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植物図鑑
🫚
トゲのある太い幹にヤシ状の葉を広げるパキポディウム・ラメレイ
🫚 塊根植物

パキポディウム・ラメレイ

Pachypodium lamerei Madagascar palm

やさしい 難易度2(5段階中): やさしい 💰 鉢植えは1500〜15000円

パキポディウム・ラメレイは、トゲにびっしりと覆われた太い幹をまっすぐ立ち上げ、その頂部に、ヤシのような細長い葉を放射状に広げる、ユニークな姿...

かんたんに言うと

パキポディウム・ラメレイ(マダガスカルパーム)は、トゲのある太い幹にヤシ状の葉を広げる育てやすい塊根植物。夏型で、生育期はよく日に当ててたっぷり水やり、冬は休眠して断水気味に暖かい室内へ。鋭いトゲと有毒樹液に注意。

Profile

基本情報

パキポディウム・ラメレイは、トゲにびっしりと覆われた太い幹をまっすぐ立ち上げ、その頂部に、ヤシのような細長い葉を放射状に広げる、ユニークな姿の塊根植物です。「マダガスカルパーム」の英名どおり、ヤシの木を思わせる立ち姿ながら、ヤシの仲間ではなく、太い幹に水分をたくわえる塊根植物(コーデックス)の一種です。

パキポディウムの仲間のなかでは、丈夫で育てやすく、生長も比較的早いため、塊根植物の入門種として人気があります。原産はマダガスカルの乾燥地で、太い幹に水をためる力があり、乾燥に強いのが特徴。生長すると、株が充実したときに、頂部に白い花を咲かせることもあります。

生育するのは暖かい春から秋(夏型)で、日光が大好き。よく日に当てると、幹ががっしりと太く締まって、立派に育ちます。寒さには弱く、冬は気温が下がると葉を落として休眠するので、水やりを減らして暖かい室内に取り込みます。比較的丈夫とはいえ、過湿による根腐れと寒さには弱いので、水やりは控えめにし、冬の管理に気をつけます。

太い幹とヤシのような葉のコントラストが個性的で、室内のシンボルツリーとしても映える、育てやすい塊根植物です。なお、キョウチクソウ科の植物で樹液に有毒成分を含み、鋭いトゲもあるので、扱いには注意します。

分類
塊根植物 / 夏型(春〜秋生育)
原産地
マダガスカル
別名
ラメレイ、マダガスカルパーム、パキポディウム ラメリー、竜骨閣
価格目安
鉢植えは1500〜15000円

💡豆知識

パキポディウム・ラメレイは、パキポディウムの仲間のなかでも丈夫で流通量が多く、ホームセンターや園芸店、雑貨店でも見かける、もっとも身近な塊根植物のひとつです。ヤシのような見た目から「マダガスカルパーム」と呼ばれますが、ヤシ(ヤシ科)とはまったく別の植物で、キョウチクソウ科に属します。

よく似た仲間に、葉や幹に細かな違いのある「ラモスム」や、より乾燥地向きの変種があり、コレクションされています。幹を覆う鋭いトゲは、乾燥地で水分をねらう動物から身を守るためのもの。生長すると数十cm〜1mを超える高さになり、頂部に白い花を咲かせる姿は見ごたえがあります。

学名の「パキポディウム」はギリシャ語で「太い足」を意味し、太い幹をもつ姿に由来します。生長が比較的早く、丈夫で育てやすいことから、これから塊根植物を始めたい人が、最初の一鉢として選ぶことの多い、入門にふさわしい種類です。

Calendar

育成カレンダー

全国の月別育成カレンダー
作業 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
植え替え
5月は植え替え
開花
7月は開花
追肥
6月は追肥
病害虫注意
12月は病害虫注意
関東の月別育成カレンダー
作業 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
植え替え
5月は植え替え
開花
7月は開花
追肥
6月は追肥
病害虫注意
12月は病害虫注意
近畿の月別育成カレンダー
作業 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
植え替え
5月は植え替え
開花
7月は開花
追肥
6月は追肥
病害虫注意
12月は病害虫注意

数字は月を表します。色帯のある月がその作業の適期です。上のタブで地域を切り替えられます。

At a glance

ひと目でわかる特徴

育てやすさ やさしい
収穫・開花の早さ
手軽さ(コスト) 高め

Specs

形態と環境条件

形態

草丈
20〜150cm
株張り
15〜40cm
花のサイズ
白い花が頂部に咲く(成株)

環境条件

日照
日なた
耐寒温度
8℃
耐暑温度
42℃
土壌pH
6.0〜7.0
水やり
生育期は土が乾いたらたっぷり。冬の休眠期は断水気味。
肥料
サボテン・多肉植物用肥料・緩効性化成肥料

How to grow

育て方ステップ

  1. 1

    置き場所を決める(日光が大好き)

