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植物図鑑
🫚
株元が太りピンクの花を咲かせたアデニウム(砂漠のバラ)
🫚 塊根植物

アデニウム

Adenium obesum Desert rose

やさしい 難易度2(5段階中): やさしい 💰 鉢植えは1000〜10000円

アデニウムは、株元がぷっくりとふくらんで「徳利(とっくり)」のように太る塊根(コーデックス)と、初夏から秋にかけて咲く、バラのように華やかな...

かんたんに言うと

アデニウム(砂漠のバラ)は株元が太る塊根と、初夏〜秋の華やかな花を楽しむ夏型の塊根植物。日光を好み、よく日に当てると幹が太り花も咲きます。冬は落葉・休眠するので断水気味に室内へ。樹液に有毒成分があり扱いに注意。

Profile

基本情報

アデニウムは、株元がぷっくりとふくらんで「徳利(とっくり)」のように太る塊根(コーデックス)と、初夏から秋にかけて咲く、バラのように華やかな花を、あわせて楽しめる人気の塊根植物です。「砂漠のバラ(デザートローズ)」の別名のとおり、太く力強い幹の先に、ピンクや赤、白の鮮やかな花を次々と咲かせる姿は、まさに砂漠に咲く一輪。

塊根植物のなかでも、フォルムと花の両方を味わえる、入門にも人気の種類です。原産はアフリカやアラビア半島の乾燥地で、雨の少ない環境を生き抜くため、株元に水分をたくわえて太らせる性質をもちます。日光が大好きで、よく日に当てると、幹が太く締まってたくましく育ち、花つきもよくなります。

生育するのは暖かい春から秋(夏型)。気温が下がる冬は、葉を落として休眠するので、水やりをぐっと減らし、室内の暖かい場所に取り込みます。寒さに弱く、過湿による根腐れにも弱いので、水やりは控えめにし、冬の管理がいちばんの注意点です。なお、アデニウムはキョウチクソウ科の植物で、切ったときに出る白い樹液に有毒成分を含むので、口に入れない・目をこすらない・作業後は手を洗う、といった点に注意します。太い幹のフォルムと、砂漠のバラの花を長く楽しめる、見ごたえのある塊根植物です。

分類
塊根植物 / 夏型(春〜秋生育)
原産地
アフリカ、アラビア半島
別名
砂漠のバラ、アデニウム・オベスム、デザートローズ、砂漠の薔薇
価格目安
鉢植えは1000〜10000円

💡豆知識

アデニウムが「砂漠のバラ(デザートローズ)」と呼ばれるのは、乾燥した荒れ地に、バラを思わせる鮮やかな花を咲かせるためです。タイなどの東南アジアでは、古くから縁起のよい植物として親しまれ、太い株元は「富がたまる」象徴とされて、贈り物にも好まれてきました。

品種改良もさかんで、花色や花形のバリエーションが非常に豊富。一重だけでなく、八重咲きや覆輪(ふくりん)など、観賞価値の高い園芸品種が数多く作られています。塊根植物の魅力である、ぷっくりした株元のフォルムは、種から育てる「実生(みしょう)」株でとくに太りやすく、年月をかけて自分だけの形に育てる楽しみがあります。

一方で、挿し木でふやした株は花つきが早い反面、株元が太りにくい傾向があります。なお、アデニウムを含むキョウチクソウ科の植物は有毒成分をもち、アフリカの一部では、近縁の植物の樹液が矢毒に利用されてきた歴史もあります。

Calendar

育成カレンダー

全国の月別育成カレンダー
作業 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
植え替え
5月は植え替え
開花
7月は開花
追肥
6月は追肥
病害虫注意
12月は病害虫注意
関東の月別育成カレンダー
作業 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
植え替え
5月は植え替え
開花
7月は開花
追肥
6月は追肥
病害虫注意
12月は病害虫注意
近畿の月別育成カレンダー
作業 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
植え替え
5月は植え替え
開花
7月は開花
追肥
6月は追肥
病害虫注意
12月は病害虫注意

数字は月を表します。色帯のある月がその作業の適期です。上のタブで地域を切り替えられます。

At a glance

ひと目でわかる特徴

育てやすさ やさしい
収穫・開花の早さ
手軽さ(コスト) 高め

Specs

形態と環境条件

形態

草丈
20〜100cm
株張り
15〜50cm
花のサイズ
ピンク・赤・白の花が幹の先に咲く(初夏〜秋)

環境条件

日照
日なた
耐寒温度
8℃
耐暑温度
42℃
土壌pH
6.0〜7.0
水やり
生育期は土が乾いたらたっぷり。冬の休眠期は断水気味。
肥料
サボテン・多肉植物用肥料・緩効性化成肥料

How to grow

育て方ステップ

  1. 1

    置き場所を決める(日光が大好き)

