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植物図鑑
🌸
葉の間から白い鈴形の花を咲かせるスズラン(鈴蘭)
🌸 花

スズラン

Convallaria majalis Lily of the Valley

やさしい 難易度2(5段階中): やさしい 💰 苗は300〜900円

スズラン(鈴蘭)は、初夏に、すずらんの名のとおり、小さな白い鈴のような花を、すずなりに、うつむき加減に咲かせる、清楚で愛らしい多年草です。つ...

かんたんに言うと

スズラン(鈴蘭)は、初夏に白い鈴形の花を咲かせる清楚な多年草。半日陰を好み、暑さと強い直射が苦手なので、落葉樹の木陰や北側の半日陰に向きます。地下茎でふえ、毎年咲く丈夫な花。ただし花も葉も根もすべて有毒なので、誤食に注意が必要です。

Profile

基本情報

スズラン(鈴蘭)は、初夏に、すずらんの名のとおり、小さな白い鈴のような花を、すずなりに、うつむき加減に咲かせる、清楚で愛らしい多年草です。つややかな緑の葉のあいだから、すっと花茎を立ち上げ、いくつもの釣り鐘形の花を並べて咲かせる姿は、可憐そのもの。

甘く上品な香りがあり、香水の原料にもなるほどで、ヨーロッパでは、幸福を呼ぶ花として、古くから親しまれてきました。フランスには、5月1日に、スズランを贈ると、贈られた人に幸運が訪れるという「スズランの日(ミュゲの日)」の習慣があり、結婚式のブーケにも使われる、人気の花です。

日本にも、自生のスズラン(ニホンスズラン)がありますが、園芸でよく育てられるのは、花が大きく香りも強い「ドイツスズラン」。スズランは、半日陰を好み、夏の暑さと強い直射日光をやや苦手とするため、落葉樹の木陰や、北側の半日陰など、涼しく、明るい日陰に向きます。

いったん根づくと、地下茎を横に伸ばして、株がふえ、毎年、初夏に花を咲かせる、丈夫で手のかからない花。寒さに非常に強く、冬は地上部が枯れて、地下茎で冬を越します。ただし、スズランは、可憐な見た目とは裏腹に、花も葉も根も、すべてに毒(強心配糖体)をもつ有毒植物。

誤食すると危険なので、小さなお子さんやペットのいる家庭では、口に入れないよう、扱いに注意が必要です。正しく扱えば、初夏の庭に、清らかな彩りと香りを届けてくれる名花です。

分類
花 / 多年草・宿根草
原産地
ヨーロッパ、東アジア、日本(自生種)
別名
スズラン、鈴蘭、ドイツスズラン、リリーオブザバレー、君影草
適期
植え付けは10月
価格目安
苗は300〜900円

💡豆知識

スズランは、ヨーロッパでは「幸福が訪れる花」として、たいへん愛されてきました。とくにフランスでは、5月1日を「ミュゲ(スズラン)の日」とし、この日にスズランを贈ると、贈った相手に幸運が訪れるとされ、街角でスズランの花束が売られる、初夏の風物詩になっています。

イギリスの王室の結婚式のブーケにも、スズランがよく用いられ、清らかさと幸福の象徴とされています。和名の「スズラン(鈴蘭)」は、鈴のような花の形に由来し、別名「君影草(きみかげそう)」は、葉の陰にひっそりと花を咲かせる、奥ゆかしい姿にちなみます。

一方で、スズランは、その可憐な姿からは想像しにくいほど、強い毒をもつ有毒植物としても知られます。花・葉・根・果実のすべてに、コンバラトキシンなどの強心配糖体を含み、誤って口にすると、おう吐や、心臓の不調などを引き起こす危険があります。スズランを生けた花瓶の水にも毒が溶け出すといわれ、その水を飲んでしまった事故も報告されています。

ニラやギョウジャニンニクの葉と、スズランの葉が似ているため、山菜と間違えて食べてしまう誤食事故も。美しい花ですが、扱うときは、口に入れないこと、作業後は手を洗うことを、しっかり守りましょう。

Calendar

育成カレンダー

全国の月別育成カレンダー
作業 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
植え付け
10月は植え付け
開花
4月は開花
追肥
3月は追肥
6月は追肥
関東の月別育成カレンダー
作業 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
植え付け
10月は植え付け
開花
4月は開花
追肥
3月は追肥
6月は追肥
近畿の月別育成カレンダー
作業 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
植え付け
10月は植え付け
開花
4月は開花
追肥
3月は追肥
6月は追肥

