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植物図鑑
🫚
塊根状の茎と光沢ある葉、星形の花序をもつドルステニア・フォエチダ

出典: Wikimedia Commons / 作者: H. Zell / ライセンス: CC BY-SA 3.0

🫚 塊根植物

ドルステニア・フォエチダ

Dorstenia foetida Dorstenia foetida

育てやすさ 育てやすい 育てやすさ 4(5段階中、多いほど育てやすい):育てやすい 💰 鉢植えは1500〜8000円

ドルステニア・フォエチダは、東アフリカからアラビア半島の乾燥地に自生する、クワ科の塊根植物(コーデックス)です。地ぎわで低く塊根状に肥大した...

かんたんに言うと

ドルステニア・フォエチダは、塊根状の茎と星形の花序が魅力のクワ科コーデックス。種を弾いてこぼれ種で勝手に殖える、丈夫で育てやすい入門種です。強光で葉焼けするので明るい半日陰で、生育期はしっかり水やり、冬は落葉・休眠して控えめに。

Profile

基本情報

ドルステニア・フォエチダは、東アフリカからアラビア半島の乾燥地に自生する、クワ科の塊根植物(コーデックス)です。地ぎわで低く塊根状に肥大した茎の上に、光沢のある細長い葉を放射状に広げる、ユニークな姿が魅力です。なんといっても最大の見どころは、平たい円盤状から星形に切れ込んだ、不思議な花序(花托)。

一見すると一輪の花のようですが、これは小さな花が集まった、イチジクの仲間ならではの独特の器官で、観賞価値が高く、コレクターを惹きつけてやみません。さらにおもしろいのが、この花序で実った種を、熟すとパチンとはじき飛ばす性質です。飛んだ種は、同じ鉢や近くの鉢に落ちて、いつのまにか勝手に芽を出します。

自家結実するので一株あればよく殖え、気がつくと小さな実生苗があちこちに育っている、というほど増やしやすいのも大きな特徴です。生長も早めで、塊根植物のなかではとても育てやすく、最初の一鉢にぴったりの入門種として人気があります。夏型で、暖かい春から秋によく生育し、強い直射では葉焼けすることがあるので、明るい半日陰から日なたで管理します。

気温が下がる冬は葉を落として休眠するため、水やりを控えて暖かい場所で越させます。丈夫で殖えやすく、ふやす楽しみまで味わえる、塊根入門にうってつけの一種です。

クワ科
分類
塊根植物 / 夏型(春〜秋生育)
原産地
エチオピア、イエメン
別名
ドルステニア、フォエチダ
価格目安
鉢植えは1500〜8000円

💡豆知識

ドルステニア・フォエチダは、塊根植物のなかでも「増やしやすさ」で群を抜く、ユニークな存在です。属名の「ドルステニア(Dorstenia)」は、ドイツの医師・植物学者テオドール・ドルステンにちなんで名づけられました。クワ科に属し、じつはあのイチジクの仲間。

平たい星形の花序は、イチジクの実を平らに開いたような構造で、たくさんの小さな花が表面に並んでいます。この花序で受粉・結実すると、熟した種を内部の圧力でパチンとはじき飛ばす仕組みをもち、種は数十センチも飛んで、近くの鉢にこぼれ落ちます。自家結実するため、一株だけでも次々と種ができ、放っておいても周囲に実生苗が芽生えて、自然に殖えていきます。

種小名の「フォエチダ(foetida)」は、ラテン語で「匂いのある・悪臭の」という意味ですが、栽培上で気になるほどではありません。丈夫で生長も早く、種からも簡単に育つことから、塊根植物(コーデックス)の入り口として、初心者にもおすすめされる定番種となっています。

Calendar

育成カレンダー

全国の月別育成カレンダー
作業 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
植え替え
5月は植え替え
開花
6月は開花
追肥
6月は追肥
病害虫注意
7月は病害虫注意
関東の月別育成カレンダー
作業 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
植え替え
5月は植え替え
開花
6月は開花
追肥
6月は追肥
病害虫注意
7月は病害虫注意
近畿の月別育成カレンダー
作業 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
植え替え
5月は植え替え
開花
6月は開花
追肥
6月は追肥
病害虫注意
7月は病害虫注意

