ラベンダー
Lavandula Lavender
ラベンダーは、爽やかで心安らぐ香りと、初夏に立ち上がる紫色の花穂で知られる、ハーブの女王ともいえる存在です。北海道・富良野の一面のラベンダー...
かんたんに言うと
ラベンダーは乾燥を好むハーブで、温暖地では暑さに強いフレンチ系やラバンディンを選び、水はけよく乾かし気味に育て、花後に刈り込んで蒸れを防ぐのがコツです。
Profile
基本情報
ラベンダーは、爽やかで心安らぐ香りと、初夏に立ち上がる紫色の花穂で知られる、ハーブの女王ともいえる存在です。北海道・富良野の一面のラベンダー畑のイメージが強いように、本来は冷涼で乾燥した地中海性の気候を好む植物で、日本の高温多湿な夏をいかに涼しく乗り切らせるかが栽培最大のポイントになります。
系統はいくつかあり、香りが良く精油も採れるが暑さに弱い「イングリッシュ(コモン)ラベンダー」、花の先にウサギの耳のような苞をつけ暑さに比較的強い「フレンチ(ストエカス)ラベンダー」、その中間で丈夫な「ラバンディン」などがあります。温暖地で育てるなら、暑さに強いフレンチ系やラバンディンを選ぶと失敗しにくくなります。
栽培のコツは、第一に、過湿を何より嫌うので、水はけのよい土に植え、水のやりすぎを避けること。第二に、梅雨や夏の蒸れを防ぐため、花後に株を刈り込んで風通しよく整えること。第三に、強い日ざしと風通しのよい場所で乾かし気味に育てることです。常緑性の低木で、一度根づけば毎年花を咲かせ、収穫した花穂はドライフラワーやポプリ、ハーブティーにと幅広く楽しめる、暮らしを豊かにしてくれるハーブです。花だけでなく、シルバーがかった銀緑色の細い葉も美しく、花のない季節も庭やベランダに上品な彩りと爽やかな香りを添えてくれます。
💡豆知識
ラベンダーの名は、ラテン語で「洗う」を意味する「lavare(ラワーレ)」に由来するとされ、古代ローマ人が浴用や洗濯に香りづけとして用いたことにちなむといわれます。その芳香にはリラックス効果があるとされ、古くから安眠を促す香りとして、ポプリやサシェ(香り袋)、枕元の香りとして親しまれてきました。
花や葉から採れる精油(エッセンシャルオイル)はアロマテラピーの代表格で、抗菌・鎮静作用があるとされます。日本では北海道・富良野の栽培が有名で、夏に観光名所となる広大なラベンダー畑は、冷涼な気候を好むこの植物が日本で根づいた好例です。香りの主成分は酢酸リナリルやリナロールで、品種によって香りの個性が異なります。
Calendar
育成カレンダー
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 種まき | 3月は種まき | |||||||||||
| 植え付け | 4月は植え付け | 9月は植え付け | ||||||||||
| 開花 | 6月は開花 | |||||||||||
| 収穫 | 6月は収穫 | |||||||||||
| 剪定 | 7月は剪定 | |||||||||||
| 追肥 | 4月は追肥 |
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 植え付け | 4月は植え付け | 9月は植え付け | ||||||||||
| 開花 | 6月は開花 | |||||||||||
| 収穫 | 6月は収穫 | |||||||||||
| 剪定 | 7月は剪定 | |||||||||||
| 追肥 | 4月は追肥 |
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 植え付け | 4月は植え付け | 9月は植え付け | ||||||||||
| 開花 | 6月は開花 | |||||||||||
| 収穫 | 6月は収穫 | |||||||||||
| 剪定 | 7月は剪定 | |||||||||||
