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植物図鑑
💮
太い花茎に多くの花を連ねて咲くシンビジウム
💮 洋ラン

シンビジウム

Cymbidium Cymbidium

やさしい 難易度2(5段階中): やさしい 💰 鉢植えは2000〜15000円

シンビジウムは、すらりと伸びた太い花茎に、多くの花を連ねて咲かせる、ボリューム感のある豪華な洋ランです。一本の花茎に十数輪もの花が並び、それ...

かんたんに言うと

シンビジウムは、太い花茎に多くの花を連ねる豪華で花もちのよい洋ラン。洋ランのなかでは寒さに比較的強く、春〜秋は屋外でよく日に当てて育てます。夏の充実と秋の涼しさ(昼夜の温度差)が花芽のカギ。冬は霜を避けて管理します。

Profile

基本情報

シンビジウムは、すらりと伸びた太い花茎に、多くの花を連ねて咲かせる、ボリューム感のある豪華な洋ランです。一本の花茎に十数輪もの花が並び、それが何本も立ち上がる姿は、まさに冬から春を彩る主役。花もちがよく、咲きそろうと1〜2か月以上楽しめることから、お歳暮や新年の贈り物、卒業・入学シーズンの花としても、たいへん人気があります。

花色は、黄、ピンク、緑、白、赤茶など豊富で、近年は、小型で育てやすい品種も増えています。シンビジウムは、洋ランのなかでは「地生(じせい)ラン」に近い性質をもち、コチョウランやデンドロビウムのような完全な着生ランより、根が太く、土に近い植え込み材でも育ちます。

そして、洋ランのなかでは寒さに比較的強く、生育期の春から秋は、屋外でしっかり日に当てて育てるのが基本。よく日に当てて、夏のあいだに株を充実させ、秋の涼しさ(昼夜の温度差)を経験させることが、花芽をつけるカギになります。冬は、寒さに比較的強いとはいえ、霜には弱いので、つぼみや花を守るため、室内や軒下で管理します。鉢が大きく、株もしっかりしているので、見ごたえがあり、毎年咲かせる楽しみのある、育てがいたっぷりの洋ランです。

ラン科
分類
洋ラン / 地生ラン(シンビジウムなど)
原産地
東アジア、ヒマラヤ、東南アジア
別名
シンビジウム、シンビジューム、シンビ、シュンラン(近縁)
価格目安
鉢植えは2000〜15000円

💡豆知識

シンビジウムの仲間には、日本や東アジアの山野に古くから自生し、「東洋ラン」として親しまれてきた、シュンラン(春蘭)やカンラン(寒蘭)などがあります。これらは、はなやかな洋ランとは趣が異なり、葉姿や、慎ましい花、香りを愛でる、わびさびの世界。

一方、私たちが鉢花としてよく目にする、大輪で多花性の「シンビジウム」は、こうした原種をもとに、ヨーロッパなどで品種改良が重ねられて生まれた、洋ランとしての姿です。シンビジウムが、ほかの洋ランより寒さに強いのは、もとになった原種に、標高の高い涼しい山地に育つものが多いため。

だからこそ、花を咲かせるには「秋の涼しさ」が欠かせません。夏に暑い環境で甘やかし、秋に涼しさを経験させないと、花芽がつきにくくなります。シンビジウムの根は、白くて太く、勢いよく張るのが特徴で、植え替えのときに、その立派な根を見ると、株の力強さを感じられます。花がらや、終わった花茎の手入れをしながら、大株に育てていく充実感も、シンビジウム栽培の魅力です。

Calendar

育成カレンダー

全国の月別育成カレンダー
作業 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
植え替え
4月は植え替え
開花
1月は開花
追肥
6月は追肥
病害虫注意
7月は病害虫注意
関東の月別育成カレンダー
作業 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
植え替え
4月は植え替え
開花
1月は開花
追肥
6月は追肥
病害虫注意
7月は病害虫注意
近畿の月別育成カレンダー
作業 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
植え替え
4月は植え替え
開花
1月は開花
追肥
6月は追肥
病害虫注意
7月は病害虫注意

