フェンネル
Foeniculum vulgare Fennel
フェンネルは、糸のように細かく繊細な葉と、甘くスパイシーな独特の芳香を持つ、セリ科の大型ハーブです。和名を「ウイキョウ(茴香)」といい、その...
かんたんに言うと
フェンネルは魚料理に合う甘い芳香のセリ科ハーブ。直根性で直まきが基本、大きく育つので広い日なたで。葉・種・球茎を利用でき、丈夫な多年草です。
Profile
基本情報
フェンネルは、糸のように細かく繊細な葉と、甘くスパイシーな独特の芳香を持つ、セリ科の大型ハーブです。和名を「ウイキョウ(茴香)」といい、その爽やかでアニス(甘草)に似た香りは、魚料理との相性が抜群で、「魚のハーブ」とも呼ばれます。葉・茎・種・株元と、植物全体を余すところなく利用できるのも特徴で、葉や種は料理の香りづけやハーブティーに、株元が肥大する品種(フローレンスフェンレル)では、その白い球茎を野菜として食べられます。
羽毛のように軽やかに茂る大きな草姿は、ハーブガーデンのシンボルプランツとしても存在感があり、銅葉の美しい品種もあります。栽培のポイントは、第一に、フェンネルは直根性で移植を嫌うので、種を育てたい場所に直接まく「直まき」にすること。第二に、大きく育つ(1m以上になる)ので、十分なスペースをとり、日当たりと水はけのよい場所で育てること。
第三に、丈夫な多年草で、一度根づけば毎年芽吹くこと。栽培上の注意として、近縁のディルと近くに植えると交雑して種の質が変わるため、種を採るなら離して植えます。また、ほかの植物の生育を抑える性質があるとされるので、寄せ植えより単独で育てるのが向きます。香り高く用途の広い、育てがいのあるハーブです。
💡豆知識
フェンネルは地中海沿岸が原産で、古代エジプトやギリシャ・ローマの時代から、料理・薬用・儀式に用いられてきた、非常に歴史の古いハーブです。古代ローマでは、フェンネルは力や勇気を与えると信じられ、剣闘士が食べたとも伝えられます。和名の「ウイキョウ(茴香)」は、漢方薬の生薬としても知られ、健胃や整腸を助けるとされて利用されてきました。
種(フェンネルシード)は、インド料理店で食後に出される口直しのスパイス(ムクワス)としても有名で、消化を助け、口臭予防にもなるとされます。甘くスパイシーな香りの主成分は「アネトール」で、これはアニスや八角(スターアニス)にも共通する成分。フェンネルには、主に葉や種を利用する「ハーブフェンネル」と、株元が肥大して野菜として食べる「フローレンスフェンネル(イタリア野菜のフィノッキオ)」があり、用途で品種を選びます。
Calendar
育成カレンダー
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 種まき | 4月は種まき | 9月は種まき | ||||||||||
| 開花 | 7月は開花 | |||||||||||
| 収穫 | 5月は収穫 | 6月は収穫 | 9月は収穫 |
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
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| 種まき | 4月は種まき | 9月は種まき | ||||||||||
| 開花 | 7月は開花 | |||||||||||
| 収穫 | 5月は収穫 | 9月は収穫 |
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
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| 種まき | 4月は種まき | 9月は種まき | ||||||||||
| 開花 | 7月は開花 | |||||||||||
| 収穫 | 5月は収穫 | 9月は収穫 |
数字は月を表します。色帯のある月がその作業の適期です。上のタブで地域を切り替えられます。
At a glance
ひと目でわかる特徴
Specs
形態と環境条件
形態
- 草丈
- 80〜200cm
- 株張り
- 40〜60cm
- 花のサイズ
