スカビオサ
Scabiosa Scabious / Pincushion flower
スカビオサは、繊細でレースのような花姿と、すずやかな青紫を中心とした花色で、初夏から秋まで長く咲き、切り花としても、たいへん人気の高い草花で...
かんたんに言うと
スカビオサ(西洋松虫草)は、レースのような繊細な花を初夏〜秋に長く咲かせる人気の草花。中心から雄しべが飛び出す姿が針山に似て英名はピンクッションフラワー。花色は青紫・紫・ピンク・白・赤黒など豊富で切り花にも大人気。日なた・風通し・水はけのよい場所を好み、夏の蒸れに注意します。
Profile
基本情報
スカビオサは、繊細でレースのような花姿と、すずやかな青紫を中心とした花色で、初夏から秋まで長く咲き、切り花としても、たいへん人気の高い草花です。和名を「セイヨウマツムシソウ(西洋松虫草)」といい、日本の高原に自生するマツムシソウの仲間。マツムシソウ科の植物で、ヨーロッパや西アジアなどが原産です。
花は、中心に小さな花が集まった部分があり、そのまわりを、ひとまわり大きな花びらが、ぐるりと縁取る、独特の構造をしていて、中心から、雄しべが、ちょこんと飛び出す姿が、針山(ピンクッション)に針を刺したように見えることから、英名を「ピンクッションフラワー(pincushion flower)」といいます。
花色は、すずやかな青紫や、紫、ピンク、白、赤、さらには、シックな赤黒(チリアンブラックなどの濃い色)まで幅広く、どれも、繊細で、おしゃれな雰囲気。すらりと伸びた、細い花茎の先に、花を咲かせ、風に揺れる姿は、ナチュラルガーデンや、イングリッシュガーデンに、たいへんよく似合います。
一年草の品種と、毎年咲く宿根草(多年草)の品種があり、宿根スカビオサは、丈夫で、植えっぱなしでも、春から秋まで、長く咲き続けるものもあります。花もちがよく、繊細で、おしゃれな花姿から、切り花や、フラワーアレンジメントでも、大人気。蜜を求めて、チョウや、ミツバチも、よく訪れます。
日当たりと、風通し、水はけのよい場所を好み、高温多湿の蒸れには、やや弱いので、夏越しに、すこし気を配れば、初夏から秋まで、すずやかな花を、長く楽しめる、ガーデナー憧れの草花です。
💡豆知識
スカビオサの英名「ピンクッションフラワー(pincushion flower=針山の花)」は、花の中心に集まった小花から、雄しべが、ちょこんと飛び出す姿が、針山に、まち針を刺したように見えることに、由来します。とても、言い得て妙な名前です。
和名の「セイヨウマツムシソウ(西洋松虫草)」は、日本の高原に自生する在来種「マツムシソウ」の、西洋版、という意味。マツムシソウの名は、秋の野で、マツムシ(鈴虫の仲間)が鳴くころに咲くから、あるいは、花の後にできる、坊主頭のような果実が、仏具の「松虫鉦(まつむしがね)」に似ているから、など、いくつかの説があります。
属名の「Scabiosa(スカビオサ)」は、ラテン語で「疥癬(かいせん=皮膚病)」を意味する言葉に、由来するといわれ、昔、ヨーロッパで、この仲間の植物が、皮膚病の薬草として、使われたことに、ちなむと、伝えられています。繊細で、おしゃれな見た目からは、意外な、語源です。
スカビオサは、花色が、たいへん豊富で、すずやかな青紫から、シックな赤黒(黒系)まであり、とくに、ヨーロッパでは、濃い赤黒の花を、「mournful widow(喪服の未亡人)」と呼ぶことも。花もちがよく、繊細な花姿から、切り花として、根強い人気があり、ナチュラルなブーケや、アレンジメントに、欠かせない花のひとつになっています。
Calendar
育成カレンダー
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 植え付け | 4月は植え付け | |||||||||||
| 開花 | 6月は開花 | 9月は開花 | ||||||||||
| 追肥 | 5月は追肥 |
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
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| 植え付け | 4月は植え付け | |||||||||||