数字は月を表します。色帯のある月がその作業の適期です。上のタブで地域を切り替えられます。

At a glance

ひと目でわかる特徴

育てやすさ やさしい
収穫・開花の早さ
手軽さ(コスト) 高め

Specs

形態と環境条件

形態

草丈
40〜100cm
株張り
30〜70cm
花のサイズ
太い花茎に多くの中〜大輪が連なる(黄・ピンク・緑など)

環境条件

日照
半日陰
耐寒温度
0℃
耐暑温度
33℃
土壌pH
5.5〜6.5
水やり
生育期はよく吸うのでたっぷり。乾いたら与える。冬はやや控えめ。
肥料
洋ラン用の液体肥料・置き肥

How to grow

育て方ステップ

  1. 1

    置き場所を決める(春〜秋は屋外でよく日に)

    約7日

    シンビジウムは、洋ランのなかでは日光を好み、寒さにも比較的強いので、生育期の春から秋は、屋外でしっかり日に当てて育てるのが基本です。日当たりと風通しのよいベランダや庭が理想的。よく日に当てると、太く充実した茎(バルブ)と、しっかりした葉が育ち、これが秋以降の花芽形成と、豪華な開花の土台になります。

    日照が不足すると、葉ばかりやわらかく茂って、花がつきにくくなります。ただし、真夏の、とくに西日の強い直射は、葉焼けの原因になるので、真夏は明るい半日陰に移すか、3〜4割ほど遮光して、葉を守ります。それ以外の時期は、できるだけよく日に当てます。

    シンビジウムは大株になり、鉢も大きく重いので、移動できる安定した置き場所を選ぶとよいでしょう。春に暖かくなったら屋外に出し、秋に涼しくなるまで、屋外でしっかり日に当てて育て、株を充実させること。これが、シンビジウムを毎年咲かせる、いちばんの基本です。

    💡春〜秋は屋外でよく日に当てて株を充実させる。真夏の強い直射(西日)だけ遮光。日照不足は花が減る。

  2. 2

    水やり(生育期はたっぷり)

    約30日

    シンビジウムは、洋ランのなかでは根が太く、生育旺盛で、水をよく吸います。生育期の春から秋は、植え込み材の表面が乾いたら、鉢底から流れ出るまで、たっぷりと水を与えます。とくに、生長の盛んな初夏から夏は、よく乾くので、水切れに注意し、毎日のように水やりが必要なこともあります。

    大きな株は、それだけ多くの水を必要とするので、生育期はしっかり与えます。ただし、いくら水を好むといっても、常にびしょびしょの過湿は、根を傷めるので、「乾いたらたっぷり」のリズムは守り、受け皿の水は捨てます。秋になり、涼しくなって花芽の準備が始まると、生育がゆるやかになるので、水やりをやや控えめにします。

    冬は、生育が止まるので、さらに控えめにし、乾かし気味に管理しますが、つぼみが伸びているときは、乾かしすぎてつぼみを傷めないよう、適度に水を与えます。シンビジウムは、ほかの洋ランより水を好むので、生育期の水切れに注意しつつ、季節に応じて水やりを調整するのが、上手に育てるコツです。

    💡生育期(春〜夏)は乾いたらたっぷり、水をよく吸うので水切れ注意。秋〜冬はやや控えめに。

  3. 3

    植え込み材と植え替え・株分け

    約14日

    シンビジウムは、地生ランに近い性質で、根が太く丈夫なので、完全な着生ランより、保水性のある植え込み材が向きます。市販の「シンビジウム用の土」や、バーク、軽石、日向土などを配合した、水はけと水もちのバランスのよいものを使います。鉢は、根がよく張り大株になるので、しっかりした大きめの鉢を使います。

