タイム
Thymus vulgaris Thyme
タイムは、すっと清涼感のある強い香りが特徴の常緑の小低木ハーブです。肉や魚の臭み消し、煮込み料理やスープの香りづけに欠かせない、ヨーロッパ料...
かんたんに言うと
タイムは日当たりと水はけの良い場所を好み、乾燥に強く過湿を避けて育てれば数年楽しめる、料理に便利な常緑ハーブです。
Profile
基本情報
タイムは、すっと清涼感のある強い香りが特徴の常緑の小低木ハーブです。肉や魚の臭み消し、煮込み料理やスープの香りづけに欠かせない、ヨーロッパ料理の定番ハーブとして広く使われます。地中海沿岸が原産で、乾燥と暑さに非常に強く、やせ地でもよく育つ丈夫さが魅力。
一度根づけば数年にわたって収穫でき、初夏には小さな可憐な花も咲かせます。大きく分けて、上に立ち上がって茂る「立ち性(コモンタイム等)」と、地面を這うように広がる「ほふく性(クリーピングタイム等)」があり、立ち性は料理用に、ほふく性はグランドカバーや花壇の縁取り、レンガの隙間の植栽などに向きます。
育て方のポイントは、ローズマリーと同じく「過湿を避けること」。乾燥には強い反面、多湿と蒸れには弱く、梅雨どきの湿気で株が傷みやすいので、水はけの良い土に植え、梅雨前に刈り込んで風通しを良くするのが長く育てるコツです。水のやりすぎによる根腐れが最大の失敗要因なので、乾かし気味に管理します。
繁殖力もあり、こぼれ種や挿し木、株分けで簡単に増やせるので、一株あれば長く楽しめる、初心者にも扱いやすいハーブです。香りで害虫を遠ざけるためコンパニオンプランツとして野菜のそばに植えても役立ち、料理から暮らしの香りづけまで幅広く活躍してくれる、一鉢あると重宝するハーブです。
💡豆知識
タイムの名は、ギリシャ語で「勇気」や「香りを焚く」を意味する言葉に由来するとされ、古代ギリシャ・ローマでは勇気の象徴とされていました。中世ヨーロッパでは、騎士の身につけるスカーフにタイムの小枝が刺繍され、勇気を授けるお守りとされたとも伝わります。
強い抗菌・防腐作用を持つ成分「チモール」を含むことから、古代エジプトではミイラの防腐に、ヨーロッパでは疫病よけの薫香や保存料として利用されてきた歴史があります。現在もうがい薬や口腔ケア製品などに、その抗菌成分が活かされています。
Calendar
育成カレンダー
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 植え付け | 3月は植え付け | 4月は植え付け | ||||||||||
| 開花 | 5月は開花 | 6月は開花 | ||||||||||
| 収穫 | 4月は収穫 | |||||||||||
| 剪定 | 6月は剪定 | |||||||||||
| 病害虫注意 | 7月は病害虫注意 |
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 植え付け | 3月は植え付け | 4月は植え付け | ||||||||||
| 開花 | 5月は開花 | 6月は開花 | ||||||||||
| 剪定 | 6月は剪定 | |||||||||||
| 病害虫注意 | 7月は病害虫注意 |
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 植え付け | 3月は植え付け | 4月は植え付け | ||||||||||
| 開花 | 5月は開花 | 6月は開花 | ||||||||||
| 剪定 | 6月は剪定 | |||||||||||
| 病害虫注意 | 7月は病害虫注意 |
数字は月を表します。色帯のある月がその作業の適期です。上のタブで地域を切り替えられます。
At a glance
ひと目でわかる特徴
Specs
形態と環境条件
形態
- 草丈
- 5〜30cm
- 株張り
- 20〜40cm
- 花のサイズ
- 小さな淡桃〜紫の花
環境条件
- 日照
- 日なた
- 耐寒温度
- -10℃
- 耐暑温度
- 35℃
- 土壌pH
- 6.0〜7.5
- 水やり
- 乾かし気味に。土が乾いてからたっぷり、過湿厳禁。
- 肥料
- 緩効性化成肥料(少量)
How to grow
育て方ステップ
-
1
苗の植え付け
約1日タイムは種からも育ちますが発芽がやや遅く細かいため、初心者は苗からが手軽で確実です。植え付け適期は気候の穏やかな春(3〜5月)または秋。過湿を何より嫌うので、日当たりと風通しが良く、水はけの良い場所を選びます。用土は市販のハーブ用培養土に赤玉土やパーライトを混ぜて水はけを高めるのが理想です。
鉢は通気性の良い素焼き鉢が向きます。立ち性は料理用に、ほふく性はグランドカバーや鉢の縁から垂らす用途に植えます。蒸れ防止のため株間は20〜30cmと、やや広めにとります。植え付け後はたっぷり水を与えて活着させます。
💡水はけ最優先。用土に赤玉土やパーライトを混ぜると失敗が減ります。
-
2
水やり
約365日タイム栽培で最も重要なのが水やりの加減です。地中海原産で乾燥には非常に強い一方、過湿による根腐れが枯死の最大の原因になります。鉢植えは、土の表面が乾いてさらに中まで乾いたのを確認してから、鉢底から流れ出るまでたっぷり与える「乾いたらたっぷり」のメリハリが基本です。