| 開花 | 6月は開花 | 9月は開花 | ||||||||||
| 追肥 | 5月は追肥 |
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
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| 植え付け | 4月は植え付け | |||||||||||
| 開花 | 6月は開花 | 9月は開花 | ||||||||||
| 追肥 | 5月は追肥 |
数字は月を表します。色帯のある月がその作業の適期です。上のタブで地域を切り替えられます。
At a glance
ひと目でわかる特徴
Specs
形態と環境条件
形態
- 草丈
- 30〜80cm
- 株張り
- 25〜40cm
- 花のサイズ
- レース状の花(径4〜6cm・青紫/紫/桃/白/赤黒)
環境条件
- 日照
- 日なた
- 耐寒温度
- -10℃
- 耐暑温度
- 33℃
- 土壌pH
- 6.5〜7.5
- 水やり
- 土が乾いたらたっぷり。過湿と蒸れを嫌うので、水のやりすぎに注意。
- 肥料
- 緩効性化成肥料・液体肥料
How to grow
育て方ステップ
-
1
植え付け・種まき
約14日スカビオサは、種からも育てられますが、初心者には、春や秋に園芸店で出回る苗を、植え付けるのが、手軽で確実です。植え付けの適期は、春(3〜5月)か、秋(9〜10月)。種からまく場合は、春まき(4〜5月)か、秋まき(9〜10月)で、発芽適温は15〜20度くらい。
タネは、覆土を薄くして、発芽までは乾かさないように管理すると、1〜2週間で芽が出ます。植え付け場所は、日当たりと、風通しのよい場所を選ぶのが、いちばんのポイント。スカビオサは、日光を好み、よく日に当たると、花つきがよくなります。また、高温多湿の蒸れに弱いので、風通しのよさが、夏越しのカギになります。
土は、水はけのよい土が向きます。スカビオサは、酸性の土を嫌う性質があるので、植え付け前に、苦土石灰を、土にすき込んで、酸性を中和しておくと、ぐんと育てやすくなります。これは、ほかの草花には、あまりない、スカビオサ特有のコツです。堆肥や、元肥もすき込んでおきます。株間は、25〜30cmほど、あけて植え、鉢植えの場合は、水はけのよい草花用の土で植えます。植えたら、たっぷり水を与えます。
💡春か秋に苗を植える。日当たり・風通しのよい場所が最重要。酸性土を嫌うので苦土石灰で中和。水はけよく株間25〜30cm。
-
2
水やりと肥料
約30日スカビオサの水やりは、土の表面が乾いたら、たっぷりと与えるのが基本です。ただし、スカビオサは、過湿と蒸れを、たいへん嫌うので、いつも土がじめじめしているような、水のやりすぎは、禁物。「乾いたら、たっぷり、乾くまで待つ」の、めりはりを、つけることが、根を健康に保ち、株を蒸れから守る、コツになります。
とくに、梅雨どきや、夏は、過湿になりやすいので、水のやりすぎに注意し、地植えで根づいた株は、雨だけでも十分なことが多いです。鉢植えは、乾きやすいので、土の乾き具合を見て、水やりします。肥料は、スカビオサは、花期が長いので、肥料切れに注意します。
植え付け時に、元肥を施し、花が咲いている間は、月に1〜2回ほど、液体肥料を与えるか、緩効性の肥料を、置き肥すると、次々と花が上がり、長く咲き続けます。ただし、肥料が多すぎると、葉や茎ばかりが茂って、軟弱になり、かえって、蒸れや病気を招くことがあるので、与えすぎには、注意します。日当たり・風通しと、水はけを確保し、適度に肥料を補えば、初夏から秋まで、すずやかな花を、長く楽しめます。
💡乾いたらたっぷりのめりはりを。過湿と蒸れを嫌うので水のやりすぎ厳禁。花期が長いので月1〜2回の追肥を切らさない(多肥は禁物)。
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3
花がら摘みと開花
約120日スカビオサは、品種にもよりますが、おおむね初夏から秋(5〜10月ごろ)にかけて、長い期間、レースのような繊細な花を、次々と咲かせます。すらりと伸びた、細い花茎の先に、青紫や、紫、ピンク、白、赤黒などの、おしゃれな花が、風に揺れて咲く姿は、たいへん、すずやかで、ナチュラルな雰囲気。
