ニラ
Allium tuberosum Garlic Chives
ニラは、餃子やレバニラ炒め、卵とじなどでおなじみの、独特の香りとスタミナで親しまれる葉物野菜です。家庭菜園では、一度植えれば数年にわたって何...
かんたんに言うと
ニラは一度植えれば数年収穫できる丈夫な多年草。草丈20〜25cmで株元を残して刈り取ると再生し、刈るたびに追肥すると何度も収穫できます。
Profile
基本情報
ニラは、餃子やレバニラ炒め、卵とじなどでおなじみの、独特の香りとスタミナで親しまれる葉物野菜です。家庭菜園では、一度植えれば数年にわたって何度も収穫できる「多年草」であることが最大の魅力。刈り取っても、すぐにまた新しい葉が伸びてくるので、植えっぱなしで繰り返し収穫でき、しかも非常に丈夫で病害虫にも強く、半日陰でも育つため、初心者でも失敗しにくく、家庭菜園で重宝する野菜です。
プランターでも手軽に育てられ、ちょっとした薬味や料理の彩りに、採れたてを使えるのが家庭栽培ならではの便利さです。栽培のポイントは、第一に、種からでも苗(株)からでも育てられ、種からは収穫まで時間がかかるので、手早く収穫したいなら苗(株)から始めること。
第二に、草丈が20〜25cmほどに伸びたら、株元を2〜3cm残して刈り取ると、また伸びて何度も収穫できること。第三に、刈り取るたびに追肥をして、肥料を切らさないこと。これで再生がよくなります。数年育てると株が混み合って細くなるので、数年に一度、株分けをして植え直すと、また太く立派なニラが採れます。夏には白い花(花ニラ)も咲き、つぼみは食用にもなる、長く付き合える頼もしい野菜です。
💡豆知識
ニラは東アジア原産で、日本でも古くから栽培され、『古事記』や『万葉集』にも「加美良(かみら)」「久々美良(くくみら)」などの名で登場するほど、歴史の古い野菜です。独特の強い香りのもとは、ニンニクやネギ、タマネギと同じ「硫化アリル(アリシン)」という成分で、ニラがこれらと同じヒガンバナ科ネギ属の仲間であることを物語ります。
アリシンは、ビタミンB1の吸収を助けて疲労回復を促す働きがあるとされ、スタミナ野菜と呼ばれるゆえんです。ニラはβカロテンやビタミンも豊富な緑黄色野菜。普通のニラのほか、日光を遮って軟白栽培した黄色く香りのやさしい「黄ニラ」、つぼみのついた花茎を食べる「花ニラ」など、味わい方もいろいろです。なお、観賞用の「ハナニラ」とは別の植物なので、混同しないよう注意します。
Calendar
育成カレンダー
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 種まき | 3月は種まき | |||||||||||
| 植え付け | 4月は植え付け | |||||||||||
| 収穫 | 5月は収穫 | 6月は収穫 | 9月は収穫 | |||||||||
| 追肥 | 5月は追肥 |
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
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| 種まき | 3月は種まき | |||||||||||
| 植え付け | 4月は植え付け | |||||||||||
| 収穫 | 5月は収穫 | 6月は収穫 | 9月は収穫 | |||||||||
| 追肥 | 5月は追肥 |
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 種まき | 3月は種まき | |||||||||||
| 植え付け | 4月は植え付け | |||||||||||
| 収穫 | 5月は収穫 | 6月は収穫 | 9月は収穫 | |||||||||
| 追肥 | 5月は追肥 |
数字は月を表します。色帯のある月がその作業の適期です。上のタブで地域を切り替えられます。
At a glance
ひと目でわかる特徴
Specs
形態と環境条件
形態
- 草丈
- 20〜40cm
