ニンジン
Daucus carota Carrot
ニンジンは、鮮やかなオレンジ色と豊富なβカロテンで知られる、家庭菜園でも人気の根菜です。生で、煮て、炒めてと用途が広く、栄養価も高い緑黄色野...
かんたんに言うと
ニンジンは発芽までが勝負の根菜で、種を薄く覆土して土を乾かさず発芽させ、しっかり間引けば家庭でも甘い根が育ちます。
Profile
基本情報
ニンジンは、鮮やかなオレンジ色と豊富なβカロテンで知られる、家庭菜園でも人気の根菜です。生で、煮て、炒めてと用途が広く、栄養価も高い緑黄色野菜の代表格。プランターでも深さがあれば育てられます。ニンジン栽培で最大の関門は「発芽」です。種が好光性(光を好む)で覆土を薄くする必要があるうえ、発芽までに1〜2週間と時間がかかり、その間に一度でも土が乾くと発芽しません。
逆にいえば、発芽さえそろえば、その後は比較的丈夫に育ちます。発芽を成功させるコツは、種まき後に薄く覆土して土をしっかり鎮圧(押さえる)し、発芽するまで毎日水をやって絶対に乾かさないこと。寒冷紗や不織布をベタがけして乾燥を防ぐのも有効です。もうひとつのポイントは「間引き」で、混み合うと根が太らず、また又根(また状に分かれた根)になりやすいので、2回に分けて間引いて株間を確保します。
土に石や未熟な堆肥があると又根や又割れの原因になるため、種まき前によく土を耕してとり除いておきます。土寄せをして根の肩を覆い、緑化(青首)を防げば、きれいなニンジンが収穫できます。手間はかかりますが、採れたての甘いニンジンは格別です。深型のプランターでも栽培でき、栄養価の高い緑黄色野菜を家庭で収穫できるのも大きな魅力です。
💡豆知識
ニンジンはセリ科の野菜で、原産地はアフガニスタン周辺とされます。じつは、もともとのニンジンは紫色や黄色・白色で、現在主流のオレンジ色は、16〜17世紀ごろにオランダで品種改良されて生まれたといわれます。日本には2つの系統が伝わっており、お正月の煮しめでおなじみの細長く赤い「金時にんじん(東洋種)」と、ふだんスーパーで見る太いオレンジ色の「西洋種」があります。
オレンジ色のもとである色素「カロテン」は、その名がニンジンの英語「carrot」に由来します。体内でビタミンAに変わり、目や皮膚の健康に役立つ栄養素として知られています。
Calendar
育成カレンダー
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 種まき | 3月は種まき | 4月は種まき | 7月は種まき | 8月は種まき | ||||||||
| 収穫 | 6月は収穫 | 11月は収穫 | 12月は収穫 | |||||||||
| 病害虫注意 | 5月は病害虫注意 |
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 種まき | 3月は種まき | 4月は種まき | 7月は種まき | |||||||||
| 収穫 | 6月は収穫 | 11月は収穫 | 12月は収穫 | |||||||||
| 病害虫注意 | 5月は病害虫注意 |
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 種まき | 3月は種まき | 4月は種まき | 8月は種まき | |||||||||
| 収穫 | 6月は収穫 | 11月は収穫 | 12月は収穫 | |||||||||
| 病害虫注意 | 5月は病害虫注意 |
数字は月を表します。色帯のある月がその作業の適期です。上のタブで地域を切り替えられます。
At a glance
ひと目でわかる特徴
Specs
形態と環境条件
形態
- 草丈
- 30〜50cm
- 株張り
- 5〜15cm
- 実のサイズ
- 長さ15〜20cmの根(品種による)
環境条件
- 日照
