、高級なマスクメロンは、温室で1株1果に絞って、たいせつに育てられます。
家庭菜園では、比較的育てやすい、プリンスメロンや、小玉のメロン、昔ながらのまくわうりなどが人気で、初夏に植え付けて、夏に収穫します。メロンは、高温と、強い日ざしを好む、夏野菜。生育には、十分な暑さと日光、そして、水はけのよい肥えた土が必要です。
つるを伸ばして育つので、地面に這わせる「地這い栽培」か、ネットや支柱に這わせる「立体栽培」で育てます。1株から、いくつもの実をならせるより、数を絞って、養分を集中させたほうが、あまく、おいしい実になります。受粉や、玉づくり、収穫の見きわめなど、こつはありますが、自分で育てたメロンが、あまく熟したときの喜びは格別。やや上級者向けながら、挑戦しがいのある、家庭菜園の憧れの野菜です。
💡豆知識
メロンは、原産地をアフリカや中近東とする、古い歴史をもつ植物で、世界中で、さまざまな品種に分化してきました。意外なことに、キュウリも、メロンも、同じ「Cucumis(キュウリ属)」の仲間で、ごく近い親戚。日本で古くから親しまれてきた「まくわうり(真桑瓜)」も、実はメロンの一種で、あまり網目のない、淡い味わいのメロンです。
高級果物の代名詞である「マスクメロン」の「マスク」は、ムスク(麝香=じゃこう)のような、ゆたかな香りに由来します。表面の美しい網目模様は、果実が大きくなる過程で、果肉の成長に、皮が追いつかず、ひび割れて、そのひびを、植物がコルク状にふさいで治した「かさぶた」のようなもの。
網目が、細かく、均一に、盛り上がっているものほど、上等とされ、栽培者の腕の見せどころです。静岡県や、茨城県、熊本県などが、メロンの名産地として知られ、温室で、1本の木に1個だけ実をならせて、養分を集中させる、ぜいたくな栽培法で、最高級のマスクメロンがつくられます。贈答品として、桐の箱に入れられるメロンは、まさに、果物の王様の風格。家庭でも、品種を選べば、あまいメロンづくりに挑戦できます。
Calendar
育成カレンダー
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 種まき | 4月は種まき | |||||||||||
| 植え付け | 5月は植え付け | |||||||||||
| 開花 | 6月は開花 | |||||||||||
| 収穫 | 8月は収穫 |
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
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| 種まき | 4月は種まき | |||||||||||
| 植え付け | 5月は植え付け | |||||||||||
| 開花 | 6月は開花 | |||||||||||
| 収穫 | 8月は収穫 |
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 種まき | 4月は種まき | |||||||||||
| 植え付け | 5月は植え付け | |||||||||||
| 開花 | 6月は開花 | |||||||||||
| 収穫 | 8月は収穫 |
数字は月を表します。色帯のある月がその作業の適期です。上のタブで地域を切り替えられます。
At a glance
ひと目でわかる特徴
Specs
形態と環境条件
形態
- 草丈
- 30〜200cm
- 株張り
- 100〜300cm
- 花のサイズ
- 黄色い花(雌花・雄花)
- 実のサイズ
- 径10〜20cmの球形の実(0.5〜2kg)
環境条件
- 日照
- 日なた
- 耐寒温度
- 8℃
- 耐暑温度
- 38℃
- 土壌pH
- 6.0〜6.8
- 水やり
- 生育期はたっぷり。収穫前は控えて糖度を上げる。
- 肥料
- 化成肥料・有機質肥料(元肥+追肥)
How to grow
育て方ステップ
-
1
