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植物図鑑
🫚
平たく地面に這うように広がる白灰色の扁平な塊根のパキポディウム・恵比寿笑い

出典: Wikipedia (ja:パキポディウム) / Wikimedia Commons / 作者: Stan Shebs / ライセンス: CC BY-SA 3.0

🫚 塊根植物

パキポディウム・ブレビカウレ

Pachypodium brevicaule Pachypodium brevicaule

育てやすさ やや難しい 育てやすさ 2(5段階中、多いほど育てやすい):やや難しい 💰 鉢植えは5000〜50000円

パキポディウム・ブレビカウレは、まるで岩がそのまま生きているかのような、平たく横へ広がる扁平な塊根(コーデックス)が魅力の塊根植物です。白っ...

かんたんに言うと

パキポディウム・ブレビカウレ(恵比寿笑い)は、平たく広がる扁平な塊根が魅力の高地性コーデックス。夏型ですが日本の夏の蒸れが鬼門で、風通しの確保が最重要。生育期はよく日に当て、冬は断水気味に休眠させます。樹液に有毒成分あり。

Profile

基本情報

パキポディウム・ブレビカウレは、まるで岩がそのまま生きているかのような、平たく横へ広がる扁平な塊根(コーデックス)が魅力の塊根植物です。白っぽい灰色のゴツゴツした肌をもち、地面に這うように低く広がる、ずんぐりと福々しい姿から、日本では「恵比寿笑い(えびすわらい)」という、なんとも縁起のよい和名で親しまれています。

短くつまった枝の先に小さな葉を点々とつけ、初夏には、その上に黄色い花を咲かせます。原産はマダガスカル中央高地の、標高1400〜2000メートルにもなる岩場で、昼夜の寒暖差が大きく、風がよく抜ける、すずしく乾いた環境に自生しています。この生まれ育ちゆえに、日本の夏の高温多湿が大の苦手で、パキポディウムのなかでも、とくに育てるのが難しい難物として知られます。

蒸し暑さで株が蒸れて腐るのを防ぐには、なによりも風通しを確保することが大切です。生長は極めてゆっくりで、平たく広がったあの株は、気の遠くなるような年月をかけて育ったもの。だからこそ、よく育った株は珍重されます。日本に流通する株には、現地で育った「現地球」と、種から育てた「実生」があります。なお、キョウチクトウ科の植物で、樹液に有毒成分を含むので、扱いには注意します。

分類
塊根植物 / 夏型(春〜秋生育)
原産地
マダガスカル
別名
恵比寿笑い、エビスワライ、ブレビカウレ
価格目安
鉢植えは5000〜50000円

💡豆知識

「恵比寿笑い(えびすわらい)」という和名は、平たく横に広がった、ふっくらと福々しい株の姿を、七福神の恵比寿様のおだやかな笑顔に見立てた、縁起のよい呼び名です。この扁平なフォルムは、原産地であるマダガスカル中央高地の、標高1400〜2000メートルの岩場という、過酷な自生環境のなかで身につけたもの。

強い日差しと風から身を守るように、岩肌に張りつき、平たく低く広がって育ちます。学名の「パキポディウム(Pachypodium)」は、ギリシャ語で「太い・足」を意味し、ずんぐりと太った株の姿をよく表しています。日本に流通する株には、現地で育った大株を輸入した「現地球(げんちきゅう)」と、種から国内で育てた「実生(みしょう)」があり、それぞれに味わいがあります。生長がとびきりゆっくりなのも特徴で、よく育った平たい株は、長い年月をかけて、ゆっくりと横へ広がってきた歳月の結晶といえます。

Calendar

育成カレンダー

全国の月別育成カレンダー
作業 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
植え替え
5月は植え替え
開花
6月は開花
追肥
6月は追肥
病害虫注意
7月は病害虫注意
関東の月別育成カレンダー
作業 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
植え替え
5月は植え替え
開花
6月は開花
追肥
6月は追肥
病害虫注意
7月は病害虫注意
近畿の月別育成カレンダー
作業 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
植え替え
5月は植え替え
開花
6月は開花
追肥
6月は追肥
病害虫注意
7月は病害虫注意

数字は月を表します。色帯のある月がその作業の適期です。上のタブで地域を切り替えられます。

At a glance

ひと目でわかる特徴

育てやすさ やや難しい
収穫・開花の早さ
手軽さ(コスト) 高め

Specs

形態と環境条件

形態

草丈
5〜15cm
株張り
10〜30cm
花のサイズ
黄色い花が枝先に咲く(初夏)

