タマネギ
Allium cepa Onion
タマネギは、和洋中あらゆる料理のベースになる、台所に欠かせない万能野菜です。家庭菜園では、秋に苗を植えて翌年の初夏に収穫する、長い期間をかけ...
かんたんに言うと
タマネギは秋に苗を植えて初夏に収穫する野菜。植え付け適期(11月頃)と地域に合う品種選びが重要で、早植え・大苗はとう立ちの原因になります。
Profile
基本情報
タマネギは、和洋中あらゆる料理のベースになる、台所に欠かせない万能野菜です。家庭菜園では、秋に苗を植えて翌年の初夏に収穫する、長い期間をかけてじっくり育てる作物。栽培期間は半年以上と長いものの、植え付けてしまえば冬のあいだはほとんど手がかからず、初心者でも比較的失敗が少なく、たくさん収穫できてしかも長期保存がきくため、家庭菜園で人気の高い野菜です。
一度にまとまった数を収穫して保存しておけば、買い物の手間も省けて重宝します。栽培で最も大切なのが「苗の植え付け適期を守ること」と「品種選び」。タマネギは、適切な大きさに育った苗を適期(多くは11月)に植えるのが基本で、早く植えすぎたり大きすぎる苗を植えたりすると、春に花茎が伸びる「とう立ち(抽だい)」を起こして球が太らなくなります。
逆に遅すぎても生育不足になります。また、球が太るタイミングは日の長さと気温で決まり、地域によって適した「早生・中生・晩生」の品種が異なるので、地域に合った品種を選ぶことが大きなポイントです。葉が倒れたら収穫のサイン。適期の植え付けと品種選びを押さえれば、初夏にずっしりとした自家製タマネギをたっぷり収穫できる、頼もしい野菜です。
💡豆知識
タマネギは、世界最古の栽培作物のひとつとされ、古代エジプトではピラミッド建設の労働者の食料とされたほか、神聖なものとして崇められていたと伝えられます。私たちが食べる球の部分は、根でも実でもなく、葉のつけ根が養分をためて太った「りん茎」で、これはニンニクと同じ仕組みです。
タマネギを切ると涙が出るのは、「硫化アリル」という成分が、切られた細胞から空気中に飛び出して目を刺激するため。この硫化アリルは、血液をサラサラにする働きや、ビタミンB1の吸収を助ける働きがあるとされ、健康野菜としても注目されています。加熱すると辛味成分が甘みに変わり、とろりと甘くなるのも特徴。春先にとれる「新タマネギ」は、乾燥させない採れたてで、みずみずしく辛味が少なく、生でもおいしく食べられます。
Calendar
育成カレンダー
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 植え付け | 11月は植え付け | |||||||||||
| 収穫 | 5月は収穫 | 6月は収穫 | ||||||||||
| 追肥 | 2月は追肥 | 12月は追肥 |
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 植え付け | 11月は植え付け | |||||||||||
| 収穫 | 5月は収穫 | 6月は収穫 | ||||||||||
| 追肥 | 2月は追肥 | 12月は追肥 |
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 植え付け | 11月は植え付け | |||||||||||
| 収穫 | 5月は収穫 | 6月は収穫 | ||||||||||
| 追肥 | 2月は追肥 | 12月は追肥 |
数字は月を表します。色帯のある月がその作業の適期です。上のタブで地域を切り替えられます。
At a glance
ひと目でわかる特徴
Specs
形態と環境条件
形態
- 草丈
- 30〜60cm
- 株張り
- 10〜15cm
- 実のサイズ
- 球(りん茎)直径6〜10cm
環境条件
- 日照
- 日なた
- 耐寒温度
- -8℃
- 耐暑温度
- 30℃
- 土壌pH