    約7日

    パキポディウム・ラメレイは、強い日光を大好きな塊根植物です。生育期の春から秋は、できるだけよく日の当たる場所に置きましょう。屋外なら、雨の当たりにくい南向きのベランダや軒下が理想的。室内で育てる場合も、一日を通して光がよく入る、明るい南向きの窓辺に置きます。

    日光をたっぷり浴びると、幹ががっしりと太く締まって、ヤシのような葉も生き生きと広がり、たくましく育ちます。反対に、日照が不足すると、頂部の葉柄や新しい幹が間延びして、ひょろひょろと弱々しく育ち、せっかくの力強い姿が崩れてしまいます。生育に適した温度は20〜35度ほどで、暑さには非常に強い一方、寒さには弱く、気温が15度を下回るころから生育が鈍り、10度を下回ると葉を落として休眠します。

    室内育ちの株を急に真夏の直射に当てると葉焼けすることがあるので、屋外に出すときは数日かけて少しずつ慣らします。鋭いトゲがあるので、置き場所や移動のときはケガに注意します。

    💡よく日に当てると幹が太く締まる。日照不足は徒長。暑さに強く寒さに弱い。トゲに注意。

  2. 2

    水やり(生育期と休眠期で変える)

    約30日

    ラメレイの水やりは、生育期と休眠期でメリハリをつけます。葉を広げてよく生長する春から秋の生育期は、土が乾いたら、鉢底から流れ出るまでたっぷりと与えます。太い幹に水をためる力があるので乾燥には強いですが、生育期はしっかり水を吸って生長するので、乾いたらたっぷり、を繰り返して株を充実させます。

    ただし常に湿った状態は禁物で、受け皿の水は必ず捨て、次の水やりまでに土が乾くリズムを保ちます。一方、気温が下がって葉を落とし、休眠に入る冬は、水やりをぐっと減らして断水気味にします。休眠中に土が湿ったままだと、低温と過湿が重なって、幹の付け根や根が腐ってしまいます。

    冬はほとんど水を与えず、乾かして越させるのが、無事に冬を越すコツ。春になって暖かくなり、新しい葉が動き始めたら、少しずつ水やりを再開します。比較的丈夫な種類ですが、水のやりすぎによる根腐れは、枯らす大きな原因なので注意します。

    💡生育期は乾いたらたっぷり、冬の休眠期はほぼ断水。やりすぎによる根腐れに注意。

  3. 3

    土と植え替え

    約14日

    ラメレイは過湿を嫌うので、水はけのよい土が欠かせません。市販の「サボテン・多肉植物用の土」を使うのが、いちばん手軽で確実です。鉢は、必ず底に穴のあいたものを選びます。背が高くなると、頭が重くなって倒れやすいので、安定感のある鉢を選ぶとよいでしょう。

    生長が比較的早いので、根が回って鉢が窮屈になったら、1〜2年に一度を目安に、生育期の始まる初夏(5〜6月、十分暖かくなってから)に、ひとまわり大きな鉢へ植え替えます。鉢から株を抜き、古い土を落として、傷んだ根を整理します。鋭いトゲと有毒の樹液があるので、植え替えのときは厚手の手袋をはめ、トゲでケガをしないよう、また切り口の白い樹液が手や目につかないよう注意します。樹液は乾かしてから植えると安心です。植え替え直後は、根が落ち着くまで数日〜1週間ほど水やりを控えてから、通常の管理に戻します。

    💡水はけのよい土と安定した鉢で、暖かい初夏に植え替え。トゲと樹液に注意。

  4. 4

    冬越し(落葉して休眠)

    約120日

    ラメレイ栽培で注意したいのが冬越しです。マダガスカル原産で寒さに弱く、気温が10度を下回るころには、葉を落として休眠に入ります。落葉は枯れではなく、寒さをやり過ごすための自然な反応です。冬は、最低気温が10度以上を保てる、暖かく明るい室内の窓辺に取り込みます。

    できれば10〜15度以上をキープし、夜間に冷え込む窓ぎわは避けます。前述のとおり、休眠中は水やりをほぼ止めて断水気味にし、低温と過湿が重ならないようにするのが、株を腐らせないコツ。乾かして暖かく越させれば、葉がなくても株はしっかり生きています。

    室内が暖かく保てる場合は、葉を落とさずに冬を越すこともありますが、その場合も水やりは控えめにします。春になり、気温が安定して暖かくなると、再び芽が動き出すので、そのタイミングで少しずつ水やりを再開し、徐々に日差しにも慣らしていきます。

    💡冬は10度以上の暖かい室内でほぼ断水。落葉は休眠のサイン。暖かければ葉を残すことも。

  5. 5

    ふやし方・花を楽しむ

    約60日

    ラメレイをふやす主な方法は、種をまく「実生(みしょう)」です。比較的発芽しやすく、生長も早いほうなので、種から育てる楽しみがあります。実生株は、はじめから日本の気候で育つため、環境になじみやすく管理しやすいのが利点です。挿し木は難しいため、ふやすなら実生が基本になります。