- 黄色い小花が傘状に集まる
環境条件
- 日照
- 日なた
- 耐寒温度
- -10℃
- 耐暑温度
- 33℃
- 土壌pH
- 6.0〜7.0
- 水やり
- 土の表面が乾いたら。乾燥には比較的強い。過湿に注意。
- 肥料
- 緩効性化成肥料(控えめ)
How to grow
育て方ステップ
-
1
種まき(直まき)
約10日フェンネルは直根性で太い根をまっすぐ下に伸ばし、移植を嫌うため、苗の植え替えで根を傷めると弱ります。そのため、育てたい場所に直接種をまく「直まき」が基本です。種まき適期は春(4〜5月)か秋(9〜10月)。日当たりと水はけのよい場所を選びます。
フェンネルは1m以上の大きな草姿に育つので、十分なスペースを確保し、株間は40〜50cmと広めにとります。種は浅くまき、ごく薄く土をかけます。発芽したら、生育を見ながら間引いて1か所1本にします。どうしても苗から育てる場合や、株元を食べるフローレンスフェンネルは、ポット育苗して根鉢を崩さないようそっと植えます。
注意点として、近縁のディルの近くに植えると交雑するので、種を採りたい場合は離して植えます。また、他の植物の生育を抑える性質があるとされるので、単独で育てるのが向きます。
💡移植を嫌うので直まき。大きく育つので株間40〜50cmと広く、単独植えにします。
-
2
生育期の管理
約60日フェンネルは丈夫で生育旺盛なハーブです。日当たりと風通しのよい場所で育てると、羽毛のような繊細な葉を茂らせ、ぐんぐん大きく育ちます。水やりは、乾燥に比較的強いので、土の表面が乾いたら与える程度で十分。過湿はむしろ苦手なので、水のやりすぎに注意します。
肥料は控えめでよく、やせ地でも育ちますが、葉をたくさん収穫したい場合や、株元を肥大させるフローレンスフェンネルでは、生育期に緩効性肥料や液肥で適度に追肥します。草丈が高くなり、風で倒れやすくなったら、支柱を立てて支えます。セリ科のフェンネルには、キアゲハの幼虫(黒・黄・緑の縞模様)がついて葉を食べることがあります。数が少なければ捕殺しますが、やがて美しいアゲハチョウになるので、株に余裕があれば見守るのも一興です。
💡日当たりよく乾かし気味に。大きくなったら支柱を。キアゲハ幼虫がつくことがあります。
-
3
葉の収穫
約90日草丈がある程度育ってきたら、葉の収穫ができます。必要なときに、よく茂った葉や枝先を、こまめに摘み取って使います。摘み取ると、わき芽が伸びて株がさらに茂ります。やわらかい羽毛のような葉は、甘くスパイシーな香りが特徴で、魚料理(ムニエルやマリネ、グリル)の香りづけや臭み消し、サラダ、スープ、ハーブティーなどに使います。
フェンネルは「魚のハーブ」と呼ばれるほど魚介と相性がよく、生の葉を仕上げに散らすと、料理が一気に本格的な風味になります。加熱しすぎると香りが飛びやすいので、料理の仕上げに加えるのがおすすめです。たくさん収穫できたら、刻んで冷凍したり、乾燥させたりして保存できますが、フレッシュな葉の香りが最も豊かです。花が咲く前のやわらかい葉が、とくに香りよく楽しめます。
💡葉はこまめに摘むと次々茂ります。魚料理の香りづけに。仕上げに加えると香り高いです。
-
4
花と種(フェンネルシード)の収穫
約30日夏になると、株の頂部に花茎が伸びて、黄色い小さな花が傘状(散形花序)にたくさん集まって咲きます。この花も食用にでき、サラダの飾りなどに使えます。花が咲き終わると、種「フェンネルシード」ができます。種が緑色から灰褐色に熟してきたら、花茎ごと切り取り、紙袋などに入れて、風通しのよい日陰でよく乾燥させてから、種をふるい落として採取します。
フェンネルシードは、甘くスパイシーな香りの香辛料として、カレーやピクルス、パン、焼き菓子の風味づけや、食後の口直し(消化を助けるとされる)に使えます。乾燥させた種は密閉容器で長期保存できます。なお、葉を長く楽しみたい場合は、花が咲くと葉が硬くなり香りが落ちるので、花茎を早めに摘むと、葉の収穫を長く続けられます。種を採るか葉を採るか、目的に応じて管理します。
💡花後にできる種(フェンネルシード)は熟したら乾燥させて採取。香辛料に使えます。
-
5
冬越しと球茎(フローレンス種)の収穫