受け皿に溜まった水は必ず捨てます。地植えで根づいたあとは、よほど乾燥が続かない限り水やりはほとんど不要です。「水のやりすぎで枯らす」ことが圧倒的に多いので、迷ったら控えるくらいでちょうど良く育ちます。
💡乾かし気味が鉄則。受け皿の水はためず、過湿を徹底的に避けます。
-
3
刈り込み(蒸れ対策)
約1日タイムは細かい茎葉が密に茂るため、放っておくと株の内部が蒸れて風通しが悪くなり、高温多湿の日本の梅雨に弱点をさらします。蒸れると内側から枯れ込んだり、灰色かび病が出たりするので、梅雨入り前に株全体を半分ほどの高さに刈り込み、風が株の中を通り抜けるようにします。
刈り込みは収穫も兼ねられて一石二鳥です。木質化した古い枝の途中で切ると芽吹きにくいので、緑の葉が残る位置で切るのがコツ。これを毎年繰り返すことで、株が蒸れで弱るのを防ぎ、こんもりと若い枝葉を保てます。
💡梅雨前の刈り込みで蒸れを防止。収穫も兼ねられて一石二鳥です。
-
4
収穫
約300日タイムは常緑性で、必要なときに枝先を切り取って一年中いつでも収穫できます。料理に使うときは、使う分だけ枝ごと摘み取り、指で枝をしごいて小さな葉を外して使います。香りがもっとも高まるのは、花が咲く直前の初夏ごろ。気温が上がる前の朝のうちに収穫すると、香り成分がよく保たれます。
一度にたくさん収穫したときは、小枝を束ねて風通しの良い日陰に吊るして乾燥させれば、ドライハーブとして長期保存できます。生の枝は煮込み料理にそのまま入れ、仕上げに取り出す「ブーケガルニ」としても活躍します。
💡香りが高いのは開花直前。乾燥保存すれば一年中使えます。
-
5
増やし方・株の更新
約1日タイムは数年育てると株元が木質化して茎が硬くなり、中心が枯れ込んで生育が衰えてきます。若々しい株を保つには、挿し木や株分けで定期的に更新するのがおすすめです。挿し木は、春か秋に、まだ柔らかい若い枝を10cmほど切って下葉を取り、水はけの良い土に挿しておくと、数週間で発根します。
ほふく性のタイプは、地面に接した茎から自然に根が出る「伏せ枝」でも簡単に増やせます。こぼれ種から芽生えることもあります。古くなった親株は、こうして増やした新しい株に植え替えていくと、いつも香りの良い若葉を収穫できます。
💡挿し木で簡単に増やせます。数年ごとに株を更新すると香りを保てます。
Checklist
育てる前のチェックリスト
-
✓300〜600円
タイムの苗
立ち性・ほふく性を選ぶ。
-
✓400〜900円
ハーブ用培養土(水はけ重視)
赤玉土を混ぜると良い。
-
✓500〜1,500円
素焼き鉢など
通気性の良い鉢が向く。
Pests & Diseases
かかりやすい病害虫
アブラムシ
まれ症状: 新芽が縮れる、葉がべたつく、すす病を誘発。
予防: 風通しを良くし、窒素過多を避ける。シルバーマルチで忌避。
対処: 見つけ次第捕殺、牛乳スプレーや薬剤で防除。
ハダニ
時々症状: 葉に白いかすり状の斑点、ひどいと葉が枯れる。
予防: 葉裏への葉水で乾燥を防ぐ。
対処: 葉裏への葉水を継続し、専用の殺ダニ剤を使用する。
灰色かび病
時々症状: 花弁や果実が褐変し灰色のカビに覆われる。
予防: 枯れ花をこまめに除去、密植を避ける。
対処: 罹病部を処分し殺菌剤を散布。
Nutrition
栄養と食べ方
- エネルギー
- 100kcal
- ビタミンC
- 60mg
- ビタミンA
- 170μg
- 葉酸
- 90μg
- 鉄
- 17mg
- カルシウム
- 400mg
- カリウム
- 610mg
- 食物繊維
- 14g
旬・味: 初夏が香りのピーク。清涼感のある強い香り。
保存: 小枝を束ねて乾燥保存。冷凍やオイル漬けも可。
Common mistakes
失敗あるある TOP3
⚠ 過湿による根腐れ
株全体が茶色く枯れ込みます。
原因: 水のやりすぎや水はけの悪い用土。
対策: 乾かし気味に管理し、水はけの良い用土に植え替えます。
⚠ 梅雨の蒸れ
内側の茎葉が枯れ込み弱ります。
原因: 茂りすぎと多湿による蒸れ。
対策: 梅雨前に半分ほどに刈り込み、風通しを良くします。
⚠ 株の木質化・老化
茎が硬くなり中心が枯れ生育が衰えます。
原因: 数年経過による自然な老化。
対策: 挿し木や株分けで新しい株に更新します。
FAQ
よくある質問
最も多いのは過湿による根腐れと、梅雨の蒸れです。乾かし気味に管理し、水はけの良い用土を使い、梅雨前に刈り込んで風通しを確保しましょう。
立ち性(コモンタイム等)は上に茂り料理向き、ほふく性(クリーピングタイム等)は地面を這うのでグランドカバーや鉢からの垂らしに向きます。
簡単に増やせます。春か秋に若い枝を10cmほど切り、下葉を取って水はけの良い土に挿すと数週間で発根します。
耐寒性が高く、屋外で冬を越せます。常緑なので冬も少しずつ収穫できます。鉢は凍結しすぎない場所に置くとより安心です。
やせ地でも育つため、肥料はほとんど不要です。与えるなら春と秋に少量で十分。多いと間延びして香りが弱くなります。
数年育てて株元が木質化したサインです。挿し木や株分けで新しい株に更新すると、再び若々しい香りの良い枝葉を収穫できます。
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