数字は月を表します。色帯のある月がその作業の適期です。上のタブで地域を切り替えられます。

At a glance

ひと目でわかる特徴

育てやすさ 育てやすい
収穫・開花の早さ
手軽さ(コスト) 高め

Specs

形態と環境条件

形態

草丈
10〜30cm
株張り
10〜25cm
花のサイズ
平たい円盤状〜星形の花序(花托)

環境条件

日照
半日陰
耐寒温度
8℃
耐暑温度
40℃
土壌pH
6.0〜7.0
水やり
生育期は土が乾いたらたっぷり。冬の休眠期は控えめに。
肥料
サボテン・多肉植物用肥料

How to grow

育て方ステップ

  1. 1

    置き場所を決める(明るい半日陰)

    約7日

    ドルステニア・フォエチダは、明るい光を好みますが、強い直射日光では葉焼けを起こしやすい塊根植物です。生育期の春から秋は、レースのカーテン越しのような、明るい半日陰から、やわらかい日なたに置くのが基本です。屋外なら、真夏の直射が当たりにくい、明るい木陰や軒下、東向きのベランダなどが向いています。

    光が強すぎると葉が傷んで茶色く焼け、逆に暗すぎると、葉がだらりと間延びして姿が崩れ、自慢の花序もつきにくくなります。室内で育てる場合も、一日を通して明るい光が入る窓辺に置き、夏の正午前後の強い直射は避けます。風通しのよさも、蒸れやハダニを防ぐうえで大切です。

    室内育ちの株を急に屋外の強い日に当てると葉焼けするので、外に出すときは数日かけて少しずつ光に慣らします。生育に適した温度は20〜35度ほどで、暑さには比較的強いものの、寒さには弱い性質です。

    💡明るい半日陰が基本。強い直射は葉焼け、暗すぎると間延び。風通しよく管理する。

  2. 2

    水やり(生育期と休眠期で変える)

    約30日

    フォエチダの水やりは、生育期と休眠期でメリハリをつけるのがポイントです。葉を広げてよく生長する春から秋の生育期は、土の表面が乾いたら、鉢底から流れ出るまでたっぷりと与えます。塊根植物のなかでは生育が早く、生育期は意外としっかり水を吸うので、乾いたらたっぷり、を繰り返して株を充実させましょう。

    ただし常に湿った状態は禁物で、受け皿にたまった水は必ず捨て、次の水やりまでにしっかり乾かします。風通しが悪く乾きが遅いと、根腐れの原因になります。一方、気温が下がって葉を落とし、休眠に入る冬は、水やりをぐっと減らして控えめにします。休眠中に土が湿っていると、低温と過湿が重なって、大切な塊根が腐ってしまうので、冬はほとんど水を与えません。

    春になって暖かくなり、新しい葉が動き始めたら、少しずつ水やりを再開します。「生育期はしっかり乾かしてたっぷり、休眠期は控えめ」が基本のリズムです。

    💡生育期は表土が乾いたらたっぷり、冬の休眠期は控えめに。受け皿の水は必ず捨てる。

  3. 3

    土と植え替え

    約14日

    フォエチダは過湿に弱いので、水はけと通気性のよい土が基本です。市販の「サボテン・多肉植物用の土」をベースに、軽石や日向土などを混ぜて、より水はけよく仕立てると安心です。鉢は、底に穴のあいた、通気性のよい鉢(素焼き鉢など)が向きます。生長は早めなので、根が回って鉢が窮屈になったら、1〜2年に一度を目安に、生育期の始まる初夏(5月ごろ、十分暖かくなってから)に植え替えます。

    鉢から株を抜き、古い土を落として、傷んだ根や黒ずんだ根をていねいに取り除きます。塊根状の茎を傷つけないよう、やさしく扱いましょう。あわせて、根の状態を観察し、健康な白い根が育っているか確認します。新しい清潔な土に植え替えたら、根が落ち着くまで数日から1週間ほど水やりを控えてから、通常の管理に戻します。植え替えのタイミングで、こぼれ種から育った小さな実生苗を、別の鉢に分けて育てるのもおすすめです。

    💡水はけのよい土と素焼き鉢で。暖かい初夏に植え替え、塊根茎を傷つけない。

  4. 4

    冬越し(落葉して休眠)

    約120日

    フォエチダは寒さに弱く、気温が下がる冬は、葉を落として休眠に入ります。落葉は枯れではなく、寒さをやり過ごすための自然な反応なので、あわてず見守ります。冬は、最低気温が8度以上、できれば10度以上を保てる、暖かく明るい室内の窓辺に取り込みます。

