サツマイモ
Ipomoea batatas Sweet Potato
サツマイモは、やせた土地でもよく育ち、肥料や水やりもほとんど不要という、驚くほど手のかからない野菜です。「つる苗(苗づる)」を植え付けるだけ...
かんたんに言うと
サツマイモはやせ地でも育つ手間いらずの野菜で、つる苗を植え、肥料を控えてつる返しをすれば秋に甘いいもが収穫できます。
Profile
基本情報
サツマイモは、やせた土地でもよく育ち、肥料や水やりもほとんど不要という、驚くほど手のかからない野菜です。「つる苗(苗づる)」を植え付けるだけで、夏の間につるをぐんぐん伸ばし、秋には地中に甘いいもをたっぷり実らせます。手間が少なく失敗も少ないため、家庭菜園はもちろん、子どもの「いも掘り」体験でもおなじみの、栽培の喜びを味わいやすい作物です。
アサガオと同じヒルガオ科のつる性植物で、高温と日照を好み、暑い夏ほど元気に育ちます。育て方の最大のコツは、ずばり「肥料を与えすぎないこと」。とくに窒素分が多いと、つると葉ばかりが茂って肝心のいもが太らない「つるぼけ」になってしまいます。やせ地で育てるくらいがちょうど良く、元肥も控えめにします。
もうひとつのポイントが「つる返し」。地面を這うつるの節から根(不定根)が下りて、そこに小さないもができると養分が分散するため、夏につるを持ち上げて裏返し、節から根が張るのを防ぎます。これにより、株元のいもに養分が集中して大きく育ちます。植え付けから約4〜5か月、つるの付け根のいもがふくらんだら収穫。掘り上げる瞬間のわくわく感は格別で、肥料いらずで失敗も少なく、子どものいも掘り体験にも最適な、家庭菜園入門にぴったりの作物です。
💡豆知識
サツマイモは、アサガオと同じヒルガオ科のつる性植物で、中南米が原産です。食べているのは、根が肥大した「塊根(かいこん)」の部分。日本へは琉球・薩摩(鹿児島)を経て伝わったことから「薩摩芋」と呼ばれます。やせ地や乾燥にも強く、台風や飢饉のときにも収穫できる「救荒作物(きゅうこうさくもつ)」として、江戸時代に蘭学者の青木昆陽(あおきこんよう)が栽培を広め、多くの人々を飢えから救ったことで知られます。なお、サツマイモはめったに花を咲かせませんが、咲くとアサガオによく似た淡紫色の花をつけ、ヒルガオ科であることがよく分かります。
Calendar
育成カレンダー
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 植え付け | 5月は植え付け | 6月は植え付け | ||||||||||
| 収穫 | 9月は収穫 | 10月は収穫 | 11月は収穫 | |||||||||
| 剪定 | 7月は剪定 | 8月は剪定 |
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
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| 植え付け | 5月は植え付け | 6月は植え付け | ||||||||||
| 収穫 | 10月は収穫 | 11月は収穫 | ||||||||||
| 剪定 | 7月は剪定 | 8月は剪定 |
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
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| 植え付け | 5月は植え付け | 6月は植え付け | ||||||||||
| 収穫 | 10月は収穫 | 11月は収穫 | ||||||||||
| 剪定 | 7月は剪定 | 8月は剪定 |
数字は月を表します。色帯のある月がその作業の適期です。上のタブで地域を切り替えられます。
At a glance
ひと目でわかる特徴
Specs
形態と環境条件
形態
- 草丈
- 20〜40cm
- 株張り
- 100〜300cm
- 花のサイズ
- 淡紫の花(まれに咲く)
- 実のサイズ
- 塊根(長さ10〜25cm)
環境条件
- 日照
- 日なた
- 耐寒温度
- 10℃
- 耐暑温度
- 38℃
- 土壌pH
- 5.5〜6.5
- 水やり
- 根づいたらほぼ不要。乾燥に強い。
- 肥料
- 元肥を控えめに(窒素を抑える)
How to grow
育て方ステップ
-
1
つる苗の植え付け
約7日サツマイモは種いもではなく、「つる苗(苗づる)」と呼ばれる、茎を切り取った苗を植え付けます。植え付け適期は、十分に暖かくなる5〜6月。日当たりと水はけの良い、やせ気味の場所を選びます(肥えすぎた土はつるぼけのもと)。植え方にはいくつか方法があり、つるを土に水平に寝かせて4〜5節を埋める「水平植え」や、船の底のように浅く曲げて植える「船底植え」にすると、埋めた各節からいもがつき収穫量が増えます。節が3〜4個土に入るようにするのがポイント。植え付け後、根づくまでの数日は水をやりますが、その後はほとんど不要です。
💡水平植え・船底植えで埋めた節を増やすと、いもの数が増えます。
-
2
活着までの管理
約14日つる苗は、植え付け時点では根がほとんど無い状態なので、根が出て活着するまでの最初の1週間ほどが勝負です。この間は土の表面が乾いたら水をやり、葉がしおれすぎないように見守ります。日中にぐったりしても、根づけば夕方には回復し、やがて新しい葉が立ち上がってきます。
新しい葉が動き出せば活着成功の合図で、以後は水やりはほとんど不要になります。サツマイモは高温を好むので、気温が低いうちに焦って植えると活着が悪くなります。マルチング(黒マルチ)をすると地温が上がり、活着と初期生育が良くなります。
