パセリ
Petroselinum crispum Parsley
パセリは、料理の彩りや付け合わせ、ソースの香りづけに広く使われる、セリ科の二年草ハーブです。じつは栄養価が非常に高く、βカロテン・ビタミンC・...
かんたんに言うと
パセリは日当たり〜半日陰で土を乾かさないように育て、外葉から収穫すれば長期間採れる、栄養豊富で便利な二年草ハーブです。
Profile
基本情報
パセリは、料理の彩りや付け合わせ、ソースの香りづけに広く使われる、セリ科の二年草ハーブです。じつは栄養価が非常に高く、βカロテン・ビタミンC・ビタミンK・鉄分などが野菜の中でもトップクラス。付け合わせを残さず食べる価値のある優秀な緑黄色野菜です。
葉が縮れた「カールドパセリ(モスカール)」と、平たい葉でクセが穏やかな「イタリアンパセリ(フラットリーフ)」があり、前者は彩りや飾りに、後者は料理に混ぜ込む用途に向きます。日当たり〜半日陰で育ち、暑さ寒さにも比較的強く、一度根づけば外側の葉から次々と長期間収穫できる、家庭菜園で重宝するハーブです。
栽培で唯一コツが要るのが「発芽」。種は発芽までに2〜4週間と時間がかかり、乾燥を嫌うため、まいたあとは土を乾かさないよう根気よく管理します(一晩水に浸けてからまくと発芽がそろいやすくなります)。発芽さえ越えれば丈夫です。なお、パセリはアゲハチョウ(キアゲハ)の幼虫の大好物で、青虫に葉を食べ尽くされることがあるので、葉の観察を忘れずに。
二年草なので、2年目の春にとう立ち(花茎が伸びる)して葉が硬くなったら株の更新どきです。プランターひとつあれば、必要なときに摘める便利な一株です。
💡豆知識
パセリは地中海沿岸が原産のセリ科の植物で、古代ギリシャ・ローマの時代から利用されてきた、世界最古級のハーブのひとつです。当初は食用というより、競技の勝者に贈る冠や、葬儀の飾りなど、儀式的な用途で使われていたと伝わります。料理の付け合わせとして皿に添えられるようになったのも歴史が古く、彩りだけでなく、食後の口臭を消す効果や、強い抗菌作用による食中毒予防の意味もありました。
栄養面では、βカロテン・ビタミンC・ビタミンK・鉄分・カリウムなどを豊富に含み、グラムあたりの栄養価は野菜の中でも屈指。「飾り」と侮らず食べたい優秀な野菜です。
Calendar
育成カレンダー
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 種まき | 3月は種まき | 4月は種まき | 9月は種まき | |||||||||
| 収穫 | 5月は収穫 | 6月は収穫 | 10月は収穫 | 11月は収穫 | ||||||||
| 病害虫注意 | 5月は病害虫注意 |
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 種まき | 4月は種まき | 9月は種まき | ||||||||||
| 収穫 | 5月は収穫 | 6月は収穫 | 10月は収穫 | 11月は収穫 | ||||||||
| 病害虫注意 | 5月は病害虫注意 |
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 種まき | 3月は種まき | 4月は種まき | 9月は種まき | |||||||||
| 収穫 | 5月は収穫 | 10月は収穫 | 11月は収穫 | |||||||||
| 病害虫注意 | 5月は病害虫注意 |
数字は月を表します。色帯のある月がその作業の適期です。上のタブで地域を切り替えられます。
At a glance
ひと目でわかる特徴
Specs
形態と環境条件
形態
- 草丈
- 20〜40cm
- 株張り
- 20〜30cm
- 花のサイズ
- 小さな黄緑の散形花(2年目)
環境条件
- 日照
- 半日陰
- 耐寒温度
- -5℃
- 耐暑温度
- 30℃
- 土壌pH
- 6.0〜6.7
- 水やり
- 乾燥を嫌う。土の表面が乾いたらたっぷり。
- 肥料
- 液体肥料・化成肥料
How to grow
育て方ステップ
-
1
種まき・苗の植え付け
約21日パセリは種からも育てられますが、発芽までに2〜4週間と時間がかかり、初心者には少しハードルがあります。手軽なのは苗からの植え付けです。種からまく場合は、発芽率を上げるため一晩水に浸けてからまき、覆土は薄く、発芽するまで土を絶対に乾かさないよう根気よく管理します。
適期は春(3〜5月)と秋(9〜10月)。日当たり〜半日陰で、乾きにくい場所を選びます。直根性で植え替えを嫌うので、種まきはポットか直まきにし、苗を買う場合も根鉢を崩さずそっと植えます。株間は20〜25cm、プランターは深さ20cm以上のものを使います。
💡発芽が難所。一晩吸水+乾かさない管理がコツ。手軽さなら苗からが確実です。
-
2
間引き
約14日種から育てて発芽がそろったら、混み合った部分を間引いて、最終的に株間20〜25cmを確保します。込み合ったままだと、ひょろひょろと徒長して風通しが悪くなり、株が充実しません。生育の良い元気な株を残し、引き抜いた間引き菜は、やわらかく香りも良いので料理に使えます。
パセリは直根性で太い根を傷つけると生育が止まりやすいので、間引きは「抜く」より、地ぎわをハサミで切るほうが残す株の根を傷めず安心です。間引き後は株元に軽く土を寄せ、株がぐらつかないようにします。
💡直根性なので間引きはハサミで。残す株の根を傷めないようにします。