    約7日

    アデニウムは、強い日光を大好きな塊根植物です。生育期の春から秋は、できるだけよく日の当たる場所に置きましょう。屋外なら、雨の当たりにくい南向きのベランダや軒下が理想的。室内で育てる場合も、一日を通して光がよく入る、明るい南向きの窓辺に置きます。

    日光をたっぷり浴びると、株元(塊根)が太くがっしりと締まってたくましく育ち、花つきもよくなります。反対に、日照が不足すると、枝が間延びしてひょろひょろと徒長し、株元も太りにくく、花も咲きにくくなります。生育に適した温度は20〜35度ほどで、暑さには非常に強い反面、寒さには弱いのが特徴です。

    気温が15度を下回るころからは生育が鈍り、10度を下回ると葉を落として休眠に入ります。室内育ちの株を急に真夏の直射に当てると葉焼けすることがあるので、屋外に出すときは数日かけて慣らします。

    💡よく日に当てると株元が太り花つきも向上。暑さに強く寒さに弱い。日照不足は徒長。

  2. 2

    水やり(生育期と休眠期で大きく変える)

    約30日

    アデニウムの水やりは、生育期と休眠期で大きく変えるのがポイントです。よく生長する春から秋の生育期は、土が乾いたら、鉢底から流れ出るまでたっぷりと与えます。塊根植物のなかでは比較的水を好み、生育期にしっかり水と日光を与えると、株元が太り、花もよく咲きます。

    とはいえ過湿は禁物なので、受け皿の水は必ず捨て、次の水やりまでに土が乾くリズムを保ちます。一方、気温が下がって葉を落とし、休眠に入る冬は、水やりをぐっと減らして断水気味に管理します。休眠中に土が湿ったままだと、低温と過湿が重なって、株元や根が腐ってしまいます。

    冬はほとんど水を与えず、乾かして越させるのが、無事に冬を越すコツ。春になって暖かくなり、新しい芽が動き始めたら、少しずつ水やりを再開します。生育期はしっかり、休眠期はほぼ断水、というメリハリが、アデニウム栽培の基本です。

    💡生育期(春〜秋)はたっぷり、冬の休眠期はほぼ断水。メリハリが大切。

  3. 3

    土と植え替え(塊根を見せる楽しみ)

    約14日

    アデニウムは過湿を嫌うので、水はけのよい土が欠かせません。市販の「サボテン・多肉植物用の土」を使うのが、いちばん手軽で確実です。鉢は、必ず底に穴のあいたものを選びます。生長が早く根もよく張るので、1〜2年に一度を目安に、生育期の始まる春(5〜6月、十分暖かくなってから)に植え替えます。

    鉢から株を抜き、古い土を落として、傷んだ根を整理します。このとき、アデニウムならではの楽しみが、土の中で太った塊根(根)の一部を、少し地上に出して植えること。年々、塊根を高く上げて植え替えていくと、どっしりとした存在感のあるフォルムに仕立てられます。

    樹液に有毒成分があるので、根や幹を切ったときは、手袋をするか作業後に手を洗い、切り口の白い樹液が乾いてから植えると安心です。植え替え直後は、根の切り口が乾くまで数日〜1週間ほど水やりを控えてから、通常の管理に戻します。

    💡水はけのよい土で暖かい春に植え替え。塊根を少しずつ地上に上げて姿を作る楽しみがある。

  4. 4

    冬越し(落葉して休眠)

    約120日

    アデニウム栽培でいちばんの注意点が冬越しです。アデニウムは熱帯の植物で寒さに弱く、気温が10度を下回るころには、葉を落として休眠に入ります。落葉は枯れたわけではなく、寒い季節をやり過ごすための自然な反応です。冬は、最低気温が10度以上を保てる、暖かく明るい室内の窓辺に取り込みます。

    窓辺でも夜間に冷え込む場所は避け、できれば10〜15度以上をキープします。前述のとおり、休眠中は水やりをほぼ止めて断水気味にし、低温と過湿が重ならないようにするのが、株元を腐らせないコツ。乾かして暖かく越させれば、葉がなくても株はしっかり生きています。

    春になり、気温が安定して暖かくなると、再び芽が動き出すので、そのタイミングで少しずつ水やりを再開し、徐々に日差しにも慣らしていきます。寒さで一度傷むと回復が難しいので、冬は「暖かく・乾かして」を徹底しましょう。

    💡冬は10度以上の暖かい室内へ、ほぼ断水。落葉は休眠のサインで枯れではない。

  5. 5

    花を楽しむ・ふやし方

    約60日

    アデニウムの大きな魅力が、初夏から秋にかけて咲く、バラのように華やかな花です。花を咲かせるコツは、生育期にとにかくよく日に当て、水と肥料を適切に与えて、株を充実させること。日当たりが悪いと花つきが極端に悪くなるので、いちばん日の当たる場所を選びましょう。

