シクラメン
Cyclamen persicum Cyclamen
シクラメンは、寒い冬から春にかけて、うつむきかげんに咲く花びらが反り返った独特の花姿で、冬の鉢花の女王とも呼ばれる人気の球根植物です。赤・ピ...
かんたんに言うと
シクラメンは冬の鉢花の女王。室内向きは明るく涼しい窓辺で、球根の上や中心に水をためず株元か底面給水で。咲き終わりはねじり取ると次々咲きます。
Profile
基本情報
シクラメンは、寒い冬から春にかけて、うつむきかげんに咲く花びらが反り返った独特の花姿で、冬の鉢花の女王とも呼ばれる人気の球根植物です。赤・ピンク・白・紫と豊富な花色に、ハート形の美しい葉が彩りを添え、花の少ない冬の室内や玄関先を華やかに飾ってくれます。
冬のギフトとしても定番で、年末には鉢花が多く出回ります。シクラメンには、暖かい室内で楽しむ一般的な大輪・中輪の「シクラメン」と、寒さに強く戸外の花壇でも育てられる小型の「ガーデンシクラメン」があり、育てる場所で選びます。栽培のポイントは、第一に、寒さにやや弱い室内向きシクラメンは、暖房の効きすぎない明るく涼しい窓辺で育てること(ガーデンシクラメンは戸外でも可)。
第二に、球根(塊茎)の上部や葉・花の中心に水をためると腐りやすいので、水やりは株元の縁から与えるか、鉢底から吸わせる「底面給水」にすること。第三に、咲き終わった花やしおれた葉は、つけ根からねじって引き抜き、こまめに取り除くこと。これで蒸れと病気を防ぎ、次々と花が上がります。
多くは夏に休眠する多年草で、上手に夏越しさせれば翌年もまた花を楽しめます。冬を彩る華やかな花として、暮らしに季節の彩りを添えてくれる花です。
💡豆知識
シクラメンの和名「カガリビバナ(篝火花)」は、反り返って咲く花の姿を、燃え上がる篝火(かがりび)の炎に見立てたものです。また、うつむいて咲く花を、恥ずかしがってうつむく姿に見立て、「はにかみ」「内気」といった花言葉も生まれました。原産は地中海沿岸で、現在出回る園芸品種の多くは、この地域に自生する原種をもとに改良されたものです。
シクラメンの特徴的な性質に、種をつけたあと、花茎をくるくると渦巻き状に巻きながら地面に倒し、種を地面の近くに運ぶというユニークな仕組みがあります。私たちが球根と呼ぶ、土の上に見える丸い部分は、正確には「塊茎(かいけい)」という、茎が肥大した器官。原種系の小さな花を咲かせる「原種シクラメン」は、より野趣に富み、寒さに強くて庭植えでも育てやすいため、近年人気が高まっています。
Calendar
育成カレンダー
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 植え付け | 10月は植え付け | 11月は植え付け | ||||||||||
| 開花 | 1月は開花 | 3月は開花 | 12月は開花 | |||||||||
| 追肥 | 12月は追肥 |
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
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| 植え付け | 10月は植え付け | |||||||||||
| 開花 | 1月は開花 | 3月は開花 | 12月は開花 | |||||||||
| 追肥 | 12月は追肥 |
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 植え付け | 10月は植え付け | |||||||||||
| 開花 | 1月は開花 | 3月は開花 | 12月は開花 | |||||||||
| 追肥 | 12月は追肥 |
数字は月を表します。色帯のある月がその作業の適期です。上のタブで地域を切り替えられます。
At a glance
ひと目でわかる特徴
Specs
形態と環境条件
形態
- 草丈
- 10〜30cm
- 株張り
- 15〜30cm
- 花のサイズ
- 直径2〜5cm
環境条件
- 日照
- 半日陰
- 耐寒温度
- 0℃
- 耐暑温度
- 28℃
- 土壌pH
- 6.0〜7.0
- 水やり
- 球根の上や中心を避け株元の縁から、または底面給水で。過湿に注意。
- 肥料
- 緩効性化成肥料・液肥
How to grow
育て方ステップ
-
1
鉢花・苗の選び方と置き場所
