スイセン
Narcissus Daffodil / Narcissus
スイセンは、冬から春にかけて咲く球根植物で、早春の花壇をいち早く彩る花として古くから親しまれてきました。秋に球根を植えておけば、特別な手入れ...
かんたんに言うと
スイセンは秋に球根を植えるだけで冬から春に咲く丈夫な多年草で、花後は葉を残すと翌年も咲く初心者向けの花です。
Profile
基本情報
スイセンは、冬から春にかけて咲く球根植物で、早春の花壇をいち早く彩る花として古くから親しまれてきました。秋に球根を植えておけば、特別な手入れをしなくても冬から春に花を咲かせる丈夫さと、一度植えれば数年は植えっぱなしでも毎年咲く多年草の手軽さが魅力です。
冬の寒い時期に甘く清らかな香りを漂わせて咲く「ニホンズイセン」、春にラッパ形の大輪を咲かせる黄色い「ラッパズイセン」など、種類が豊富で開花時期や花姿もさまざまです。日当たりと水はけの良い場所を好み、花壇はもちろん、鉢植えやプランター、切り花としても楽しめます。
育てるうえで最も大切なのは、花が終わったあとに葉をすぐ切らず、自然に枯れるまで残しておくこと。葉が光合成でつくった養分が球根に蓄えられ、それが翌年の花になるためです。ここを誤ると「葉は出るのに花が咲かない」状態になります。なお、スイセンは全草に毒성分を含み、葉がニラやノビルに、球根がタマネギに似ているため、毎年のように誤食による食中毒事故が起きています。
家庭菜園では食用植物と分けて植え、口に入れないよう十分に注意してください。それでも、丈夫で香り高く、花の少ない冬から春先にいち早く季節の訪れを告げてくれる魅力は格別で、毒性に気をつけて扱えば、初心者でも長く付き合える育てやすい球根花です。
💡豆知識
スイセンの学名「Narcissus(ナルキッソス)」は、ギリシャ神話に登場する美少年の名に由来します。水面に映った自分の姿に恋い焦がれ、その場を離れられずに死んでしまい、その地に咲いた花がスイセンだったという物語から、「ナルシスト(自己愛者)」という言葉も生まれました。
うつむき加減に咲く花姿も、水面をのぞき込む姿に重ねられます。一方で、スイセンはヒガンバナ科の植物で、全草にリコリンなどの有毒成分を含みます。葉がニラに、球根がタマネギやノビルによく似ているため、家庭菜園や野外での誤食による中毒事故が後を絶たず、毎年のように注意が呼びかけられています。
Calendar
育成カレンダー
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 植え付け | 9月は植え付け | 10月は植え付け | 11月は植え付け | |||||||||
| 開花 | 1月は開花 | 2月は開花 | 3月は開花 | 4月は開花 | ||||||||
| 追肥 | 4月は追肥 |
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
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| 植え付け | 10月は植え付け | 11月は植え付け | ||||||||||
| 開花 | 2月は開花 | 3月は開花 | 4月は開花 | |||||||||
| 追肥 | 4月は追肥 |
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 植え付け | 9月は植え付け | 10月は植え付け | ||||||||||
| 開花 | 1月は開花 | 2月は開花 | 3月は開花 | |||||||||
| 追肥 | 4月は追肥 |
数字は月を表します。色帯のある月がその作業の適期です。上のタブで地域を切り替えられます。
At a glance
ひと目でわかる特徴
Specs
形態と環境条件
形態
- 草丈
- 20〜40cm
- 株張り
- 10〜20cm
- 花のサイズ
- 直径3〜8cm
環境条件
- 日照
- 日なた
- 耐寒温度
- -10℃
- 耐暑温度
- 30℃
- 土壌pH
- 6.0〜7.0
- 水やり
- 生育期は土が乾いたら。花後の休眠期は乾かし気味に。
- 肥料
- 緩効性化成肥料・球根用肥料
How to grow
育て方ステップ
-
1
球根の植え付け
約1日スイセンは秋(9〜11月)に球根を植えます。良い球根を選ぶのが第一歩で、手に取ってずっしりと重く、固く締まっていて、傷やカビのないものを選びます。植え付けの深さは球根の高さの2〜3倍が目安で、寒冷地ではやや深め、暖地ではやや浅めにします。鉢植えは球根1〜2個分の浅植えでも構いません。
球根の間隔は10〜15cmあけ、日当たりと水はけの良い場所に植えます。地植えで植えっぱなしにする場合は、数年かけて分球して増えることを見越して、間隔を広めにとっておくと窮屈になりません。植え付け後はたっぷり水を与えます。
💡球根はずっしり重く固いものを選ぶと、花つきが良くなります。
-
2
水やりと置き場所
約90日植え付けてから葉が伸び花が咲くまでの生育期間は、土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えます。スイセンは日光を好むので、日当たりの良い場所に置くことが、しっかりした花を咲かせるポイントです。冬の寒さには非常に強く、屋外でそのまま冬を越せるので、寒さを心配して室内に入れる必要はありません。
