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植物図鑑
💮
フリル状の大きな花を咲かせたカトレア
💮 洋ラン

カトレア

Cattleya Cattleya

普通 難易度3(5段階中): 普通 💰 鉢植えは2000〜15000円

カトレアは、大きく華やかな花と、うっとりするような甘い香りで、「ランの女王」と呼ばれる、洋ランの代表格です。フリルのように波打つ、大きな花び...

かんたんに言うと

カトレアは、大輪と甘い香りで「ランの女王」と呼ばれる洋ラン。熱帯の着生ランで水苔やバークに植え、洋ランのなかでは光をよく好むのでしっかり明るく育てます。乾燥に比較的強く、植え込み材が乾いてから水やり。過湿の根腐れと冬の寒さに注意します。

Profile

基本情報

カトレアは、大きく華やかな花と、うっとりするような甘い香りで、「ランの女王」と呼ばれる、洋ランの代表格です。フリルのように波打つ、大きな花びらと、色濃く彩られた唇弁(しんべん=中央の大きな花びら)の豪華さは、ほかのランにはない気品があり、古くからコサージュ(胸飾り)の花としても愛されてきました。

花色は、紫やピンク、白、黄、赤など多彩で、複数の色が混ざる華やかな品種も多く、見る人を魅了します。カトレアは、中南米の熱帯雨林などで、木に着生して育つ「着生ラン」。太く水分をたくわえた茎(バルブ)と、厚く硬い葉をもち、その姿は多肉植物のようでもあります。

育て方は、コチョウランと同じく、土ではなく水苔やバークに植え、根が呼吸できるようにします。カトレアは、洋ランのなかでは光をよく好み、しっかりと明るい場所で育てるのが、花を咲かせるコツ。光が足りないと、株は育っても花が咲きません。一方、太いバルブと厚い葉に水をためられるので、乾燥には比較的強く、水やりは、植え込み材がしっかり乾いてから与えるのが基本です。

過湿による根腐れに注意し、明るく、やや乾かし気味に管理するのがポイント。熱帯生まれで寒さに弱いので、冬は暖かい室内で管理します。気品あふれる大輪と、芳しい香りを楽しめる、まさに女王の名にふさわしい洋ランです。

ラン科
分類
洋ラン / 着生ラン(胡蝶蘭・カトレアなど)
原産地
中央アメリカ、南アメリカ、ブラジル
別名
カトレア、カトレヤ、ランの女王、コサージュオーキッド
価格目安
鉢植えは2000〜15000円

💡豆知識

カトレアの名は、19世紀のイギリスで、初めてこのランの開花に成功した、園芸愛好家のウィリアム・カトレイ氏の名にちなみます。中南米から送られてきた植物の、荷造りの「詰め物」として使われていた、見栄えのしない株から、見事な大輪が咲いたという逸話があり、その美しさが、当時のヨーロッパで一大ブームを巻き起こしました。

「ランの女王」と呼ばれるのは、この豪華さと香りゆえ。中央の大きく彩られた花びら「唇弁(リップ)」は、虫を花の奥へ導く着地場所の役割をもち、カトレアの華やかさの象徴です。カトレアの仲間は、近縁のラン(レリアやブラサボラなど)とさかんに交配され、無数の園芸品種が生み出されてきました。

そのため、花の大きさ、色、香り、咲く季節は、品種によってさまざま。バルブと葉が多肉質で水をためられるのは、着生先の樹上という、水が得にくい環境に適応した姿です。だからこそ、過湿を嫌い、乾かし気味を好む。原産地の暮らしを知ると、なぜ「乾かしてから水やり」なのかが、よく分かります。

Calendar

育成カレンダー

全国の月別育成カレンダー
作業 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
植え替え
5月は植え替え
開花
4月は開花
追肥
6月は追肥
病害虫注意
8月は病害虫注意
関東の月別育成カレンダー
作業 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
植え替え
5月は植え替え
開花
4月は開花
追肥
6月は追肥
病害虫注意
8月は病害虫注意
近畿の月別育成カレンダー
作業 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
植え替え
5月は植え替え
開花
4月は開花
追肥
6月は追肥
病害虫注意
8月は病害虫注意

