セロリ
Apium graveolens Celery
セロリは、シャキシャキとした食感と独特のさわやかな香りが特徴の、セリ科の葉茎野菜です。生でサラダやスティックに、加熱してスープや煮込み、炒め...
かんたんに言うと
セロリは冷涼な気候を好むセリ科の葉茎野菜。高温・乾燥・過湿に弱く栽培期間が長め。苗から育て、水を切らさないのがやわらかく育てる最大のコツです。
Profile
基本情報
セロリは、シャキシャキとした食感と独特のさわやかな香りが特徴の、セリ科の葉茎野菜です。生でサラダやスティックに、加熱してスープや煮込み、炒め物にと幅広く使われ、肉や魚の臭み消し、フランス料理の香味野菜「ミルポワ」の一員としても欠かせません。
食用にするのは、肉厚で筋のある葉柄(ようへい=茎の部分)と、香り高い葉です。冷涼な気候を好む野菜で、生育適温は15〜20度ほど。高温と乾燥、過湿のいずれにも弱く、栽培期間も長いため、家庭菜園のなかではやや難易度の高い野菜とされますが、その分うまく育てられたときの満足感は大きいです。
育苗に時間がかかり発芽もそろいにくいので、家庭では苗から育てるのが手軽で確実。日本では春に苗を植えて夏から秋に収穫する作型と、夏に植えて秋から冬に収穫する作型があります。乾燥を嫌い水を好むため、水切れさせないことが、やわらかく筋の少ないおいしいセロリを育てる最大のコツです。
株元を軟白するとより白くやわらかい葉柄になります。プランターでも育てられ、外側の葉柄を1本ずつ「かきとり収穫」すれば長く楽しめる、香り豊かな野菜です。採れたての葉の香りは市販品とはひと味違い、手をかけた甲斐を感じられる、育てがいのある野菜です。
💡豆知識
セロリの原産地は地中海沿岸やヨーロッパの湿地帯で、もともとは野生の「ワイルドセロリ」が薬草や香料として利用されていました。古代ギリシャ・ローマでは、香りのよい葉を整腸や強壮の薬として用い、競技の勝者に贈る冠にも使われたと伝えられます。現在のように葉柄を食用にする野菜として改良されたのは、ヨーロッパで17世紀ごろとされ、比較的新しい歴史をもちます。
日本へは、加藤清正が朝鮮出兵の際に持ち帰ったという伝承から「清正人参(せいしょうにんじん)」と呼ばれたり、オランダから伝わったことで「オランダミツバ」と呼ばれたりしました。独特の強い香りのため、かつては日本人になじみが薄い野菜でしたが、戦後の洋食の普及とともに広まりました。香り成分にはアピインやセネリンなどが含まれ、リラックス効果や食欲増進に役立つとされ、葉の部分にも栄養と香りが豊富に詰まっています。
Calendar
育成カレンダー
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 植え付け | 4月は植え付け | |||||||||||
| 収穫 | 7月は収穫 | 8月は収穫 | 9月は収穫 | |||||||||
| 追肥 | 5月は追肥 | |||||||||||
| 病害虫注意 | 6月は病害虫注意 |
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
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| 植え付け | 4月は植え付け | |||||||||||
| 収穫 | 7月は収穫 | 9月は収穫 | 10月は収穫 | |||||||||
| 追肥 | 5月は追肥 | |||||||||||
| 病害虫注意 | 6月は病害虫注意 |
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
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| 植え付け | 4月は植え付け | |||||||||||
| 収穫 | 7月は収穫 | 9月は収穫 | 10月は収穫 | |||||||||
| 追肥 | 5月は追肥 | |||||||||||
| 病害虫注意 | 6月は病害虫注意 |
数字は月を表します。色帯のある月がその作業の適期です。上のタブで地域を切り替えられます。
At a glance
ひと目でわかる特徴
Specs
形態と環境条件
形態
- 草丈