種まき・苗の植え付け(高温と日当たり)
約14日メロンは、高温を好む夏野菜なので、十分に暖かくなってから育て始めます。種からまく場合は、4月ごろ、ポットにまいて、25〜30度の暖かい場所で発芽させ、本葉が4〜5枚になった苗を、霜の心配がなくなった5月以降に植え付けます。手軽なのは、園芸店で、接ぎ木苗や、丈夫な苗を買って植える方法。
初心者には、比較的育てやすい、プリンスメロンや、小玉メロンの苗がおすすめです。植え付け場所は、日当たりと、水はけがよく、風通しのよい場所を選びます。メロンは、過湿と、連作(同じウリ科を続けて植えること)を嫌うので、ウリ科を1〜2年育てていない場所を選び、水はけの悪い場所は、畝(うね)を高くして、水はけを改善します。
植え付けの2週間前に、堆肥と元肥を、土にしっかりすき込んで、肥えた土をつくっておきます。メロンは、肥料食いですが、窒素分が多すぎると、つるばかり茂って実つきが悪くなる「つるぼけ」になるので、バランスのよい元肥にします。植え付けたら、たっぷり水を与え、保温と乾燥防止のため、株元に敷きわらをしたり、地温を上げるために、植え穴に、黒マルチを張ったりすると、生育がよくなります。気温の低い時期は、ビニールトンネルで保温すると安心です。
💡高温を好むので5月以降に植える。日当たり・水はけ第一、ウリ科の連作を避ける。元肥はしっかり(窒素過多はつるぼけ)。
-
2
つるの整枝(親づる・子づる)
約21日メロンを、おいしく実らせるには、つるの整理(整枝)が大切です。メロンは、つるを放任すると、わき芽(子づる、孫づる)が、どんどん伸びて、葉ばかり茂り、養分が分散して、よい実がつきません。そこで、品種に合わせて、つるを整理します。代表的なのが「子づる仕立て」。
本葉が5〜6枚になったころ、親づるの先端を摘み取る「摘心(てきしん)」をします。すると、わき芽(子づる)が伸びてくるので、勢いのよい子づるを2〜3本残して、ほかは、付け根から取り除きます。残した子づるを、地面に這わせる(地這い栽培)か、ネットや支柱に誘引して、伸ばしていきます。
メロンの実は、子づるから出る「孫づる」の、根元近くにつくことが多いので、実をつけたい位置の孫づるを残し、それより下の、低い位置の孫づるや、余分な孫づるは、早めに摘み取って、風通しと、養分の集中をはかります。整枝の方法は、品種や、地這い・立体栽培によって、細かく異なるので、購入した苗の説明書きや、品種の栽培方法を参考にします。少し手間はかかりますが、つるを整理して、養分を、ねらった実に集中させることが、あまいメロンづくりの、いちばんの基本です。
💡親づるを本葉5〜6枚で摘心し、勢いのよい子づるを2〜3本残す。実は孫づるにつく。余分なつるを整理し養分を集中。
-
3
人工受粉と摘果(玉づくり)
約14日メロンには、雄花(おばな)と、雌花(めばな)があり、雌花の付け根に、小さな実のふくらみがあります。実をならせるには、雌花の柱頭に、雄花の花粉をつける「受粉」が必要です。自然に、ハチなどの虫が受粉してくれることもありますが、確実に実をつけ、形のよい実を得るには「人工受粉」がおすすめ。
よく晴れた日の、午前中(できれば9時ごろまで)に、その日に咲いた雄花を摘み取り、花びらを取り除いて、雌花の柱頭に、花粉を、ちょんちょんとつけます。受粉した日が分かるように、ラベルや、ひもで、日付を記しておくと、収穫時期の目安になります。受粉がうまくいくと、雌花の付け根の実が、ぐんぐん大きくなり始めます。
1本のつるに、たくさんの実がつくと、養分が分散して、どれも小さく、味も薄くなるので「摘果(てきか)」をして、実の数を絞ります。形がよく、勢いのよい実を、つる1本につき1〜数個に絞り、ほかの小さい実や、形の悪い実は、早めに摘み取ります。数を絞るほど、残した実に養分が集中し、大きく、あまい実になります。
マスクメロンの最高級品が、1株1果でつくられるのは、このためです。家庭菜園では、小玉種なら数個、大玉なら1〜2個に絞ると、味のよい実が穫れます。
