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植物図鑑
🌿
レース状に切れ込んだチャービルの葉
🌿 ハーブ

チャービル

Anthriscus cerefolium Chervil

やさしい 難易度2(5段階中): やさしい 💰 苗は300〜600円

チャービル(セルフィーユ)は、パセリを上品でやさしくしたような、ほのかに甘く繊細な香りをもつセリ科のハーブです。フランス料理に欠かせない「フ...

かんたんに言うと

チャービル(セルフィーユ)は上品で繊細な香りのセリ科ハーブ。涼しい気候と半日陰を好み暑さが苦手。移植を嫌うので直まきが基本で、加熱せず料理の仕上げに使います。

Profile

基本情報

チャービル(セルフィーユ)は、パセリを上品でやさしくしたような、ほのかに甘く繊細な香りをもつセリ科のハーブです。フランス料理に欠かせない「フィーヌゼルブ」を構成する四大ハーブのひとつで、その上品な風味から「美食家のパセリ」とも呼ばれます。レースのように細かく切れ込んだ、明るい緑色のやわらかな葉が美しく、料理の上品な飾りや香りづけに使われます。

スープやオムレツ、魚料理、サラダ、ソースに添えると、見た目も香りも一段と引き立ちます。加熱すると繊細な香りが飛んでしまうため、料理の仕上げに生のまま加えるのが上手な使い方です。涼しい気候を好む半耐寒性の一年草(または二年草)で、暑さと強い直射日光、乾燥が苦手という、ハーブのなかではやや個性的な性質をもちます。

そのため、真夏を避けた春や秋の栽培が向き、半日陰でもよく育ちます。直根性で移植を嫌うので、種は直まきにするのが基本。発芽すれば比較的丈夫で、こぼれ種でも増えます。プランターや鉢、キッチンの窓辺でも育てられ、摘みたての繊細な香りを楽しめる、料理好きにおすすめの上品なハーブです。キッチンの窓辺に一鉢あると、料理の彩りと香りづけにすぐ使えてとても重宝する、上品で実用的なハーブです。

セリ科
分類
ハーブ / 料理用
原産地
ヨーロッパ南東部、西アジア、コーカサス地方
別名
セルフィーユ、ウイキョウゼリ、フレンチパセリ
適期
種まき・植え付けは3・9月
価格目安
苗は300〜600円

💡豆知識

チャービルは古代ローマ時代から栽培されてきた歴史の古いハーブで、ヨーロッパでは春を告げるハーブとして親しまれてきました。キリスト教圏では、復活祭(イースター)の時期に新芽を食べる習慣があり、生命の再生や復活を象徴するハーブとされてきたといわれます。

フランス料理では、パセリ・タラゴン・チャイブとともに刻んで混ぜ合わせる「フィーヌゼルブ」の重要な一員で、オムレツやサラダ、ソースに上品な香りを添えます。英名・学名の「cerefolium」は「ワックスのような葉」を意味するともいわれ、つやのあるレース状の葉の美しさを表しています。

パセリと同じセリ科ですが、香りはより甘くデリケートで、ほんのりアニスを思わせるニュアンスがあります。繊細さゆえに乾燥や加熱で香りが失われやすく、生のフレッシュな状態でこそ真価を発揮する、まさに「料理の仕上げ役」といえるハーブです。

Calendar

育成カレンダー

全国の月別育成カレンダー
作業 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
種まき
3月は種まき
9月は種まき
収穫
5月は収穫
10月は収穫
11月は収穫
病害虫注意
5月は病害虫注意
関東の月別育成カレンダー
作業 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
種まき
3月は種まき
9月は種まき
収穫
5月は収穫
10月は収穫
11月は収穫
病害虫注意
5月は病害虫注意
近畿の月別育成カレンダー
作業 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
種まき
3月は種まき
9月は種まき
収穫
5月は収穫
10月は収穫
11月は収穫
病害虫注意
5月は病害虫注意

数字は月を表します。色帯のある月がその作業の適期です。上のタブで地域を切り替えられます。

At a glance

ひと目でわかる特徴

育てやすさ やさしい
収穫・開花の早さ とても早い
手軽さ(コスト) 手軽

Specs

形態と環境条件

形態

草丈
20〜50cm
株張り
15〜30cm
花のサイズ
白い小花が傘状に集まる

環境条件

日照
半日陰
耐寒温度
-5℃
耐暑温度
28℃
土壌pH
6.0〜7.0
水やり
表面が乾いたら与える。乾燥させすぎない。
肥料
緩効性化成肥料・液体肥料

How to grow

育て方ステップ

  1. 1

    涼しい時期に直まきする

    約14日

    チャービルは涼しい気候を好むため、種まきの適期は春(3〜4月)か秋(9〜10月)です。とくに秋まきは、暑さを避けて長く収穫できるのでおすすめです。チャービルは直根性で移植を嫌うため、ポットで育ててから植え替えるよりも、育てる場所やプランターに直接まく「直まき」が基本になります。