約7日シクラメンは種から育てると開花まで1年以上かかるため、秋から冬に出回る鉢花や苗から育てるのが一般的です。よい株は、株元(塊茎の周り)から花茎と葉がバランスよく密に立ち上がり、つぼみがたくさん上がっているもの。葉の数が多いほど、これから咲く花も多くなります。
育て方は、タイプによって異なります。一般的な室内向きの大輪・中輪シクラメンは、寒さにやや弱いので、室内の明るく涼しい窓辺に置きます。暖房の風が直接当たる場所や、暖かすぎる部屋は、花が早く終わったり徒長したりするので避けます。寒さに強い「ガーデンシクラメン」は、戸外の日当たりのよい花壇やベランダでも育てられ、霜が直接当たらなければ冬を越します。どちらも、日光不足だと花つきが悪くなるので、明るい場所で管理します。
💡つぼみと葉の多い株を選び、室内向きは明るく涼しい窓辺、ガーデン種は戸外でも育てられます。
-
2
水やり(球根を腐らせない)
約30日シクラメン栽培で最も大切で、最も失敗しやすいのが水やりです。シクラメンは、土の上に見える球根(塊茎)の上部や、株の中心(生長点)に水がかかってたまると、そこから腐ってしまうことがあります。そのため、水やりは、葉や花、球根の中心を避けて、鉢の縁から株元の土に静かに与えるのが基本です。
より安全なのが「底面給水(そこめんきゅうすい)」。受け皿や腰水に水をため、鉢底から水を吸わせる方法で、球根を濡らさずに済みます。底面給水鉢で売られていることも多いので、その場合は容器の水を切らさないようにします。水やりの頻度は、土の表面が乾いたらたっぷりと。過湿は根腐れや灰色かび病のもとなので、常に湿らせすぎないようにします。乾かしすぎると花や葉がしおれるので、適度な水分を保ちます。
💡球根の上・中心に水をためないのが鉄則。株元の縁から、または底面給水で与えます。
-
3
花がら・古葉の手入れと追肥
約90日シクラメンを長く美しく咲かせるには、こまめな手入れが欠かせません。咲き終わった花や、黄色くなった古い葉は、そのままにすると蒸れて灰色かび病の原因になり、見た目も悪くなります。これらを取り除くときは、ハサミで切るのではなく、花茎や葉柄のつけ根を持って、軽くねじりながら引き抜くのがコツ。
切り口が残ると、そこから腐りやすくなるためです。すっと抜けると気持ちよく、株元の風通しもよくなって、次の花やつぼみがよく上がります。また、花期が長く次々と咲くため、肥料をよく使います。生育・開花期(秋〜春)は、月に1〜2回、緩効性肥料や薄めた液肥で追肥を続けると、花つきがよくなります。
肥料が切れると花数が減ってくるので、定期的な追肥を心がけます。花が混み合ってきたら、中心に光が入るよう葉を外側に整える「葉組み」をすると、つぼみが育ちやすくなります。
💡咲き終わった花・古葉はねじって引き抜きます。月1〜2回の追肥で次々と花が上がります。
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4
冬の開花と寒さ対策
約90日シクラメンは、秋から春にかけての涼しい季節が生育・開花期で、冬に花の最盛期を迎えます。室内向きシクラメンは、暖房の効きすぎない明るく涼しい窓辺(10〜20℃くらい)で管理すると、花が長持ちし、次々とつぼみが上がります。夜間、窓辺が冷え込みすぎる場合は、部屋の中央側に移すなど、急激な温度変化を避けます。
ガーデンシクラメンは寒さに強く、戸外でも冬越しして花を咲かせますが、強い霜や凍結に当たると花や葉が傷むので、霜の心配がある夜は軒下に移すか、霜よけをすると安心です。冬のあいだ、水やり・花がら摘み・追肥を続けることで、長い期間にわたって花を楽しめます。日当たりのよい場所で管理すると、花つきがよく、株もしっかりします。寒い季節に咲き続ける花は、冬の暮らしの彩りになります。
💡室内向きは10〜20℃の明るい窓辺で長く開花。ガーデン種は強い霜だけ避けます。
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5
春以降と夏越し
約90日シクラメンは多年草で、上手に夏を越させれば、翌年もまた花を楽しめます。春が深まって気温が上がると花が終わり、夏は高温多湿が苦手なため、休眠に入ります。夏越しには二つの方法があります。ひとつは「休眠法」。春に水やりを徐々に減らして葉を枯らし、球根を乾かした状態で、風通しのよい涼しい日陰で夏を越させ、秋に植え替えて水やりを再開します。