💡晴れた日の午前に人工受粉(雄花の花粉を雌花へ)。受粉日を記録。実は数を絞る(摘果)ほど大きく甘くなる。
-
4
水やりと追肥(甘さを引き出す)
約30日メロンの、おいしさを左右するのが、生育後半の水管理と肥料です。植え付けから、実がふくらむまでの生育期は、メロンは、よく水を吸うので、土の表面が乾いたら、たっぷりと水を与えます。とくに、実が大きくなる時期に、水が不足すると、実が大きくならなかったり、割れたりします。
一方で、過湿が続くと、根が傷んだり、病気が出たりするので、水はけは確保します。肥料は、植え付け時の元肥に加えて、実がつき始めた「着果後」に、追肥をして、実を太らせます。ただし、窒素分の多い肥料を、与えすぎると、つるぼけや、味のぼやけた実になるので、バランスに注意します。
そして、メロンを、あまくする最大のコツが、収穫の10日〜2週間ほど前から、水やりを、ぐっと控えめにすること。収穫前に、あえて水を控えて、ややストレスをかけると、実の中の糖度が上がって、あまいメロンになります。雨に当たると糖度が下がるので、収穫前は、雨よけをすると、なおよいです。
また、地面に直接ついた実は、地面に接した部分が、変色したり、傷んだりするので、実の下に、わらや、発泡スチロール、専用の玉受け皿などを敷く「玉敷き」をして、実を、地面から浮かせて保護します。立体栽培では、重い実を、ネットや吊り具で支えます。
💡生育期はたっぷり、実太り期は水切れ・過湿に注意。着果後に追肥。収穫10日〜2週前から水を控えると糖度が上がる。
-
5
収穫の見きわめ
約14日メロンは、収穫の時期を見きわめるのが、難しくも、楽しいところ。早すぎると、あまくならず、遅すぎると、熟しすぎて、味が落ちます。収穫の目安は、まず、人工受粉のときに記録した「受粉からの日数」。品種ごとに、受粉から収穫までの、おおよその日数(たとえば、プリンスメロンで35〜45日、マスクメロンで50〜55日など)が決まっているので、これが、いちばんの目安になります。
あわせて、見た目のサインも確認します。ネットメロンは、網目が、くっきりと、盛り上がって、全体に回り、果皮の地色が、緑から、やや黄色みを帯びてきます。多くの品種で、実の近くの、つる(巻きひげ)が枯れてきたり、果実の、つるの付け根の周りに、ひびが入ってきたり、お尻(花の落ちた側)を押すと、少しやわらかく感じたりします。
また、あまい、よい香りが、ただよってくるのも、熟したサイン。これらを総合して、収穫します。収穫したメロンは、すぐに食べるより、品種によっては、収穫後、数日〜1週間ほど、涼しい場所で「追熟(ついじゅく)」させると、果肉がやわらかく、香りも高く、いちばんおいしい食べごろになります。
お尻が、少しやわらかくなり、よい香りが強くなったら、冷蔵庫で冷やして、食べごろです。自分で育てたメロンが、あまく熟したときの感動は、家庭菜園ならではの、特別な味わいです。
💡受粉からの日数が最大の目安。網目・地色・巻きひげの枯れ・香りも確認。収穫後は数日追熟させ、香りが立てば食べごろ。
Checklist
育てる前のチェックリスト
-
✓200〜600円
メロンの苗(接ぎ木苗)
丈夫な接ぎ木苗が育てやすい。プリンスメロン等。
-
✓500〜1,500円
堆肥・元肥(土づくり)
肥えた水はけのよい土に。
-
○300〜1,200円
敷きわら・マルチ・玉受け (任意)
地温確保・乾燥防止・実の保護に。
-
○400〜1,000円
追肥用肥料 (任意)
着果後の実太りに。
-
○500〜2,000円
支柱・ネット (任意)
立体栽培で誘引・実を支える。
Pests & Diseases
かかりやすい病害虫
アブラムシ
よく発生症状: 新芽が縮れる、葉がべたつく、すす病を誘発。
予防: 風通しを良くし、窒素過多を避ける。シルバーマルチで忌避。
対処: 見つけ次第捕殺、牛乳スプレーや薬剤で防除。
ハダニ
