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植物図鑑
🫐
赤から黒紫に熟す細長い実をつけたマルベリー(桑)
🫐 果樹

マルベリー

Morus Mulberry

初心者向け 難易度1(5段階中): 初心者向け 💰 苗は1000〜5000円

マルベリーは、初夏に、細長い、甘酸っぱい実をたわわに実らせる、丈夫で育てやすい果樹です。和名は「クワ(桑)」で、その実は、地方によって「どど...

かんたんに言うと

マルベリー(桑)は、初夏に甘酸っぱい実を実らせる丈夫な果樹。実は赤→黒紫に熟し、生食やジャムに。寒暑に強く病害虫も少なく、1本でも実がなりやすいので初心者向き。生育旺盛なので、剪定で大きさを抑えると管理しやすくなります。

Profile

基本情報

マルベリーは、初夏に、細長い、甘酸っぱい実をたわわに実らせる、丈夫で育てやすい果樹です。和名は「クワ(桑)」で、その実は、地方によって「どどめ」とも呼ばれ、昔から、子どもたちのおやつとして親しまれてきました。実は、最初は赤く、熟すと、赤黒〜黒紫色になり、ジューシーで、優しい甘さと、ほのかな酸味があって、生食はもちろん、ジャムや、お菓子、果実酒、ソースなどにして楽しめます。

完熟した実は、口にすると、舌が紫色に染まるほど、果汁たっぷり。マルベリーは、桑の木の仲間で、もともと、養蚕(ようさん=カイコを育てて絹をとる産業)のために、カイコのエサとして、葉を利用する目的で、古くから日本中で栽培されてきた、歴史の深い木です。

そのため、たいへん丈夫で、生育旺盛。寒さにも暑さにも強く、病害虫も少なく、土質も選ばず、植えればぐんぐん育って、植え付けから数年で、たくさんの実を収穫できます。家庭果樹としては、実を楽しむ品種(フルーツマルベリーなど)が出回っており、コンパクトに育つ品種や、実が大きく甘い品種を選べば、庭や、大きめの鉢でも、手軽に実りを楽しめます。

1本でも実がなりやすく、特別な手入れもほとんど不要。葉は、健康茶(桑茶)にも利用され、栄養面でも注目されています。丈夫で実つきがよく、初夏の味覚を、たっぷり味わえる、初心者にもおすすめの果樹です。

クワ科
分類
果樹 / 落葉果樹
原産地
中国、日本、西アジア
別名
マルベリー、クワ、桑、クワの実(どどめ)
適期
植え付けは12月
価格目安
苗は1000〜5000円

💡豆知識

マルベリー(クワ)は、絹を作る「養蚕」と、切っても切れない関係にあります。絹糸をとるカイコは、クワの葉だけを食べて育つため、絹産業がさかんだった時代の日本では、全国にクワ畑が広がり、クワは、暮らしを支える重要な作物でした。「桑畑」を表す地図記号があったほど、身近な木だったのです。

その実「クワの実(どどめ)」は、養蚕の副産物として、農家の子どもたちの、初夏のおやつでした。熟した実を食べると、口のまわりや舌が、紫色に染まるのが、懐かしい思い出として語られます。クワには、日本に古くからある「ヤマグワ」や、養蚕用に栽培された「マグワ」、近年、果樹として人気の、実が大きく甘い品種などがあります。

クワの実には、アントシアニンなどの成分が豊富で、健康果実として、また、葉も「桑茶」として、血糖値が気になる人に注目され、健康茶に利用されています。マルベリーは、とても丈夫で生育旺盛なため、放っておくと大木になります。家庭では、剪定でコンパクトに保つと、管理しやすく、収穫もしやすくなります。古くから日本人の暮らしに寄り添ってきた、なじみ深い果樹です。

Calendar

育成カレンダー

全国の月別育成カレンダー
作業 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
植え付け
12月は植え付け
収穫
5月は収穫
剪定
1月は剪定
追肥
2月は追肥
関東の月別育成カレンダー
作業 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
植え付け
12月は植え付け
収穫
6月は収穫
剪定
1月は剪定
追肥
2月は追肥
近畿の月別育成カレンダー
作業 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
植え付け
12月は植え付け
収穫
5月は収穫
剪定
1月は剪定
追肥
2月は追肥