- 日なた
- 耐寒温度
- -3℃
- 耐暑温度
- 30℃
- 土壌pH
- 6.0〜6.5
- 水やり
- 発芽までは乾かさない。以後は土が乾いたらたっぷり。
- 肥料
- 元肥中心(化成肥料)・追肥
How to grow
育て方ステップ
-
1
土づくり・種まき
約1日ニンジンはまっすぐ根を伸ばすため、種まき前に深さ25〜30cmまでよく耕し、石や土の塊、未熟な堆肥を取り除きます(これらが残ると根が分かれる「又根」の原因になります)。種まきは春(3〜4月)と夏(7〜8月)が適期。深さ1cmほどのまき溝にすじまきし、種は好光性なので覆土はごく薄く(5mm程度)にします。
まいたあとは、土と種を密着させるため手や板でしっかりと鎮圧(押さえる)するのが、発芽成功の重要なコツです。プランターは深さ25cm以上のものを使います。
💡石・未熟堆肥を除いて深く耕し、覆土は薄く、種まき後はしっかり鎮圧します。
-
2
発芽までの管理
約14日ニンジン栽培の最大の関門が発芽です。種は発芽までに1〜2週間かかり、その間に一度でも土の表面が乾くと、発芽率が大きく下がってしまいます。発芽するまでは、毎日やさしく水をやり、土の表面を絶対に乾かさないことが鉄則です。乾燥を防ぐために、寒冷紗や不織布、新聞紙などを土の上にベタがけしておくと効果的です(芽が出始めたらすぐに外します)。
すじまきで種を多めにまいておくと、隣同士が支え合って発芽しやすくなるという利点もあります。ここを乗り越えれば、その後の栽培はぐっと楽になります。
💡発芽まで土を乾かさないことが全て。不織布のベタがけで乾燥を防ぎます。
-
3
間引き
約30日発芽後、生育に合わせて2回に分けて間引きます。1回目は本葉が1〜2枚のころに株間3cm程度に、2回目は本葉が4〜5枚のころに、最終的に株間10〜12cmになるよう間引きます。混み合ったまま育てると、根が太らなかったり、互いに押し合って曲がったりします。
間引きの際は、残す株の根を傷めないよう、ハサミで地ぎわを切るか、土を押さえながらそっと抜きます。間引き菜は、やわらかい葉と小さな根をかき揚げやサラダで食べられます。間引きと同時に、株がぐらつかないよう株元に土を寄せておきます。
💡2回に分けて最終株間10〜12cmに。間引き菜も葉ごと食べられます。
-
4
土寄せ・追肥
約60日ニンジンは生育が進むと、根の上部(肩)が地面から出てくることがあります。肩が日光に当たると緑色に変色する「青首(あおくび)」になり、見た目と味が落ちるので、間引きや追肥のタイミングで株元に土を寄せ、肩を覆っておきます。追肥は、間引き後に化成肥料を株間に施し、土寄せと一緒に行うと効率的です。
水やりは、発芽後は土が乾いたらたっぷりと与えますが、収穫が近づいてからの急な多湿は根割れ(裂根)の原因になるので、乾湿のムラを避けて一定に保つようにします。
💡根の肩を土寄せで覆い、緑化(青首)を防ぎます。追肥は間引きとセットで。
-
5
収穫
約1日種まきから100〜130日ほど、根の直径が4〜5cm程度になったら収穫適期です。地面から出ている根の肩の張り具合で、太り方を判断できます。試しに1本抜いてみて、十分なサイズになっていたら収穫していきます。収穫は、葉の付け根をしっかり持って、まっすぐ上に引き抜きます。
土が固いときは、先に株元に水をやって土をゆるめると抜きやすくなります。とり遅れて畑に長く置きすぎると、根が割れたり、すが入ったり、固くなったりするので、適期に収穫します。寒い時期は、土の中に置いておけば数週間は保存でき、必要な分だけ抜いて使えます。
💡根の肩の太りを目安に。固い土は水でゆるめてから抜くと折れにくいです。
Checklist
育てる前のチェックリスト
-
✓150〜400円
ニンジンの種
短根種はプランター向き。
-
✓500〜1,000円
野菜用培養土(深型用)
