ユリ
Lilium Lily
ユリは、大輪で気品あふれる花姿と、種類によっては芳醇な香りを放つ、球根植物の女王ともいえる存在です。すらりと伸びた茎の先に咲く堂々とした花は...
かんたんに言うと
ユリは秋に植える球根植物で、乾燥を嫌うため早めに、球根の高さの2〜3倍と深植えにするのがコツ。半日陰でも育ち、初夏に大輪の花を咲かせます。
Profile
基本情報
ユリは、大輪で気品あふれる花姿と、種類によっては芳醇な香りを放つ、球根植物の女王ともいえる存在です。すらりと伸びた茎の先に咲く堂々とした花は、庭でも切り花でも主役級の存在感を放ち、冠婚葬祭の花としても古くから愛されてきました。系統はいくつかあり、純白でラッパ型の「テッポウユリ」、上向きに鮮やかに咲く「スカシユリ(アジアティック)」、大輪で強い芳香をもつ「オリエンタルリリー(カサブランカなど)」、近年人気の交雑系などがあります。
栽培のポイントは、第一に、植え付けが秋(10〜11月)で、ユリの球根は乾燥を嫌うので、買ったら早めに植えること。第二に、ユリは球根の上の茎からも根を出す「上根(じょうこん)」を持つため、球根の高さの2〜3倍と深植えにすること。これが倒伏防止と球の充実につながります。
第三に、多くは半日陰でも育ち、夏は涼しく過ごさせると花もちがよいこと。植えっぱなしで数年は毎年咲く多年草で、一度植えれば初夏に豪華な花を楽しめます。花粉が衣類につくと取れにくいので、切り花にするときはおしべを取り除くとよいでしょう。すらりと伸びた茎の先に大輪を咲かせるその立ち姿は気品にあふれ、香り高く華やかな花は、庭やベランダ、そして花瓶のなかでも、まわりの空気を一段と格上げしてくれる特別な存在です。
💡豆知識
ユリは世界に100種ほどの原種があり、その多くが北半球の温帯に分布します。日本はユリの宝庫として知られ、ヤマユリ、テッポウユリ、ササユリ、カノコユリなど美しい野生種が自生し、これらは海外に渡って園芸品種の改良に大きく貢献しました。とくにテッポウユリは、明治時代に球根が欧米へ大量に輸出され、復活祭(イースター)を飾る「イースターリリー」として親しまれています。
「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」と、美しい女性の例えにも使われるほど、その姿は古くから愛されてきました。学名のLiliumは、ギリシャ語で「白」を意味する言葉に由来するとされ、純白のユリが花の象徴とされてきたことを物語ります。聖母マリアの象徴ともされ、絵画にもたびたび描かれてきました。
Calendar
育成カレンダー
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 植え付け | 10月は植え付け | 11月は植え付け | ||||||||||
| 開花 | 6月は開花 | 7月は開花 | ||||||||||
| 追肥 | 4月は追肥 | |||||||||||
| 病害虫注意 | 5月は病害虫注意 |
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
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| 植え付け | 10月は植え付け | 11月は植え付け | ||||||||||
| 開花 | 6月は開花 | 7月は開花 | ||||||||||
| 追肥 | 4月は追肥 | |||||||||||
| 病害虫注意 | 5月は病害虫注意 |
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
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| 植え付け | 10月は植え付け | 11月は植え付け | ||||||||||
| 開花 | 6月は開花 | 7月は開花 | ||||||||||
| 追肥 | 4月は追肥 | |||||||||||
| 病害虫注意 | 5月は病害虫注意 |
数字は月を表します。色帯のある月がその作業の適期です。上のタブで地域を切り替えられます。
At a glance
ひと目でわかる特徴
