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植物図鑑
🌸
花茎に星形の小花を密に咲かせたヒヤシンス
🌸 花

ヒヤシンス

Hyacinthus orientalis Hyacinth

初心者向け 難易度1(5段階中): 初心者向け 💰 苗は200〜600円

ヒヤシンスは、太い花茎のまわりに、星形の小花をびっしりと密に咲かせ、甘く豊かな香りを放つ、春を代表する球根植物です。青・紫・ピンク・白・黄な...

かんたんに言うと

ヒヤシンスは、密に咲く花と甘い香りが魅力の春の球根植物。秋に日当たり・水はけのよい場所へ植え、冬の寒さに当てると春に咲きます。土を使わない水栽培でも楽しめます。花後は葉を残して球根を太らせると翌年も楽しめます。

Profile

基本情報

ヒヤシンスは、太い花茎のまわりに、星形の小花をびっしりと密に咲かせ、甘く豊かな香りを放つ、春を代表する球根植物です。青・紫・ピンク・白・黄など、色とりどりの花が、ろうそくの炎のようにふっくらと立ち上がる姿は華やかで、ひと鉢咲くだけで、あたり一面が、うっとりするような香りに包まれます。

チューリップやスイセンと並ぶ、秋植え球根の代表格で、花壇や鉢植えはもちろん、土を使わず、球根を水につけて育てる「水栽培(水耕栽培)」でも楽しめるのが、ヒヤシンスならではの大きな魅力。透明な容器で、白い根がぐんぐん伸びる様子と、花が咲くまでの過程を観察できるので、子どもの学習や、室内のインテリアとしても親しまれています。

原産は地中海沿岸で、秋に球根を植えると、冬のあいだに根を張り、春に花を咲かせます。育て方は比較的やさしく、秋に、日当たりと水はけのよい場所に球根を植え付け、冬の寒さにしっかり当てることが、春にきれいに咲かせるコツ。寒さに当たることで、球根の中で花芽が目を覚まし、春の開花につながります。

丈夫で育てやすく、植えっぱなしでも数年は楽しめますが、年々、花は小ぶりになりがち。豪華な花を毎年楽しみたいなら、花後の球根を充実させる管理がポイントです。色も香りも豊かで、春の訪れを告げる、人気の球根花です。

分類
花 / 球根
原産地
地中海沿岸、トルコ、中東
別名
ヒヤシンス、ヒアシンス、風信子、ヒヤシンス・オリエンタリス
適期
植え付けは10月
価格目安
苗は200〜600円

💡豆知識

ヒヤシンスの名は、ギリシャ神話に登場する美少年ヒュアキントスに由来します。太陽神アポロンに愛された彼が、円盤投げの事故で命を落とし、その血から咲いた花がヒヤシンスだとされ、悲しみの物語が、花言葉の一部にもなっています。日本には江戸時代の終わりごろに渡来し、当初は「飛信子」「風信子(ふうしんし)」などの漢字があてられました。

ヒヤシンスの大きな特徴である「水栽培」は、土がなくても、球根にたくわえられた養分と水だけで花を咲かせられる性質を利用したもの。秋に、専用のガラス容器に球根をのせ、根の先が水に触れる程度に水を入れて、暗く涼しい場所で根を伸ばさせてから、明るい場所に移すと、香り高い花が咲きます。

ただし、球根の養分を使い切ってしまうため、水栽培で咲かせた球根は、その後の回復が難しく、ふつうは一年限りで楽しみます。なお、ヒヤシンスの球根には、皮膚を刺激する成分(シュウ酸カルシウムなど)が含まれるため、素手で長く触ると、かゆくなる人もいます。植え付けや水栽培の際は、気になる場合は手袋を使うと安心です。

Calendar

育成カレンダー

全国の月別育成カレンダー
作業 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
植え付け
10月は植え付け
開花
3月は開花
追肥
4月は追肥
11月は追肥
関東の月別育成カレンダー
作業 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
植え付け
10月は植え付け
開花
3月は開花
追肥
4月は追肥
11月は追肥
近畿の月別育成カレンダー
作業 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
植え付け
10月は植え付け
開花
3月は開花
追肥
4月は追肥
11月は追肥

