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植物図鑑
🫐
黄金色に色づいたキンカンの実
🫐 果樹

キンカン

Citrus japonica Kumquat

やさしい 難易度2(5段階中): やさしい 💰 苗は1500〜4000円

キンカンは、皮ごと丸ごと食べられる小さな柑橘で、家庭果樹として非常に人気の高い常緑低木です。直径2〜3cmほどの小さな実をたわわに実らせ、皮には...

かんたんに言うと

キンカンは皮ごと食べられる小さな柑橘の常緑低木。1本で実がなる自家結実性で柑橘の中では寒さに強く、鉢植えでも育てやすい初心者向けの家庭果樹です。

Profile

基本情報

キンカンは、皮ごと丸ごと食べられる小さな柑橘で、家庭果樹として非常に人気の高い常緑低木です。直径2〜3cmほどの小さな実をたわわに実らせ、皮には甘みと爽やかな香りが、果肉にはほどよい酸味があり、皮ごとかじると甘酸っぱい独特のおいしさが楽しめます。

生食のほか、甘露煮やジャム、はちみつ漬け、のど飴の材料としても親しまれ、昔から「のどによい果実」として重宝されてきました。柑橘類のなかでは比較的寒さに強く、温暖な地域なら庭植えで、寒い地域でも鉢植えにして冬に軒下や室内へ移せば育てられます。

1本でも実がなる「自家結実性」をもつため、受粉樹を用意しなくても収穫できるのが、初心者にうれしいポイント。トゲが少なくコンパクトに仕立てられる品種が多く、鉢植えでベランダでも栽培できます。夏から秋にかけて白い小花を数回咲かせ、甘く優しい香りを漂わせるのも魅力。

実は冬から早春にかけて黄金色に色づき、収穫期を迎えます。日当たりを好み、基本の管理を押さえれば毎年たくさんの実を楽しめる、育てがいのある果樹です。鉢でもベランダで実らせられ、花の香りと黄金色の実の両方を楽しめる、家庭果樹の入門にぴったりの、長く付き合える常緑の一本です。

分類
果樹 / 常緑果樹
原産地
中国
別名
金柑、きんかん、キンカン
適期
植え付けは3月
価格目安
苗は1500〜4000円

💡豆知識

キンカンは中国原産の柑橘で、日本へは江戸時代に伝わったとされ、漂着した中国船が御礼に贈った砂糖漬けの種から広まった、という逸話が静岡県などに残っています。学名にも「japonica(日本の)」とあるように、日本で広く栽培されて品種改良が進みました。

代表的な品種に、果実が大きく甘みの強い「ニンポウ(寧波)金柑」や、種なしで食べやすい改良品種などがあります。多くの柑橘は果肉が甘く皮は食べませんが、キンカンは逆で、皮のほうが甘く果肉が酸っぱいという珍しい特徴をもち、だからこそ皮ごと食べるのに向いています。

皮にはビタミンCやヘスペリジンなどが豊富で、古くから風邪予防やのどのケアによいとされ、甘露煮やはちみつ漬けにして食べる習慣が各地に伝わっています。

Calendar

育成カレンダー

全国の月別育成カレンダー
作業 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
植え付け
3月は植え付け
開花
7月は開花
収穫
1月は収穫
剪定
3月は剪定
追肥
3月は追肥
病害虫注意
5月は病害虫注意
関東の月別育成カレンダー
作業 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
植え付け
3月は植え付け
開花
8月は開花
収穫
1月は収穫
剪定
3月は剪定
追肥
6月は追肥
病害虫注意
5月は病害虫注意
近畿の月別育成カレンダー
作業 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
植え付け
3月は植え付け
開花
7月は開花
収穫
1月は収穫
剪定
3月は剪定
追肥
6月は追肥
病害虫注意
5月は病害虫注意

数字は月を表します。色帯のある月がその作業の適期です。上のタブで地域を切り替えられます。

At a glance

ひと目でわかる特徴

育てやすさ やさしい
収穫・開花の早さ ゆっくり
手軽さ(コスト) 高め

Specs

形態と環境条件

形態

草丈
100〜200cm
株張り
80〜150cm
花のサイズ
直径約1.5cmの白い小花
実のサイズ
直径2〜3cm

環境条件

日照
日なた
耐寒温度
-5℃
耐暑温度
38℃
土壌pH
5.5〜6.5
水やり
鉢植えは表面が乾いたらたっぷり。夏は毎日。地植えは乾燥時に。
肥料
柑橘用肥料・有機質肥料