- 40〜60cm
- 株張り
- 30〜40cm
- 花のサイズ
- 白い小花が傘状に集まる
環境条件
- 日照
- 日なた
- 耐寒温度
- 0℃
- 耐暑温度
- 30℃
- 土壌pH
- 6.0〜6.5
- 水やり
- 乾燥を嫌う。土を乾かさないようたっぷり与える。
- 肥料
- 野菜用化成肥料・有機質肥料
How to grow
育て方ステップ
-
1
苗の植え付け
約7日セロリは種が細かく発芽がそろいにくいうえ、育苗に長い日数がかかるため、家庭菜園では苗から育てるのが手軽で確実です。植え付けの適期は、冷涼な気候を好む性質から、春(4〜5月)か、夏の終わり(8〜9月)。真夏や真冬の極端な気温は避けます。苗は、本葉が4〜6枚で、茎ががっしりして葉の色が濃いものを選びましょう。
植え付け場所は、日当たりがよく、保水力のある肥沃な土が理想です。セロリは乾燥を嫌い水を好むので、水もちのよい土に、堆肥や元肥をたっぷり入れて準備します。株間は30cmほどあけて植え付けます。植え付けが浅すぎても深すぎてもよくないので、根鉢の表面が地面と同じ高さになるように植えます。植え付け後はたっぷり水を与え、根づくまでは特に乾かさないよう管理します。
💡育苗が難しいので苗から。保水力のある肥沃な土に植えます。
-
2
水を切らさない管理
約90日セロリ栽培で最も大切なのが、水を切らさないことです。セロリはもともと湿地に育つ植物で、乾燥に非常に弱く、水切れを起こすと葉柄が硬く筋っぽくなったり、生育が止まったり、苦みが強くなったりします。土の表面が乾く前に、たっぷりと水を与えるくらいの気持ちで、常に適度な湿り気を保ちます。
とくにプランターは乾きやすいので、夏は朝夕の水やりが必要になることもあります。ただし、水はけが極端に悪く根が常に水びたしになると根腐れするので、水もちと水はけのバランスは大切です。乾燥対策として、株元を敷きわらやマルチングで覆うと、土の乾燥と地温の上昇を抑えられて効果的です。「乾かさない」ことが、やわらかく筋の少ないおいしいセロリを育てる何よりのコツになります。
💡乾燥厳禁。土を乾かさないようたっぷり水やりし、マルチングも有効です。
-
3
追肥で大きく育てる
約90日セロリは肥料をたくさん必要とし、栽培期間も長いため、追肥を切らさないことが大切です。肥料が不足すると、株が大きくならず、葉柄も細く貧弱になってしまいます。植え付けて2〜3週間後から、月に1〜2回を目安に、野菜用の化成肥料や液体肥料で追肥を続けます。
株のまわりに肥料を施し、軽く土を寄せて株を安定させます。チッ素・リン酸・カリのバランスのとれた肥料を使い、水やりとあわせて生育を促します。順調に育つと、外側から内側へと葉柄が次々と増えて、株が大きく立ち上がってきます。肥料と水をしっかり与えて株を充実させることが、太くやわらかい葉柄をたくさん収穫することにつながります。生育期を通して、水と肥料を切らさない手厚い管理が、セロリ栽培の成功の鍵です。
💡肥料を多く必要とします。月1〜2回の追肥を切らさず続けます。
-
4
軟白(株元を覆う)
約14日セロリの葉柄をより白く、やわらかく、香りもマイルドに仕上げたい場合は、収穫前に株元へ日光を当てないようにする「軟白(なんぱく)」を行います。日光が当たらないと葉柄の緑色がうすくなり、白くやわらかい部分が長くなります。方法は、収穫の2〜3週間前に、株元に土を寄せて埋める「土寄せ」をするか、新聞紙や厚紙、筒などを株のまわりに巻いて光を遮ります。
市販のセロリが白っぽくやわらかいのは、こうした軟白栽培によるものです。ただし、軟白すると蒸れて株元が傷みやすくなるので、長期間覆いすぎないよう注意し、覆っている間も水やりは続けます。軟白は必須の作業ではなく、緑色のままでも食べられます。香りや歯ごたえのしっかりした緑のセロリが好みなら、軟白せずに育ててもかまいません。好みに応じて取り入れる作業です。
💡白くやわらかくしたいなら収穫前に株元を土寄せや紙で覆って軟白します。
-
5
収穫
約14日セロリの収穫には、株ごと一度に収穫する方法と、外側の葉柄を必要なぶんだけ摘み取る「かきとり収穫」の2通りがあります。家庭菜園では、外側の大きく育った葉柄を1本ずつ根元からかき取って収穫していくと、株を残しながら長期間少しずつ収穫でき、無駄がありません。