    植え替えの適期は、花が終わり、新しい芽や根が動き出す、春(3〜5月)。シンビジウムは生育旺盛で、根がぎっしり張り、株もよくふえるので、2〜3年に一度を目安に、鉢いっぱいになったら、ひとまわり大きな鉢に植え替えるか、株分けをします。植え替えのときは、根鉢をくずし、古い植え込み材を落として、黒く傷んだ根や、枯れた古いバルブを整理します。

    株分けは、太く充実したバルブが、それぞれの株に3本以上つくように分けると、その後の花つきがよくなります。あまり小さく分けすぎると、花が咲くまで時間がかかります。植え替え・株分け後は、根が落ち着くまで、直射と過湿を避けて管理します。

    💡保水性のあるシンビジウム用の土で、大きめの鉢に。花後の春に2〜3年に一度植え替え・株分け(充実バルブ3本以上で分ける)。

  4. 4

    花を咲かせる(夏の充実と秋の涼しさ)

    約40日

    シンビジウムを咲かせるカギは、二つあります。ひとつは、夏のあいだに、屋外でよく日に当て、しっかり水と肥料を与えて、太く充実したバルブを育て、株を充実させること。花芽は、充実したバルブの根元につくので、夏の生育がよくないと、花芽そのものがつきにくくなります。

    もうひとつが、秋の「涼しさ」です。シンビジウムは、秋に、昼と夜の気温差(とくに夜の涼しさ、最低気温10〜15度ほど)を経験することで、花芽が分化します。そのため、秋になっても、夜まで暖かい室内に早く取り込んでしまうと、花芽がつきにくくなります。

    秋は、できるだけ屋外に置いたまま、夜の涼しさ(昼夜の温度差)を、しっかり経験させることが大切です。あわせて、秋以降は肥料を控えます。この「夏の充実+秋の涼しさ」がそろうと、株元から花芽が顔を出します。花芽は、新しい葉の芽と形が似ていますが、ふっくらと丸みがあるのが花芽。

    花芽を確認できたら、霜に当てないよう注意しつつ、引き続き涼しめに管理して、花茎を伸ばします。秋の管理が、シンビジウムの開花を左右する、最大のポイントです。

    💡夏に屋外でよく育てバルブを充実させ、秋に夜の涼しさ(昼夜の温度差)を経験させると花芽がつく。秋は肥料を控える。

  5. 5

    冬の開花と冬越し・一年の管理

    約120日

    秋に花芽がつき、花茎が伸びてきたら、霜が降りる前(おおむね11月ごろ)に、明るく暖かい室内に取り込みます。シンビジウムは、洋ランのなかでは寒さに強く、0度近くまで耐える品種もありますが、つぼみや花は、霜や強い寒さに当たると傷むので、花を守るために室内へ。

    室内では、レース越しの明るい窓辺など、よく日が当たる場所に置きます。室温が高すぎると、花がはやく傷んだり、花茎が間延びしたりするので、暖房の効きすぎた部屋より、やや涼しめの、明るい場所のほうが、花が長もちします。冬の水やりは、生育期より控えめにしますが、つぼみや花のあるあいだは、乾かしすぎないようにします。

    花は、咲きそろうと1〜2か月以上楽しめます。花が終わったら、花茎を根元から切り、春になって暖かくなったら、再び屋外に出して、生育期の管理(よく日に当て、たっぷり水やり、施肥)に戻します。この「春〜秋に屋外でよく育て、夏に充実させ、秋に涼しさで花芽をつけ、冬に室内で咲かせる」一年のリズムをくり返せば、毎年、豪華な花を楽しめます。

    💡霜の前に明るい室内へ。涼しめの明るい場所で花が長もち。花後は花茎を切り、春に屋外へ戻す。

Checklist

育てる前のチェックリスト

  • シンビジウムの鉢

    大きさ・品種で価格が変わる。

    2,000〜15,000円
  • シンビジウム用の土・バーク

    植え替え用。保水性と水はけのある配合。

    400〜1,500円
  • 大きめの鉢 (任意)