数字は月を表します。色帯のある月がその作業の適期です。上のタブで地域を切り替えられます。

At a glance

ひと目でわかる特徴

育てやすさ 初心者向け
収穫・開花の早さ 普通
手軽さ(コスト) 手軽

Specs

形態と環境条件

形態

草丈
15〜30cm
株張り
10〜15cm
花のサイズ
星形の小花が花茎に密に咲く(青・紫・ピンク・白・黄)

環境条件

日照
日なた
耐寒温度
-10℃
耐暑温度
30℃
土壌pH
6.0〜7.0
水やり
植え付け後〜生育期は土が乾いたらたっぷり。花後・休眠期は控えめ。
肥料
緩効性化成肥料・球根用肥料

How to grow

育て方ステップ

  1. 1

    球根を選び、秋に植え付ける

    約7日

    ヒヤシンスは秋植えの球根です。植え付けの適期は、気温が下がってくる10〜11月ごろ。まず、よい球根を選ぶことが大切で、手に持ってずっしりと重く、固くしまっていて、傷やカビ、芽の部分の傷みがないものを選びます。大きく充実した球根ほど、立派な花が咲きます。

    植え付け場所は、日当たりと水はけのよい場所が基本。花壇なら、深さ5〜10cmほどの穴を掘り、球根の上に、球根1個分ほどの土がかぶる深さに植えます。球根どうしは、こぶし1つ分ほど間隔をあけます。鉢植えなら、球根の頭が少し見えるくらいの浅植えでもよく、複数植えると、咲いたときに豪華です。

    鉢やプランターには、水はけのよい草花用の培養土を使い、植え付け時に、緩効性の肥料を元肥として混ぜておきます。植え付けたら、たっぷりと水を与えます。なお、球根の皮で手がかゆくなることがあるので、気になる場合は手袋を使います。秋に植えて、冬の寒さに当てることが、春の開花の準備になります。

    💡10〜11月に、重く固い良球を、日当たり・水はけのよい場所へ。花壇は球根1個分の深さ、鉢は浅植えでも可。

  2. 2

    冬の管理(寒さに当てる)

    約90日

    ヒヤシンスを春にきれいに咲かせる、いちばんのコツは、冬にしっかり寒さに当てることです。ヒヤシンスの球根は、一定期間、低温を経験することで、中の花芽が目を覚まし、春に花茎を伸ばして咲く準備が整います。これを「低温要求」といい、寒さが足りないと、花茎が伸びずに、地際で花が咲いてしまう「ボケ咲き(うどん咲き)」になったり、花つきが悪くなったりします。

    そのため、秋に植え付けたあとは、暖かい室内に取り込まず、屋外の寒さにしっかり当てて管理します。花壇植えなら、自然に寒さに当たるので、特別なことは不要。鉢植えも、屋外の日当たりのよい場所に置いて、冬を越させます。冬のあいだ、土の中では根がぐんぐん伸びているので、土が完全に乾かないよう、乾いたら水を与えますが、過湿で球根を腐らせないよう、水のやりすぎには注意します。

    霜や雪に当たっても、ヒヤシンスは耐寒性が強いので、基本的に問題ありません。春が近づくと、球根の先から芽が伸び始め、つぼみが上がってきます。

    💡冬は屋外でしっかり寒さに当てるのが開花のカギ。暖かい室内はNG。土が乾いたら水やり、過湿は避ける。

  3. 3

    水栽培で楽しむ

    約90日

    ヒヤシンスならではの楽しみが、土を使わない「水栽培(水耕栽培)」です。秋に、水栽培用の、くびれたガラス容器(ヒヤシンスポット)を用意し、上のくぼみに球根をのせ、下に水を入れます。このとき、水面が、球根の底(根の出る部分)に、ぎりぎり触れるか触れないかの位置になるよう調整するのがコツ。

    球根の底が水につかりっぱなしだと、腐りやすくなります。最初は、根を伸ばすために、暗く涼しい場所(冷蔵庫の野菜室や、暗い廊下など)に置き、しっかり寒さに当てながら、白い根を伸ばさせます。水は、濁ってきたら換え、減ったら足します。根が十分に伸び、芽が動き始めたら、明るく涼しい窓辺に移すと、葉が伸びて、やがて香り高い花が咲きます。