-
3
水やり・置き場所
約120日パセリは乾燥を嫌うので、土を乾かさないことが大切です。土の表面が乾いたら、株元にたっぷりと水を与えます。乾燥が続くと葉が硬くなり、香りも落ちてしまいます。一方で、半日陰でもよく育つのがパセリの便利なところ。むしろ真夏の強い直射日光と乾燥は苦手なので、夏は午後に日陰になる涼しい場所に置くと、やわらかい葉を保てます。キッチンの明るい窓辺でも育てられます。プランターは土が乾きやすいので、特に夏場は水やりをこまめにチェックしましょう。
💡乾燥が苦手。半日陰でよく育つので、真夏は涼しい場所に置くと葉質が良くなります。
-
4
害虫対策(キアゲハ)
約120日パセリ栽培で要注意なのが、キアゲハ(黄揚羽)の幼虫です。セリ科の植物が大好物で、緑と黒・オレンジの模様の大きな青虫が、あっという間に葉を食べ尽くしてしまうことがあります。対策は、こまめな観察と捕殺が基本。葉や茎に幼虫や卵がついていないかを定期的にチェックし、見つけたら取り除きます(食用なので無農薬で対処したいところ)。
心配な場合は、種まき・植え付け直後から防虫ネットで覆い、成虫に卵を産み付けさせないのが確実です。アブラムシも新芽につくことがあるので、あわせて観察します。風通しを良く保つことも予防になります。
💡キアゲハの幼虫が大敵。葉の観察と捕殺、または防虫ネットで守ります。
-
5
収穫・冬越し
約200日本葉が10〜15枚以上に育ったら収穫開始です。収穫は、株の外側の大きく育った葉から、軸の根元を摘み取るか切り取ります。中心の新しい葉を残して外葉から採っていくことで、株が育ち続け、長期間にわたって少しずつ収穫できます。一度にたくさん採りすぎると株が弱るので、全体の3分の1程度を目安にします。
パセリは寒さに比較的強く、暖地では屋外で冬を越して翌春まで収穫できます。ただし二年草なので、2年目の春になると花茎が伸びる「とう立ち」をして葉が硬くなります。こうなったら収穫は終わりで、種を採るか、新しい株に更新します。
💡外葉から3分の1ずつ収穫すると長持ち。2年目のとう立ちが株の更新どきです。
Checklist
育てる前のチェックリスト
-
✓150〜400円
パセリの苗
発芽が難しいので苗が手軽。
-
✓400〜800円
野菜・ハーブ用培養土(14L)
乾きにくいものが向く。
-
✓500〜1,500円
プランターまたは鉢
深さ20cm以上(直根性)。
-
○300〜800円
防虫ネット (任意)
キアゲハ対策に。
Pests & Diseases
かかりやすい病害虫
アブラムシ
時々症状: 新芽が縮れる、葉がべたつく、すす病を誘発。
予防: 風通しを良くし、窒素過多を避ける。シルバーマルチで忌避。
対処: 見つけ次第捕殺、牛乳スプレーや薬剤で防除。
ハダニ
まれ症状: 葉に白いかすり状の斑点、ひどいと葉が枯れる。
予防: 葉裏への葉水で乾燥を防ぐ。
対処: 葉裏への葉水を継続し、専用の殺ダニ剤を使用する。
ヨトウムシ
よく発生症状: 葉に大きな食害痕、株元の地中に潜む。
予防: 防虫ネットで産卵を防ぐ。
対処: 夜間または株元を掘って捕殺、薬剤を使用。
Nutrition
栄養と食べ方
- エネルギー
- 34kcal
- ビタミンC
- 120mg
- ビタミンA
- 620μg
- ビタミンK
- 850μg
- 葉酸
- 220μg
- 鉄
- 7.5mg
- カルシウム
- 290mg
- カリウム
- 1000mg
- 食物繊維
- 6.8g
旬・味: 春と秋が旬。βカロテン・ビタミン・鉄が野菜トップクラス。
保存: 湿らせた紙で包むか、軸を水に挿して冷蔵。刻んで冷凍も可。
Common mistakes
失敗あるある TOP3
⚠ 発芽しない
まいた種がなかなか芽を出しません。
原因: 発芽に時間がかかる性質、まき後の乾燥。
対策: 一晩吸水させてまき、発芽まで土を乾かさず根気よく待ちます。
⚠ キアゲハ幼虫の食害
大きな青虫に葉を食べ尽くされます。
原因: セリ科を好むキアゲハの産卵・幼虫。
対策: 葉を観察して捕殺、または防虫ネットで産卵を防ぎます。
⚠ とう立ちで葉が硬くなる
2年目に花茎が伸び葉が硬くなります。
原因: 二年草が花・種づくりへ移行。
対策: 収穫を終え、種採りか新しい株への更新をします。
FAQ
よくある質問
パセリは発芽までに2〜4週間と時間がかかり、乾燥を嫌います。一晩水に浸けてからまき、発芽するまで土を乾かさないよう管理しましょう。手軽さなら苗から育てるのがおすすめです。
セリ科を好むキアゲハの幼虫です。こまめに葉を観察して捕殺するか、植え付け直後から防虫ネットで覆って成虫の産卵を防ぎます。食用なので無農薬での対処がおすすめです。
育ちます。むしろ真夏の強い直射日光と乾燥は苦手なので、午後に日陰になる涼しい場所のほうがやわらかい葉が長く収穫できます。
中心の若い葉を残し、外側の大きな葉から摘み取ることです。一度に採りすぎず全体の3分の1程度にとどめると、株が弱らず長期間収穫できます。
二年草のため、2年目の春に「とう立ち」して葉が硬くなります。こうなると収穫は終わりなので、種を採るか新しい株に更新しましょう。
葉が縮れたカールドパセリは彩りや飾り向き、平たい葉のイタリアンパセリはクセが穏やかで料理に混ぜ込む用途に向きます。育て方は同じです。
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