| 追肥 | 4月は追肥 |
数字は月を表します。色帯のある月がその作業の適期です。上のタブで地域を切り替えられます。
At a glance
ひと目でわかる特徴
Specs
形態と環境条件
形態
- 草丈
- 30〜100cm
- 株張り
- 30〜80cm
- 花のサイズ
- 穂状花序(長さ5〜10cm)
環境条件
- 日照
- 日なた
- 耐寒温度
- -10℃
- 耐暑温度
- 35℃
- 土壌pH
- 6.5〜7.5
- 水やり
- 乾燥を好む。土がしっかり乾いてからたっぷり。過湿厳禁。
- 肥料
- 緩効性化成肥料(控えめ)
How to grow
育て方ステップ
-
1
系統選びと苗の植え付け
約7日ラベンダー栽培は系統選びが成否を分けます。香りが最も良いイングリッシュ(コモン)ラベンダーは暑さに弱く、関東以西の温暖地では夏越しが難しいので、暑さに比較的強いフレンチ(ストエカス)ラベンダーやラバンディンを選ぶと育てやすくなります。種からも育てられますが発芽に時間がかかるため、苗から始めるのが手軽です。
植え付けは春(3〜5月)か秋(9〜10月)。過湿を嫌うので、水はけのよい土を使い、鉢植えなら草花用培養土に軽石や砂を混ぜて水はけを高めます。地植えは、雨で水がたまらない高めの場所に植え、株間を30cm以上あけて風通しを確保します。植え付け後はしっかり日に当てて根を張らせます。
💡温暖地は暑さに強いフレンチ系・ラバンディンを。水はけ重視で植え付けます。
-
2
水やりと置き場所
約30日ラベンダーは乾燥を好み、過湿を何より嫌います。水のやりすぎは根腐れや蒸れの原因になるので、土の表面が乾いてさらに中までしっかり乾いてから、たっぷり与えるのが基本です。とくに梅雨どきは雨に当たりすぎないよう、鉢植えは軒下など雨を避けられる場所に移すと安心です。
置き場所は、日当たりと風通しのよい場所が最適。日照不足だと花つきが悪く、香りも弱くなります。地植えで根づいた株は、よほど乾燥が続かないかぎり水やりは不要です。肥料は控えめでよく、与えすぎるとかえって株が軟弱に茂って蒸れやすくなり、香りも弱くなるので注意します。
💡乾かし気味が基本。梅雨は雨を避け、日当たりと風通しのよい場所で育てます。
-
3
収穫(花穂摘み)
約14日初夏(地域により5〜7月)、花穂が伸びて下のほうの花が咲き始め、つぼみが色づいた頃が香りのピークで収穫適期です。完全に咲ききる前の、つぼみが3分の1ほど開いたタイミングで収穫すると、香りが強く、ドライフラワーにしても色と香りが長く保てます。
よく晴れた日の午前中、花穂の下の葉のつけ根あたりで茎ごと切り取ります。収穫を兼ねて花茎を切ることで、株の蒸れも防げて一石二鳥です。収穫した花穂は、束ねて風通しのよい日陰に逆さに吊るして乾かせば、ドライフラワーやポプリ、サシェ(香り袋)に。生花のままハーブティーやお菓子の香りづけにも使えます。
💡つぼみが3分割ほど開いた頃に収穫。晴れた午前中に切ると香りが長持ちします。
-
4
花後の刈り込み(夏越し対策)
約7日ラベンダーを夏に枯らさないための最重要作業が、花が終わったあとの刈り込みです。日本の高温多湿の夏は、株が茂って風が通らないと内部が蒸れて株が一気に傷みます。花が終わったら、株全体を3分の1から半分ほど、こんもりとした形を保ちながら刈り込み、風通しと日当たりを良くします。
このとき、葉のない古い茶色い枝の部分まで強く切り戻すと芽が出ないことがあるので、緑の葉が残る位置で切るのがコツです。刈り込みで株がコンパクトに締まり、蒸れによる枯れ込みを防げます。梅雨入り前に済ませておくと、ジメジメした時期を風通しよく乗り切れ、秋にまた花を楽しめる品種もあります。
💡花後に株を3分の1〜半分刈り込み、緑の葉を残して切ると蒸れずに夏を越せます。
-
5
夏越し・冬越しと植え替え
