ラズベリー
Rubus idaeus Raspberry
ラズベリーは、甘酸っぱい赤い実が魅力の、家庭でも育てやすい人気のベリー類(落葉性の低木)です。バラ科キイチゴ属の仲間で、生食はもちろん、ジャ...
かんたんに言うと
ラズベリーは1本で実がなる丈夫なベリーで、鉢でも育ち、夏は涼しく管理して枝(シュート)を整理すれば翌年から収穫できます。
Profile
基本情報
ラズベリーは、甘酸っぱい赤い実が魅力の、家庭でも育てやすい人気のベリー類(落葉性の低木)です。バラ科キイチゴ属の仲間で、生食はもちろん、ジャムやお菓子、ソースにと活躍します。とても丈夫で病害虫も少なく、1本でも実がなる自家結実性があるため受粉樹も不要。
鉢植えでも育てられ、植え付けの翌年から収穫できる手軽さで、果樹の入門としてもおすすめです。地下茎を伸ばして新しい枝(シュート)を次々と出して株が広がり、よく増えるのも特徴。冷涼な気候を好み寒さに非常に強い反面、日本の高温多湿な夏はやや苦手なので、夏は半日陰になる涼しい場所で、株元をマルチングして根の乾燥と高温を防ぐのが、暑い地域で育てるコツです。
栽培で押さえたいのが「枝(シュート)の管理と剪定」。ラズベリーには、初夏に一度実る「一季なり」と、夏と秋の二度実る「二季なり」があり、タイプによって剪定方法が異なります。一季なりは、実をつけ終えた古い枝(実をつけた2年目の枝)を収穫後に根元から切り、新しいシュートを翌年用に育てます。
鋭いトゲのある品種が多いので、作業時は手袋をすると安全です。採れたてのラズベリーはとてもデリケートで日持ちしないため、もぎたてを味わえるのは家庭栽培ならではの大きな魅力です。
💡豆知識
ラズベリーはバラ科キイチゴ属の植物で、ヨーロッパや北米が原産です。地下茎(ランナー)を伸ばして、地面のあちこちから新しい枝「シュート」を次々と出して増えるのが大きな特徴。多くの品種では、この枝が1年目に伸びて2年目に実をつけ、実ったあとは枯れる、という2年サイクルで世代交代します。
私たちが食べる赤い粒の集まりは、小さな果実(核果)がたくさん集まった「集合果」です。完熟するとへたから簡単に外れ、中が空洞になるのがラズベリーの特徴で、これがブラックベリーとの見分け方のひとつにもなっています。果実は非常にやわらかく傷みやすいため流通が難しく、生の完熟果を味わえるのは栽培者の特権ともいえます。
Calendar
育成カレンダー
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 植え付け | 11月は植え付け | 12月は植え付け | ||||||||||
| 開花 | 5月は開花 | |||||||||||
| 収穫 | 6月は収穫 | 7月は収穫 | 10月は収穫 | |||||||||
| 剪定 | 2月は剪定 | |||||||||||
| 病害虫注意 | 6月は病害虫注意 |
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
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| 植え付け | 11月は植え付け | 12月は植え付け | ||||||||||
| 開花 | 5月は開花 | |||||||||||
| 収穫 | 6月は収穫 | 10月は収穫 | ||||||||||
| 剪定 | 2月は剪定 | |||||||||||
| 病害虫注意 | 6月は病害虫注意 |
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 植え付け | 11月は植え付け | 12月は植え付け | ||||||||||
| 開花 | 5月は開花 | |||||||||||
| 収穫 | 6月は収穫 | 10月は収穫 | ||||||||||
