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植物図鑑
💮
節のある茎にピンクの花をびっしり咲かせたデンドロビウム
💮 洋ラン

デンドロビウム

Dendrobium Dendrobium

やさしい 難易度2(5段階中): やさしい 💰 鉢植えは1500〜12000円

デンドロビウムは、竹のように節のある茎(バルブ)に、びっしりと花を咲かせる、にぎやかで華やかな洋ランです。とくに、日本でよく親しまれる「ノビ...

かんたんに言うと

デンドロビウム(ノビル系)は、節のある茎に花をびっしり咲かせる華やかな洋ラン。着生ランで水苔やバークに植え、よく日に当てて育てます。秋にやや冷え込みと水控えを経験させると花芽がつくのがコツ。コチョウランより丈夫で寒さにやや強めです。

Profile

基本情報

デンドロビウムは、竹のように節のある茎(バルブ)に、びっしりと花を咲かせる、にぎやかで華やかな洋ランです。とくに、日本でよく親しまれる「ノビル系」は、太く立ち上がった茎の節々から、ピンクや白、黄、紫などの花を、株を埋めつくすように咲かせ、その豪華さが魅力。

一本の茎にたくさんの花がつくので、ボリュームがあり、鉢花として、また贈り物としても人気があります。デンドロビウムは、東南アジアからオセアニアの広い地域に分布する、着生ランの仲間。コチョウランと同じく、木に着生して育つので、土ではなく、水苔やバークに植えて、根が呼吸できるようにします。

コチョウランより、比較的丈夫で、寒さにもやや強く、日光もしっかり好むのが特徴。よく日に当てて育てるのが、丈夫に育て、花をたくさん咲かせるコツです。デンドロビウム(ノビル系)を咲かせるうえで、いちばんのポイントが、秋の管理。秋に、屋外で、やや冷え込みと乾燥(水やりを控える)を経験させることが、花芽をつける引き金になります。

ここで肥料を与えたり、暖かくしすぎたりすると、花芽でなく「高芽(たかめ)」という子株ができてしまうことも。ポイントを押さえれば、毎年、株いっぱいの豪華な花を楽しめる、育てがいのある洋ランです。

ラン科
分類
洋ラン / 着生ラン(胡蝶蘭・カトレアなど)
原産地
東南アジア、インド、オセアニア
別名
デンドロビウム、デンドロビューム、デンドロ、セッコク(近縁)
価格目安
鉢植えは1500〜12000円

💡豆知識

デンドロビウムという名前は、ギリシャ語の「デンドロン(樹木)」と「ビオス(生活)」を合わせたもので、「樹上で暮らす」という、着生ランらしい生態を表しています。世界に1000種以上もある、ランのなかでも非常に大きなグループで、姿や花、好む環境もさまざま。

日本でよく流通するのは、太い茎に多くの花をつける「ノビル系」と、コチョウランのように房状に花を垂らす「デンファレ(ファレノプシス系)」が代表的で、この二つは育て方が少し異なります。じつは、日本の山地の岩や木に自生する「セッコク(石斛)」も、デンドロビウムの仲間で、古くから東洋ランとして親しまれてきました。

ノビル系を咲かせるカギである「秋の冷え込みと乾燥」は、原産地の、雨季と乾季・気温差のある気候を再現するもの。この刺激がないと、株は「まだ生育期」と判断して、花芽のかわりに、茎の途中から子株(高芽)を出してしまいます。自然のリズムを知って管理すると、ランがなぜそう反応するのかが分かり、栽培がいっそう面白くなります。

Calendar

育成カレンダー

全国の月別育成カレンダー
作業 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
植え替え
5月は植え替え
開花
2月は開花
追肥
6月は追肥
病害虫注意
7月は病害虫注意
関東の月別育成カレンダー
作業 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
植え替え
5月は植え替え
開花
2月は開花
追肥
6月は追肥
病害虫注意
7月は病害虫注意
近畿の月別育成カレンダー
作業 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
植え替え
5月は植え替え
開花
2月は開花
追肥
6月は追肥
病害虫注意
7月は病害虫注意

数字は月を表します。色帯のある月がその作業の適期です。上のタブで地域を切り替えられます。

At a glance

ひと目でわかる特徴

育てやすさ やさしい
収穫・開花の早さ
手軽さ(コスト) 高め

Specs

形態と環境条件

形態

草丈
30〜80cm
株張り
15〜40cm
花のサイズ
節々に咲く中輪花(ピンク・白・黄・紫など)

環境条件

日照
半日陰
耐寒温度
3℃
耐暑温度
33℃
土壌pH
5.0〜6.5
水やり
生育期は植え込み材が乾いたらたっぷり。秋〜冬は控えめ。
肥料
洋ラン用の液体肥料・置き肥

How to grow

育て方ステップ

  1. 1

    置き場所を決める(日光をしっかり)

    約7日

    デンドロビウム(ノビル系)は、洋ランのなかでは日光を好むほうで、よく日に当てて育てるのが、丈夫に育て、花をたくさん咲かせるコツです。生育期の春から秋は、屋外の、日当たりと風通しのよい場所が理想的。ただし、真夏の強すぎる直射は、葉焼けの原因になるので、真夏だけは明るい半日陰に移すか、遮光します。