むしろ一定期間の寒さに当たることが、春の開花には必要です。一方、球根は過湿に弱く、水のやりすぎや水はけの悪い土では腐ってしまうことがあるため、受け皿の水は溜めっぱなしにせず、水はけの良い環境を保ちます。
💡寒さには強いので冬も屋外でOK。むしろ寒さに当てると花つきが良くなります。
-
3
開花中の管理
約30日種類によって、ニホンズイセンは12〜2月の冬、ラッパズイセンなどは3〜4月の春に花を咲かせます。咲いている間は、花を長く楽しむために、しおれてきた花がらをこまめに摘み取ります。花がらを残しておくと種をつくることに養分が使われ、球根の肥大が妨げられてしまうためです。
花の下の細い茎(花茎)は、養分を球根に戻す役割もあるので、花がらだけを摘み、茎は残しておくのが基本です。切り花にする場合、スイセンの切り口からはほかの花を弱らせる成分が出るので、他の花と活ける際は単独で水あげしてから合わせると長持ちします。
💡しおれた花がらは摘み取り、養分が種に回るのを防ぎます。
-
4
花後の管理(最重要)
約60日スイセン栽培で最も大切なのが、この花後の管理です。花が終わったあと、見た目が悪いからと葉を切ってしまうと、翌年花が咲かなくなる最大の原因になります。緑の葉は光合成によって養分をつくり、それを球根に蓄えることで、翌年の花を準備しています。そのため、葉は黄色く自然に枯れるまで、絶対に切らずに残しておきます。
あわせて、花が終わったらお礼として「お礼肥」(リン酸・カリ分の肥料)を施すと、球根がよく太り、翌年の花つきが格段に良くなります。葉が完全に枯れたら、その時点で取り除きます。
💡花後の葉は枯れるまで切らない。これが翌年も咲かせる絶対のコツです。
-
5
掘り上げ・植えっぱなし
約1日スイセンは丈夫で、地植えなら数年は植えっぱなしでも毎年咲きます。ただし、年々球根が分球して数が増えて混み合うと、栄養が分散して花が小さく少なくなってきます。そうなったら、葉が枯れた初夏(6月ごろ)に球根を掘り上げ、分かれた球根をばらして、風通しの良い日陰でよく乾かして保管し、秋に植え直して株を更新します。
鉢植えは特に窮屈になりやすいので、2〜3年に一度の植え替えがおすすめです。掘り上げた球根は、ネットなどに入れて涼しく乾燥した場所で夏を越させ、秋の植え付け適期を待ちます。
💡花が小さくなってきたら、初夏に掘り上げて分球・植え直しで更新します。
Checklist
育てる前のチェックリスト
-
✓300〜1,000円
スイセンの球根
秋に出回る。ずっしり重いものを選ぶ。
-
○400〜800円
草花・球根用培養土(14L) (任意)
水はけの良いもの。
-
○500〜1,500円
鉢・プランター (任意)
鉢植えの場合に。
-
○400〜900円
球根用肥料(お礼肥) (任意)
花後の肥培に。
Pests & Diseases
かかりやすい病害虫
アブラムシ
時々症状: 新芽が縮れる、葉がべたつく、すす病を誘発。
予防: 風通しを良くし、窒素過多を避ける。シルバーマルチで忌避。
対処: 見つけ次第捕殺、牛乳スプレーや薬剤で防除。
灰色かび病
まれ症状: 花弁や果実が褐変し灰色のカビに覆われる。
予防: 枯れ花をこまめに除去、密植を避ける。
対処: 罹病部を処分し殺菌剤を散布。
ナメクジ
時々症状: 不規則な食害痕とテカった粘液の跡。
予防: 鉢の下など隠れ家を減らし乾燥を保つ。
対処: 夜間に捕殺、誘殺剤を設置。
Flower meaning
花言葉
-
「もう一度愛して欲しい・私のもとへ帰って」
黄
うつむいて咲く黄花の姿が、切ない想いを連想させるとされます。
-
「神秘・尊敬」
白
清楚で凛とした白い花の印象から生まれた花言葉です。
-
「self-love(自己愛), egotism」
水面の自分に恋したナルキッソスの神話に由来します。
Common mistakes
失敗あるある TOP3
⚠ 花が咲かない(ブラインド)
葉ばかりで花が咲きません。
原因: 花後に葉を早く切った、球根の混みすぎ、肥料不足。
対策: 葉は枯れるまで残し、花後にお礼肥を与え、混み合ったら分球します。
⚠ 球根の腐敗
球根が柔らかくなり腐って枯れます。
原因: 過湿や水はけの悪い用土。
対策: 水はけの良い土に植え、過湿を避け、休眠期は乾かし気味にします。
⚠ 誤食による中毒
人やペットが葉や球根を食べて中毒を起こします。
原因: ニラやタマネギ等との取り違え。
対策: 食用植物と離して植え、ラベルを付け、口に入れないよう管理します。
FAQ
よくある質問
秋(9〜11月)が適期です。植え付けの深さは球根の高さの2〜3倍を目安にし、日当たりと水はけの良い場所に植えます。
前年に花後の葉を早く切ってしまったか、球根が混み合って栄養不足になっているのが主な原因です。葉は枯れるまで残し、花後にお礼肥を与え、混み合ったら掘り上げて分球します。
いけません。葉が光合成で球根に養分を蓄え、翌年の花になります。黄色く自然に枯れるまで切らずに残してください。
地植えなら数年は植えっぱなしで毎年咲きます。ただし球根が増えて混み合い花が小さくなったら、初夏に掘り上げて分球・植え直しをします。
本当です。全草に有毒成分を含み、葉がニラ、球根がタマネギやノビルに似ているため誤食事故が起きています。食用植物とは分けて植え、口に入れないよう注意してください。
育てられます。水はけの良い土を使い、日当たりの良い場所に置きます。鉢は混み合いやすいので2〜3年に一度の植え替えがおすすめです。
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