How to grow

育て方ステップ

  1. 1

    苗木の植え付け

    約7日

    キンカンは苗木から育てるのが一般的です。種からも育ちますが、実がなるまでに長い年数がかかるうえ親と同じ実になるとは限らないため、接ぎ木苗を購入するのが確実です。植え付けの適期は、寒さが和らぐ春(3〜4月)。柑橘類は寒さで根が傷みやすいので、真冬や厳寒期の植え付けは避けます。

    日当たりと水はけのよい場所を選びましょう。庭植えは、植え穴に堆肥を混ぜて高めに植え、根鉢を崩しすぎないようにします。寒い地域や移動して冬越しさせたい場合は、鉢植えがおすすめ。8〜10号以上の大きめの鉢に、水はけのよい果樹・柑橘用の培養土で植えます。植え付け後はたっぷり水を与え、支柱を立てて苗が風で揺れないように固定すると根づきやすくなります。

    💡接ぎ木苗を春に植え付け。寒い地域は鉢植えで冬の移動に備えます。

  2. 2

    日当たり・水やり・肥料

    約120日

    キンカンは日光を好み、日当たりのよい場所でよく育って実つきもよくなります。一日を通してよく日が当たる場所に置きましょう。水やりは、柑橘類は根が乾燥に弱いので、特に鉢植えは水切れに注意します。土の表面が乾いたらたっぷりと与え、実が大きくなる夏は毎日の水やりが必要になることもあります。

    一方、過湿も根を傷めるので、水はけは確保します。地植えは根づけば基本不要ですが、乾燥が続くときは与えます。肥料は実をたくさんつけるキンカンにとって重要で、春(3月)・初夏(6月)・秋(10月)の年3回を目安に、柑橘用肥料や有機質肥料を施します。特に鉢植えは肥料が流れやすいので切らさないようにします。施肥が実の数と甘みを左右します。

    💡日当たりを確保。鉢は水切れに注意し、肥料は年3回を目安に与えます。

  3. 3

    開花と摘果

    約90日

    キンカンは、ほかの多くの柑橘が春に一度咲くのと違い、夏から秋にかけて数回に分けて白い小花を咲かせます。甘く優しい香りを漂わせ、自家結実性なので1本でも自然に実がつきます。受粉樹は不要で、花が咲けば特別な作業をしなくても実がなります。たくさん花が咲いて実がつきすぎると、一つひとつの実が小さくなったり、木が疲れて隔年結果(一年おきにしか実らない)の原因になったりします。

    実が混み合っている場合は、小さな実や傷んだ実を間引く「摘果(てきか)」をすると、残した実が大きく甘く育ちます。とはいえキンカンは小さな実をたくさん楽しむ果樹でもあるので、若木のうちや実つきが少ない年は無理に摘果しなくてもかまいません。木の勢いを見て判断します。

    💡夏〜秋に数回開花。1本で実ります。実が多すぎる年は摘果します。

  4. 4

    剪定で樹形を整える

    約7日

    キンカンの剪定は、暖かくなる春(3月ごろ)、新芽が動き出す前に行うのが基本です。混み合った枝、内側に向かう枝、枯れ枝、細く弱い枝を整理して、樹の内部まで日光と風が通るようにします。風通しと採光がよくなると、実つきがよくなり、カイガラムシなどの害虫も予防できます。

    鉢植えでコンパクトに育てたい場合は、伸びすぎた枝を切り戻して全体の大きさを抑えます。キンカンはトゲがある品種もあるので、作業時は手袋をすると安全です。強く切りすぎると花や実が減るので、若木のうちは樹形づくりを優先し、成木は混み合いを解消する程度の軽い剪定にとどめます。収穫後にも軽く整理すると、翌年の新芽がよく伸びます。剪定で出た元気な枝は挿し木に使うこともできます。

    💡春の芽出し前に混み合った枝を整理。トゲに注意して手袋を使います。

  5. 5

    冬の防寒と収穫

    約30日

    キンカンは柑橘の中では寒さに強いものの、マイナス5度を下回るような寒さや厳しい霜には弱いので、寒冷地では防寒が必要です。鉢植えは、冬は日当たりのよい軒下や室内に取り込むと安心です。庭植えで寒さが心配な地域は、株元をマルチングし、幼木は寒冷紗や不織布で覆って霜よけをします。