数字は月を表します。色帯のある月がその作業の適期です。上のタブで地域を切り替えられます。

At a glance

ひと目でわかる特徴

育てやすさ 初心者向け
収穫・開花の早さ
手軽さ(コスト) やや高め

Specs

形態と環境条件

形態

草丈
150〜500cm
株張り
150〜400cm
花のサイズ
目立たない花(雌花が実になる)
実のサイズ
細長い実(1.5〜4cm、赤→黒紫)

環境条件

日照
日なた
耐寒温度
-15℃
耐暑温度
38℃
土壌pH
6.0〜7.0
水やり
植え付け後〜根づくまではしっかり。根づけば乾燥時に与える程度。
肥料
緩効性化成肥料・有機質肥料(寒肥)

How to grow

育て方ステップ

  1. 1

    植え付け

    約14日

    マルベリーの植え付けの適期は、落葉している休眠期、11月〜翌3月ごろ。寒さの厳しい時期を避けた、晩秋か早春が、根づきやすくおすすめです。ポット苗なら、真夏と真冬を避ければ、ほぼ一年中植えられます。植え付け場所は、日当たりのよい場所が理想的。

    日がよく当たると、実つきがよく、甘い実が育ちます。半日陰でも育つほど丈夫ですが、実つきは、日当たりのよい場所に勝ります。マルベリーは、たいへん生育旺盛で、放っておくと、樹高数mの大木になるので、植え場所には、ある程度のスペースを確保するか、後述の剪定で、コンパクトに仕立てます。

    庭に十分なスペースがない場合は、コンパクトに育つ品種を選び、大きめの鉢で育てると、管理しやすくなります。土質は、ほとんど選ばず、やせ地でも育つ、たくましい木ですが、水はけと適度な水もちのある土が向きます。植え付け前に、堆肥や腐葉土をすき込んでおくと、根づきがよくなります。

    植え付けたら、支柱で苗を固定し、たっぷりと水を与えます。1本でも実がなりやすいので、1本から始められ、植え付けから2〜3年で、実が収穫できるようになります。

    💡落葉期(11〜3月)に、日当たりのよい場所へ。生育旺盛で大きくなるのでスペース確保か鉢+剪定で。1本でも実る。

  2. 2

    水やりと肥料

    約60日

    マルベリーの水やりは、植え付けてから根づくまでの最初の1年ほどが大切です。この間は、土が乾いたら、たっぷりと水を与えて、根がしっかり張るのを助けます。根づいてしまえば、地植えの木は、たいへん丈夫で、基本的に、雨水だけでも育つので、頻繁な水やりは不要。

    ただし、実が太る初夏や、夏に、雨が降らず、極端に乾燥が続くときは、株元に、たっぷりと水を与えると、実の充実によく、品質も上がります。鉢植えの場合は、地植えより乾きやすいので、土の表面が乾いたら、こまめに水やりします。肥料は、生育旺盛な木なので、多くは必要ありません。

    むしろ、肥料、とくに窒素分が多すぎると、枝葉ばかり、勢いよく茂って、かえって実つきが悪くなったり、木が暴れて、大きくなりすぎたりするので、控えめにします。実つきをよくし、木を充実させるには、冬(落葉期)に、株元に、堆肥や有機質肥料を施す「寒肥(かんごえ)」を中心に与えます。

    さらに、収穫が終わったあとに、お礼肥として、少量を与えると、木の回復を助けます。マルベリーは、手をかけなくても、たくましく育って、たくさんの実をつけてくれる、おおらかな果樹です。

    💡植え付け後1年は乾いたらたっぷり。根づけば雨水中心。肥料は冬の寒肥を中心に控えめに(多肥は実つきを落とす)。

  3. 3

    剪定で大きさを抑える

    約30日

    マルベリー栽培で、いちばん大切な作業が「剪定」です。マルベリーは、生育旺盛で、放っておくと、枝をぐんぐん伸ばして、あっという間に大木になり、収穫も手入れも、しにくくなってしまいます。そこで、剪定で、コンパクトに、収穫しやすい樹形に保つことが、家庭で育てるコツになります。

    剪定の適期は、落葉している休眠期、12月〜2月ごろ。葉が落ちて、枝ぶりがよく見える時期に行います。まず、枯れた枝、混み合った枝、内側に伸びる枝、交差する枝、根元から出るひこばえなど、不要な枝を、付け根から取り除いて、風通しと日当たりをよくします。