数字は月を表します。色帯のある月がその作業の適期です。上のタブで地域を切り替えられます。

At a glance

ひと目でわかる特徴

育てやすさ やさしい
収穫・開花の早さ とても早い
手軽さ(コスト) 手軽

Specs

形態と環境条件

形態

草丈
15〜30cm
株張り
20〜50cm
花のサイズ
釣り鐘形の小花(径0.5〜1cm・白/桃)
実のサイズ
赤い液果(有毒)

環境条件

日照
半日陰
耐寒温度
-20℃
耐暑温度
30℃
土壌pH
6.0〜7.0
水やり
湿り気を好む。土の表面が乾いたらたっぷり。夏は乾かさない。
肥料
緩効性化成肥料・腐葉土

How to grow

育て方ステップ

  1. 1

    植え付け(半日陰の涼しい場所に)

    約14日

    スズランは、芽(根茎の先につく芽)のついた株や、ポット苗で出回ります。植え付けの適期は、休眠している秋(10〜11月)か、早春(2〜3月)。スズラン栽培で、いちばん大切なのが、場所選びです。スズランは、半日陰を好み、夏の強い直射日光と、暑さを、やや苦手とします。

    直射が強く当たる場所や、西日のきつい場所では、葉が傷んだり、株が弱ったりするので、落葉樹の木陰や、建物の北側など、午前中だけ、やわらかい光が当たるような、涼しく明るい半日陰を選びます。土は、湿り気があって、水はけと水もちのバランスのよい、肥えた土が向きます。

    植え付け前に、腐葉土や堆肥をたっぷりすき込んで、ふかふかの土をつくっておくと、よく育ちます。芽つきの株を植えるときは、芽の先が、地面から少し出るくらいの、浅植えにします。スズランは、地下茎(根茎)を横に伸ばして、どんどん株がふえていくので、植え付けるときは、株間を、10〜15cmほどあけて、広がるスペースを確保します。鉢植えにする場合も、浅めに、ゆとりをもって植えます。なお、スズランは全草が有毒なので、植え付け作業のあとは、手をよく洗いましょう。

    💡秋か早春に、半日陰の涼しい場所へ。芽は浅植え、株間10〜15cm。腐葉土で湿り気のある土に。作業後は手を洗う。

  2. 2

    水やりと肥料

    約60日

    スズランは、湿り気のある環境を好むので、土を乾かしすぎないように、水やりをします。土の表面が乾いたら、たっぷりと水を与え、とくに、生育期の春から、花が咲く初夏にかけては、水切れさせないようにします。スズランが、もともと育つのは、落葉樹の下のような、適度に湿った場所なので、乾燥が続くと、葉が傷んだり、花つきが悪くなったりします。

    夏は、とくに乾きやすいので、半日陰の涼しい場所で、土の乾燥に注意します。ただし、過湿で、いつもじめじめした状態が続くと、根が傷むので、水はけは確保しておきます。鉢植えは、地植えより乾きやすいので、こまめに水やりします。肥料は、それほど多くは必要ありません。

    早春の芽出しのころに、緩効性の化成肥料や、腐葉土を、株元に施しておき、花が終わったあとに、お礼肥として、少量の肥料を与えると、地下茎が充実して、翌年の花つきがよくなります。肥料が多すぎると、葉ばかりが茂って、花が咲きにくくなることがあるので、控えめにします。半日陰で、適度な湿り気を保ち、控えめの肥料で育てるのが、毎年たくさんの花を咲かせるコツです。

    💡湿り気を好むので乾かしすぎない(とくに春〜初夏と夏)。過湿は避け水はけは確保。肥料は早春と花後に控えめに。

  3. 3

    開花を楽しむ(香りと切り花)

    約30日

    スズランは、初夏(4〜5月ごろ)、つややかな緑の葉のあいだから、すっと花茎を立ち上げ、白い鈴のような小花を、いくつも並べて、うつむき加減に咲かせます。可憐な花姿に加え、甘く上品な香りがあるのも、スズランの大きな魅力。香水の原料になるほどの、清らかな香りが、初夏の庭に漂います。