環境条件

日照
日なた
耐寒温度
8℃
耐暑温度
38℃
土壌pH
6.0〜7.0
水やり
生育期は土が乾いたらたっぷり。夏の蒸れ時と冬の休眠期は控えめ。
肥料
サボテン・多肉植物用肥料

How to grow

育て方ステップ

  1. 1

    置き場所を決める(強い日光と風通し)

    約7日

    パキポディウム・ブレビカウレ(恵比寿笑い)は、強い日光を大好きな塊根植物です。生育期は、できるだけよく日の当たる場所に置きましょう。屋外なら、雨の当たりにくい南向きのベランダや軒下が向き、しっかり日に当てることで、枝が間延びせず、平たく締まった美しいフォルムを保てます。

    室内で育てる場合も、一日を通して光がよく入る、明るい南向きの窓辺に置きます。そして、この植物でなにより大切なのが風通しです。原産地は風がよく抜ける高地の岩場で、空気がよどんで蒸れる環境がとても苦手。サーキュレーターなどで、つねにやわらかな風を当てるくらいの気持ちで、空気を動かしてあげると、蒸れによる根腐れを大きく減らせます。室内育ちの株を急に真夏の直射に当てると葉焼けすることがあるので、屋外に出すときは数日かけて少しずつ慣らします。

    💡よく日に当て、なにより風通しを最優先。高地性で空気のよどみが大敵。日照不足は枝が間延びする。

  2. 2

    水やり(生育期・夏・休眠期で変える)

    約30日

    恵比寿笑いの水やりは、季節によってメリハリをつけるのが大きなポイントです。葉を広げてよく生長する春から初夏、そして秋の生育期は、土が完全に乾いたら、鉢底から流れ出るまでたっぷりと与えます。乾いたらたっぷり、を繰り返して株を充実させますが、常に湿った状態は禁物で、受け皿の水は必ず捨て、次の水やりまでにしっかり乾かします。

    注意したいのが、高温多湿になる真夏です。この植物は高地性で夏の蒸れに弱いため、もっとも暑い時期は生育がにぶり、水やりを控えめにして、風通しよく、涼しく乾かし気味に過ごさせます。暑い盛りにたっぷり水を与えると、蒸れて腐る原因になります。そして冬の休眠期は、水やりをぐっと減らして断水気味にします。

    休眠中に土が湿っていると、低温と過湿が重なって、大切な塊根が腐ってしまうので、ほとんど水を与えません。「生育期はしっかり乾かしてたっぷり、真夏と冬は控えめ」が基本です。

    💡生育期は完全に乾いたらたっぷり。蒸れる真夏と冬の休眠期は控えめに乾かし気味。過湿が根腐れのもと。

  3. 3

    土と植え替え(夏の蒸れ対策)

    約14日

    恵比寿笑いは過湿と蒸れに弱いので、水はけと通気性のよい土が絶対条件です。市販の「サボテン・多肉植物用の土」をベースに、軽石や日向土などを多めに混ぜて、より水はけよく仕立てるのがおすすめです。鉢は、底に穴のあいた、通気性のよい素焼き鉢などが向き、土も鉢も乾きやすくしておくことが、夏の蒸れ対策になります。

    生長はとてもゆっくりですが、2〜3年に一度を目安に、生育期の始まる春から初夏(5月ごろ、十分暖かくなってから)に植え替えます。鉢から株を抜き、古い土を落として、傷んだ根や黒ずんだ根をていねいに取り除きます。とくに「現地球」は、輸入後に根を張らせる「発根管理」がうまくいっているかが重要です。

    樹液に有毒成分があるので、根を切ったら手を洗い、切り口を乾かしてから、新しい土に植えます。植え替え直後は、根が落ち着くまで1週間ほど水やりを控えてから、通常の管理に戻します。

    💡水はけ最優先の土と素焼き鉢で乾きやすく。暖かい春から初夏に植え替え、傷んだ根は除く。

  4. 4

    夏越しと冬の休眠(夏が最大の鬼門)

    約120日

    恵比寿笑い栽培でいちばんの山場は、じつは冬ではなく夏越しです。原産地は、すずしく乾いた高地の岩場で、日本の夏の高温多湿が大の苦手。気温と湿度がともに高くなる真夏は、株が蒸れて腐りやすく、ここを乗り切れるかが栽培の成否を分けます。夏は、なによりも風通しを確保し、サーキュレーターなどで空気を動かし、強すぎる直射や西日は少し和らげて、できるだけ涼しく乾かし気味に過ごさせます。