    実は秋に色づき始め、冬から早春(12〜2月ごろ)にかけて黄金色に熟して収穫期を迎えます。実全体がしっかり濃いオレンジ色になり、少しやわらかくなったころが食べごろ。ハサミでヘタの近くから切り取って収穫します。皮ごと生で食べられるほか、甘露煮やはちみつ漬け、ジャムにして長く楽しめます。寒さに当たることで甘みが増すので、慌てず色づきを待って収穫しましょう。

    💡冬の寒さに注意し鉢は室内へ。実は黄金色に熟す冬〜早春が収穫期です。

Checklist

育てる前のチェックリスト

  • キンカンの接ぎ木苗

    実つきの早い接ぎ木苗を選ぶ。

    1,500〜4,000円
  • 果樹・柑橘用培養土

    水はけのよい土。

    500〜1,200円
  • 柑橘用肥料

    春・初夏・秋の年3回。

    600〜1,500円
  • 鉢(8〜10号以上) (任意)

    鉢植えで育てる場合。冬の移動にも便利。

    1,000〜3,000円
初期費用の目安(必須のみ) 2,600〜6,700円

Pests & Diseases

かかりやすい病害虫

害虫

アブラムシ

時々

症状: 新芽が縮れる、葉がべたつく、すす病を誘発。

予防: 風通しを良くし、窒素過多を避ける。シルバーマルチで忌避。

対処: 見つけ次第捕殺、牛乳スプレーや薬剤で防除。

害虫

ハダニ

時々

症状: 葉に白いかすり状の斑点、ひどいと葉が枯れる。

予防: 葉裏への葉水で乾燥を防ぐ。

対処: 葉裏への葉水を継続し、専用の殺ダニ剤を使用する。

Harvest

収穫の情報

収穫までの年数
接ぎ木苗から2〜3年で収穫開始
受粉樹
不要
収穫量の目安
成木1本で数百個
樹の寿命
常緑低木(数十年)
剪定時期
春(芽出し前・3月ごろ)の剪定

Common mistakes

失敗あるある TOP3

⚠ 冬の寒さで枯れる・葉が落ちる

寒さや霜で葉が落ち、枝が枯れます。

原因: 耐寒温度を下回る寒さ、霜害。

対策: 鉢は冬に室内・軒下へ。庭植えはマルチングや不織布で防寒します。

⚠ 水切れで実が落ちる

夏に実が落ちたり大きくならなかったりします。

原因: 鉢植えの水切れ、肥料不足。

対策: 夏はたっぷり水やりし、年3回の施肥を行います。

⚠ アゲハの幼虫に葉を食べられる

葉が大きく食べられて丸坊主になります。

原因: アゲハチョウの幼虫の食害。

対策: 葉裏や枝を観察し、見つけ次第捕殺します。早期発見が肝心です。

FAQ

よくある質問

なります。キンカンは自家結実性をもち、1本だけで実がつくため、受粉樹を用意する必要がありません。花が咲けば特別な作業をしなくても実がなるので、初心者にも育てやすい果樹です。

育てられます。8〜10号以上の大きめの鉢に水はけのよい土で植えれば、ベランダでも栽培できます。鉢植えなら、寒い地域でも冬に軒下や室内へ移して防寒できるのが利点です。

柑橘の中では比較的寒さに強い果樹ですが、マイナス5度を下回る寒さや厳しい霜には弱いです。寒冷地では鉢植えにして冬は室内・軒下へ取り込むか、庭植えはマルチングや不織布で防寒します。

キンカンは多くの柑橘と逆で、皮に甘みと香りがあり、果肉が酸っぱいという特徴をもつためです。だからこそ皮ごとかじると甘酸っぱくおいしく、生食のほか甘露煮やはちみつ漬けにも向きます。

実は秋に色づき始め、冬から早春(12〜2月ごろ)に黄金色に熟して収穫期を迎えます。実全体が濃いオレンジ色になり少しやわらかくなったころが食べごろ。寒さに当たると甘みが増します。

柑橘の葉を食べるアゲハチョウの幼虫、枝に付くカイガラムシ、新芽のアブラムシ、乾燥期のハダニなどに注意します。見つけ次第捕殺し、剪定で風通しをよくして予防します。

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