チャービル
Anthriscus cerefolium Chervil
チャービル(セルフィーユ)は、パセリを上品でやさしくしたような、ほのかに甘く繊細な香りをもつセリ科のハーブです。フランス料理に欠かせない「フ...
かんたんに言うと
チャービル(セルフィーユ)は上品で繊細な香りのセリ科ハーブ。涼しい気候と半日陰を好み暑さが苦手。移植を嫌うので直まきが基本で、加熱せず料理の仕上げに使います。
Profile
基本情報
チャービル(セルフィーユ)は、パセリを上品でやさしくしたような、ほのかに甘く繊細な香りをもつセリ科のハーブです。フランス料理に欠かせない「フィーヌゼルブ」を構成する四大ハーブのひとつで、その上品な風味から「美食家のパセリ」とも呼ばれます。レースのように細かく切れ込んだ、明るい緑色のやわらかな葉が美しく、料理の上品な飾りや香りづけに使われます。
スープやオムレツ、魚料理、サラダ、ソースに添えると、見た目も香りも一段と引き立ちます。加熱すると繊細な香りが飛んでしまうため、料理の仕上げに生のまま加えるのが上手な使い方です。涼しい気候を好む半耐寒性の一年草(または二年草)で、暑さと強い直射日光、乾燥が苦手という、ハーブのなかではやや個性的な性質をもちます。
そのため、真夏を避けた春や秋の栽培が向き、半日陰でもよく育ちます。直根性で移植を嫌うので、種は直まきにするのが基本。発芽すれば比較的丈夫で、こぼれ種でも増えます。プランターや鉢、キッチンの窓辺でも育てられ、摘みたての繊細な香りを楽しめる、料理好きにおすすめの上品なハーブです。キッチンの窓辺に一鉢あると、料理の彩りと香りづけにすぐ使えてとても重宝する、上品で実用的なハーブです。
💡豆知識
チャービルは古代ローマ時代から栽培されてきた歴史の古いハーブで、ヨーロッパでは春を告げるハーブとして親しまれてきました。キリスト教圏では、復活祭(イースター)の時期に新芽を食べる習慣があり、生命の再生や復活を象徴するハーブとされてきたといわれます。
フランス料理では、パセリ・タラゴン・チャイブとともに刻んで混ぜ合わせる「フィーヌゼルブ」の重要な一員で、オムレツやサラダ、ソースに上品な香りを添えます。英名・学名の「cerefolium」は「ワックスのような葉」を意味するともいわれ、つやのあるレース状の葉の美しさを表しています。
パセリと同じセリ科ですが、香りはより甘くデリケートで、ほんのりアニスを思わせるニュアンスがあります。繊細さゆえに乾燥や加熱で香りが失われやすく、生のフレッシュな状態でこそ真価を発揮する、まさに「料理の仕上げ役」といえるハーブです。
Calendar
育成カレンダー
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 種まき | 3月は種まき | 9月は種まき | ||||||||||
| 収穫 | 5月は収穫 | 10月は収穫 | 11月は収穫 | |||||||||
| 病害虫注意 | 5月は病害虫注意 |
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 種まき | 3月は種まき | 9月は種まき | ||||||||||
| 収穫 | 5月は収穫 | 10月は収穫 | 11月は収穫 | |||||||||
| 病害虫注意 | 5月は病害虫注意 |
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 種まき | 3月は種まき | 9月は種まき | ||||||||||
| 収穫 | 5月は収穫 | 10月は収穫 | 11月は収穫 | |||||||||
| 病害虫注意 | 5月は病害虫注意 |
数字は月を表します。色帯のある月がその作業の適期です。上のタブで地域を切り替えられます。
At a glance
ひと目でわかる特徴
Specs
形態と環境条件
形態
- 草丈
- 20〜50cm
- 株張り
- 15〜30cm
- 花のサイズ
- 白い小花が傘状に集まる
環境条件
- 日照
- 半日陰
- 耐寒温度
- -5℃