    水やりも控えめにして、蒸れを避けるのが鉄則です。一方、冬は寒さで葉を落として休眠します。最低気温が10度以上を保てる、暖かく明るい室内の窓辺に取り込み、水やりをほぼ止めて断水気味にし、低温と過湿が重ならないようにします。乾かして暖かく越させれば、葉がなくても株はしっかり生きています。夏は「涼しく・風を通して・乾かし気味」、冬は「暖かく・乾かして」を徹底すれば、この難物も毎年元気に育ってくれます。

    💡最大の鬼門は夏の蒸れ。風通しよく涼しく乾かし気味に。冬は10度以上で断水気味に休眠。

  5. 5

    ふやし方・長く育てる

    約60日

    恵比寿笑いをふやす主な方法は、種をまく「実生(みしょう)」です。生長は極めてゆっくりで、種から平たい株になるまでには、とても長い年月がかかりますが、自分の手で小さな苗から育てていく過程は、塊根植物ならではの大きな楽しみです。実生株は、現地球に比べて環境になじみやすく、はじめから日本の気候で育っているため、難物のなかでは比較的管理しやすいという利点もあります。

    挿し木でふやすのは難しいため、ふやすなら実生が基本です。長く美しく育てるコツは、生育期にしっかり日に当てて株を充実させ、なにより最大の鬼門である夏を、風通しよく涼しく乾かし気味に乗り切り、冬は確実に暖かく乾かして休ませること。この一年のリズムを毎年くり返すうちに、株が少しずつ平たく横へ広がり、風格が出てきます。

    あせって早く育てようと水や肥料を与えすぎると、かえって蒸れや根腐れを招くので、ゆっくり育てる気持ちが大切です。時間をかけて、自分だけの平たい株に育てていきましょう。

    💡ふやすなら実生。生長は遅いので、夏の蒸れに気をつけながらゆっくり育てるのが醍醐味。

Checklist

育てる前のチェックリスト

  • 恵比寿笑いの株(鉢)

    実生株・現地球など。平たい塊根の大きさで価格が大きく変わる。

    5,000〜50,000円
  • サボテン・多肉植物用の土(+軽石)

    水はけ最優先。軽石・日向土を混ぜると安心。

    500〜1,500円
  • 素焼き鉢(底穴あり) (任意)

    通気性がよく乾きやすいため蒸れと根腐れを防ぐ。

    400〜3,000円
  • サボテン・多肉植物用肥料 (任意)

    生育期にごく少量。

    400〜1,000円
初期費用の目安(必須のみ) 5,500〜51,500円
🧮 パキポディウム・ブレビカウレの費用をシミュレーターで詳しく計算する

Pests & Diseases

かかりやすい病害虫

害虫

アブラムシ

まれ

症状: 新芽が縮れる、葉がべたつく、すす病を誘発。

予防: 風通しを良くし、窒素過多を避ける。シルバーマルチで忌避。

対処: 見つけ次第捕殺、牛乳スプレーや薬剤で防除。

アブラムシの予防・対処をくわしく見る →
害虫

ハダニ

時々

症状: 葉に白いかすり状の斑点、ひどいと葉が枯れる。

予防: 葉裏への葉水で乾燥を防ぐ。

対処: 葉裏への葉水を継続し、専用の殺ダニ剤を使用する。

ハダニの予防・対処をくわしく見る →

Common mistakes

失敗あるある TOP3

⚠ 夏の高温多湿で蒸れて腐る

株がぶよぶよ・黒ずんで軟らかくなり、最悪は全体が腐ります。

原因: 高地性で夏の蒸れに弱く、風通しの悪さと暑い時期の水のやりすぎ。

対策: 夏は風通しを最優先に涼しく乾かし気味に。水はけのよい土と素焼き鉢で水やりを控えめにします。

⚠ 枝が間延びして姿が崩れる

短いはずの枝がひょろ長く伸び、平たいフォルムが崩れます。

原因: 日照不足。

対策: 生育期は最も日の当たる場所に移し、しっかり日に当てます。

⚠ 休眠期の低温・過湿で根腐れする

冬に株元が軟らかくなり、根が傷んで動かなくなります。

原因: 冬の寒さと水のやりすぎ。

対策: 冬は10度以上の室内でほぼ断水。水はけのよい土と素焼き鉢で風通しよく管理します。

FAQ

よくある質問

乾燥に強く水やりは少なくてよいですが、高地性ゆえ日本の夏の蒸れに非常に弱く、パキポディウムのなかでも特に難しい難物とされます。なにより風通しを確保し、生育期はよく日に当ててしっかり乾かしてからたっぷり、真夏と冬は控えめ、というメリハリを守れれば、少しずつ育てられるようになります。