数字は月を表します。色帯のある月がその作業の適期です。上のタブで地域を切り替えられます。

At a glance

ひと目でわかる特徴

育てやすさ 普通
収穫・開花の早さ
手軽さ(コスト) 高め

Specs

形態と環境条件

形態

草丈
20〜60cm
株張り
15〜40cm
花のサイズ
フリル状の大輪(紫・ピンク・白・黄など、香りがある)

環境条件

日照
半日陰
耐寒温度
10℃
耐暑温度
33℃
土壌pH
5.0〜6.5
水やり
植え込み材がしっかり乾いてからたっぷり。乾かし気味に管理。
肥料
洋ラン用の液体肥料・置き肥

How to grow

育て方ステップ

  1. 1

    置き場所を決める(光をよく好む)

    約7日

    カトレアは、洋ランのなかでも光をよく好むランで、花を咲かせるには、十分な明るさが欠かせません。光が足りないと、株(葉やバルブ)は育っても、花が咲かない、というのがカトレアでよくある失敗です。室内なら、一日を通してよく日が入る、明るい窓辺が理想的。

    レースカーテン越しの、やわらかいけれど十分に明るい光を当てます。コチョウランより、やや強めの光でよく、春から秋は、屋外の明るい場所に出して育てると、株が締まり、花つきもよくなります。ただし、真夏の、とくに強い直射は、厚い葉でも焼けることがあるので、真夏は明るい半日陰に移すか、3〜4割ほど遮光して、葉を守ります。

    葉の色が、濃すぎる緑のときは光不足、黄緑がかった明るい緑のときが、ちょうどよい光の目安です。熱帯生まれで寒さに弱いので、置き場所は、暖かさも保てる場所を選びます。「十分に明るく、暖かく、風通しよく」が、カトレアを咲かせる置き場所の基本です。

    💡光不足だと花が咲かない。明るい窓辺・明るい屋外でしっかり光を。真夏の強直射のみ遮光。葉色が濃すぎたら光不足。

  2. 2

    水やり(乾かし気味に)

    約30日

    カトレアは、太いバルブと厚い葉に水をためられるので、洋ランのなかでは乾燥に比較的強く、水やりは「乾かし気味」が基本です。植え込み材(水苔・バーク)が、しっかり乾いてから、鉢底から流れ出るまで、たっぷりと与えます。常に湿った状態は、根腐れのもとで、これがカトレアを枯らす最大の原因。

    とくに、水苔植えは乾きにくいので、表面が乾いて白っぽく、軽くなってから、さらに少しおいてから与えるくらいでちょうどよいことが多いです。バーク植えは乾きやすいので、乾いたのを確認して与えます。受け皿の水は必ず捨てます。頻度は、季節や植え込み材で変わりますが、生育期の春〜秋でおおむね週1回程度、冬は生育がゆるやかになるので、さらに控えめにして、乾かし気味に管理します。

    カトレアの根は太く、水を含むと緑がかり、乾くと白っぽくなるので、根の色や、バルブのハリも、水やりの目安になります。「しっかり乾かしてから、たっぷり」のメリハリを守るのが、根腐れを防ぎ、健康に育てるコツです。

    💡乾燥に比較的強い。植え込み材がしっかり乾いてからたっぷり。過湿は根腐れの最大原因。冬は特に控えめ。

  3. 3

    植え込み材と植え替え

    約14日

    カトレアも、土ではなく、根が呼吸できる「水苔」か「バーク」に植えます。太く丈夫な根が、しっかり張れるよう、株に合った鉢を選びます。鉢は、大きすぎると植え込み材が乾きにくく、乾かし気味を好むカトレアには根腐れのもとになるので、根の量に合った、やや小さめが向きます。