深型プランター栽培用。
-
✓800〜2,000円
深型プランター(深さ25cm以上)
根が長く伸びるため。
-
○300〜800円
不織布・寒冷紗 (任意)
発芽期の乾燥防止に。
Pests & Diseases
かかりやすい病害虫
アブラムシ
時々症状: 新芽が縮れる、葉がべたつく、すす病を誘発。
予防: 風通しを良くし、窒素過多を避ける。シルバーマルチで忌避。
対処: 見つけ次第捕殺、牛乳スプレーや薬剤で防除。
ハダニ
まれ症状: 葉に白いかすり状の斑点、ひどいと葉が枯れる。
予防: 葉裏への葉水で乾燥を防ぐ。
対処: 葉裏への葉水を継続し、専用の殺ダニ剤を使用する。
ヨトウムシ
よく発生症状: 葉に大きな食害痕、株元の地中に潜む。
予防: 防虫ネットで産卵を防ぐ。
対処: 夜間または株元を掘って捕殺、薬剤を使用。
Nutrition
栄養と食べ方
- エネルギー
- 35kcal
- ビタミンC
- 6mg
- ビタミンA
- 720μg
- ビタミンK
- 18μg
- 葉酸
- 21μg
- 鉄
- 0.2mg
- カルシウム
- 28mg
- カリウム
- 300mg
- 食物繊維
- 2.8g
旬・味: 秋〜冬が旬。甘みが増し、βカロテンが豊富。
保存: 葉を切り落とし、水気を拭いてポリ袋に入れ立てて冷蔵。
Common mistakes
失敗あるある TOP3
⚠ 発芽不良
まいた種がそろって発芽しません。
原因: 覆土が厚い、種まき後の乾燥、鎮圧不足。
対策: 覆土は薄く、しっかり鎮圧し、発芽まで乾かさず不織布で保湿します。
⚠ 又根(根の分岐)
根が二股・三股に分かれます。
原因: 土中の石・塊・未熟堆肥に根が当たる。
対策: 深く耕して障害物を除き、完熟堆肥を使います。
⚠ 青首(肩の緑化)
根の上部が緑色に変色します。
原因: 根の肩が露出し日光に当たる。
対策: 生育中に株元へ土寄せして肩を覆います。
FAQ
よくある質問
発芽までに土が乾いたのが最大の原因です。覆土は薄く、種まき後はしっかり鎮圧し、発芽するまで毎日水をやって乾かさないこと。不織布のベタがけが効果的です。
土の中の石や土の塊、未熟な堆肥に根の先が当たるのが原因です。種まき前に深く耕して障害物を除き、完熟堆肥を使いましょう。
根の肩が地面から出て日光に当たる「青首」です。生育中に株元へ土を寄せて肩を覆っておくと防げます。
深さ25cm以上の深型プランターなら、短めの品種(ミニニンジン等)を育てられます。浅い容器では根が十分に育ちません。
2回に分けて、最終的に株間10〜12cmにします。混み合うと根が太らず曲がるので、思いきって間引くのが太く育てるコツです。
セリ科を好むキアゲハの幼虫です。葉を食べるので、見つけたら捕殺します。被害が大きい場合は防虫ネットも有効です。
Related
同じカテゴリの植物
🥬 野菜
ミニトマト
Solanum lycopersicum
🥬 野菜
キュウリ
Cucumis sativus
🥬 野菜
トマト
Solanum lycopersicum
🥬 野菜
ラディッシュ
Raphanus sativus var. sativus
🥬 野菜
サツマイモ
Ipomoea batatas
🥬 野菜
オカヒジキ
Salsola komarovii
Compare
ほかの植物と比較する
ニンジンと似た植物を、育てやすさや育て方で比べてみましょう。
Same family
同じ科の植物
🌿 ハーブ
パセリ
Petroselinum crispum
🌿 ハーブ
パクチー
Coriandrum sativum
🌿 ハーブ
ディル
Anethum graveolens
🌿 ハーブ
フェンネル
Foeniculum vulgare
🥬 野菜
セロリ
Apium graveolens
🌿 ハーブ
チャービル
Anthriscus cerefolium