- 株張り
- 15〜30cm
- 花のサイズ
- 白い小花が傘状に集まる
環境条件
- 日照
- 日なた
- 耐寒温度
- -15℃
- 耐暑温度
- 35℃
- 土壌pH
- 6.0〜6.5
- 水やり
- 土の表面が乾いたらたっぷり。乾燥にも比較的強い。
- 肥料
- 元肥(化成肥料)・追肥
How to grow
育て方ステップ
-
1
種まき・株の植え付け
約7日ニラは種からでも、苗(株)からでも育てられます。種から育てる場合は、春(3〜4月)にまきますが、収穫できる大きさに育つまで時間がかかります。早く収穫を始めたいなら、市販の苗(株)を植えるのが手軽でおすすめ。植え付け適期は春(3〜4月)です。
ニラは丈夫で土質を選ばず、日なたから半日陰まで育ちます。株間は20〜25cmほど、種から育てた苗や購入株は、数本まとめて1か所に植えると、ボリュームよく収穫できます。プランターは深さ20cm以上のものに、野菜用培養土を使います。元肥を入れた土に植え、植え付け後はたっぷり水を与えます。一度根づけば数年にわたって収穫できるので、最初に少し場所を確保して、じっくり育てる気持ちで植え付けます。
💡早く収穫したいなら苗(株)から。数本まとめて植えるとボリュームよく育ちます。
-
2
1年目の管理(株を育てる)
約120日ニラを長く収穫するためには、植え付け1年目は、あえて収穫を控えめにして、株をしっかり育てることが大切です。1年目に葉を採りすぎると、株が充実せず、翌年以降の収穫が貧弱になります。1年目は、株が大きくなるのを待ち、生育を見ながら必要な分だけ少し収穫する程度にとどめ、根株を太らせることを優先します。
水やりは、土の表面が乾いたら与える程度で、乾燥にも比較的強い丈夫な野菜です。雑草はこまめに取り除きます。夏に花茎(つぼみ)が伸びてきたら、株を消耗させないよう、収穫を兼ねて早めに摘み取ります(つぼみは「花ニラ」として食べられます)。1年目にしっかり株を育てておくことが、2年目以降の長く豊かな収穫につながります。
💡1年目は収穫を控えめにして株を充実させます。花茎は早めに摘んで株の消耗を防ぎます。
-
3
刈り取り収穫
約30日ニラの収穫は、株が充実した2年目以降が本番です(1年目も終わりごろから少しずつ)。草丈が20〜25cmほどに伸びたら、収穫の適期。株元を2〜3cm残して、ハサミや包丁でバッサリと刈り取ります。この「株元を残して刈る」のがポイントで、残した株元からまた新しい葉が次々と伸びてきて、繰り返し収穫できます。
刈り取ってから次の収穫まで、暖かい時期なら2〜3週間ほど。1シーズンに何度も収穫できます。採れたてのニラは香りが格別で、餃子や炒め物、卵とじなどにすぐ使えます。一度に使い切れないときは、刻んで冷凍したり、しょうゆ漬けにしたりして保存できます。植えっぱなしでこれだけ何度も収穫できるのは、多年草のニラならではの大きな魅力です。
💡草丈20〜25cmで株元2〜3cmを残して刈り取り。残した株元からまた伸びて何度も採れます。
-
4
刈り取りごとの追肥
約90日ニラを何度も収穫し続けるためには、刈り取って葉を収穫するたびに、株が養分を使うので、追肥で肥料を補うことが大切です。収穫(刈り取り)のあとに、化成肥料や液肥を株のまわりに施すと、再生する葉の生育がよくなり、次もまた太く立派なニラが採れます。
肥料を切らすと、再生する葉が細くなったり、生育が衰えたりします。「刈ったら肥料」を習慣にすると、収穫のサイクルがうまく回ります。また、株元に土を寄せると、株が安定し、白い部分(軟白部)が増えてやわらかくなります。水やりも、乾燥が続くときは葉の生育のために与えます。こまめな追肥と適度な水やりで、シーズンを通して何度も収穫を楽しめます。
💡刈り取り収穫のたびに追肥するのがコツ。これで再生する葉が太く元気に育ちます。
-
5
冬越しと株分けでの更新