    素焼き鉢は、通気性がよく乾きやすいので、過湿を嫌うカトレアによく合います。植え替えの適期は、花が終わり、新しい根(新根)が動き出すころ。カトレアは、新しいバルブの根元から、新根がまっすぐ伸び始めるので、この新根が出始めたタイミングが、植え替えのベストです。

    新根が伸びきってからだと、植え替えで根を傷めやすいので、伸び始めの、ごく短いタイミングを狙います。古い植え込み材を取り除き、黒く傷んだ根や、枯れた古いバルブを整理して、新しい水苔やバークで植え直します。2〜3年に一度、植え込み材が傷む前に植え替えると、根の健康が保たれます。大株は、このとき株分けでふやせます(充実バルブが各株に2〜3本以上つくように)。植え替え後は、直射と過湿を避けて管理します。

    💡土でなく水苔かバークに、やや小さめ・通気のよい鉢で。新根が動き出すタイミングで植え替え。

  4. 4

    花を咲かせる・香りを楽しむ

    約40日

    カトレアの花を咲かせる、いちばんのコツは、なんといっても「十分な光」です。前述のとおり、光が足りないと、株は育っても花が咲きません。春から秋に、しっかり明るい場所で育てて、太く充実したバルブをつくることが、花への第一歩。充実したバルブの先端から、「シース」と呼ばれる、緑色の鞘(さや)が出て、そのなかでつぼみが育ち、やがて花が咲きます。

    品種によって、花の咲く季節はさまざまで、春咲き、秋咲き、冬咲きなどがあり、選ぶ品種で、咲く時期を楽しめます。カトレアのもうひとつの魅力が、甘く豊かな香り。多くの品種が、うっとりするような芳香を放ち、ひと鉢咲くだけで、部屋じゅうがよい香りに包まれます。

    花を長く楽しむには、開花中は、直射を避けた明るい場所で、やや涼しめに管理し、肥料は控えます。花が終わったら、花がらを取り除きます。なお、シース(鞘)が出ても、なかなか花が咲かず、シースだけが茶色く枯れることもありますが、これは、光や温度の条件が整えば、次のバルブで咲くことが多いので、あせらず株を充実させ続けましょう。

    💡花を咲かせる最大のコツは十分な光。充実したバルブの先のシースからつぼみが育つ。甘い香りも魅力。

  5. 5

    冬越しと一年の管理

    約120日

    カトレアは熱帯生まれで寒さに弱いので、冬越しに注意します。気温が下がる秋以降は、屋外で育てている場合も、室内の明るい場所に取り込みます。最低でも10度ほど、できればそれ以上を保てる、暖かく明るい室内で管理します。10度を下回る寒さに当てると、株が弱り、根腐れや葉の傷みを起こします。

    冬の室内では、できるだけよく日が当たる、明るい窓辺に置き、暖房の風が直接当たる乾燥した場所や、夜間に冷え込む窓ぎわは避けます。冬の水やりは、生育がゆるやかになるので、ぐっと控えめにし、乾かし気味に管理して、過湿による根腐れを防ぎます。一年を通して見ると、よく生育する春から秋は、明るい場所(真夏は遮光)で、植え込み材がしっかり乾いたらたっぷり水を与え、薄い液肥を時々施して、太いバルブを育て、株を充実させます。

    生育のゆるやかな冬は、暖かく明るい室内で、乾かし気味に管理します。この一年のリズムと、「十分な光」「乾かし気味の水やり」「冬の暖かさ」を守れば、気品ある大輪と、甘い香りを、毎年のように楽しめます。

    💡寒さに弱いので冬は10度以上の暖かく明るい室内へ、乾かし気味に。一年を通じ十分な光を確保する。

Checklist

育てる前のチェックリスト

  • カトレアの鉢

    大きさ・品種・香りで価格が変わる。

    2,000〜15,000円
  • 水苔またはバーク(植え込み材)