- 耐暑温度
- 28℃
- 土壌pH
- 6.0〜7.0
- 水やり
- 表面が乾いたら与える。乾燥させすぎない。
- 肥料
- 緩効性化成肥料・液体肥料
How to grow
育て方ステップ
-
1
涼しい時期に直まきする
約14日チャービルは涼しい気候を好むため、種まきの適期は春(3〜4月)か秋(9〜10月)です。とくに秋まきは、暑さを避けて長く収穫できるのでおすすめです。チャービルは直根性で移植を嫌うため、ポットで育ててから植え替えるよりも、育てる場所やプランターに直接まく「直まき」が基本になります。
種は好光性なので、覆土はごく薄く、種が隠れる程度にします。発芽までやや日数がかかり、乾くと発芽しにくいので、土の表面が乾かないようやさしく水を保ちます。植え場所は、真夏の強い直射日光と乾燥を嫌うので、半日陰や、午前中だけ日が当たるような場所が向いています。市販の苗もありますが、その場合も根鉢を崩さないようそっと植え付けます。発芽して混み合ったら、順次間引いて株間をあけます。
💡移植を嫌うので直まきが基本。覆土は薄く、半日陰に向きます。
-
2
半日陰で乾かさず育てる
約30日チャービルは、ハーブのなかでは珍しく強い日差しと乾燥が苦手です。真夏の直射日光に当たると葉が傷んだり、生育が衰えたりします。そのため、午前中だけ日が当たる場所や、明るい半日陰で育てるのが向いています。水やりは、乾燥を嫌う性質に合わせて、土の表面が乾いたら与え、乾かしすぎないように管理します。
ただし、過湿で蒸れるのもよくないので、水はけは確保します。やわらかく繊細な葉を保つには、適度な湿り気と涼しさが大切です。肥料は、生育期に緩効性肥料を少量置くか、薄い液体肥料を時々与える程度で十分。多肥にすると香りが弱くなったり、軟弱に育って病気が出やすくなったりします。涼しく、乾かしすぎず、強い日差しを避ける——この環境づくりが、よい香りのチャービルを育てるポイントです。
💡強い直射と乾燥が苦手。半日陰で乾かしすぎないよう管理します。
-
3
収穫と利用
約60日チャービルは、草丈が15〜20cmほどに育ち、葉が十分茂ってきたら収穫できます。種まきから40〜60日ほどが目安です。収穫は、外側の大きく育った葉や茎から、必要なぶんを摘み取ります。株の中心の若い芽を残して外側から摘むと、長く収穫を続けられます。
一度にたくさん使う場合は、株元から3〜5cmほど残して刈り取ると、再びわき芽が伸びて再収穫できます。チャービルの繊細な香りは熱に弱く、加熱すると飛んでしまうため、料理には仕上げに生のまま加えるのが鉄則です。スープやオムレツ、魚料理、サラダ、ソースに散らすと、上品な香りと美しい葉が料理を引き立てます。
摘みたてが最も香り高いので、使う直前に必要なぶんだけ収穫するのがおすすめ。乾燥には向かないので、保存より新鮮なうちに使い切るのがよいでしょう。
💡外葉から摘むと長く収穫できます。加熱で香りが飛ぶので仕上げに使います。
-
4
とう立ち対策と夏越し
約30日チャービルは涼しさを好む反面、気温が上がったり日が長くなったりすると、花を咲かせる準備をして花茎を伸ばす「とう立ち(抽だい)」をします。とう立ちすると、葉が硬くなって香りも落ち、葉の収穫ができなくなります。葉を長く楽しむには、つぼみや花茎が見えてきたら早めに摘み取り、できるだけ葉の生育に養分を向けます。
それでも、暑くなる初夏にはとう立ちしやすいので、春まきのものは梅雨前までが収穫の目安です。夏の高温期は生育が衰えるため、無理に夏越しさせるより、涼しくなる秋にまき直すほうが確実です。半日陰の涼しい場所に置き、株元をマルチングして地温の上昇を抑えると、夏の消耗を多少やわらげられます。あえてとう立ちさせて白い花を咲かせ、こぼれ種で翌シーズンの苗を得る方法もあります。
💡とう立ちすると葉が硬くなります。つぼみは早めに摘み、夏は秋まきで更新します。
-
5
こぼれ種と種採り
約14日チャービルは、とう立ちして花を咲かせると、白い小花が傘状に集まって咲き、その後に細長い種ができます。この種を採取して、次の春や秋にまくことで、また育てられます。種が茶色く熟したら、こぼれ落ちる前に花茎ごと切り取り、紙袋などに入れて乾燥させてから種を採ります。