約14日フェンネルは丈夫な多年草で、寒さにも比較的強く、冬になると地上部は枯れますが、根は生きていて、春にまた新しい芽を出してきます。冬越しの特別な手入れは不要で、地上部が枯れたら刈り取っておきます。一度根づけば、毎年大きく茂って葉や種を収穫できる、息の長いハーブです。
一方、株元が肥大する「フローレンスフェンネル(フィノッキオ)」は、葉ではなく、根元のふくらんだ白い球茎を野菜として食べる品種で、こちらは一年草的に育てます。秋まきで育て、株元が握りこぶし大にふくらんだら、株ごと収穫します。球茎は、生のままスライスしてサラダに、または加熱してソテーやグラタン、スープにすると、ほんのり甘くシャキシャキした独特の食感とアニスの香りが楽しめる、おしゃれなイタリア野菜になります。目的に合わせて、ハーブ種かフローレンス種かを選んで育てましょう。
💡丈夫な多年草で毎年芽吹きます。フローレンス種は肥大した球茎を野菜として収穫します。
Checklist
育てる前のチェックリスト
-
✓200〜400円
フェンネルの種
ハーブ種・フローレンス種・銅葉種から選ぶ。
-
✓400〜800円
ハーブ・草花用培養土
水はけのよい土。
-
○200〜600円
支柱 (任意)
大きく育った株の倒伏防止に。
-
○400〜900円
緩効性肥料 (任意)
球茎を採る場合の追肥に。
Pests & Diseases
かかりやすい病害虫
アブラムシ
時々症状: 新芽が縮れる、葉がべたつく、すす病を誘発。
予防: 風通しを良くし、窒素過多を避ける。シルバーマルチで忌避。
対処: 見つけ次第捕殺、牛乳スプレーや薬剤で防除。
ヨトウムシ
時々症状: 葉に大きな食害痕、株元の地中に潜む。
予防: 防虫ネットで産卵を防ぐ。
対処: 夜間または株元を掘って捕殺、薬剤を使用。
Nutrition
栄養と食べ方
旬・味: 初夏が葉の旬。甘くスパイシーなアニスに似た芳香が魚料理に合う。
保存: 葉は生で冷蔵し早めに使用。種は乾燥させ密閉容器で長期保存できる。
Common mistakes
失敗あるある TOP3
⚠ 移植で枯れる・弱る
植え替えた株が育たず弱ります。
原因: 直根性で移植を嫌うのに根を傷めた。
対策: 種を育てたい場所に直まきします。苗は根鉢を崩さずそっと植えます。
⚠ 倒伏
大きく育った株が風で倒れます。
原因: 草丈が高くなり支えがない。
対策: 大きくなったら支柱を立てて支えます。
⚠ 葉が硬くなる
開花後、葉が硬く香りも落ちます。
原因: 開花による株の変化。
対策: 葉を採るなら花茎を早めに摘みます。種を採るなら花を咲かせます。
FAQ
よくある質問
フェンネルは直根性で移植を嫌うので、種を育てたい場所に直接まく「直まき」が基本でおすすめです。苗から育てる場合は、根鉢を崩さないようそっと植え付けます。
1m以上、大きいと2m近くにもなる大型のハーブです。十分なスペースを確保し、株間を40〜50cmと広くとります。大きくなったら支柱で倒伏を防ぎます。
近縁のディルと近くに植えると交雑して、採った種の質が変わることがあります。種を採りたい場合は離して植えましょう。また、他の植物の生育を抑えるとされるので単独植えが向きます。
すべて使えます。葉は魚料理やサラダ、種(フェンネルシード)は香辛料、株元が肥大するフローレンス種では球茎を野菜として食べられます。目的に合った品種を選びましょう。
花が咲くと葉が硬くなり香りが落ちます。葉を長く楽しみたい場合は、花茎を早めに摘み取ると、やわらかい葉の収穫を続けられます。種を採りたい場合は花を咲かせます。
丈夫な多年草で寒さにも比較的強く、冬は地上部が枯れますが根は生きていて春に芽吹きます。一度根づけば毎年収穫できます。球茎用のフローレンス種は一年草的に育てます。
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Compare
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Rankings
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