    植え替え用。根が呼吸できる素材。

    400〜1,500円
  • 素焼き鉢(やや小さめ) (任意)

    通気がよく乾きやすい、過湿を嫌うカトレア向き。

    300〜2,000円
  • 洋ラン用液体肥料 (任意)

    生育期に薄めて時々。

    500〜1,500円
初期費用の目安(必須のみ) 2,400〜16,500円

Pests & Diseases

かかりやすい病害虫

害虫

アブラムシ

まれ

症状: 新芽が縮れる、葉がべたつく、すす病を誘発。

予防: 風通しを良くし、窒素過多を避ける。シルバーマルチで忌避。

対処: 見つけ次第捕殺、牛乳スプレーや薬剤で防除。

害虫

ハダニ

時々

症状: 葉に白いかすり状の斑点、ひどいと葉が枯れる。

予防: 葉裏への葉水で乾燥を防ぐ。

対処: 葉裏への葉水を継続し、専用の殺ダニ剤を使用する。

Common mistakes

失敗あるある TOP3

⚠ 光不足で花が咲かない

葉やバルブは育つのに花が咲かず、葉色が濃すぎます。

原因: 置き場所が暗く、光が足りない。

対策: 明るい窓辺や、春〜秋は明るい屋外でしっかり光を当てます。

⚠ 過湿で根腐れ

根が黒く軟らかくなり、バルブがしわしわになります。

原因: 乾かし気味を好むのに水を与えすぎた、大きすぎる鉢。

対策: しっかり乾いてからたっぷり水やりし、やや小さめの通気のよい鉢に植えます。

⚠ 冬の寒さで株が弱る

葉やバルブが傷み、株が弱ります。

原因: 10度を下回る寒さに当てた。

対策: 冬は10度以上の暖かく明るい室内で管理します。

FAQ

よくある質問

乾燥に比較的強く、明るく置いて乾かし気味に管理すれば、豪華な花と甘い香りを楽しめます。ただし、花を咲かせるには十分な光が必要で、光不足だと咲かないので、置き場所の明るさが大切。過湿の根腐れと冬の寒さに注意すれば、洋ランに少し慣れた人なら十分に育てられます。

もっとも多い原因は光不足です。カトレアは洋ランのなかでも光をよく好み、光が足りないと、葉やバルブは育っても花が咲きません。葉の色が濃すぎる緑のときは光不足のサイン。明るい窓辺や、春〜秋は明るい屋外でしっかり光を当て、太く充実したバルブを育てると、花が咲きやすくなります。

カトレアは乾燥に比較的強いので、乾かし気味が基本。植え込み材がしっかり乾いてから、鉢底から流れ出るまでたっぷり与えます。常に湿った状態は根腐れのもと。水苔植えは乾きにくいので、乾いてさらに少しおいてから。冬はさらに控えめに。受け皿の水は必ず捨てます。

その鞘は「シース」といい、なかでつぼみが育つ部分です。光や温度の条件が整わないと、つぼみが育たず、シースだけが茶色く枯れることもあります。これは珍しくなく、株を充実させ続ければ、次のバルブで咲くことが多いので、あせらず、明るい場所で育て続けましょう。

カトレアは、新しいバルブの根元から「新根」が伸び始めるタイミングが、植え替えのベストです。新根が伸びきってからだと根を傷めやすいので、伸び始めの短い時期を狙います。2〜3年に一度、植え込み材が傷む前に、やや小さめの通気のよい鉢に植え替えます。大株は株分けでふやせます。

熱帯生まれで寒さに弱いので、冬は10度以上、できればそれ以上を保てる、暖かく明るい室内で管理します。10度を下回ると株が弱ります。冬の水やりは乾かし気味にして根腐れを防ぎ、できるだけ明るい窓辺に置きます。暖房の乾燥や夜間の冷え込みには注意します。

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