| 剪定 | 2月は剪定 | |||||||||||
| 病害虫注意 | 6月は病害虫注意 |
数字は月を表します。色帯のある月がその作業の適期です。上のタブで地域を切り替えられます。
At a glance
ひと目でわかる特徴
Specs
形態と環境条件
形態
- 草丈
- 100〜200cm
- 株張り
- 80〜150cm
- 花のサイズ
- 直径1〜2cmの白い花
- 実のサイズ
- 直径1〜2cm
環境条件
- 日照
- 日なた
- 耐寒温度
- -20℃
- 耐暑温度
- 30℃
- 土壌pH
- 5.5〜6.5
- 水やり
- 乾燥に弱め。土の表面が乾いたらたっぷり。夏は特に注意。
- 肥料
- 緩効性化成肥料・有機質肥料
How to grow
育て方ステップ
-
1
苗の植え付け
約1日ラズベリーは落葉期の11〜3月(厳寒期を除く)に、苗を植え付けます。日当たりの良い場所が基本ですが、夏の暑さが厳しい地域では、午後に日陰になる半日陰のほうが夏越ししやすくなります。やや酸性で水はけと水もちのバランスの良い土を好みます。地下茎で広がる性質があるので、地植えでは広がってほしくない方向に板などで根止めをするか、鉢植えにすると管理が楽です。
鉢は8〜10号以上を使います。植え付け後はたっぷり水を与え、株元をマルチングして乾燥を防ぎます。鋭いトゲのある品種が多いので、作業時は手袋を着用すると安全です。
💡暑い地域は半日陰が無難。地植えは根止めか鉢植えで広がりを管理します。
-
2
支柱立て・誘引
約1日ラズベリーの枝(シュート)は細く長く伸びて、放っておくと倒れたり乱れたりします。支柱を立てたり、両側に張った2本のワイヤー(フェンス仕立て)の間に枝を挟むように誘引すると、株が整い、風通しと日当たりが良くなって、実の管理や収穫がしやすくなります。
誘引によって枝が混み合うのを防げば、ラズベリーが弱点とする蒸れや病気(灰色かび病など)の予防にもなります。新しく伸びてくるシュートも、伸びるたびに支柱やワイヤーに留めて整理します。トゲがあるので、誘引作業は手袋をして行うと安全でスムーズです。
💡フェンス仕立てやワイヤー誘引で枝を整理すると、風通しと収穫性が向上します。
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3
水やり・夏越し
約90日ラズベリーは冷涼な気候を好み、寒さには非常に強い一方、日本の高温多湿な夏が苦手です。根が浅く乾燥にもやや弱いので、土の表面が乾いたらたっぷりと水を与え、特に夏は水切れに注意します。株元をワラやバークでマルチングすると、乾燥防止と、根の温度上昇を抑える効果があり、夏越しに役立ちます。
暑さが厳しい地域では、鉢植えにして夏は半日陰の涼しい場所に移すと安心です。風通しを良く保ち、蒸れを避けることも、夏に株を弱らせないポイント。涼しい環境を作ってやれば、暑い地域でも元気に育てられます。
💡夏の高温と乾燥が大敵。マルチングと半日陰で涼しく、水を切らさず管理します。
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4
シュート管理・剪定
約60日ラズベリー栽培の要が、枝(シュート)の管理と剪定です。多くの品種は、枝が1年目に伸び、2年目に実をつけて枯れる2年サイクル。タイプで剪定が異なります。「一季なり(夏果)」は、初夏に実をつけた2年目の枝を収穫後すぐ根元から切り、その年に伸びた新しいシュートを翌年用に残します。
「二季なり(夏秋果)」は、その年伸びた枝の秋に実り、翌夏にも実るので、冬に枯れ枝のみ整理する方法と、毎冬すべて地際で刈り、秋果に一本化する簡単な方法があります。いずれも、地下茎から増えすぎたシュートは適度に間引いて、株の混みすぎを防ぎます。