時々症状: 葉に白いかすり状の斑点、ひどいと葉が枯れる。
予防: 葉裏への葉水で乾燥を防ぐ。
対処: 葉裏への葉水を継続し、専用の殺ダニ剤を使用する。
うどんこ病
よく発生症状: 葉表が白い粉をまぶしたようになる。
予防: 風通しと日当たりを確保、過湿を避ける。
対処: 罹病部を除去し、重曹スプレーや殺菌剤を散布する。
Nutrition
栄養と食べ方
- エネルギー
- 42kcal
- ビタミンC
- 25mg
- ビタミンA
- 赤肉種で豊富(β-カロテン)
- ビタミンK
- 3μg
- 葉酸
- 24μg
- 鉄
- 0.3mg
- カルシウム
- 6mg
- カリウム
- 350mg
- 食物繊維
- 0.5g
旬・味: 初夏〜夏が旬。あまくとろける果肉とゆたかな香り。カリウムが多く、赤肉種はβ-カロテンも豊富。
保存: 収穫後は涼しい場所で数日追熟。食べごろになったら冷蔵庫で冷やす。切ったものはラップして早めに食べる。
Common mistakes
失敗あるある TOP3
⚠ つるぼけで実がつかない
つると葉ばかり茂り、実がつきません。
原因: 窒素肥料の与えすぎ、整枝不足、日照不足。
対策: 元肥・追肥の窒素を控え、摘心と整枝でつるを整理し、日当たりよく育てます。
⚠ 甘くならない・味が薄い
収穫したメロンがあまくありません。
原因: 実のつけすぎ、収穫前の水のやりすぎ、未熟または過熟での収穫。
対策: 摘果で数を絞り、収穫前は水を控え、受粉日数を目安に適期に収穫します。
⚠ うどんこ病・つる割れ
葉が白くなる、実や茎が割れます。
原因: 高温多湿・風通しの悪さ(うどんこ病)、水分の急変(割れ)。
対策: 整枝で風通しをよくし、水管理を急変させず、連作を避けます。
FAQ
よくある質問
メロンはやや難しめの野菜ですが、プリンスメロンや小玉メロン、まくわうりなど、育てやすい品種を選べば、家庭菜園でも挑戦できます。高温と日当たりを好み、つるの整枝・人工受粉・摘果・収穫前の水管理など、いくつかのコツを押さえることが、あまいメロンづくりの鍵です。まずは丈夫な接ぎ木苗から始めると安心です。
実の数を絞って養分を集中させること(摘果)と、収穫の10日〜2週間前から水やりを控えてややストレスをかけることが、糖度を上げる最大のコツです。日当たりよく育て、着果後に追肥で実を太らせ、収穫前は雨よけをして、適期に収穫し、収穫後に数日追熟させると、いちばんあまく味わえます。
確実に実をつけ、形のよい実を得るには人工受粉がおすすめです。よく晴れた日の午前中(9時ごろまで)に、その日咲いた雄花を摘み、花粉を雌花の柱頭につけます。受粉日を記録しておくと、収穫時期の目安になります。虫まかせより確実で、家庭菜園では基本の作業です。
いちばんの目安は、人工受粉からの日数です(品種によりプリンスメロンで35〜45日、マスクメロンで50〜55日など)。あわせて、網目の盛り上がり、果皮の地色の変化、実の近くの巻きひげの枯れ、よい香りなども確認します。収穫後、品種によっては数日〜1週間追熟させると食べごろになります。
「つるぼけ」といい、窒素分の多い肥料の与えすぎが主な原因です。元肥・追肥はバランスのよいものにし、窒素過多を避けます。また、親づるを摘心して子づるを伸ばし、実のつく孫づるを整理する整枝をすると、養分が実に向かい、着果しやすくなります。日当たり不足でも実つきが悪くなります。
小玉メロンなら、大型のプランター(深さ・容量の大きいもの)に支柱・ネットを立てる立体栽培で育てられますが、つるが大きく広がり日照と水管理もシビアなので、やや難しめです。実の数を1〜2個に絞り、日当たりのよい場所で、水切れに注意して育てます。地植えのほうが作りやすい野菜です。
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Compare
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