もうひとつは「非休眠法」。葉を残したまま、夏も涼しい半日陰で水を控えめに与え続けて夏を越させる方法で、こちらのほうが秋からの生育がよいとされます。いずれも、夏の高温多湿と過湿による球根の腐敗が最大の敵なので、できるだけ涼しく、過湿を避けて管理します。
夏越しは難しめなので、毎年新しい鉢花を楽しむのも一つの方法。原種系やガーデンシクラメンは比較的夏越ししやすく、庭に植えっぱなしでふえることもあります。
💡夏は高温多湿が苦手で休眠。涼しく過湿を避けて夏越しします。難しければ毎年新しい株でも。
Checklist
育てる前のチェックリスト
-
✓800〜3,000円
シクラメンの鉢花・苗
室内向き・ガーデンシクラメンから選ぶ。
-
○400〜800円
草花用培養土 (任意)
植え替え・ガーデン種の植え付け用。
-
✓400〜900円
緩効性肥料・液肥
生育・開花期の追肥に。
-
○600〜1,500円
底面給水鉢 (任意)
球根を濡らさず水やりできて便利。
Pests & Diseases
かかりやすい病害虫
アブラムシ
時々症状: 新芽が縮れる、葉がべたつく、すす病を誘発。
予防: 風通しを良くし、窒素過多を避ける。シルバーマルチで忌避。
対処: 見つけ次第捕殺、牛乳スプレーや薬剤で防除。
ハダニ
時々症状: 葉に白いかすり状の斑点、ひどいと葉が枯れる。
予防: 葉裏への葉水で乾燥を防ぐ。
対処: 葉裏への葉水を継続し、専用の殺ダニ剤を使用する。
灰色かび病
よく発生症状: 花弁や果実が褐変し灰色のカビに覆われる。
予防: 枯れ花をこまめに除去、密植を避ける。
対処: 罹病部を処分し殺菌剤を散布。
Flower meaning
花言葉
-
「愛情・嫉妬」
赤
篝火のように燃え立つ赤い花姿から、情熱的な愛情を表すとされます。
-
「はにかみ・内気」
ピンク
うつむいて咲く花の姿を、恥ずかしがってうつむく様子に見立てたことにちなみます。
-
「清純・思いやり」
白
清楚な白い花が、清らかさと相手を思いやる気持ちを連想させることにちなみます。
-
「内気・遠慮がち」
紫
落ち着いた紫の花色とうつむく姿から、内気で控えめな心を表すとされます。
Common mistakes
失敗あるある TOP3
⚠ 球根(塊茎)の腐敗
株元の球根が軟らかくなり腐ります。
原因: 球根の上・中心への水たまり、過湿、切り口からの腐敗。
対策: 株元の縁か底面給水で与え、咲き終わりや古葉はねじり取り、過湿を避けます。
⚠ 灰色かび病
花や葉が腐り灰色のカビが出ます。
原因: 過湿・蒸れ、しおれ花や古葉の放置。
対策: 花がら・古葉をこまめに取り除き、風通しを確保し過湿を避けます。
⚠ 花が咲かない・徒長
花が少なく、葉柄がひょろ長くなります。
原因: 日照不足、暖かすぎる場所、肥料切れ。
対策: 明るく涼しい場所に置き、定期的に追肥します。
FAQ
よくある質問
一般的な大輪・中輪のシクラメンは寒さにやや弱く、明るく涼しい室内で楽しみます。「ガーデンシクラメン」は小型で寒さに強く、戸外の花壇やベランダでも冬越しして咲きます。育てる場所で選びましょう。
球根の上部や株の中心に水をためると腐ります。水やりは葉・花・中心を避けて株元の縁から、または底面給水で与えます。過湿を避け、咲き終わった花や古葉はねじり取って蒸れを防ぎます。
球根を濡らさないよう、鉢の縁から株元の土に与えるか、受け皿に水をためて鉢底から吸わせる「底面給水」が安全です。土の表面が乾いたらたっぷりと。過湿も乾かしすぎもよくありません。
日照不足、暖かすぎる場所、肥料切れ、花がら・古葉の放置が原因です。明るく涼しい場所に置き、月1〜2回追肥し、咲き終わりや古葉をねじり取って風通しを良くすると、次々と花が上がります。
ハサミで切らず、花茎のつけ根を持って軽くねじりながら引き抜きます。切り口が残ると腐りやすいためです。黄色くなった古い葉も同様に引き抜くと、蒸れを防げて次の花がよく上がります。
多年草で夏越しできますが、高温多湿が苦手で難しめです。春に水を減らして球根を休ませる「休眠法」か、涼しい半日陰で水控えめに葉を保つ「非休眠法」で、過湿を避けて涼しく管理します。毎年新しい株を楽しむのも一案です。
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