約7日夏は、刈り込みで風通しを確保したうえで、鉢植えは半日陰の涼しい場所に移すと安心です。地植えで蒸れやすい場所なら、株元に小石を敷いて照り返しと泥はねを抑えるのも有効です。冬は、イングリッシュ系は寒さに強く戸外で越せますが、フレンチ系は寒さにやや弱いので、寒冷地では鉢を軒下や室内の明るい場所に取り込みます。
鉢植えは数年で根詰まりするので、1〜2年に一度、ひと回り大きな鉢に水はけのよい土で植え替えます。挿し木でふやすこともでき、刈り込んだ枝を使えば手軽に株を更新できます。蒸れと過湿さえ避ければ、毎年初夏に香り高い花を楽しめる丈夫なハーブです。
💡夏は涼しく、冬はフレンチ系を保護。1〜2年ごとに水はけ良く植え替えます。
Checklist
育てる前のチェックリスト
-
✓300〜800円
ラベンダーの苗
地域に合う系統(フレンチ系・ラバンディン等)を選ぶ。
-
✓400〜1,000円
水はけのよい培養土・軽石
過湿を嫌うので水はけ重視。
-
○500〜1,500円
鉢(5〜7号) (任意)
鉢植えで夏に移動できると安心。
-
○400〜900円
緩効性肥料 (任意)
春秋に少量。与えすぎ注意。
Pests & Diseases
かかりやすい病害虫
アブラムシ
時々症状: 新芽が縮れる、葉がべたつく、すす病を誘発。
予防: 風通しを良くし、窒素過多を避ける。シルバーマルチで忌避。
対処: 見つけ次第捕殺、牛乳スプレーや薬剤で防除。
ハダニ
時々症状: 葉に白いかすり状の斑点、ひどいと葉が枯れる。
予防: 葉裏への葉水で乾燥を防ぐ。
対処: 葉裏への葉水を継続し、専用の殺ダニ剤を使用する。
灰色かび病
時々症状: 花弁や果実が褐変し灰色のカビに覆われる。
予防: 枯れ花をこまめに除去、密植を避ける。
対処: 罹病部を処分し殺菌剤を散布。
Nutrition
栄養と食べ方
旬・味: 初夏が花の旬。爽やかで甘く心安らぐ芳香が特徴。
保存: 花穂を束ねて日陰に逆さに吊るして乾燥。ドライやポプリで長期保存できる。
Common mistakes
失敗あるある TOP3
⚠ 夏の蒸れで枯れる
梅雨〜夏に株の内側から茶色く枯れ込みます。
原因: 高温多湿による蒸れ、風通しの悪さ。
対策: 花後に刈り込んで風通しを確保し、梅雨は雨を避け涼しく管理します。
⚠ 過湿による根腐れ
株全体が急に元気をなくし枯れます。
原因: 水のやりすぎ、水はけの悪い土。
対策: 水はけのよい土に植え、土がしっかり乾いてから水やりします。
⚠ 花つきが悪く香りも弱い
葉ばかり茂り花が少なく香りも薄いです。
原因: 日照不足、肥料の与えすぎ。
対策: 日当たりと風通しのよい場所に置き、肥料を控えめにします。
FAQ
よくある質問
育てられますが、香りの良いイングリッシュ系は暑さに弱く夏越しが難しいです。温暖地では暑さに強いフレンチ(ストエカス)系やラバンディンを選び、水はけよく刈り込んで蒸れを防げば育てられます。
高温多湿による蒸れが原因です。花後に株を3分の1〜半分刈り込んで風通しを良くし、梅雨は雨を避け、鉢植えは涼しい半日陰に移します。水のやりすぎも根腐れのもとです。
乾燥を好むので、土がしっかり乾いてからたっぷりが基本です。常に湿った状態は根腐れと蒸れを招きます。地植えで根づけば、ほとんど水やりは不要です。
日照不足か、肥料の与えすぎが主な原因です。日当たりと風通しのよい場所に置き、肥料は控えめにします。日によく当てるほど花つきと香りが良くなります。
つぼみが3分の1ほど開いた頃が香りのピークで収穫適期です。晴れた日の午前中に切ると、ドライフラワーにしても色と香りが長持ちします。
逆さに吊るして乾かし、ドライフラワーやポプリ、サシェ(香り袋)に。生花はハーブティーやお菓子の香りづけにも使えます。安眠を促す香りとして枕元に置くのも人気です。
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