    花は、白が一般的ですが、ピンク色の花を咲かせる品種もあります。花つきをよくするには、前のステップのとおり、半日陰で、適度な湿り気を保ち、株を充実させることが大切です。スズランは、香りのよい切り花としても人気で、グラスなどに、数本生けるだけで、初夏の清涼感を、室内に運んでくれます。

    フランスの「スズランの日」のように、小さな花束にして、贈り物にするのも素敵です。ただし、ここで重要な注意があります。スズランは、花も含めて全草が有毒で、その毒は、切り花を生けた花瓶の水にも溶け出すといわれます。生けた水を、誤って飲んだり、その水を、ほかの食器と一緒に扱ったりしないよう、また、小さなお子さんやペットが、花や水に触れたり口にしたりしないよう、置き場所には十分注意します。美しさと香りを楽しみつつ、毒性を忘れずに、安全に扱いましょう。

    💡初夏に白い鈴形の花が甘く香る。切り花でも楽しめるが、生けた水も有毒。子ども・ペットが口にしない場所に置く。

  4. 4

    花後の管理と株分けでふやす

    約60日

    スズランは、花が終わったあとの管理と、数年に一度の株分けで、長く、たくさんの花を楽しめます。花が咲き終わったら、花茎を、株元から切り取ります。スズランは、花のあとに、赤い実(液果)をつけることがありますが、この実も有毒なので、お子さんやペットが、口に入れないよう、気になる場合は、早めに摘み取ります。

    花後に、お礼肥として、少量の肥料を施し、葉が緑のあいだは、日(半日陰の光)に当てて、光合成をさせ、地下茎に養分をためさせます。スズランは、地下茎(根茎)を横に伸ばして、株がどんどんふえていくので、何年か育てると、株が混み合ってきます。混み合うと、花つきが悪くなるので、数年に一度、休眠期の秋(10〜11月)に、掘り上げて、株分けをします。

    地下茎を、芽が2〜3個つくように、手で分けるか、清潔なハサミで切り分けて、植え直すと、再び元気に、よく花を咲かせます。株分けでふやした株は、別の半日陰の場所に植えれば、スズランの群生を広げていけます。作業のときは、有毒なので、手袋をするか、作業後に、必ず手を洗いましょう。

    💡花後は花茎を切り、赤い実も有毒なので必要なら摘む。地下茎でふえるので数年に一度、秋に株分け。作業後は手洗いを。

  5. 5

    冬越しと毒性の注意(安全に育てる)

    約120日

    スズランは、寒さに非常に強い植物です。冬になると、地上部の葉が、自然に黄色く枯れていきますが、地下茎は生きていて、土の中で休眠して、冬を越します。地植えなら、防寒はまったく不要で、雪の降る寒冷地でも、屋外で楽に冬を越せます。むしろ、スズランは、冬に、一定期間、寒さに当たることで、春の芽出しと開花が、うまく進みます。

    鉢植えも、屋外の、軒下などに置いて、寒さに当てて冬を越させます。休眠中の冬は、生育していないので、水やりは、土がからからに乾かない程度に、ごく控えめにします。やりすぎると、休眠中の地下茎が腐ることがあるので注意します。春になって暖かくなると、また、地面から、とがった芽が顔を出し、葉が展開して、初夏に花を咲かせます。

    最後に、もう一度、毒性についての大切な注意です。スズランは、花・葉・根・実のすべてに、強い毒(強心配糖体)を含む有毒植物です。とくに、葉が、ニラやギョウジャニンニクに似ているため、山菜と間違えて食べてしまう、重大な誤食事故が、毎年のように起きています。

    スズランは、あくまで観賞用と心得て、絶対に食用にしないこと。家庭菜園の、食べられる植物(ニラなど)の近くには植えないこと。小さなお子さんやペットが、誤って口にしない場所で育てること。これらを守れば、毎年、初夏に、清らかな花と香りを届けてくれる、安全で美しい花です。

    💡寒さに強く地植えは防寒不要、冬の寒さが開花に必要。休眠中は水控えめ。全草有毒で葉がニラに似るため誤食に厳重注意。

Checklist

育てる前のチェックリスト

  • スズランの芽つき株・苗

    秋・早春に出回る。ドイツスズランが一般的。

    300〜900円
  • 腐葉土・培養土 (任意)

    湿り気を保つ、ふかふかの土に。

    400〜1,200円
  • 鉢・プランター (任意)