    リン酸分を含む肥料を生育期に少量与えると、花つきを助けます。咲き終わった花はこまめに摘み取ると、次の花が上がりやすくなります。ふやし方は、種をまく「実生」と、枝を切って挿す「挿し木」があります。実生は、株元の塊根が太りやすく、フォルムを楽しみたい人に向きますが、花が咲くまでに数年かかります。

    挿し木は、生育期に元気な枝を切り、切り口の樹液を洗い流して乾かしてから、水はけのよい土に挿します。挿し木株は花が早く咲く反面、株元が太りにくい傾向があります。目的に合わせて、ふやし方を選びましょう。なお、作業で出る白い樹液には有毒成分があるので、口や目に入れないよう注意します。

    💡生育期によく日に当てると花がよく咲く。実生は塊根が太り、挿し木は花が早い。樹液に注意。

Checklist

育てる前のチェックリスト

  • アデニウムの苗(鉢)

    実生株・接ぎ木株など。塊根の太さで価格差。

    1,000〜10,000円
  • サボテン・多肉植物用の土

    水はけのよい土。

    400〜1,000円
  • 鉢(底穴のあるもの) (任意)

    植え替え用。塊根を見せる浅鉢も人気。

    400〜3,000円
  • 緩効性肥料・リン酸分を含む肥料 (任意)

    生育期に少量。花つきを助ける。

    400〜1,200円
初期費用の目安(必須のみ) 1,400〜11,000円

Pests & Diseases

かかりやすい病害虫

害虫

アブラムシ

時々

症状: 新芽が縮れる、葉がべたつく、すす病を誘発。

予防: 風通しを良くし、窒素過多を避ける。シルバーマルチで忌避。

対処: 見つけ次第捕殺、牛乳スプレーや薬剤で防除。

害虫

ハダニ

時々

症状: 葉に白いかすり状の斑点、ひどいと葉が枯れる。

予防: 葉裏への葉水で乾燥を防ぐ。

対処: 葉裏への葉水を継続し、専用の殺ダニ剤を使用する。

Common mistakes

失敗あるある TOP3

⚠ 冬の低温・過湿で株元が腐る

株元がぶよぶよ・黒ずんで軟らかくなります。

原因: 休眠期の寒さと水のやりすぎ。

対策: 冬は10度以上の室内でほぼ断水にし、低温と過湿を重ねないようにします。

⚠ 徒長して株元が太らない・花が咲かない

枝がひょろ長く伸び、株元が細いままで花も咲きません。

原因: 日照不足。

対策: 生育期は最も日の当たる場所に移し、しっかり日に当てます。

⚠ 葉焼け

葉が白や茶色に焼けて傷みます。

原因: 室内育ちの株を急に強い直射日光に当てた。

対策: 屋外に出すときは数日かけて少しずつ日差しに慣らします。

FAQ

よくある質問

乾燥に強く水やりが少なくてよいので、塊根植物の入門種として育てやすい部類です。よく日に当てれば丈夫に育ち、花も楽しめます。注意点は、寒さと過湿に弱いことと、冬に落葉して休眠する管理。冬を10度以上の暖かい室内で乾かし気味に越せれば、長く楽しめます。

多くの場合、枯れたのではなく休眠のサインです。アデニウムは寒さに弱く、気温が10度を下回ると葉を落として休眠します。冬は10度以上の暖かい明るい室内に取り込み、水やりをほぼ止めて断水気味に管理します。春に暖かくなれば、再び芽が動き出します。

いちばんの原因は日照不足です。アデニウムは強い日光を好み、よく日に当てないと花つきが極端に悪くなります。生育期は最も日の当たる場所に置き、リン酸分を含む肥料を少量与えると花を助けます。挿し木株より、種から育てた実生株のほうが、株が充実すると花も塊根も楽しめます。

生育期(春〜秋)と休眠期(冬)で大きく変えます。生育期は土が乾いたら鉢底から流れ出るまでたっぷり与え、受け皿の水は捨てます。葉を落とす冬の休眠期は、水やりをほぼ止めて断水気味にします。休眠中の過湿は株元を腐らせる最大の原因です。

よく日に当て、生育期にしっかり水と肥料を与えて充実させること、そして種から育てた実生株を選ぶことです。挿し木株は株元が太りにくい傾向があります。植え替えのたびに、太った塊根を少しずつ地上に上げて植えると、どっしりとしたフォルムに仕立てられます。

アデニウムはキョウチクソウ科の植物で、切ったときに出る白い樹液に有毒成分を含みます。口に入れたり目をこすったりせず、剪定や植え替えの作業後は手を洗ってください。小さな子どもやペットが口にしないよう、置き場所にも気を配ると安心です。

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