    根がよく張り大株になるためしっかりした鉢を。

    500〜3,000円
  • 洋ラン用肥料 (任意)

    生育期(春〜夏)にしっかり。秋以降は控える。

    500〜1,500円
初期費用の目安(必須のみ) 2,400〜16,500円

Pests & Diseases

かかりやすい病害虫

害虫

アブラムシ

時々

症状: 新芽が縮れる、葉がべたつく、すす病を誘発。

予防: 風通しを良くし、窒素過多を避ける。シルバーマルチで忌避。

対処: 見つけ次第捕殺、牛乳スプレーや薬剤で防除。

害虫

ハダニ

時々

症状: 葉に白いかすり状の斑点、ひどいと葉が枯れる。

予防: 葉裏への葉水で乾燥を防ぐ。

対処: 葉裏への葉水を継続し、専用の殺ダニ剤を使用する。

Common mistakes

失敗あるある TOP3

⚠ 秋に暖かくして花が咲かない

葉ばかり茂って花芽がつきません。

原因: 秋に夜の涼しさを経験させず早く室内に取り込んだ、夏の充実不足。

対策: 夏は屋外でよく育て、秋は屋外で夜の涼しさ(昼夜の温度差)に当てます。

⚠ 生育期の水切れで株が弱る

葉が黄ばみ、バルブがやせて充実しません。

原因: 水をよく吸う生育期に水やりが不足した。

対策: 生育期は乾いたらたっぷり、夏は水切れに注意して与えます。

⚠ 真夏の強い直射で葉焼け

葉が黄や茶色に焼けて傷みます。

原因: 真夏(とくに西日)の強い直射日光に当てた。

対策: 真夏は明るい半日陰に移すか、3〜4割ほど遮光します。

FAQ

よくある質問

洋ランのなかでは寒さに強く丈夫で、屋外でよく日に当てれば育てやすい部類です。花を咲かせるには、夏にしっかり育てて株を充実させ、秋に夜の涼しさを経験させる、という点がコツ。鉢が大きく水をよく吸うので、生育期の水切れに注意すれば、毎年豪華な花を楽しめます。

主な原因は二つ。ひとつは、夏の日光・肥料・水が不足して、バルブ(茎)が充実しなかったこと。もうひとつは、秋に夜の涼しさ(昼夜の温度差)を経験させず、早く暖かい室内に取り込んでしまったことです。夏は屋外でよく育て、秋はできるだけ屋外で夜の涼しさに当て、肥料を控えると、花芽がつきます。

シンビジウムは水をよく吸うので、生育期(春〜夏)は、植え込み材が乾いたらたっぷり与え、水切れに注意します。とくに夏は毎日のように必要なことも。秋以降はやや控えめにし、冬は乾かし気味にしますが、つぼみや花があるあいだは乾かしすぎないようにします。受け皿の水は捨てます。

秋は、夜の涼しさ(昼夜の温度差)が花芽形成に必要なので、早く取り込みすぎないのがコツです。花芽がついて花茎が伸び、霜が降りる前(おおむね11月ごろ)に、明るく暖かい室内に取り込みます。寒さには強いですが、つぼみや花を守るために室内へ。室温は高すぎないほうが花が長もちします。

生育旺盛で根がよく張るので、2〜3年に一度、花後の春(3〜5月)に、ひとまわり大きな鉢へ植え替えるか、株分けします。保水性のあるシンビジウム用の土を使い、大きめの鉢に。株分けは、充実したバルブが各株に3本以上つくように分けると、その後の花つきがよくなります。

シンビジウムは、洋ランのなかでは寒さに強く、地生ランに近い性質で、根が太く水をよく吸い、屋外でしっかり日に当てて育てる点が特徴です。コチョウランは熱帯の着生ランで寒さに弱く室内向き、デンドロビウムはその中間。シンビジウムは大株で豪華、寒さに強い分、屋外管理が中心になります。

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