花を、長く、たくさん咲かせるために、いちばん大切なのが「花がら摘み」です。咲き終わった花を、こまめに、花茎の付け根まで、たどって切り取ると、種づくりに養分が取られず、新しい花芽が、次々と上がってきて、長い期間、花を楽しめます。花がらを、放っておくと、株が、種づくりにエネルギーを使い、花つきが、悪くなったり、見た目も、悪くなったりするので、咲き終わった花は、こまめに、摘み取りましょう。
あわせて、込み合った葉や茎を、すこし整理して、株の中の風通しをよくしておくと、蒸れ予防にもなり、一石二鳥です。スカビオサは、花もちがよく、繊細で、おしゃれな花姿から、切り花としても、大人気。花が、咲いたものを、長めに、茎を取って切れば、ナチュラルなブーケや、アレンジメントを、楽しめます。花がら摘みをかねて、切り花にするのも、おすすめです。
💡初夏〜秋に長く咲く。花がらを付け根からこまめに摘むと次々咲く。込み合いを整理すると蒸れ予防にも。切り花にも大人気。
-
4
夏越し(蒸れ対策)と切り戻し
約60日スカビオサを育てるうえで、いちばんの関門が「夏越し」です。スカビオサは、すずやかな高原の花の仲間で、冷涼な気候を好み、日本の、高温多湿の夏の、蒸れに、やや弱い性質があります。とくに、梅雨から真夏にかけて、株元が、葉や茎で込み合って、風通しが悪くなると、蒸れて、株が、傷んだり、枯れこんだり、することがあります。
これを防ぐには、まず、風通しのよい場所で育てること。そして、梅雨入り前や、花がひと段落したころに、伸びすぎた茎や、込み合った部分を、思いきって「切り戻し」て、株全体の、風通しをよくしておくことが、効果的です。切り戻すと、見た目は、さびしくなりますが、株元に、風が通り、蒸れを防げて、秋に、また、わき芽が伸びて、涼しくなると、ふたたび花を咲かせます。
鉢植えなら、真夏は、強い西日を避けた、明るい日陰や、風通しのよい場所に、移してやると、夏越ししやすくなります。水のやりすぎも、蒸れと根腐れのもとなので、夏は、過湿に、とくに注意。宿根スカビオサは、この夏越しさえ、うまくいけば、秋に、また花を咲かせ、翌年も、楽しめます。一年草タイプは、夏の暑さで、寿命を終えることも多いですが、こぼれ種で、ふえることもあります。
💡高温多湿の蒸れが最大の敵。風通しよく、梅雨前や花後に切り戻して株元の風通しを確保。夏の過湿に注意。鉢は涼しい場所へ。
-
5
冬越しと長く楽しむコツ
約120日スカビオサの、冬越しは、品種によって、すこし異なります。宿根草(多年草)タイプのスカビオサは、比較的、寒さに強く、地上部が、枯れたり、傷んだりしても、地下の株(根)が、生きていて、冬を越し、春に、また芽吹いて、初夏から花を咲かせます。地植えなら、関東以西の平地では、防寒は、ほとんど不要で、寒冷地では、株元を、腐葉土や、わらで、軽くマルチングして、保護すると安心です。
鉢植えは、霜や、凍結の、ひどい場所では、軒下など、寒風や、強い霜の、当たりにくい場所に、移すと、安心して、冬を越せます。冬の間は、生育が、ゆるやかになるので、水やりは、控えめにします。一年草タイプのスカビオサは、秋まきで育てると、小さな株のまま、冬を越し、春から初夏に、花を咲かせて、夏ごろに、寿命を終えます。
スカビオサを、長く楽しむコツは、なんといっても、日当たり・風通し・水はけの、よい環境を整えることと、こまめな花がら摘み、そして、夏の蒸れ対策の、切り戻しです。これらを、押さえれば、すずやかで、おしゃれな花を、初夏から秋まで、長く咲かせることができ、切り花にしても、楽しめる、ガーデニング上級者気分を、味わえる、魅力的な草花です。
💡宿根タイプは寒さに比較的強く、寒冷地は株元をマルチング。冬は水やり控えめ。日当たり・風通し・水はけ+花がら摘み+夏の切り戻しが長く楽しむ鍵。
Checklist
育てる前のチェックリスト
-
✓300〜700円
スカビオサの苗
春・秋に出回る。青紫・桃・白・赤黒など花色が選べる。
-
○200〜500円
スカビオサの種 (任意)
春まき・秋まき用。
-
○400〜1,200円