💡植え付け直後の1週間だけは水やりを。新葉が動けば活着成功です。
-
3
つる返し
約60日サツマイモのつるは地面を這うように四方へ伸び、地面に接した節から根(不定根)を下ろします。この不定根の先に小さないもができると、養分が分散して株元の本来のいもが太らなくなってしまいます。これを防ぐのが「つる返し」です。夏(7〜8月)に、伸びたつるを手で持ち上げてめくり、裏返して元の株側に戻すことで、節から下りた根を引きはがします。
月に1〜2回を目安に行うと、養分が株元のいもに集中して、大きく充実したいもが育ちます。雑草を抑える効果もあります。広いスペースがない場合は、つるを誘導してコンパクトにまとめます。
💡つるを持ち上げて裏返し、節からの根を防ぐと、いもが大きく育ちます。
-
4
肥料・水やり管理
約90日サツマイモ栽培で最も重要な心得が「甘やかさない」こと。肥料、とくに窒素分を多く与えると、つると葉ばかりが旺盛に茂って、肝心のいもが太らない「つるぼけ」という状態になります。サツマイモはやせ地でこそよく実るので、元肥は控えめにし、追肥は基本的に不要です。
水やりも、活着後はほとんど必要なく、乾燥にも強いので、降雨にまかせて構いません。むしろ過湿はいもの肥大や品質に悪影響です。「肥料も水も与えすぎない」という、他の野菜とは逆の発想が、おいしいいもをたくさん採るコツになります。
💡肥料・水のやりすぎは「つるぼけ」のもと。やせ地で乾かし気味が正解です。
-
5
収穫
約1日植え付けから120〜150日(約4〜5か月)が収穫の目安です。葉が黄色くなり始めたころ、または霜が降りる前に収穫します。いきなり全部掘らず、まず株元を1株「試し掘り」して、いもの大きさを確認するのがおすすめ。十分に育っていたら、晴れて土が乾いた日に、つるを刈り取ってから、いもを傷つけないよう株元から離れた位置にスコップを入れて掘り上げます。
収穫したては甘みが少なく、2週間〜1か月ほど風通しの良い冷暗所で貯蔵して「追熟」させると、デンプンが糖に変わって格段に甘くなります。低温に弱いので、冷蔵庫ではなく室温の冷暗所で保存します。
💡試し掘りで確認を。収穫後は1か月ほど貯蔵して追熟させると甘くなります。
Checklist
育てる前のチェックリスト
-
✓300〜800円
サツマイモのつる苗
5〜6月に出回る(数本〜束売り)。
-
○500〜1,000円
野菜用培養土 (任意)
プランター栽培用(肥料控えめ)。
-
○800〜2,000円
大型プランター・栽培袋 (任意)
深さ30cm以上。
-
○300〜800円
黒マルチ (任意)
地温を上げ活着を助ける。
Pests & Diseases
かかりやすい病害虫
アブラムシ
まれ症状: 新芽が縮れる、葉がべたつく、すす病を誘発。
予防: 風通しを良くし、窒素過多を避ける。シルバーマルチで忌避。
対処: 見つけ次第捕殺、牛乳スプレーや薬剤で防除。
ハダニ
まれ症状: 葉に白いかすり状の斑点、ひどいと葉が枯れる。
予防: 葉裏への葉水で乾燥を防ぐ。
対処: 葉裏への葉水を継続し、専用の殺ダニ剤を使用する。
ヨトウムシ
時々症状: 葉に大きな食害痕、株元の地中に潜む。
予防: 防虫ネットで産卵を防ぐ。
対処: 夜間または株元を掘って捕殺、薬剤を使用。
Nutrition
栄養と食べ方
- エネルギー
- 126kcal
- ビタミンC
- 29mg
- ビタミンA
- 2μg
- ビタミンK
- 微量
- 葉酸
- 49μg
- 鉄
- 0.6mg
- カルシウム
- 40mg
- カリウム
- 480mg
- 食物繊維
- 2.2g
旬・味: 秋が旬。追熟させると甘みが増す。食物繊維が豊富。
保存: 低温に弱いので冷蔵庫は不可。新聞紙に包み室温の冷暗所で保存。
Common mistakes
失敗あるある TOP3
⚠ つるぼけ
つると葉ばかり茂りいもが太りません。
原因: 肥料(特に窒素)の与えすぎ、肥えた土。
対策: 元肥を控え追肥せず、つる返しで養分を株元へ向けます。
⚠ 低温による生育不良
植え付け後に活着せず育ちません。
原因: 気温が低い時期の早植え。
対策: 十分暖かくなってから植え、黒マルチで地温を上げます。
⚠ 収穫後に腐る・甘くない
貯蔵中に傷む、または甘みが乏しい。
原因: 低温保存(冷蔵庫)、追熟不足。
対策: 室温の冷暗所で保存し、1か月ほど追熟させてから食べます。
FAQ
よくある質問
肥料(特に窒素)の与えすぎによる「つるぼけ」です。サツマイモはやせ地を好むので、元肥を控え、追肥はせず、つる返しをして養分が株元のいもに向かうようにします。
必要です。地面に接したつるの節から根が下りていもの肥大を妨げるので、夏に月1〜2回つるを裏返して、株元のいもに養分を集中させます。
どちらもほとんど不要です。やせ地でよく育ち乾燥にも強いので、元肥は控えめにし、活着後の水やりは降雨まかせで構いません。
深さ30cm以上の大型プランターや栽培袋で育てられます。つるが広がるので、置き場所に余裕をもたせるか、つるを誘導してまとめます。
収穫直後はデンプンが多く甘みが少ないためです。風通しの良い冷暗所で2週間〜1か月ほど貯蔵して追熟させると、糖に変わって甘くなります。
低温に弱いので冷蔵庫は不可。新聞紙に包み、13℃前後の室温の冷暗所で保存します。洗わず土付きのままのほうが日持ちします。
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