約7日ニラは寒さに非常に強い多年草で、冬になると地上部は枯れますが、根株は生きていて、春になるとまた一斉に芽吹いてきます。冬のあいだは特別な手入れは不要で、地上部が枯れたら刈り取っておきます。こうして数年は同じ株から収穫できますが、3〜4年も経つと、根株が増えて混み合い、一本一本の葉が細くなって収穫物の質が落ちてきます。
そうなったら「株分け」で更新します。春か秋に株を掘り上げ、数株ずつに分けて、間隔をあけて植え直すと、再びゆとりができて、太く立派なニラが採れるようになります。株分けは、ニラをふやすことにもなります。この数年に一度の株分けでの更新を行えば、ニラを何年にもわたって、太く元気な状態で収穫し続けることができます。
💡寒さに強く冬は地上部が枯れて春に芽吹きます。3〜4年ごとに株分けで更新すると太く育ちます。
Checklist
育てる前のチェックリスト
-
✓200〜500円
ニラの苗(株)または種
早く採るなら苗(株)が手軽。
-
✓400〜800円
野菜用培養土
プランター栽培用。
-
✓400〜900円
化成肥料・液肥
刈り取りごとの追肥に。
-
○500〜1,200円
プランター(深さ20cm以上) (任意)
鉢栽培する場合。
Pests & Diseases
かかりやすい病害虫
アブラムシ
時々症状: 新芽が縮れる、葉がべたつく、すす病を誘発。
予防: 風通しを良くし、窒素過多を避ける。シルバーマルチで忌避。
対処: 見つけ次第捕殺、牛乳スプレーや薬剤で防除。
べと病
まれ症状: 葉表に黄色い角張った斑、葉裏に灰白色のカビ。
予防: 水はけと風通しを改善、過湿を避ける。
対処: 罹病部を除去し殺菌剤を散布。
Nutrition
栄養と食べ方
- エネルギー
- 18kcal
- ビタミンC
- 19mg
- ビタミンA
- 290μg
- ビタミンK
- 180μg
- 葉酸
- 100μg
- 鉄
- 0.7mg
- カルシウム
- 48mg
- カリウム
- 510mg
- 食物繊維
- 2.7g
旬・味: 春が旬。やわらかく香りが高い。βカロテンとアリシンが豊富。
保存: 湿らせた紙で包みポリ袋で冷蔵。刻んで冷凍やしょうゆ漬けでも保存できる。
Common mistakes
失敗あるある TOP3
⚠ 葉が細く貧弱になる
収穫物の葉が細く弱々しくなります。
原因: 追肥不足、株の混み合い(数年経過)、1年目の採りすぎ。
対策: 刈り取りごとに追肥し、3〜4年ごとに株分けで更新します。1年目は控えめに収穫します。
⚠ 花茎で株が消耗
花が咲いて葉の収穫が落ちます。
原因: 花茎を放置して株が消耗。
対策: 花茎(つぼみ)は早めに摘み取ります。花ニラとして食べられます。
⚠ アブラムシ・さび病
葉に虫がつく、オレンジ色の斑点が出ます。
原因: 害虫の発生、多湿によるさび病。
対策: 風通しと水はけを確保し、発生時は被害葉を除去します。
FAQ
よくある質問
早く収穫したいなら苗(株)から始めるのが手軽です。種からは収穫できる大きさに育つまで時間がかかります。どちらも一度根づけば、数年にわたって何度も収穫できます。
できます。ニラは多年草で、草丈20〜25cmで株元を2〜3cm残して刈り取ると、また新しい葉が伸びて繰り返し収穫できます。1シーズンに何度も、植えっぱなしで数年収穫できます。
刈り取りごとの追肥不足か、数年経って株が混み合っているのが原因です。刈ったら追肥を習慣にし、3〜4年ごとに株分けして植え直すと、また太く立派なニラが採れます。
1年目は収穫を控えめにして、株をしっかり育てるのがおすすめです。1年目に採りすぎると株が充実せず、翌年以降の収穫が貧弱になります。本格的な収穫は2年目以降が本番です。
夏に白い花茎(つぼみ)が伸びます。放置すると株が消耗するので、収穫を兼ねて早めに摘み取ります。つぼみのついた花茎は「花ニラ」として、炒め物などでおいしく食べられます。
育ちます。ニラは非常に丈夫で、日なたから半日陰まで適応します。病害虫にも強く、土質も選ばないので、家庭菜園の中でも特に育てやすい野菜のひとつです。
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