    透明な容器なので、白い根が伸びる様子や、つぼみがふくらむ過程を観察できるのが、水栽培の醍醐味。ただし、水栽培は球根の養分を使い切ってしまうため、咲き終わった球根は、その後の回復が難しく、基本的には一年限りで楽しみます。手軽に、室内で春を先取りできる、人気の育て方です。

    💡水は球根の底にぎりぎり触れる位置に。最初は暗く涼しい場所で根を伸ばし、根が出たら明るい窓辺へ。

  4. 4

    開花中の管理

    約21日

    春になり、つぼみが上がって花が咲き始めたら、いよいよ、ヒヤシンスのいちばんの見どころです。花は、太い花茎のまわりに、下のほうから順に、星形の小花が次々と開いていき、満開になると、密に集まった花のかたまりが、ふっくらと立ち上がって、甘く豊かな香りを放ちます。

    花を長く、きれいに楽しむには、咲いているあいだ、土が乾いたら水を与えて、水切れさせないようにします。鉢植えや水栽培で室内に飾る場合は、暖房の効きすぎた暑い場所より、明るく涼しい場所のほうが、花が長もちします。直射の当たる、暑い窓辺などは、花がはやく傷むので避けます。

    花が咲きそろうと、花の重みや、暖かさで茎が伸びて、倒れやすくなることがあるので、必要なら支柱を立てて支えると、花姿が美しく保てます。花が一通り咲き終わったら、咲き終わった花がら(花の部分)を、花茎の上のほうで摘み取ります。こうすると、見た目がよくなるだけでなく、球根が種を作るのにエネルギーを使うのを防ぎ、球根に養分をためる、次のステップにつながります。

    💡開花中は水切れさせず、室内なら涼しい場所で長もち。倒れそうなら支柱を。咲き終わった花がらは摘み取る。

  5. 5

    花後の管理(球根を太らせる)

    約60日

    ヒヤシンスを、翌年もきれいに咲かせたいなら、花が終わったあとの管理が大切です。花がら摘みのあと、花茎は付け根から切りますが、葉は、緑色のあいだは、絶対に切らずに残します。葉は、光合成をして、球根に翌年の花のための養分をためる、大切な働きをしているからです。

    花後すぐに、球根を太らせるための追肥(お礼肥)として、緩効性肥料や液肥を与え、葉が元気なあいだは、日当たりのよい場所で、水やりを続けて、しっかり光合成をさせます。やがて、初夏になると、葉が自然に黄色く枯れてきます。これは休眠に入るサインなので、葉が完全に枯れたら、水やりを止めます。

    球根は、掘り上げて、ネットなどに入れ、風通しのよい日陰で、乾燥させて保存し、秋に、また植え付けます。植えっぱなしでも数年は咲きますが、年々、花が小ぶりになり、いくつかに分かれた小球根になっていきます。豪華な花を毎年楽しみたい場合は、花後の追肥と、葉を枯らさない管理で、球根をよく太らせるのがポイント。水栽培の球根は、養分を使い切っているため、土に植えても回復が難しく、基本は一年限りです。

    💡花後は葉を残してお礼肥、葉が枯れるまで日に当てて球根を太らせる。葉が枯れたら掘り上げて秋まで保存。

Checklist

育てる前のチェックリスト

  • ヒヤシンスの球根

    秋に出回る。大きく充実したものを選ぶ。

    200〜600円
  • 草花用の培養土 (任意)

    水はけのよい土。鉢植え用。

    400〜1,000円
  • 鉢・水栽培用ガラス容器 (任意)

    鉢植えや水栽培で楽しむ容器。

    200〜1,500円
  • 緩効性肥料・球根用肥料 (任意)