    そのうえで、伸びすぎた枝を、適度な長さに切り戻して、樹高や、枝の広がりを抑えます。マルベリーは、強い剪定にもよく耐え、切り戻すと、勢いよく新しい枝を出すので、思い切って、コンパクトに仕立て直すこともできます。実は、新しく伸びた枝(新梢)に近い部分につくので、適度に枝を更新する剪定は、実つきを保つのにも役立ちます。

    鉢植えは、根詰まりを防ぐため、数年に一度、植え替えと合わせて、根と枝を整理し、コンパクトに保ちます。毎年の剪定で、手の届く範囲に仕立てておけば、収穫も管理も、ぐっと楽になります。

    💡生育旺盛なので剪定が重要。落葉期(12〜2月)に不要枝を整理し、伸びすぎた枝を切り戻してコンパクトに保つ。

  4. 4

    実を収穫する・鳥よけ

    約30日

    マルベリーは、春に目立たない花が咲いたあと、初夏(5〜6月ごろ、品種により)に、細長い実が実ります。実は、最初は緑、やがて赤くなり、さらに熟すと、赤黒〜黒紫色になります。収穫の適期は、実が、しっかり濃い黒紫色に熟して、やわらかくなったとき。

    完熟すると、甘みが最大になり、口にすると果汁がじゅわっとあふれます。熟した実は、軽くつまむと、ぽろっと取れるので、熟したものから、順に摘み取って収穫します。マルベリーは、一度にたくさんの実が、次々と熟していくので、収穫期には、毎日のように、たっぷり収穫できることも。

    とれたての実は、生食はもちろん、ジャム、お菓子(タルト、マフィン)、果実酒、シロップ、ソースなどに利用できます。完熟果は日もちしないので、すぐ食べるか、加工・冷凍するのがおすすめ。注意点として、熟した実は、ジューンベリーと同じく、鳥の大好物。

    確実に収穫したいなら、防鳥ネットをかけます。また、熟した実が落ちると、地面や、車、洗濯物などを、紫色に汚すことがあるので、植え場所には注意します(落ちて困る場所の近くは避ける)。手は紫に染まりますが、それも、家庭でマルベリーを育てる、初夏の風物詩です。

    💡初夏、実が濃い黒紫に完熟したら順に摘む。日もちしないのですぐ食べるか加工・冷凍。鳥よけ+落果での汚れに注意。

  5. 5

    葉の利用・冬越し・一年の管理

    約120日

    マルベリーは、実だけでなく、葉も利用できる果樹です。クワの葉は、古くは養蚕でカイコのエサにされ、近年は、若葉を乾燥させて「桑茶(くわちゃ)」として、健康茶に利用されています。クワの葉茶は、独特の成分が、食後の血糖値が気になる人に注目され、健康志向の人に親しまれています。

    家庭でも、やわらかい若葉を摘んで、乾燥させ、お茶にして楽しめます。冬越しは、とても簡単です。マルベリーは、寒さに非常に強く、落葉して休眠するので、冬の防寒は、基本的に不要。寒冷地でも、地植えで、屋外で冬を越せます。落葉期の冬は、前述の剪定や、寒肥を施す、よいタイミングです。

    鉢植えも、屋外で冬を越せます。一年を通して見ると、春に芽吹き、初夏に実り、夏は青々と茂り、秋に葉を落とし、冬は休眠して、剪定・施肥を行う、というサイクル。生育旺盛で、ほうっておくとどんどん大きくなるので、毎年の剪定で、大きさをコントロールするのが、長く付き合うコツです。

    マルベリーは、丈夫で手間が少なく、初夏にたっぷりの実を味わえ、葉も活用できる、昔ながらの、頼れる家庭果樹。子どものころ食べた、懐かしい味を、自分の庭で、また楽しめます。

    💡若葉は桑茶に利用できる。寒さに強く冬越しは容易、防寒不要。毎年の剪定で大きさを抑えて長く付き合う。

Checklist

育てる前のチェックリスト

  • マルベリー(桑)の苗木

    落葉期に出回る。実を楽しむ果樹用品種を選ぶ。

    1,000〜5,000円
  • 堆肥・腐葉土(土づくり) (任意)