Specs
形態と環境条件
形態
- 草丈
- 50〜150cm
- 株張り
- 20〜40cm
- 花のサイズ
- 直径10〜20cmの大輪
環境条件
- 日照
- 半日陰
- 耐寒温度
- -15℃
- 耐暑温度
- 33℃
- 土壌pH
- 6.0〜6.5
- 水やり
- 生育期は乾かさないようたっぷり。球根の過湿は腐敗のもと。
- 肥料
- 緩効性化成肥料・液肥
How to grow
育て方ステップ
-
1
球根の選び方と植え付け
約7日ユリは球根から育てます。植え付け適期は秋の10〜11月。ユリの球根は、チューリップなどと違って乾燥に弱く、休眠が浅いため、購入したらできるだけ早く植えるのが大切です。よい球根は、大きくふっくらとして傷がなく、根がついているもの。系統は、純白のテッポウユリ、上向きに咲くスカシユリ、大輪で芳香のオリエンタル(カサブランカなど)から好みで選びます。
日当たり〜半日陰の、水はけと水もちのよい場所を選びます。最大のコツは「深植え」。ユリは球根の上の茎からも根(上根)を出すので、球根の高さの2〜3倍(球根の上に土が10〜15cm乗る)と深く植えます。鉢植えも深めの鉢を使います。深植えで茎が安定し、上根が養分を吸って球も充実します。
💡球根は乾燥に弱いので早めに。球根の高さの2〜3倍と深植えにするのがコツです。
-
2
芽出しと水やり・追肥
約60日秋に植えた球根は、冬のあいだ地中で根を伸ばし、春になると芽を出して茎を伸ばし始めます。生育期は水を好むので、土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えます。ただし、球根の過湿は腐敗の原因になるので、水はけのよい環境を保つことも大切です。肥料は、植え付け時に元肥を入れておき、芽が出てから開花前にかけて、緩効性肥料や液肥で追肥します。
茎が伸びてくると、上根が働き始めるので、株元に土を寄せると上根の発達を助けられます。背の高くなる品種や大輪種は、つぼみがつくと頭が重くなって倒れやすいので、早めに支柱を立てて茎を支えておくと安心です。順調に育てば、初夏に向けてぐんぐん茎が伸び、つぼみをつけます。
💡生育期はたっぷり水やり(過湿は禁物)。芽出し後に追肥し、背の高い品種は支柱を。
-
3
開花と花がら摘み
約30日ユリは、品種により初夏(6〜7月)に大輪の花を咲かせます。次々と開く花は香り高く、庭や室内を華やかに彩ります。咲き終わった花は、こまめに摘み取ります。そのままにすると種を作ろうとして球根の養分が使われ、翌年の花つきが悪くなるためです。花がら摘みのとき、花茎ごとすべて切らず、葉のついた茎はできるだけ長く残します。
葉が光合成をして球根に養分をためることで、翌年もよく咲くからです。切り花として楽しむ場合も、葉を多く残して切ります。なお、ユリの花粉は鮮やかな色で、衣類につくと取れにくいので、室内に飾るときや切り花にするときは、おしべ(葯)を指やティッシュで取り除いておくと安心です。
💡咲き終わった花は摘むが、葉のついた茎は残して球根に養分を蓄えさせます。
-
4
花後の管理と夏越し
約90日花が終わったら、お礼肥として緩効性肥料を施し、葉が自然に黄色く枯れるまで、水やりを続けて球根に養分をためさせます。葉を早く切ってしまうと、翌年の花つきが悪くなるので注意します。ユリの多くは夏の高温多湿が苦手なので、鉢植えは夏のあいだ半日陰の涼しい場所に移すと、球根が傷まず夏越ししやすくなります。
地植えも、株元にマルチや敷きわらをして地温の上昇を防ぐと効果的です。やがて地上部が枯れて休眠期に入ります。ユリは多年草なので、地植えなら植えっぱなしで数年は毎年咲きますが、数年に一度は掘り上げて植え替えると、球根が充実して花つきが回復します。鉢植えは球根が混み合うので、2〜3年に一度植え替えます。
💡花後はお礼肥を与え、葉が枯れるまで残します。夏は涼しく管理して球根を守ります。
-
5
球根の掘り上げ・分球でふやす
約7日ユリは球根がふえる植物で、数年育てると、親球のまわりに小さな子球ができたり、茎の地中部分に「木子(きご)」と呼ばれる小球ができたりします。地上部が枯れた休眠期(秋)に球根を掘り上げると、これらを分けて植え直す「分球」でふやせます。掘り上げた球根は乾燥させず、すぐに植え直すか、おがくずなどで湿り気を保って保管します。
