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植物図鑑
🫐
木に実った黄色いユズの実
🫐 果樹

ユズ

Citrus junos Yuzu

やさしい 難易度2(5段階中): やさしい 💰 苗は1500〜4000円

ユズは、爽やかで気品ある香りが日本料理に欠かせない香酸柑橘(こうさんかんきつ)で、果汁や皮を、鍋物のポン酢、焼き魚、お吸い物、ゆず茶、ゆず湯...

かんたんに言うと

ユズは柑橘で最も寒さに強い香酸柑橘で1本で実ります。接ぎ木苗を選び(種からは結実に18年)、日当たりよく育て、トゲとアゲハ幼虫に注意します。

Profile

基本情報

ユズは、爽やかで気品ある香りが日本料理に欠かせない香酸柑橘(こうさんかんきつ)で、果汁や皮を、鍋物のポン酢、焼き魚、お吸い物、ゆず茶、ゆず湯などに使う、日本の食文化に深く根ざした果樹です。柑橘類のなかでは際立って寒さに強く、東北南部あたりまで栽培できるため、温暖地でないと難しいほかの柑橘に比べ、幅広い地域の家庭果樹として親しまれています。

常緑樹で、つやのある葉と、初夏に咲く白い花の香りも楽しめます。栽培のポイントは、第一に、多くの柑橘と同じく1本で実がなる「自家結実性」なので、受粉樹がなくても収穫できること。第二に、日当たりと水はけのよい場所を好み、寒さに強いとはいえ、植え付け直後の幼木は寒風や強い霜から守ること。

第三に、鋭いトゲがあるので、作業時はケガに注意し、必要に応じてトゲを切ること。注意点として、種から育てると「桃栗三年柚子の大馬鹿十八年」といわれるほど結実まで非常に長くかかるので、必ず接ぎ木苗を選びます。アゲハチョウの幼虫が葉を食べるので、見つけたら対処します。

実が黄色く色づいたら収穫。鍋のポン酢に搾り、皮を吸い物に浮かべ、冬至にはゆず湯にと、香り高い自家製ユズは冬の食卓と暮らしを丸ごと豊かに彩ってくれる、一本あると重宝する、育てる価値の高い果樹です。

分類
果樹 / 常緑果樹
原産地
中国
別名
柚子、ゆず、本柚子
適期
植え付けは3月
価格目安
苗は1500〜4000円

💡豆知識

ユズの結実までの長さを表す「桃栗三年柚子の大馬鹿十八年」ということわざは有名で、種から育てると実がなるまで非常に長い年月がかかることを物語っています。これは、ユズが幼木のあいだ、トゲを発達させて身を守りながらゆっくり成長する性質によるもの。

そのため、家庭では結実の早い接ぎ木苗を植えるのが基本です。ユズは中国の長江上流域が原産とされ、日本へは奈良時代以前に伝わったとされる、古い歴史を持つ柑橘です。冬至にユズを浮かべた「ゆず湯」に入る風習は江戸時代に広まったもので、「融通(ゆうずう)がきく」「一陽来復」の語呂合わせや、強い香りが邪気を払うという考えから、無病息災を願う行事として親しまれてきました。

果汁を搾る「本柚子」のほか、実が小さく早くから実りトゲの少ない「花柚子(ハナユ)」は、より家庭向きで育てやすい品種として人気です。柑橘のなかで突出した耐寒性が、ユズを日本各地に広めた理由です。

Calendar

育成カレンダー

全国の月別育成カレンダー
作業 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
植え付け
3月は植え付け
開花
5月は開花
収穫
9月は収穫
11月は収穫
剪定
3月は剪定
追肥
3月は追肥
病害虫注意
6月は病害虫注意
関東の月別育成カレンダー
作業 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
植え付け
3月は植え付け
収穫
9月は収穫
11月は収穫
剪定
3月は剪定
病害虫注意
6月は病害虫注意
近畿の月別育成カレンダー
作業 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
植え付け
3月は植え付け
収穫
9月は収穫
11月は収穫
剪定
3月は剪定
病害虫注意
6月は病害虫注意

数字は月を表します。色帯のある月がその作業の適期です。上のタブで地域を切り替えられます。

At a glance

ひと目でわかる特徴

育てやすさ やさしい
収穫・開花の早さ 長期
手軽さ(コスト) やや高め

Specs

形態と環境条件

形態

草丈
150〜400cm
株張り
150〜300cm
花のサイズ
直径約2〜3cmの白い花
実のサイズ
直径4〜8cm

環境条件

日照
日なた
耐寒温度
-7℃
耐暑温度
38℃
土壌pH
5.5〜6.5
水やり
地植えは根づけば降雨任せ。鉢植えと実の肥大期はたっぷり。
肥料
有機質肥料・果樹用化成肥料