- 6.0〜6.5
- 水やり
- 植え付け後と乾燥期はたっぷり。冬は控えめでよい。
- 肥料
- 元肥(化成肥料)・追肥
How to grow
育て方ステップ
-
1
品種選びと苗の植え付け
約7日タマネギ栽培は品種選びと植え付け適期が成否を分けます。タマネギは日の長さと気温で球が太るため、地域に合った「早生(わせ)・中生(なかて)・晩生(おくて)」の品種を選ぶことが大切です。多くの家庭では、市販の苗を植えるのが手軽。よい苗は、鉛筆くらいの太さ(直径7〜8mm)で、太すぎず細すぎないものが理想です。
植え付け適期は多くの地域で11月。日当たりと水はけのよい場所に、株間10〜15cmで、苗の白い部分が隠れる程度に浅めに植えます。深植えすると球が太りにくくなります。アブラナ科ではなくヒガンバナ科ですが、酸性土を嫌うので、苦土石灰で中和し元肥を入れた畑に植えます。マルチを張ると地温が保たれ生育がよくなります。
💡地域に合う早生・中生・晩生を選び、鉛筆ほどの太さの苗を11月に浅植えします。
-
2
冬越しと追肥
約120日タマネギは寒さに強く、冬のあいだは葉を伸ばしながらゆっくりと根を張って育ちます。この時期は手がかからず、土が乾いたら水を与える程度でよく、ほぼ放任で大丈夫です。肥料は、植え付け時の元肥に加え、12月ごろと2〜3月ごろの2回、追肥をすると、春からの球の肥大が良くなります。
ただし、重要なのが追肥のタイミング。球が太り始める時期(3月以降)まで肥料を効かせすぎると、葉ばかり茂って球の締まりが悪くなったり、保存性が落ちたりするので、遅くとも球が肥大し始める前(3月頃)には追肥を終えます。雑草は球の生育を妨げるのでこまめに取り除きます。冬を越して暖かくなると、葉が立ち上がって生育が活発になり、株元の球がだんだん太り始めます。
💡冬はほぼ放任。12月と2〜3月に追肥し、球が太り始める前(3月頃)に追肥を止めます。
-
3
とう立ち対策
約30日タマネギ栽培で注意したいのが「とう立ち(抽だい)」。春に株の中心から花茎(ネギ坊主)が伸びてくる現象で、こうなると養分が花に取られ、球が大きく太らず、芯が固くなって食味も保存性も落ちてしまいます。とう立ちの主な原因は、苗が大きすぎる状態で冬の寒さに一定期間さらされること。
これを防ぐには、第一に、植え付け時に大きすぎる苗を避け、適切な太さ(鉛筆ほど)の苗を選ぶこと。第二に、早く植えすぎないこと(適期を守る)。第三に、地域に合った品種を選ぶことです。万一、花茎(ネギ坊主)が出てきたら、早めに摘み取ると、わずかでも球の肥大にまわせます。適期・適サイズの苗を植えることが、とう立ちを防ぐ最大のポイントです。
💡とう立ちは大苗の早植えが原因。適期に鉛筆ほどの苗を植え、出た花茎は早めに摘みます。
-
4
球の肥大と収穫
約30日春に暖かくなると、葉がぐんぐん茂り、それにつれて株元のりん茎(球)がふくらんで太っていきます。この球の肥大期は水を必要とするので、乾燥するようなら水やりをします。収穫のサインは分かりやすく、地上部の葉が、根元から自然に倒れ始めたとき。これは球が十分に太って成熟した合図です。
全体の7〜8割の株の葉が倒れたら、収穫適期。よく晴れて土が乾いた日を選び、株元を持って引き抜きます。雨が続くと球が腐りやすいので、晴れ間を狙います。収穫時期は、早生種で4〜5月、中生・晩生種で5〜6月が目安。すぐ使う分はそのまま、保存する分は次の工程で乾燥させます。採れたての新タマネギは、みずみずしく辛味が少なく、生でもおいしく味わえます。
💡葉が自然に倒れたら収穫適期。晴れて土が乾いた日に引き抜きます。
-
5
乾燥・保存
約14日タマネギを長期保存するには、収穫後の「乾燥」が欠かせません。晩生種など貯蔵に向く品種は、収穫した球を、葉をつけたまま数個ずつ束ねて、風通しのよい軒下などに吊るすか、ネットに入れて、雨の当たらない涼しい場所でしっかり乾燥させます。表面の皮がカサカサに乾き、首の部分が締まれば、保存できる状態です。