    植え穴に混ぜて根づきをよくする。

    400〜1,200円
  • 支柱 (任意)

    植え付け直後の苗の固定に。

    300〜1,500円
  • 防鳥ネット・剪定ばさみ (任意)

    実を守り、毎年の剪定に使う。

    500〜3,000円
初期費用の目安(必須のみ) 1,000〜5,000円

Pests & Diseases

かかりやすい病害虫

害虫

アブラムシ

時々

症状: 新芽が縮れる、葉がべたつく、すす病を誘発。

予防: 風通しを良くし、窒素過多を避ける。シルバーマルチで忌避。

対処: 見つけ次第捕殺、牛乳スプレーや薬剤で防除。

害虫

ハダニ

時々

症状: 葉に白いかすり状の斑点、ひどいと葉が枯れる。

予防: 葉裏への葉水で乾燥を防ぐ。

対処: 葉裏への葉水を継続し、専用の殺ダニ剤を使用する。

Harvest

収穫の情報

収穫までの年数
苗木から2〜3年で実がなり始める
受粉樹
不要
収穫量の目安
成木1本で数kg以上(樹の大きさによる)
樹の寿命
落葉樹(数十年以上)
剪定時期
落葉期(12〜2月)に切り戻してコンパクトに保つ

Common mistakes

失敗あるある TOP3

⚠ 大きくなりすぎて手に負えない

木が高く茂りすぎ、収穫も手入れもしにくくなります。

原因: 生育旺盛なのに剪定をしなかった。

対策: 落葉期に剪定し、伸びすぎた枝を切り戻してコンパクトに保ちます。

⚠ 熟果が鳥に食べられる・落果で汚れる

実が鳥に食べられる、落ちて地面を紫に汚します。

原因: 熟果が鳥の好物で、完熟果が落ちやすい。

対策: 防鳥ネットをかけ、こまめに収穫。落ちて困る場所の近くは避けて植えます。

⚠ 多肥で枝葉ばかり茂り実が減る

枝葉が勢いよく茂るのに実つきが悪い。

原因: 窒素分の多い肥料の与えすぎ。

対策: 肥料は冬の寒肥中心に控えめにし、剪定で枝を更新します。

FAQ

よくある質問

はい、マルベリー(桑)は、寒さにも暑さにも強く、病害虫も少なく、1本でも実がなりやすい、たいへん丈夫な果樹で、初心者にもおすすめです。植え付けから2〜3年で実が収穫できます。生育旺盛で大きくなりやすいので、毎年の剪定でコンパクトに保つことだけ意識すれば、手間少なく実りを楽しめます。

品種にもよりますが、初夏(5〜6月ごろ)が収穫期です。実は緑→赤→黒紫色へと熟し、しっかり濃い黒紫色になってやわらかくなったころが食べごろ。一度にたくさん次々と熟すので、収穫期は毎日のように収穫できます。完熟果は日もちしないので、すぐ食べるか、ジャムや冷凍にします。

マルベリーは生育旺盛で、放っておくと大木になります。家庭では、落葉期(12〜2月)の剪定で、伸びすぎた枝を切り戻し、コンパクトに保つのが大切。強剪定にもよく耐えます。スペースがない場合は、コンパクトな品種を選び、大きめの鉢で育てて、剪定で小さく仕立てると管理しやすくなります。

はい、マルベリーは1本でも実がなりやすいので、1本から始められます。家庭果樹用には、実を楽しむ品種(フルーツマルベリー)が出回っており、実が大きく甘い品種を選ぶと、収穫がより楽しめます。日当たりのよい場所で育てると、実つきと甘みがよくなります。

熟した実が落ちると、地面や、車、洗濯物などを紫色に汚すことがあります。落ちて困る場所(駐車場や通路、隣家との境)の近くは避けて植えるのがおすすめ。熟した実はこまめに収穫し、落果は早めに片付けます。手や口が紫に染まるのも、家庭で育てる初夏の風物詩です。

はい、クワの若葉は、乾燥させて「桑茶(くわちゃ)」として、健康茶に利用できます。独特の成分が、食後の血糖値が気になる人に注目されています。やわらかい若葉を摘んで乾燥させ、お茶にして楽しめます。クワの葉は、古くは養蚕でカイコのエサにされてきた、利用価値の高い葉です。

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