How to grow

育て方ステップ

  1. 1

    苗の選び方と植え付け

    約7日

    ユズは必ず接ぎ木苗を購入して育てます。種から育てると、「桃栗三年柚子の大馬鹿十八年」といわれるほど結実まで非常に長くかかるためです。果汁をたっぷり使う「本柚子」のほか、実が小さく早くから実り、トゲも少なめで家庭向きの「花柚子(ハナユ)」も人気です。

    植え付け適期は、寒さが和らぐ春(3〜4月)が最適。寒さに強い柑橘とはいえ、植え付け直後の幼木は寒さに弱いので、秋や冬の植え付けは避けます。日当たりと水はけのよい場所を選び、根鉢の倍ほどの穴を掘って堆肥を混ぜて植え、支柱で固定します。鉢植えの場合は、花柚子など小型の品種を選び、10号以上の大きな鉢に柑橘用の土で植えると育てやすいです。ユズには鋭いトゲがあるので、作業時は手袋をしてケガに注意します。

    💡必ず接ぎ木苗を。家庭向きは花柚子も。植え付けは寒さの和らぐ春が最適です。

  2. 2

    水やり・肥料と幼木の防寒

    約90日

    ユズは柑橘のなかで際立って寒さに強く、東北南部あたりまで栽培できますが、植え付けから数年の幼木のうちは、まだ寒さに弱いので、冬の寒風や強い霜から守ります。寒冷地では、幼木に不織布を巻いたり、株元をマルチや敷きわらで覆ったりして防寒すると安心です。

    大きく育てば耐寒性が増します。水やりは、地植えで根づけば基本は降雨任せですが、夏の乾燥期や実の肥大期は、乾くようならたっぷり与えます。鉢植えは乾きやすいので、土の表面が乾いたら水やりをします。柑橘は肥料を好むので、春(3月)・初夏(6月)・秋(10月)の年3回を目安に、有機質肥料や果樹用肥料を施すと、生育と実つきがよくなります。日当たりのよい場所で育てると、つやのある葉が茂り、健康に育ちます。

    💡寒さに強いが幼木は防寒を。柑橘は肥料好きなので年3回ほど施します。

  3. 3

    開花・摘果とトゲの管理

    約30日

    初夏(5〜6月)に、白い花を咲かせます。ユズは1本で実がなる自家結実性なので、受粉樹は不要です。花の香りも爽やかで楽しめます。実がつき始めたら、若木のうちは実をつけすぎると木が弱るので、数を控えめにし、木の生育を優先します。成木でも、実がなりすぎると一年おきに実つきが減る「隔年結果」を起こしやすいので、多すぎる年は適度に摘果して、毎年安定して実るようにします。

    ユズには鋭いトゲがあり、放っておくと作業や収穫の際にケガをしたり、トゲが実を傷つけたりするので、混み合った枝のトゲや、実の近くのトゲは、適宜ハサミで切り取ると管理が楽になります(トゲを切っても生育に問題はありません)。葉を食べるアゲハチョウの幼虫がつくので、次の工程で対処します。

    💡1本で実ります。なりすぎは摘果して隔年結果を防止。トゲは適宜切ると作業が楽です。

  4. 4

    アゲハ幼虫など害虫対策

    約90日

    ユズなど柑橘類で最も身近な害虫が、アゲハチョウ(ナミアゲハ・クロアゲハなど)の幼虫です。成虫が葉に卵を産み、ふ化した幼虫が葉を盛んに食べるので、放っておくと、とくに若木では葉を食べ尽くされて生育が大きく妨げられます。対策として、葉を見回り、卵(小さな黄色い球)や幼虫(若いうちは鳥のフンのような姿、育つと緑色の大きな幼虫)を見つけたら、捕殺します。

    数が多い場合は登録薬剤を使います。ほかに、枝や葉に貝殻のようなものが付く「カイガラムシ」、新芽の「アブラムシ」、葉裏の「ハダニ」、果実の汁を吸う「カメムシ」などがつくことがあります。風通しよく剪定し、見回りを習慣にして早期に対処することが大切。とくに葉の数が少ない幼木は、アゲハの食害が致命的になりやすいので、しっかり守ります。

    💡柑橘はアゲハ幼虫が大敵。卵・幼虫を見つけ次第捕殺。とくに幼木はしっかり守ります。

  5. 5

    収穫と剪定

    約14日

    収穫は、用途により二段階あります。果汁の酸味と爽やかな香りを楽しむ「青ユズ」は、まだ緑色の夏〜初秋(8〜9月)に収穫。果汁や皮を存分に使う完熟の「黄ユズ」は、実が鮮やかな黄色に色づいた晩秋〜初冬(11〜12月)に収穫します。冬至のゆず湯には、この黄ユズを使います。