よく乾燥させた中生・晩生種は、冷暗所で数か月もちます。一方、春先の新タマネギや早生種は、水分が多く乾燥させていないため、日持ちしないので早めに使い切ります。きちんと乾燥・保存すれば、自家製タマネギを長く使えて、台所でとても重宝します。湿気でカビたり芽が出たりしないよう、風通しのよい場所で保管するのがコツです。
💡貯蔵向き品種は束ねて風通しよく乾燥させ冷暗所へ。新タマネギは日持ちせず早めに使います。
Checklist
育てる前のチェックリスト
-
✓300〜800円
タマネギの苗
地域に合う早生・中生・晩生の苗を選ぶ。
-
✓500〜1,200円
化成肥料・苦土石灰
追肥と酸度調整に。
-
○500〜1,500円
黒マルチ (任意)
地温保持と雑草・乾燥対策に。
-
○400〜800円
野菜用培養土 (任意)
プランター栽培用。
Pests & Diseases
かかりやすい病害虫
アブラムシ
時々症状: 新芽が縮れる、葉がべたつく、すす病を誘発。
予防: 風通しを良くし、窒素過多を避ける。シルバーマルチで忌避。
対処: 見つけ次第捕殺、牛乳スプレーや薬剤で防除。
べと病
時々症状: 葉表に黄色い角張った斑、葉裏に灰白色のカビ。
予防: 水はけと風通しを改善、過湿を避ける。
対処: 罹病部を除去し殺菌剤を散布。
Nutrition
栄養と食べ方
- エネルギー
- 33kcal
- ビタミンC
- 7mg
- ビタミンA
- 0μg
- ビタミンK
- 0μg
- 葉酸
- 15μg
- 鉄
- 0.3mg
- カルシウム
- 17mg
- カリウム
- 150mg
- 食物繊維
- 1.5g
旬・味: 新タマネギは春が旬でみずみずしく甘い。硫化アリルが特徴。
保存: よく乾燥させ風通しのよい冷暗所へ吊るすかネットで保存。新タマネギは冷蔵で早めに。
Common mistakes
失敗あるある TOP3
⚠ とう立ち(ネギ坊主が出る)
春に花茎が伸び、球が太らず芯が固くなります。
原因: 大きすぎる苗、早植え、品種が地域に不適。
対策: 適期に鉛筆ほどの苗を植え、地域に合う品種を選びます。出た花茎は早めに摘みます。
⚠ 球が大きくならない
収穫した球が小さいままです。
原因: 深植え、追肥のタイミングのずれ、品種が不適。
対策: 浅めに植え、追肥は3月頃までに終え、地域に合う品種を選びます。
⚠ 球が腐る・カビる
収穫後の球が腐ったりカビたりします。
原因: 収穫期の長雨、乾燥不足、湿気の多い保存。
対策: 晴れた日に収穫してしっかり乾燥させ、風通しのよい冷暗所で保存します。
FAQ
よくある質問
多くの地域で11月が適期です。早植えすると苗が育ちすぎて春にとう立ちしやすく、遅植えは生育不足になります。鉛筆くらいの太さの苗を適期に植えるのがポイントです。
タマネギは日の長さと気温で球が太るため、地域に合った早生・中生・晩生の品種を選ぶことが重要です。地域に合わない品種だと球がうまく太りません。購入時に栽培地域を確認しましょう。
「とう立ち」で、苗が大きすぎる、早植え、品種が地域に合わない、が主な原因です。出た花茎は早めに摘み取ります。翌年は適期に鉛筆ほどの適サイズの苗を植えて防ぎます。
深植え、追肥のタイミングのずれ、品種が地域に不適、などが原因です。苗は浅めに植え、追肥は球の肥大が始まる3月頃までに終え、地域に合う品種を選びます。
地上部の葉が根元から自然に倒れ始めたら、球が太った合図です。全体の7〜8割の葉が倒れたら、晴れて土が乾いた日に引き抜いて収穫します。
貯蔵に向く中生・晩生種を、葉をつけたまま束ねて風通しのよい場所でしっかり乾燥させ、冷暗所で保存すれば数か月もちます。新タマネギや早生種は日持ちしないので早めに使います。
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