    元肥と花後のお礼肥に。

    400〜1,000円
初期費用の目安(必須のみ) 200〜600円

Pests & Diseases

かかりやすい病害虫

害虫

アブラムシ

時々

症状: 新芽が縮れる、葉がべたつく、すす病を誘発。

予防: 風通しを良くし、窒素過多を避ける。シルバーマルチで忌避。

対処: 見つけ次第捕殺、牛乳スプレーや薬剤で防除。

病気

灰色かび病

時々

症状: 花弁や果実が褐変し灰色のカビに覆われる。

予防: 枯れ花をこまめに除去、密植を避ける。

対処: 罹病部を処分し殺菌剤を散布。

Flower meaning

花言葉

  • 「悲しみ・ごめんなさい」

    ギリシャ神話で、事故で命を落とした美少年ヒュアキントスの悲しい物語に由来するとされます。

  • 「変わらぬ愛・誠実」

    落ち着いた青い花色から、ゆるがない誠実な愛を表すとされてきました。

  • 「控えめな愛らしさ」

    清楚で愛らしい白い花姿にちなむとされています。

  • 「スポーツ・遊び」

    ピンク

    ヒュアキントスが円盤投げを楽しんでいた神話にちなむとされます。

Common mistakes

失敗あるある TOP3

⚠ 寒さ不足でボケ咲き・花つきが悪い

花茎が伸びず地際で咲く、花が少ない。

原因: 冬の寒さ(低温)の不足、暖かい室内での管理。

対策: 秋植え後は屋外でしっかり寒さに当て、水栽培も最初は冷暗所で寒さを経験させます。

⚠ 過湿で球根が腐る

球根が軟らかく黒ずんで腐ります。

原因: 水のやりすぎ、水はけの悪い土、水栽培で球根が水につかりっぱなし。

対策: 水はけのよい土で乾いたら水やり。水栽培は水を球根の底ぎりぎりにします。

⚠ 年々花が小さくなる

翌年以降、花が小ぶりになります。

原因: 花後の球根が十分に太らなかった、分球。

対策: 花後に追肥し、葉を枯らさず日に当てて球根をよく太らせます。

FAQ

よくある質問

はい、ヒヤシンスは秋に球根を植えるだけで春に咲く、育てやすい球根花です。日当たりと水はけのよい場所に植え、冬の寒さにしっかり当てるのが、きれいに咲かせる最大のコツ。土を使わない水栽培でも手軽に楽しめます。植えっぱなしでも数年咲きますが、花後に球根を太らせると、翌年も豪華に咲きます。

秋に、くびれたガラス容器に球根をのせ、水が球根の底にぎりぎり触れる位置まで入れます。最初は暗く涼しい場所で白い根を伸ばさせ、しっかり寒さに当てます。根が十分伸びて芽が動いたら、明るく涼しい窓辺に移すと、花が咲きます。水は濁ったら換えます。球根の養分を使い切るので、基本は一年限りで楽しみます。

「ボケ咲き(うどん咲き)」といい、冬の寒さが足りなかったのが主な原因です。ヒヤシンスは一定期間、低温に当たることで花茎が伸びて咲きます。暖かい室内に早く取り込んだり、暖地で寒さが不足したりすると起こります。秋植え後は、屋外でしっかり寒さに当て、水栽培も最初は冷暗所で寒さを経験させましょう。

咲き終わった花がらを花茎の上で摘み、花茎は付け根から切りますが、葉は緑のあいだは残します。葉が球根に養分をためるからです。花後に追肥(お礼肥)を与え、葉が枯れるまで日に当てて球根を太らせます。葉が枯れたら掘り上げ、風通しのよい日陰で乾燥保存し、秋に植えます。

植えっぱなしでも数年は咲きますが、年々、花が小ぶりになりがちです。これは球根が分球して小さくなるため。豪華な花を毎年楽しみたい場合は、花後の追肥と、葉を枯らさず日に当てる管理で、球根をしっかり太らせることが大切です。水栽培で咲かせた球根は養分を使い切っており、基本は一年限りです。

ヒヤシンスの球根には、皮膚を刺激する成分(シュウ酸カルシウムなど)が含まれ、素手で長く触ると、かゆみやかぶれを感じる人がいます。植え付けや水栽培で球根を扱う際、気になる場合は、ビニール手袋などを使うと安心です。触ったあとは手を洗いましょう。

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