    収穫は、トゲに注意しながら、実のつけ根をハサミで切り取ります。剪定は、新芽が動き出す前の春(2〜3月)に行います。柑橘は枝が混み合いやすいので、込み合った枝、内向きの枝、枯れ枝、トゲの目立つ枝を整理して、日当たりと風通しをよくします。強く切りすぎると実つきが悪くなるので、間引く程度にとどめます。

    常緑樹なので、冬も葉を落とさず、つやのある緑とたわわに実る黄色い実が、冬の庭を彩ります。香り高い自家製ユズで、冬の食卓を豊かに楽しめます。

    💡青ユズは夏〜初秋、黄ユズは晩秋〜初冬に収穫。剪定は春に込み合った枝を間引く程度に。

Checklist

育てる前のチェックリスト

  • ユズの接ぎ木苗

    本柚子・花柚子(家庭向き)から選ぶ。

    1,500〜4,000円
  • 有機質肥料・果樹用肥料

    年3回ほどの施肥に。

    500〜1,200円
  • 剪定ばさみ・厚手手袋 (任意)

    春の剪定とトゲ対策に。

    800〜2,500円
  • 大型鉢(10号以上) (任意)

    花柚子など小型種の鉢植えに。

    1,000〜3,000円
初期費用の目安(必須のみ) 2,000〜5,200円

Pests & Diseases

かかりやすい病害虫

害虫

アブラムシ

時々

症状: 新芽が縮れる、葉がべたつく、すす病を誘発。

予防: 風通しを良くし、窒素過多を避ける。シルバーマルチで忌避。

対処: 見つけ次第捕殺、牛乳スプレーや薬剤で防除。

害虫

ハダニ

時々

症状: 葉に白いかすり状の斑点、ひどいと葉が枯れる。

予防: 葉裏への葉水で乾燥を防ぐ。

対処: 葉裏への葉水を継続し、専用の殺ダニ剤を使用する。

病気

灰色かび病

まれ

症状: 花弁や果実が褐変し灰色のカビに覆われる。

予防: 枯れ花をこまめに除去、密植を避ける。

対処: 罹病部を処分し殺菌剤を散布。

Harvest

収穫の情報

収穫までの年数
接ぎ木苗から3〜4年で本格収穫(種からは18年とも)
受粉樹
不要
収穫量の目安
成木1本で数十個〜100個以上
樹の寿命
常緑樹(数十年以上)
剪定時期
春(2〜3月)の剪定

Common mistakes

失敗あるある TOP3

⚠ アゲハ幼虫の食害

葉が食べられ、幼木では丸坊主になります。

原因: アゲハチョウの幼虫の食害。

対策: 卵・幼虫を見つけ次第捕殺し、数が多ければ薬剤を使います。幼木は特に守ります。

⚠ 幼木が寒さで傷む

植え付け数年の若木が寒さで弱ります。

原因: 幼木の耐寒性不足、寒風・強い霜。

対策: 幼木は不織布やマルチで防寒します。大きくなれば耐寒性が増します。

⚠ 隔年結果

実が多い年の翌年は実が少なくなります。

原因: 実のなりすぎによる木の消耗。

対策: なりすぎる年は摘果して数を抑え、毎年の負担を平準化します。

FAQ

よくある質問

なります。ユズは多くの柑橘と同じく1本で実がなる自家結実性なので、受粉樹は不要です。1本植えれば収穫できます。

種からも発芽しますが、「桃栗三年柚子の大馬鹿十八年」といわれるほど結実まで非常に長くかかります。家庭では、数年で実る接ぎ木苗を選ぶのが基本です。

ユズは柑橘のなかで最も寒さに強く、東北南部あたりまで栽培できます。ただし植え付け直後の幼木は寒さに弱いので、冬は寒風や強い霜から守ると安心です。大きくなれば耐寒性が増します。

アゲハチョウの幼虫です。柑橘の葉を好んで食べ、とくに若木では食べ尽くされることもあります。卵や幼虫を見つけ次第捕殺し、数が多ければ登録薬剤を使います。葉の少ない幼木はとくに守ります。

ユズには鋭いトゲがあります。作業時は手袋をしてケガに注意し、混み合った枝のトゲや実の近くのトゲは適宜ハサミで切り取ると管理が楽になります。トゲの少ない「花柚子」を選ぶ方法もあります。

香りと酸味を楽しむ青ユズは緑色の夏〜初秋(8〜9月)、果汁や皮を使う完熟の黄ユズは黄色く色づいた晩秋〜初冬(11〜12月)に収穫します。冬至のゆず湯には黄ユズを使います。

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