    種は好光性なので、覆土はごく薄く、種が隠れる程度にします。発芽までやや日数がかかり、乾くと発芽しにくいので、土の表面が乾かないようやさしく水を保ちます。植え場所は、真夏の強い直射日光と乾燥を嫌うので、半日陰や、午前中だけ日が当たるような場所が向いています。市販の苗もありますが、その場合も根鉢を崩さないようそっと植え付けます。発芽して混み合ったら、順次間引いて株間をあけます。

    💡移植を嫌うので直まきが基本。覆土は薄く、半日陰に向きます。

  2. 2

    半日陰で乾かさず育てる

    約30日

    チャービルは、ハーブのなかでは珍しく強い日差しと乾燥が苦手です。真夏の直射日光に当たると葉が傷んだり、生育が衰えたりします。そのため、午前中だけ日が当たる場所や、明るい半日陰で育てるのが向いています。水やりは、乾燥を嫌う性質に合わせて、土の表面が乾いたら与え、乾かしすぎないように管理します。

    ただし、過湿で蒸れるのもよくないので、水はけは確保します。やわらかく繊細な葉を保つには、適度な湿り気と涼しさが大切です。肥料は、生育期に緩効性肥料を少量置くか、薄い液体肥料を時々与える程度で十分。多肥にすると香りが弱くなったり、軟弱に育って病気が出やすくなったりします。涼しく、乾かしすぎず、強い日差しを避ける——この環境づくりが、よい香りのチャービルを育てるポイントです。

    💡強い直射と乾燥が苦手。半日陰で乾かしすぎないよう管理します。

  3. 3

    収穫と利用

    約60日

    チャービルは、草丈が15〜20cmほどに育ち、葉が十分茂ってきたら収穫できます。種まきから40〜60日ほどが目安です。収穫は、外側の大きく育った葉や茎から、必要なぶんを摘み取ります。株の中心の若い芽を残して外側から摘むと、長く収穫を続けられます。

    一度にたくさん使う場合は、株元から3〜5cmほど残して刈り取ると、再びわき芽が伸びて再収穫できます。チャービルの繊細な香りは熱に弱く、加熱すると飛んでしまうため、料理には仕上げに生のまま加えるのが鉄則です。スープやオムレツ、魚料理、サラダ、ソースに散らすと、上品な香りと美しい葉が料理を引き立てます。

    摘みたてが最も香り高いので、使う直前に必要なぶんだけ収穫するのがおすすめ。乾燥には向かないので、保存より新鮮なうちに使い切るのがよいでしょう。

    💡外葉から摘むと長く収穫できます。加熱で香りが飛ぶので仕上げに使います。

  4. 4

    とう立ち対策と夏越し

    約30日

    チャービルは涼しさを好む反面、気温が上がったり日が長くなったりすると、花を咲かせる準備をして花茎を伸ばす「とう立ち(抽だい)」をします。とう立ちすると、葉が硬くなって香りも落ち、葉の収穫ができなくなります。葉を長く楽しむには、つぼみや花茎が見えてきたら早めに摘み取り、できるだけ葉の生育に養分を向けます。

    それでも、暑くなる初夏にはとう立ちしやすいので、春まきのものは梅雨前までが収穫の目安です。夏の高温期は生育が衰えるため、無理に夏越しさせるより、涼しくなる秋にまき直すほうが確実です。半日陰の涼しい場所に置き、株元をマルチングして地温の上昇を抑えると、夏の消耗を多少やわらげられます。あえてとう立ちさせて白い花を咲かせ、こぼれ種で翌シーズンの苗を得る方法もあります。

    💡とう立ちすると葉が硬くなります。つぼみは早めに摘み、夏は秋まきで更新します。

  5. 5

    こぼれ種と種採り

    約14日

    チャービルは、とう立ちして花を咲かせると、白い小花が傘状に集まって咲き、その後に細長い種ができます。この種を採取して、次の春や秋にまくことで、また育てられます。種が茶色く熟したら、こぼれ落ちる前に花茎ごと切り取り、紙袋などに入れて乾燥させてから種を採ります。