株全体を収穫する場合は、葉柄が十分に太く立派に育ち、草丈が40〜50cmほどになったころ、株元に包丁を入れて切り取ります。栽培期間が長く、植え付けから収穫まで3〜4か月ほどかかります。とり遅れて気温が高くなりすぎたり、株が古くなりすぎたりすると、花茎が伸びる「とう立ち」をして葉柄が硬くなるので、適期を逃さず収穫します。収穫した葉の部分も、香りが強く栄養豊富なので、捨てずにスープや炒め物の香りづけに活用するのがおすすめです。
💡外葉のかきとり収穫なら長く楽しめます。とう立ち前に収穫します。
Checklist
育てる前のチェックリスト
-
✓150〜400円
セロリの苗
本葉4〜6枚の丈夫な苗を選ぶ。
-
✓400〜1,200円
野菜用培養土・堆肥
保水力のある肥沃な土を好む。
-
✓400〜1,000円
野菜用化成肥料
月1〜2回の追肥用。
-
○300〜800円
敷きわら・マルチング材 (任意)
乾燥防止と地温上昇の抑制に。
Pests & Diseases
かかりやすい病害虫
アブラムシ
よく発生症状: 新芽が縮れる、葉がべたつく、すす病を誘発。
予防: 風通しを良くし、窒素過多を避ける。シルバーマルチで忌避。
対処: 見つけ次第捕殺、牛乳スプレーや薬剤で防除。
ハダニ
時々症状: 葉に白いかすり状の斑点、ひどいと葉が枯れる。
予防: 葉裏への葉水で乾燥を防ぐ。
対処: 葉裏への葉水を継続し、専用の殺ダニ剤を使用する。
ヨトウムシ
時々症状: 葉に大きな食害痕、株元の地中に潜む。
予防: 防虫ネットで産卵を防ぐ。
対処: 夜間または株元を掘って捕殺、薬剤を使用。
Nutrition
栄養と食べ方
- エネルギー
- 12kcal
- ビタミンC
- 7mg
- ビタミンA
- 4μg
- ビタミンK
- 10μg
- 葉酸
- 29μg
- 鉄
- 0.2mg
- カルシウム
- 39mg
- カリウム
- 410mg
- 食物繊維
- 1.5g
旬・味: 春と秋〜冬が旬。シャキシャキとした食感とさわやかな独特の香り。低カロリーで食物繊維が豊富。
保存: 葉と茎を分け、ポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室へ立てて保存。葉は早めに使う。刻んで冷凍も可能。
Common mistakes
失敗あるある TOP3
⚠ 水切れで硬く筋っぽくなる
葉柄が細く硬く、筋が多くなります。
原因: 乾燥・水切れ、肥料不足。
対策: 土を乾かさずたっぷり水やりし、追肥を続けます。マルチングも有効です。
⚠ とう立ちで硬くなる
花茎が伸びて葉柄が硬くなります。
原因: とり遅れ、高温、株の老化。
対策: 適期に収穫し、冷涼な時期に栽培します。外葉から早めに収穫します。
⚠ 株が大きくならない
生育が遅く株が小さいままです。
原因: 肥料不足、高温や低温などの不適な気温。
対策: 月1〜2回の追肥を切らさず、適期(春・初秋)に植え付けます。
FAQ
よくある質問
やや難易度が高い野菜です。高温・乾燥・過湿に弱く栽培期間も長いためですが、苗から育て、水を切らさず追肥を続ければ家庭でも収穫できます。外葉のかきとり収穫なら少しずつ長く楽しめます。
セロリは種が細かく発芽がそろいにくいうえ、育苗に長い日数がかかるためです。家庭では市販の苗から育てるのが手軽で確実。本葉4〜6枚のがっしりした苗を選びましょう。
水切れが主な原因です。セロリは乾燥に弱く、水が不足すると葉柄が硬く筋っぽくなります。土を乾かさないようたっぷり水やりし、株元をマルチングして乾燥を防ぎましょう。
収穫前に株元へ日光を当てない「軟白」を行います。土寄せや、新聞紙・筒で株元を覆って2〜3週間光を遮ると、白くやわらかい葉柄になります。緑のままでも食べられるので必須ではありません。
育てられます。深さのある大きめのプランターを使い、水を切らさないことと追肥が重要です。プランターは乾きやすいので、夏は朝夕の水やりが必要になることもあります。
食べられます。葉の部分は香りが強く栄養も豊富なので、捨てずにスープや炒め物の香りづけ、肉・魚の臭み消しに活用できます。葉柄だけでなく葉も丸ごと楽しめる野菜です。
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