    また、ラメレイは生長すると幹の途中から枝分かれすることがあり、頂部が複数に分かれた個性的な樹形に育つこともあります。株が十分に充実して大きくなると、頂部に白い花を咲かせることがあり、これは長く育てた人へのごほうびのような楽しみです。花を見るには、年月をかけて株を大きく充実させることが必要なので、毎年のメリハリ管理を続けて、じっくり育てましょう。

    生長が早い分、姿の変化を楽しみやすく、室内のシンボルツリーとしても長く付き合える、頼れる塊根植物です。なお、作業で出る白い樹液には有毒成分があるので、口や目に入れないよう注意します。

    💡ふやすなら実生。生長が早く樹形の変化を楽しめる。充実した成株は白い花も咲かせる。

Checklist

育てる前のチェックリスト

  • ラメレイの株(鉢)

    流通量が多く手頃。サイズで価格差。

    1,500〜15,000円
  • サボテン・多肉植物用の土

    水はけのよい土。

    400〜1,000円
  • 鉢(底穴のある安定したもの) (任意)

    背が高くなるので安定感のあるもの。

    400〜3,000円
  • サボテン・多肉植物用肥料 (任意)

    生育期に少量。

    400〜1,000円
  • 厚手の手袋 (任意)

    鋭いトゲから手を守る。

    500〜2,000円
初期費用の目安(必須のみ) 1,900〜16,000円

Pests & Diseases

かかりやすい病害虫

害虫

アブラムシ

まれ

症状: 新芽が縮れる、葉がべたつく、すす病を誘発。

予防: 風通しを良くし、窒素過多を避ける。シルバーマルチで忌避。

対処: 見つけ次第捕殺、牛乳スプレーや薬剤で防除。

害虫

ハダニ

時々

症状: 葉に白いかすり状の斑点、ひどいと葉が枯れる。

予防: 葉裏への葉水で乾燥を防ぐ。

対処: 葉裏への葉水を継続し、専用の殺ダニ剤を使用する。

Common mistakes

失敗あるある TOP3

⚠ 休眠期の低温・過湿で根・幹が腐る

幹の付け根がぶよぶよ・黒ずんで軟らかくなります。

原因: 冬の寒さと水のやりすぎ。

対策: 冬は10度以上の室内でほぼ断水にし、低温と過湿を重ねないようにします。

⚠ 徒長してひょろひょろ

頂部や新しい幹が間延びして弱々しく育ちます。

原因: 日照不足。

対策: 生育期は最も日の当たる場所に移し、しっかり日に当てます。

⚠ 葉焼け

葉が白や茶色に焼けて傷みます。

原因: 室内育ちの株を急に強い直射日光に当てた。

対策: 屋外に出すときは数日かけて少しずつ日差しに慣らします。

FAQ

よくある質問

パキポディウムの仲間のなかでは丈夫で生長も早く、乾燥に強いので、塊根植物の入門種として育てやすい部類です。生育期はよく日に当ててたっぷり水やり、冬は10度以上の暖かい室内で断水気味、というメリハリを守れば、初めてでも育てられます。鋭いトゲにだけ気をつけましょう。

多くは休眠のサインで枯れではありません。ラメレイは寒さに弱く、10度を下回ると葉を落として休眠します。冬は10度以上を保てる暖かく明るい室内に取り込み、水やりをほぼ止めて断水気味にします。室内が暖かければ葉を残したまま越すこともあります。春に暖かくなれば再び芽が動きます。

生育期(春〜秋)は土が乾いたら鉢底から流れ出るまでたっぷり与え、受け皿の水は捨てます。葉を落とす冬の休眠期は、水やりをほぼ止めて断水気味にします。比較的丈夫ですが、水のやりすぎによる根腐れが枯らす大きな原因なので、乾湿のメリハリをつけましょう。

幹は鋭いトゲに覆われているので、移動や植え替えのときは厚手の手袋を使い、ケガに注意します。またキョウチクソウ科の植物で、切ったときに出る白い樹液に有毒成分を含むので、口や目に入れず、作業後は手を洗ってください。小さな子どもやペットの手の届かない場所に置くと安心です。

株が十分に充実して大きく育つと、頂部に白い花を咲かせることがあります。開花には年月をかけて株を大きくする必要があるので、毎年のメリハリ管理を続けて、じっくり育てましょう。花が見られなくても、トゲのある幹とヤシ状の葉の個性的な姿そのものが見どころです。

同じパキポディウムでも、グラキリスはまんまる塊根のフォルムを楽しむ生長の遅い種類なのに対し、ラメレイは太い幹をまっすぐ立ち上げる、ヤシのような立ち姿の種類です。ラメレイのほうが丈夫で生長が早く、流通量も多く手頃なので、入門にはラメレイがおすすめです。

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