💡タイプ(一季なり/二季なり)で剪定が違います。実った古い枝は切り、新枝を育てます。
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5
収穫
約30日ラズベリーは、植え付けの翌年(早ければ二季なりは当年の秋)から収穫が始まります。実が全体に色づき、完熟して指で軽くつまむと、中心の白い芯(花托)を枝に残してスポッと簡単に外れるようになったら食べ頃です。完熟果は香りも甘みも格別ですが、非常にやわらかく傷みやすいので、やさしく摘み取ります。
色づいた実から順に、こまめに収穫しましょう。とても日持ちしないため、生で食べきれない分は、すぐに冷凍するかジャムに加工すると無駄なく楽しめます。鳥も実を好むので、心配な場合は防鳥ネットをかけて守ります。もぎたての完熟果を味わえるのが、家庭栽培最大のごほうびです。
💡完熟して芯を残して外れたら食べ頃。日持ちしないので冷凍やジャムで保存します。
Checklist
育てる前のチェックリスト
-
✓800〜2,000円
ラズベリーの苗
一季なり・二季なりを選ぶ。
-
✓500〜1,200円
果樹・野菜用培養土
水はけと水もちの良いもの。
-
○1,000〜3,000円
大型鉢(8〜10号) (任意)
広がりを抑えて育てられる。
-
○400〜1,500円
支柱・誘引ワイヤー (任意)
枝の誘引に。
Pests & Diseases
かかりやすい病害虫
アブラムシ
時々症状: 新芽が縮れる、葉がべたつく、すす病を誘発。
予防: 風通しを良くし、窒素過多を避ける。シルバーマルチで忌避。
対処: 見つけ次第捕殺、牛乳スプレーや薬剤で防除。
ハダニ
時々症状: 葉に白いかすり状の斑点、ひどいと葉が枯れる。
予防: 葉裏への葉水で乾燥を防ぐ。
対処: 葉裏への葉水を継続し、専用の殺ダニ剤を使用する。
灰色かび病
時々症状: 花弁や果実が褐変し灰色のカビに覆われる。
予防: 枯れ花をこまめに除去、密植を避ける。
対処: 罹病部を処分し殺菌剤を散布。
Harvest
収穫の情報
Common mistakes
失敗あるある TOP3
⚠ 夏の高温・乾燥で弱る
夏に葉が傷み生育が衰えます。
原因: 冷涼性で高温多湿が苦手、根の乾燥。
対策: 半日陰で涼しく管理し、マルチングと水やりで乾燥と高温を防ぎます。
⚠ シュートの増えすぎ・混みすぎ
枝が乱立して混み合い、実つきや風通しが悪化。
原因: 地下茎からのシュートの放任。
対策: 増えすぎたシュートを間引き、根止めや鉢植えで範囲を管理します。
⚠ 灰色かび病
実や花に灰色のカビが出て傷みます。
原因: 梅雨や多湿、株の蒸れ。
対策: 誘引・剪定で風通しを良くし、傷んだ実を早めに除去します。
FAQ
よくある質問
なります。自家結実性があるため、受粉樹を用意しなくても1本で結実します。植え付けの翌年から収穫でき、初心者にも育てやすいベリーです。
一季なりは初夏に一度実り、二季なりは夏と秋の二度実ります。剪定方法が異なり、二季なりは「冬にすべて地際で刈る」簡単な方法もあるので、初心者には二季なりが扱いやすいです。
冷涼を好み高温多湿が苦手なためです。夏は半日陰の涼しい場所に置き、株元をマルチングして根の乾燥と高温を防ぎ、水を切らさないようにします。
地下茎から新しい枝(シュート)を出して広がる性質です。地植えは根止めをするか鉢植えにし、増えすぎたシュートは適度に間引いて管理します。
できます。8〜10号以上の鉢に植え、広がりを抑えながら育てられます。水切れと夏の高温に注意し、支柱で枝を誘引すると管理しやすくなります。
完熟果は非常にやわらかく傷みやすいのが特徴です。生で食べきれない分はすぐ冷凍するか、ジャムやソースに加工すると無駄なく楽しめます。
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