    夜間に強く冷え込む窓ぎわは避け、日中は明るい光に当てましょう。前述のとおり、休眠中は水やりをぐっと減らして控えめにし、低温と過湿が重ならないようにするのが、塊根を腐らせない絶対条件です。乾かして暖かく越させれば、葉がなくても株はしっかり生きています。

    冬に油断して水を与えすぎたり、寒い場所に置いたりすると、塊根がぶよぶよに腐って一気に株を失うことがあるので、「暖かく・乾かして」を徹底します。春になって気温が安定して暖かくなると、再び芽が動き出すので、そのタイミングで少しずつ水やりを再開し、徐々に明るい光にも慣らしていきます。

    💡冬は8〜10度以上の暖かい室内で水控えめに。落葉は休眠のサイン。過湿と低温が命取り。

  5. 5

    ふやし方(こぼれ種・実生)

    約60日

    フォエチダの最大の魅力のひとつが、ふやしやすさです。生育期に星形の花序が受粉・結実すると、熟した種を、内部の圧力でパチンとはじき飛ばします。飛んだ種は、同じ鉢や近くの鉢に落ちて、いつのまにか勝手に芽を出すので、特別なことをしなくても、こぼれ種でどんどん殖えていきます。

    自家結実するため、一株だけでも種ができ、気がつくとあちこちに小さな実生苗が育っている、ということもよくあります。意図的にふやしたいときは、はじけた種を集めてまく「実生(みしょう)」が基本です。暖かい生育期に、水はけのよい土の表面にまき、明るい半日陰で乾かしすぎないように管理すると、比較的よく発芽します。

    発芽した苗は、ある程度育ってから、それぞれ別の鉢に植え分けます。生長が早めなので、種から育てても、わりあい短期間で塊根状の姿が楽しめます。手をかけずにふやせて、育てる楽しみが広がる、うれしい性質です。

    💡こぼれ種で勝手に殖える。意図的にふやすなら、はじけた種をまく実生が基本。

Checklist

育てる前のチェックリスト

  • フォエチダの株(鉢)

    実生株が多く流通。塊根の大きさで価格が変わる。

    1,500〜8,000円
  • サボテン・多肉植物用の土(+軽石)

    水はけ最優先。軽石・日向土を混ぜると安心。

    500〜1,500円
  • 素焼き鉢(底穴あり) (任意)

    通気性がよく根腐れを防ぐ。

    400〜3,000円
  • サボテン・多肉植物用肥料 (任意)

    生育期にごく少量。

    400〜1,000円
初期費用の目安(必須のみ) 2,000〜9,500円
🧮 ドルステニア・フォエチダの費用をシミュレーターで詳しく計算する

Pests & Diseases

かかりやすい病害虫

害虫

アブラムシ

まれ

症状: 新芽が縮れる、葉がべたつく、すす病を誘発。

予防: 風通しを良くし、窒素過多を避ける。シルバーマルチで忌避。

対処: 見つけ次第捕殺、牛乳スプレーや薬剤で防除。

アブラムシの予防・対処をくわしく見る →
害虫

ハダニ

時々

症状: 葉に白いかすり状の斑点、ひどいと葉が枯れる。

予防: 葉裏への葉水で乾燥を防ぐ。

対処: 葉裏への葉水を継続し、専用の殺ダニ剤を使用する。

ハダニの予防・対処をくわしく見る →

Common mistakes

失敗あるある TOP3

⚠ 強い直射で葉焼けする

葉が茶色く焼けて傷み、見た目が悪くなります。

原因: 真夏などの強すぎる直射日光、急に屋外の強光に当てた。

対策: 明るい半日陰やレースのカーテン越しに移します。屋外に出すときは数日かけて少しずつ光に慣らします。

⚠ 冬の過湿で塊根が腐る

株元の塊根がぶよぶよ・黒ずんで軟らかくなり、最悪は全体が腐ります。

原因: 冬の寒さと水のやりすぎ、風通しの悪さ。

対策: 冬は8〜10度以上の室内で水を控えめにします。水はけのよい土と素焼き鉢で風通しよく管理します。

⚠ ハダニの発生

葉の色がかすれて悪くなり、株が弱ります。

原因: 高温乾燥と風通しの悪さ。

対策: 風通しよく管理し、ときどき葉に霧吹きをします。発生したら早めに薬剤などで対処します。

FAQ

よくある質問

はい、ドルステニア・フォエチダは丈夫で生長も早く、塊根植物のなかでもとくに育てやすい入門種です。こぼれ種で勝手に殖えるほど繁殖力も旺盛です。強い直射では葉焼けするので明るい半日陰に置き、生育期はしっかり乾かしてからたっぷり水やり、冬は8度以上で水控えめ、という基本を守れば、初めてでも安心して育てられます。