    室内で育てる場合も、一日を通してよく日が入る、明るい窓辺に置きます。日照が不足すると、茎(バルブ)が細く間延びして、花つきも悪くなるので、しっかり日に当てることが大切です。コチョウランより寒さにやや強く、生育期は屋外で元気に育ちますが、後述のとおり、冬の最低気温には注意が必要。

    風通しのよい環境も好み、屋外の風の通る場所でよく育ちます。春から秋は屋外でよく日に当て、しっかり育てて株を充実させることが、秋以降の花芽形成と、豪華な開花につながる、いちばんの土台になります。

    💡よく日に当てると花つきがよい。真夏の強い直射だけ避ける。日照不足は徒長して花が減る。

  2. 2

    水やり(生育期はたっぷり、秋から控える)

    約30日

    デンドロビウムの水やりは、季節でメリハリをつけるのがポイントです。よく生長する春から夏の生育期は、植え込み材(水苔・バーク)が乾いたら、鉢底から流れ出るまで、たっぷりと与えます。この時期は水も肥料もよく吸って、新しい茎(バルブ)を太らせ、株を充実させます。

    ただし、着生ランなので、常に湿った状態は根腐れのもと。乾いてからたっぷり、のリズムを守り、受け皿の水は捨てます。そして、デンドロビウムでとくに大切なのが、秋以降の水やり。後述のとおり、花芽をつけるために、秋になったら、水やりを徐々に控えめにして、やや乾燥気味に管理します。

    この「秋の水控え」が、花芽形成の引き金のひとつになります。冬の花芽が動き出すまでは、乾かし気味を保ち、過湿を避けます。花芽が伸びて、つぼみがふくらんできたら、再び少しずつ水やりを増やします。「生育期はたっぷり、秋〜冬は控えめ」という、季節に応じた水やりの切り替えが、デンドロビウムを毎年咲かせるコツです。

    💡生育期(春〜夏)は乾いたらたっぷり。秋から水を控えてやや乾燥気味に(花芽形成のため)。

  3. 3

    植え込み材と植え替え

    約14日

    デンドロビウムも、コチョウランと同じく、土ではなく、根が呼吸できる「水苔」か「バーク」に植えます。鉢は、根が混みやすいので、株に合った、やや小さめでもよく、素焼き鉢やプラ鉢が使われます。植え替えの適期は、花が終わり、新しい芽や根が動き出す、暖かくなった春(4〜6月)。

    デンドロビウムは生育旺盛で、根や新しい茎(バルブ)がよく出るので、2〜3年に一度を目安に、株が鉢いっぱいになったり、植え込み材が古く傷んだりしたら、植え替えます。古い植え込み材を取り除き、黒く傷んだ根や、枯れた古いバルブを整理して、新しい水苔やバークで植え直します。

    大きく育った株は、このとき株分けでふやすこともできます。1つの株に、太く充実したバルブが複数あると、花つきがよくなるので、株分けは大きくしすぎてから行います。植え替え後は、根が落ち着くまで、直射と過湿を避けて、明るい場所で管理します。生育期に入っていれば、回復も早く、新しい根がよく伸びます。

    💡土でなく水苔かバークに。花後の春に2〜3年に一度植え替え、大株は株分けでふやせる。

  4. 4

    花を咲かせる(秋の冷え込みがカギ)

    約40日

    デンドロビウム(ノビル系)栽培で、いちばんの山場であり、コツが必要なのが、花芽をつけさせる「秋の管理」です。ノビル系のデンドロビウムは、秋に、ある程度の冷え込みを経験することで、花芽が分化します。具体的には、秋に屋外に置いたまま、最低気温が10度前後の、やや冷え込む状態を、2週間〜1か月ほど経験させます。

    あわせて、前のステップで述べたように、秋から水やりを控えめにし、やや乾燥気味にすること、そして、秋以降は肥料を与えないことが重要です。この「冷え込み・水控え・肥料断ち」の三つがそろうと、茎の節々に花芽がつきます。逆に、秋に暖かい室内に早く取り込みすぎたり、肥料を与え続けたり、水を与えすぎたりすると、株は「まだ生育期」と勘違いして、花芽のかわりに、茎の途中から子株(高芽=たかめ)を出してしまいます。

    高芽ができると、その年の花は望めません。ただし、冷え込ませすぎて、霜や凍結に当てると株が傷むので、最低気温が5度を下回る前には、暖かい室内に取り込みます。この、秋の「適度な冷え込み」の見極めが、デンドロビウムを毎年豪華に咲かせる、最大のポイントです。

    💡秋に最低10度前後の冷え込み+水控え+肥料断ちで花芽がつく。暖かく肥料を続けると高芽に。霜の前に取り込む。

  5. 5

    冬越しと開花・一年の管理

    約120日

    秋に花芽の準備ができたら、最低気温が5度を下回る前(おおむね11月ごろ)に、暖かく明るい室内に取り込みます。室内では、レースカーテン越しの明るい窓辺など、よく日が当たる場所に置き、最低でも5〜10度ほどを保ちます。デンドロビウムはコチョウランより寒さに強いですが、花芽や株を確実に守るため、暖かい室内が安心です。