原産地がマダガスカル中央高地の、すずしく乾いた岩場のため、日本の夏の高温多湿が大の苦手だからです。気温と湿度がともに高い真夏は、株が蒸れて腐りやすくなります。夏は風通しを最優先に、涼しく乾かし気味にして、水やりを控えめにするのが、無事に乗り切るコツです。

生育期(春から初夏・秋)は、土が完全に乾いたら鉢底から流れ出るまでたっぷり与え、受け皿の水は捨てます。蒸れやすい真夏は控えめにして涼しく乾かし気味に、葉を落とす冬の休眠期はほぼ断水にします。常に湿った状態が根腐れの最大原因なので、しっかり乾かすことが大切です。

どちらもパキポディウムの仲間ですが、別の種類です。恵比寿笑いはブレビカウレで、平たく横へ広がる扁平な塊根が特徴。恵比寿大黒は、デンシフローラムなどをもとにした品種で、より丸みのある株姿になります。和名は似ていますが、姿も性質も異なるので、購入時は学名や姿でよく確かめましょう。

水はけのよい土と素焼き鉢を使い、なにより風通しを確保することです。生育期は完全に乾いてからたっぷり、蒸れる真夏と冬の休眠期は控えめにして乾かし気味にします。とくに夏の高温多湿による蒸れと、冬の低温+過湿が、塊根を腐らせる二大原因。一度ぶよぶよに腐ると回復は難しいので予防が肝心です。

はい、恵比寿笑いは生長がとびきりゆっくりな植物です。平たく広がったあの株は、長い年月をかけて育ったもの。あせって水や肥料を与えすぎると、蒸れや根腐れを招きます。メリハリのある管理で、毎年少しずつ横へ広げていく過程そのものを楽しむ植物です。

Guides

パキポディウム・ブレビカウレの育て方に役立つガイド

🔧 お悩み解決

葉が黄色くなる原因と対策|病気じゃない生理障害の見分け方

葉が黄色くなる原因の多くは病気ではなく「水のやりすぎによる根腐れ・水切れ・日照や温度・肥料の過不足・根詰まり・自然な老化」といった生理的なもの。どの葉が黄色いか(下葉か新芽か)と、土が乾いているか湿っているかを見れば原因を絞り込めます。

📘 育て方ガイド

水やりの基本|頻度・量・タイミングのコツをやさしく解説

水やりの基本は「土の表面が乾いたら、鉢底から流れ出るまでたっぷり」。決まった曜日ではなく“土の乾き”で判断するのがコツです。鉢植えは季節で頻度が大きく変わり、夏は早朝・冬は暖かい日の午前が基本。受け皿に溜まった水は捨てます。

🍃 季節の手入れ

植物の夏越し|暑さ・水切れ・葉焼けから守る基本のコツ

夏越しの基本は「水切れ・葉焼け・蒸れを防ぐ」こと。水やりは涼しい早朝にたっぷり、置き場所は真夏の強い直射と西日・地面の照り返しを避けて風通しよく、肥料は控えめに。暑さに弱い植物は明るい半日陰へ移すのが安全です。

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植え替えのサインとやり方|時期・鉢の選び方・手順をやさしく解説

植え替えの基本は「1〜2年に1回・春〜初夏に・ひと回り大きな鉢へ」。鉢底から根が出てきたら植え替えのサインです。大きすぎる鉢は根腐れのもとなのでサイズアップは少しずつ、植え替え後は明るい日陰で休ませ肥料は2〜3週間後から。

📘 育て方ガイド

多肉植物の育て方の基本|水やり・置き場所・夏冬の管理のコツ

多肉植物の基本は「よく日に当てる・水は控えめ(乾いてからしっかり)・風通しよく」。枯らす最大の原因は水のやりすぎです。水はけのよい多肉用の土を使い、日本の高温多湿の夏は半日陰で休ませ、寒い冬は室内の明るい窓ぎわで水を控えるのが安全です。

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