    浅めにゆとりをもって植える。

    300〜1,200円
  • 緩効性肥料 (任意)

    早春と花後に少量。

    400〜1,000円
初期費用の目安(必須のみ) 300〜900円

Pests & Diseases

かかりやすい病害虫

害虫

アブラムシ

まれ

症状: 新芽が縮れる、葉がべたつく、すす病を誘発。

予防: 風通しを良くし、窒素過多を避ける。シルバーマルチで忌避。

対処: 見つけ次第捕殺、牛乳スプレーや薬剤で防除。

病気

灰色かび病

時々

症状: 花弁や果実が褐変し灰色のカビに覆われる。

予防: 枯れ花をこまめに除去、密植を避ける。

対処: 罹病部を処分し殺菌剤を散布。

Flower meaning

花言葉

  • 「純粋・純潔・再び幸せが訪れる」

    清らかな白い花姿と、ヨーロッパで幸福を呼ぶ花とされたことに由来します。

  • 「return of happiness(幸福が再び訪れる)」

    フランスの「スズランの日」など、幸運を贈る花とされた習慣にちなみます。

  • 「幸福・愛らしさ」

    ピンク

    やさしい桃色の花の印象にちなむとされています。

Common mistakes

失敗あるある TOP3

⚠ 夏の暑さ・強い直射で弱る

葉が傷み、株が弱って花つきが悪くなります。

原因: 強い直射日光や西日、夏の高温と乾燥。

対策: 落葉樹の木陰や北側の半日陰など、涼しく明るい場所で育て、夏は乾かさないようにします。

⚠ 全草が有毒で誤食の危険

誤食でおう吐・心臓の不調などの中毒を起こします。

原因: 葉がニラ等に似て山菜と誤認、子ども・ペットの誤食、生けた水の誤飲。

対策: 食用植物の近くに植えず、口にしない場所で育て、実は摘み、作業後は手を洗います。

⚠ 株の混み合いで花が減る

年々、花つきが悪くなります。

原因: 地下茎でふえて株が混み合った。

対策: 数年に一度、秋に掘り上げて株分けし、混み合いを解消します。

FAQ

よくある質問

はい、スズランは半日陰で丈夫に育ち、地下茎でふえて毎年咲き、寒さにも強いので、置き場所さえ合えば育てやすい花です。夏の暑さと強い直射、過湿が苦手なので、落葉樹の木陰や北側の半日陰の、涼しく明るい場所を選びます。ただし全草が有毒なので、誤食には十分注意してください。

スズランは花・葉・根・実のすべてに強い毒(強心配糖体)を含む有毒植物で、誤食するとおう吐や心臓の不調を起こす危険があります。とくに葉がニラやギョウジャニンニクに似ているため、山菜と間違える誤食事故が起きています。観賞用と心得て、食用植物の近くに植えず、子どもやペットが口にしない場所で育て、作業後は手を洗いましょう。

はい、スズランはむしろ半日陰を好みます。強い直射日光と夏の暑さが苦手なので、午前中だけやわらかい光が当たる、落葉樹の木陰や建物の北側のような、涼しく明るい半日陰が最適です。日当たりの悪い場所を有効活用できる花ですが、まったくの暗い日陰では花つきが悪くなります。

スズランは地下茎(根茎)を横に伸ばして自然に株がふえます。数年育てて混み合ってきたら、休眠期の秋(10〜11月)に掘り上げ、地下茎を芽が2〜3個つくように分けて植え直す「株分け」でふやせます。混み合いを解消すると花つきもよくなります。作業時は有毒なので手袋をするか、後で手を洗いましょう。

日照不足(暗すぎる日陰)、株の混み合い、肥料の過不足、夏の高温乾燥で株が弱った、などが原因です。明るい半日陰で、適度な湿り気を保ち、混み合ったら株分けし、早春と花後に控えめに肥料を与えると、花つきがよくなります。花後に葉を残して光合成させ、地下茎を充実させることも大切です。

スズランは寒さに非常に強く、冬は地上部が枯れて地下茎で休眠して冬を越します。地植えなら防寒は不要で、寒冷地でも屋外で越せます。むしろ冬の寒さに当たることが春の開花に必要です。鉢も屋外で寒さに当てます。休眠中の水やりは、土がからからに乾かない程度に控えめにします。

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