また、ユリは病気(とくにウイルス病)にかかると葉が縮れたり花が変形したりし、これは治らないので、見つけたら株ごと処分してほかへの伝染を防ぎます。アブラムシがウイルスを媒介するので、アブラムシ対策も大切です。健康な球根を選び、分球で更新しながら育てれば、長くユリの花を楽しめます。
💡秋に掘り上げて子球・木子を分球でふやせます。ウイルス病株は処分し伝染を防ぎます。
Checklist
育てる前のチェックリスト
-
✓300〜800円
ユリの球根
テッポウユリ・スカシユリ・オリエンタルなど系統を選ぶ。
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✓400〜800円
草花用培養土
水はけと水もちのよい土。
-
○600〜1,500円
深鉢(7号以上) (任意)
深植えできる深めの鉢。
-
○200〜600円
支柱 (任意)
大輪・高性種の倒伏防止に。
Pests & Diseases
かかりやすい病害虫
アブラムシ
よく発生症状: 新芽が縮れる、葉がべたつく、すす病を誘発。
予防: 風通しを良くし、窒素過多を避ける。シルバーマルチで忌避。
対処: 見つけ次第捕殺、牛乳スプレーや薬剤で防除。
灰色かび病
時々症状: 花弁や果実が褐変し灰色のカビに覆われる。
予防: 枯れ花をこまめに除去、密植を避ける。
対処: 罹病部を処分し殺菌剤を散布。
ナメクジ
時々症状: 不規則な食害痕とテカった粘液の跡。
予防: 鉢の下など隠れ家を減らし乾燥を保つ。
対処: 夜間に捕殺、誘殺剤を設置。
Flower meaning
花言葉
-
「純潔・威厳」
白
純白のユリは聖母マリアの象徴とされ、汚れのない純潔と気高い威厳を表すとされてきました。
-
「富と繁栄・虚栄心」
ピンク
華やかなピンクの大輪が豊かさや繁栄を連想させる一方、その豪華さから虚栄心の意も持つとされます。
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「華麗・愉快」
オレンジ
鮮やかなオレンジの花色が華やかで陽気な印象を与えることにちなむとされます。
-
「陽気・偽り」
黄
明るい黄色の花色から陽気さを表すとされる一方、古くは移ろいやすさの意も添えられました。
Common mistakes
失敗あるある TOP3
⚠ 球根が腐る
植えた球根が腐って芽が出ません。
原因: 過湿、水はけの悪さ、傷んだ球根。
対策: 水はけのよい場所に植え、過湿を避けます。健康な球根を早めに植えます。
⚠ 倒伏
背の高い茎が花の重みで倒れます。
原因: 浅植え、支柱なし。
対策: 深植えで茎を安定させ、大輪・高性種は早めに支柱を立てます。
⚠ ウイルス病で花が変形
葉が縮れ、花が奇形になります。
原因: アブラムシが媒介するウイルス病(治らない)。
対策: 発病株は処分して伝染を防ぎ、媒介するアブラムシを防除します。
FAQ
よくある質問
秋の10〜11月が適期です。ユリの球根は乾燥に弱いので、購入したらできるだけ早く植えます。チューリップのように長く保存せず、早めに植え付けるのがポイントです。
球根の高さの2〜3倍(上に土が10〜15cm乗るくらい)と深植えにします。ユリは球根の上の茎からも根(上根)を出すため、深植えで茎が安定し、球も充実します。
育ちます。多くのユリは半日陰でも開花し、むしろ夏の強い西日を避けられる涼しい場所のほうが花もちがよくなります。ただし極端な日陰では花つきが悪くなります。
咲き終わった花は摘み取りますが、葉のついた茎は残します。葉が光合成して球根に養分をためることで翌年も咲きます。お礼肥を与え、葉が枯れるまで水やりを続けます。
多年草なので、地植えなら植えっぱなしで数年は毎年咲きます。花つきが落ちてきたら、休眠期に掘り上げて植え替えると回復します。鉢植えは2〜3年に一度植え替えます。
ユリの花粉は色が濃く取れにくいので、室内に飾るときや切り花にするときは、おしべ(葯)を指やティッシュであらかじめ取り除いておくと安心です。ついたら払い落とします。
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