    また、チャービルはこぼれ種でよく増える性質があり、花後に種をこぼれるままにしておくと、涼しくなった秋や翌春に自然に発芽して、手をかけずとも新しい苗が育つことがあります。直根性で移植を嫌うチャービルにとって、こぼれ種で自然に増える方法は、移植のストレスがなく理にかなっています。一度植えれば、こぼれ種で半ば宿根草のように毎シーズン楽しめることもあるので、種ができる一角を作っておくのもおすすめです。

    💡熟した種を採るか、こぼれ種に任せると毎シーズン自然に増えます。

Checklist

育てる前のチェックリスト

  • チャービルの種

    直まき向き。春・秋まき。

    250〜500円
  • チャービルの苗 (任意)

    根鉢を崩さず植える。

    300〜600円
  • ハーブ用培養土

    水もちと水はけのバランスのよい土。

    400〜1,000円
  • 鉢・プランター (任意)

    半日陰に置ける移動しやすいもの。

    300〜1,200円
初期費用の目安(必須のみ) 650〜1,500円

Pests & Diseases

かかりやすい病害虫

害虫

アブラムシ

よく発生

症状: 新芽が縮れる、葉がべたつく、すす病を誘発。

予防: 風通しを良くし、窒素過多を避ける。シルバーマルチで忌避。

対処: 見つけ次第捕殺、牛乳スプレーや薬剤で防除。

害虫

ヨトウムシ

時々

症状: 葉に大きな食害痕、株元の地中に潜む。

予防: 防虫ネットで産卵を防ぐ。

対処: 夜間または株元を掘って捕殺、薬剤を使用。

Nutrition

栄養と食べ方

エネルギー
237kcal
ビタミンC
50mg
ビタミンA
583μg
ビタミンK
0μg
葉酸
274μg
32mg
カルシウム
1346mg
カリウム
4740mg
食物繊維
12g

旬・味: 春と秋が収穫の適期。パセリより甘く繊細で、ほのかにアニスを思わせる上品な香り。

保存: 生は湿らせた紙に包み冷蔵で数日。乾燥には不向きで、刻んで冷凍するか新鮮なうちに使い切る。

🍴 オムレツ・卵料理🍴 スープ・ポタージュの仕上げ🍴 魚料理・サラダ🍴 フィーヌゼルブ

Common mistakes

失敗あるある TOP3

⚠ 夏の暑さ・直射で枯れる

夏になると葉が傷み、株が弱って枯れます。

原因: 高温、強い直射日光、乾燥への弱さ。

対策: 半日陰で育て、株元をマルチング。夏は無理せず秋にまき直します。

⚠ とう立ちで葉が硬くなる

花茎が伸びて葉が硬く香りも落ちます。

原因: 気温の上昇・日長によるとう立ち。

対策: つぼみを早めに摘み、涼しい時期に栽培します。秋まきが確実です。

⚠ 移植したら育たない

植え替え後に元気がなくなります。

原因: 直根性で移植を嫌う性質。

対策: 直まきにするか、苗は根鉢を崩さずそっと植え付けます。

FAQ

よくある質問

同じセリ科ですが、チャービルのほうが香りが甘く繊細で上品です。「美食家のパセリ」とも呼ばれ、ほんのりアニスを思わせる風味があります。葉もレース状で細かく、料理の上品な飾りや仕上げに向きます。

むしろ半日陰が向いています。チャービルは強い直射日光と暑さ、乾燥が苦手なので、午前中だけ日が当たる場所や明るい半日陰でよく育ちます。真夏の直射は避けましょう。

チャービルは直根性で移植を嫌うため、植え替えると根が傷んで育ちが悪くなります。育てる場所やプランターに直接まく直まきが基本です。苗の場合も根鉢を崩さずそっと植えます。

気温の上昇や日長で花茎を伸ばす「とう立ち」が原因です。つぼみが見えたら早めに摘み、葉の生育に養分を向けます。暑くなるととう立ちしやすいので、夏は秋まきで更新するのが確実です。

繊細な香りが熱に弱いので、加熱せず料理の仕上げに生のまま加えます。スープやオムレツ、魚料理、サラダ、ソースに散らすと、上品な香りと美しい葉が料理を引き立てます。

乾燥には向かず、香りが失われやすいので、新鮮なうちに使い切るのが基本です。短期間なら湿らせた紙に包んで冷蔵します。摘みたてが最も香り高いので、使う直前に必要なぶんを収穫しましょう。

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