これは花序(花托)と呼ばれる器官で、平たい円盤状から星形に切れ込んだ形をしています。フォエチダはクワ科でイチジクの仲間にあたり、この花序の表面に小さな花がたくさん並んでいます。受粉・結実すると、ここから熟した種をはじき飛ばします。観賞価値が高く、フォエチダ最大の見どころのひとつです。

フォエチダは熟した種をパチンとはじき飛ばし、自家結実するため、同じ鉢や近くの鉢に種が落ちて、こぼれ種で勝手に芽を出します。これは健全な性質です。ある程度育ったら、それぞれ別の鉢に植え分けて育てると、株を簡単にふやせます。残したくない芽は、小さいうちに抜き取ってかまいません。

強い直射日光による葉焼けが考えられます。フォエチダは明るい光を好みますが、真夏の強い直射には弱く、葉が傷んで茶色くなります。明るい半日陰や、レースのカーテン越しのやわらかい光の当たる場所に移しましょう。室内育ちの株を屋外に出すときは、数日かけて少しずつ光に慣らすと葉焼けを防げます。

多くは休眠のサインで枯れではありません。フォエチダは寒さに弱く、冬になると葉を落として休眠します。冬は8度以上、できれば10度以上を保てる暖かく明るい室内に取り込み、水やりを控えめにします。乾かして暖かく越させれば株は生きており、春に暖かくなれば再び芽が動き出します。

生育期(春〜秋)と休眠期(冬)で大きく変えます。生育期は土の表面が乾いたら、鉢底から流れ出るまでたっぷり与え、受け皿の水は捨てます。葉を落とす冬の休眠期は、水やりをぐっと減らして控えめにします。休眠中の低温と過湿が重なると塊根が腐るので、冬の水のやりすぎには十分注意してください。

Guides

ドルステニア・フォエチダの育て方に役立つガイド

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葉が黄色くなる原因と対策|病気じゃない生理障害の見分け方

葉が黄色くなる原因の多くは病気ではなく「水のやりすぎによる根腐れ・水切れ・日照や温度・肥料の過不足・根詰まり・自然な老化」といった生理的なもの。どの葉が黄色いか(下葉か新芽か)と、土が乾いているか湿っているかを見れば原因を絞り込めます。

📘 育て方ガイド

水やりの基本|頻度・量・タイミングのコツをやさしく解説

水やりの基本は「土の表面が乾いたら、鉢底から流れ出るまでたっぷり」。決まった曜日ではなく“土の乾き”で判断するのがコツです。鉢植えは季節で頻度が大きく変わり、夏は早朝・冬は暖かい日の午前が基本。受け皿に溜まった水は捨てます。

🍃 季節の手入れ

植物の夏越し|暑さ・水切れ・葉焼けから守る基本のコツ

夏越しの基本は「水切れ・葉焼け・蒸れを防ぐ」こと。水やりは涼しい早朝にたっぷり、置き場所は真夏の強い直射と西日・地面の照り返しを避けて風通しよく、肥料は控えめに。暑さに弱い植物は明るい半日陰へ移すのが安全です。

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植え替えのサインとやり方|時期・鉢の選び方・手順をやさしく解説

植え替えの基本は「1〜2年に1回・春〜初夏に・ひと回り大きな鉢へ」。鉢底から根が出てきたら植え替えのサインです。大きすぎる鉢は根腐れのもとなのでサイズアップは少しずつ、植え替え後は明るい日陰で休ませ肥料は2〜3週間後から。

📘 育て方ガイド

多肉植物の育て方の基本|水やり・置き場所・夏冬の管理のコツ

多肉植物の基本は「よく日に当てる・水は控えめ(乾いてからしっかり)・風通しよく」。枯らす最大の原因は水のやりすぎです。水はけのよい多肉用の土を使い、日本の高温多湿の夏は半日陰で休ませ、寒い冬は室内の明るい窓ぎわで水を控えるのが安全です。

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