また、チャービルはこぼれ種でよく増える性質があり、花後に種をこぼれるままにしておくと、涼しくなった秋や翌春に自然に発芽して、手をかけずとも新しい苗が育つことがあります。直根性で移植を嫌うチャービルにとって、こぼれ種で自然に増える方法は、移植のストレスがなく理にかなっています。一度植えれば、こぼれ種で半ば宿根草のように毎シーズン楽しめることもあるので、種ができる一角を作っておくのもおすすめです。
💡熟した種を採るか、こぼれ種に任せると毎シーズン自然に増えます。
Checklist
育てる前のチェックリスト
-
✓250〜500円
チャービルの種
直まき向き。春・秋まき。
-
○300〜600円
チャービルの苗 (任意)
根鉢を崩さず植える。
-
✓400〜1,000円
ハーブ用培養土
水もちと水はけのバランスのよい土。
-
○300〜1,200円
鉢・プランター (任意)
半日陰に置ける移動しやすいもの。
Pests & Diseases
かかりやすい病害虫
アブラムシ
よく発生症状: 新芽が縮れる、葉がべたつく、すす病を誘発。
予防: 風通しを良くし、窒素過多を避ける。シルバーマルチで忌避。
対処: 見つけ次第捕殺、牛乳スプレーや薬剤で防除。
ヨトウムシ
時々症状: 葉に大きな食害痕、株元の地中に潜む。
予防: 防虫ネットで産卵を防ぐ。
対処: 夜間または株元を掘って捕殺、薬剤を使用。
Nutrition
栄養と食べ方
- エネルギー
- 237kcal
- ビタミンC
- 50mg
- ビタミンA
- 583μg
- ビタミンK
- 0μg
- 葉酸
- 274μg
- 鉄
- 32mg
- カルシウム
- 1346mg
- カリウム
- 4740mg
- 食物繊維
- 12g
旬・味: 春と秋が収穫の適期。パセリより甘く繊細で、ほのかにアニスを思わせる上品な香り。
保存: 生は湿らせた紙に包み冷蔵で数日。乾燥には不向きで、刻んで冷凍するか新鮮なうちに使い切る。
Common mistakes
失敗あるある TOP3
⚠ 夏の暑さ・直射で枯れる
夏になると葉が傷み、株が弱って枯れます。
原因: 高温、強い直射日光、乾燥への弱さ。
対策: 半日陰で育て、株元をマルチング。夏は無理せず秋にまき直します。
⚠ とう立ちで葉が硬くなる
花茎が伸びて葉が硬く香りも落ちます。
原因: 気温の上昇・日長によるとう立ち。
対策: つぼみを早めに摘み、涼しい時期に栽培します。秋まきが確実です。
⚠ 移植したら育たない
植え替え後に元気がなくなります。
原因: 直根性で移植を嫌う性質。
対策: 直まきにするか、苗は根鉢を崩さずそっと植え付けます。
FAQ
よくある質問
同じセリ科ですが、チャービルのほうが香りが甘く繊細で上品です。「美食家のパセリ」とも呼ばれ、ほんのりアニスを思わせる風味があります。葉もレース状で細かく、料理の上品な飾りや仕上げに向きます。
むしろ半日陰が向いています。チャービルは強い直射日光と暑さ、乾燥が苦手なので、午前中だけ日が当たる場所や明るい半日陰でよく育ちます。真夏の直射は避けましょう。
チャービルは直根性で移植を嫌うため、植え替えると根が傷んで育ちが悪くなります。育てる場所やプランターに直接まく直まきが基本です。苗の場合も根鉢を崩さずそっと植えます。
気温の上昇や日長で花茎を伸ばす「とう立ち」が原因です。つぼみが見えたら早めに摘み、葉の生育に養分を向けます。暑くなるととう立ちしやすいので、夏は秋まきで更新するのが確実です。
繊細な香りが熱に弱いので、加熱せず料理の仕上げに生のまま加えます。スープやオムレツ、魚料理、サラダ、ソースに散らすと、上品な香りと美しい葉が料理を引き立てます。
乾燥には向かず、香りが失われやすいので、新鮮なうちに使い切るのが基本です。短期間なら湿らせた紙に包んで冷蔵します。摘みたてが最も香り高いので、使う直前に必要なぶんを収穫しましょう。
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