    冬の室内で、花芽が少しずつ伸びてふくらみ、やがて、節々に花が咲きそろいます。つぼみがふくらんできたら、水やりを少しずつ増やし、乾かしすぎないようにします。開花中は、肥料を控え、直射を避けた明るい場所で、長く花を楽しみます。花が終わったら、花がらを取り除き、春になって暖かくなったら、再び屋外に出して、生育期の管理(よく日に当て、乾いたらたっぷり水やり、生育期に施肥)に戻します。

    この、「春〜夏に屋外でよく育て、秋に冷え込ませて花芽をつけ、冬に室内で咲かせる」という一年のリズムをくり返せば、毎年、株いっぱいの豪華な花を楽しめます。古いバルブも、養分をためる役割があるので、枯れない限り、すぐには切らずに残します。

    💡霜の前に室内の明るい窓辺へ(5〜10度以上)。冬に開花。花後は春に屋外へ戻して生育期管理に。

Checklist

育てる前のチェックリスト

  • デンドロビウムの鉢

    大きさ・品種で価格が変わる。

    1,500〜12,000円
  • 水苔またはバーク(植え込み材)

    植え替え用。根が呼吸できる素材。

    400〜1,500円
  • 素焼き鉢・プラ鉢 (任意)

    株に合ったやや小さめのもの。

    300〜2,000円
  • 洋ラン用肥料 (任意)

    生育期(春〜夏)に。秋以降は止める。

    500〜1,500円
初期費用の目安(必須のみ) 1,900〜13,500円

Pests & Diseases

かかりやすい病害虫

害虫

アブラムシ

時々

症状: 新芽が縮れる、葉がべたつく、すす病を誘発。

予防: 風通しを良くし、窒素過多を避ける。シルバーマルチで忌避。

対処: 見つけ次第捕殺、牛乳スプレーや薬剤で防除。

害虫

ハダニ

時々

症状: 葉に白いかすり状の斑点、ひどいと葉が枯れる。

予防: 葉裏への葉水で乾燥を防ぐ。

対処: 葉裏への葉水を継続し、専用の殺ダニ剤を使用する。

Common mistakes

失敗あるある TOP3

⚠ 高芽ができて花が咲かない

花芽のかわりに、茎の途中から子株(高芽)が出ます。

原因: 秋に暖かくしすぎ、水や肥料を与え続けた。

対策: 秋に屋外で適度な冷え込みと水控え、肥料断ちを経験させます。

⚠ 過湿で根腐れ

根が黒く軟らかくなり、株が弱ります。

原因: 常に湿った状態、受け皿の水の放置。

対策: 乾いてからたっぷり水やりし、受け皿の水は捨てます。

⚠ 日照不足で徒長・花が減る

茎が細く間延びし、花つきが悪くなります。

原因: 日光不足。

対策: 春〜秋は屋外でよく日に当てます(真夏の強直射のみ避ける)。

FAQ

よくある質問

コチョウランより丈夫で寒さにやや強く、よく日に当てれば株いっぱいに花を咲かせるので、洋ランの入門にも向きます。ただし、花を咲かせるには、秋に適度な冷え込みと水控えを経験させる、という管理が必要。この「秋のひと手間」を覚えれば、毎年豪華な花を楽しめます。

それは「高芽(たかめ)」という子株で、花芽がつかなかったサインです。秋に暖かくしすぎたり、水や肥料を与え続けたりすると、株が生育期と勘違いして、花芽でなく高芽を出します。花を咲かせるには、秋に屋外で最低10度前後の冷え込みと、水控え、肥料断ちを経験させましょう。高芽は育てて株をふやすこともできます。

生育期(春〜夏)は、植え込み材が乾いたら鉢底から流れ出るまでたっぷり与えます。秋になったら、花芽をつけるため、水やりを徐々に控えめにし、やや乾燥気味に。冬も乾かし気味に保ち、つぼみがふくらんだら少しずつ増やします。常に湿った状態は根腐れのもとなので、受け皿の水は捨てます。

秋に、屋外に置いたまま、最低気温10度前後のやや冷え込む状態を2週間〜1か月経験させ、同時に水を控え、肥料を止めることです。この三つで花芽が分化します。ただし冷え込ませすぎて霜に当てると傷むので、最低気温が5度を下回る前に暖かい室内へ取り込みます。

秋に花芽の準備ができたら、霜の前(11月ごろ)に、明るく暖かい室内に取り込みます。レース越しの明るい窓辺で、最低5〜10度ほどを保つと、冬に花が咲きます。コチョウランより寒さに強いですが、花芽と株を守るため暖かい室内が安心。開花中は肥料を控え、直射を避けて楽しみます。

花が終わった古いバルブも、養分や水をたくわえる役割があるので、枯れて茶色くなってしわしわになるまでは、切らずに残します。緑色を保っているバルブは生きていて、株の力になります。完全に枯れたものだけ、付け根から取り除きます。葉が落ちても茎が緑なら、まだ役立っています。

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