草花用培養土・苦土石灰 (任意)
水はけのよい土。酸性を中和する石灰もあると安心。
-
○400〜1,000円
緩効性肥料・液体肥料 (任意)
長い花期の追肥用。
Pests & Diseases
かかりやすい病害虫
アブラムシ
時々症状: 新芽が縮れる、葉がべたつく、すす病を誘発。
予防: 風通しを良くし、窒素過多を避ける。シルバーマルチで忌避。
対処: 見つけ次第捕殺、牛乳スプレーや薬剤で防除。
うどんこ病
時々症状: 葉表が白い粉をまぶしたようになる。
予防: 風通しと日当たりを確保、過湿を避ける。
対処: 罹病部を除去し、重曹スプレーや殺菌剤を散布する。
灰色かび病
時々症状: 花弁や果実が褐変し灰色のカビに覆われる。
予防: 枯れ花をこまめに除去、密植を避ける。
対処: 罹病部を処分し殺菌剤を散布。
Flower meaning
花言葉
-
「魅力・敏感」
紫
すずやかで繊細な青紫の花姿にちなむとされます。
-
「私はすべてを失った・喪失」
青
西洋で濃い花色を「喪服の未亡人」に見立てた言い伝えにちなむとされています。
-
「健気・はかない恋」
ピンク
風に揺れる細い花茎の繊細な姿にちなむとされます。
-
「純粋・清らかな心」
白
清楚な白いレース状の花姿にちなむとされます。
Common mistakes
失敗あるある TOP3
⚠ 高温多湿の蒸れで株が傷む・枯れる
梅雨〜真夏に株元が蒸れ、枯れこみます。
原因: 風通しの悪さ、株の込み合い、夏の過湿。
対策: 風通しのよい場所で育て、梅雨前や花後に切り戻して株元の風通しを確保し、夏の水のやりすぎを避けます。
⚠ 酸性土・日照不足で生育不良
葉色が悪く、花つきも悪くなります。
原因: 酸性に傾いた土、日当たり不足。
対策: 植え付け前に苦土石灰で酸性を中和し、日当たりのよい場所で育てます。
⚠ 花がら放置で花が早く終わる
花数が減り、見た目も悪くなります。
原因: 咲き終わった花がらの摘み忘れによる種づくり。
対策: 花がらを花茎の付け根からこまめに摘み、追肥を切らさないようにします。
FAQ
よくある質問
はい、ポイントを押さえれば初心者でも楽しめます。日当たり・風通し・水はけのよい場所に植え、酸性土を嫌うので苦土石灰で中和しておくのがコツ。花がらをこまめに摘めば初夏から秋まで長く咲きます。ただし高温多湿の蒸れにやや弱いので、夏は風通しよく、切り戻して株元の蒸れを防ぐと安心です。
咲き終わった花を、花茎の付け根までたどってこまめに切り取る「花がら摘み」が最も効果的です。種づくりに養分が取られず、新しい花芽が次々と上がります。あわせて花期は月1〜2回の追肥を切らさず、日当たりよく育てると、初夏から秋まで長く咲き続けます。花がら摘みをかねて切り花にするのもおすすめです。
スカビオサは高温多湿の蒸れに弱いので、夏越しが最大の関門です。風通しのよい場所で育て、梅雨入り前や花後に伸びた茎を切り戻して株元の風通しを確保します。水のやりすぎは蒸れと根腐れのもとなので、夏は過湿に注意。鉢植えは強い西日を避けた涼しい場所に移すと夏越ししやすくなります。
スカビオサには、一年(または二年)で寿命を終える一年草タイプと、毎年咲く宿根草(多年草)タイプがあります。宿根タイプは丈夫で、夏越しがうまくいけば数年楽しめ、植えっぱなしでも春〜秋に長く咲くものもあります。一年草タイプは花つきがよく、こぼれ種でふえることもあります。購入時にラベルで確認しましょう。
はい、スカビオサは花もちがよく、レースのような繊細でおしゃれな花姿から、切り花・フラワーアレンジメントで大人気です。花が咲いたものを長めに茎を取って切り、水あげすると長く楽しめます。花がら摘みをかねて切り花にすると、株の負担も減り一石二鳥。ナチュラルなブーケによく合います。
日照不足、酸性土、肥料の過不足、そして夏の蒸れが主な原因です。日当たり・風通しのよい場所で育て、酸性土は苦土石灰で中和、肥料は花期に控えめに補います。とくに高温多湿の蒸れは株を弱らせるので、風通しを確保し、夏前に切り戻すことが大切。過湿による根腐れにも注意します。
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