ヤロウ
Achillea millefolium Yarrow
ヤロウは、細かく羽状に切れ込んだ、ふわふわとした葉と、小さな花が、平らな傘のように集まって咲く花姿が特徴の、丈夫で育てやすい宿根ハーブです。...
かんたんに言うと
ヤロウ(セイヨウノコギリソウ)は、平らに集まって咲く花と羽状の葉が特徴の丈夫な宿根ハーブ。暑さ寒さ乾燥に強く手間いらずで、毎年咲きます。古くから薬草として使われ、ドライフラワーや切り花、蜜源にも。日当たり・風通しのよい乾き気味の場所を好みます。
Profile
基本情報
ヤロウは、細かく羽状に切れ込んだ、ふわふわとした葉と、小さな花が、平らな傘のように集まって咲く花姿が特徴の、丈夫で育てやすい宿根ハーブです。和名を「セイヨウノコギリソウ(西洋鋸草)」といい、葉のふちが、こまかいノコギリの歯のように、ぎざぎざしていることに由来します。
白を基本に、ピンク、赤、黄、オレンジなど、花色が豊富で、平らに咲く花が、初夏から夏にかけて、長く楽しめ、花壇や、ナチュラルガーデン、切り花や、ドライフラワーとして、人気があります。ヤロウは、ヨーロッパなどが原産の、キク科の多年草。学名の「アキレア」は、ギリシャ神話の英雄アキレスに由来し、アキレスが、この草を、兵士たちの傷の手当てに使った、という伝説から名づけられました。
その名のとおり、ヤロウは、古くから、傷の手当てや、止血、解熱など、薬草(メディカルハーブ)として、世界中で利用されてきた、歴史の深いハーブです。ハーブティーとしても飲まれます。栽培面では、とにかく丈夫なのが魅力。暑さ・寒さ・乾燥に非常に強く、やせ地でも育ち、病害虫も少なく、ほとんど手がかかりません。
日当たりと風通しのよい場所を好み、一度植えると、地下茎で広がりながら、毎年、花を咲かせます。花は、蜜が多く、ミツバチやチョウを引き寄せる、優秀な蜜源植物。丈夫で、花も葉も美しく、薬用にもなり、ドライフラワーでも長く楽しめる、多才で頼れる宿根ハーブです。
💡豆知識
ヤロウの学名「アキレア(Achillea)」は、ギリシャ神話の英雄アキレスにちなみます。トロイ戦争で、アキレスが、傷ついた兵士たちの手当てに、この草を使って、出血を止めた、という伝説が伝えられており、ヤロウが、古くから「止血草」「兵士の傷草」として、知られていたことを物語ります。
実際に、ヤロウには、止血や、炎症をやわらげる働きがあるとされ、ヨーロッパでは、傷薬や、風邪・発熱のときのハーブティーとして、民間療法で、長く利用されてきました。種小名の「ミレフォリウム(millefolium)」は、「千の葉」という意味で、葉が、細かく、たくさんに切れ込んでいる様子を表しています。
ヤロウは、その丈夫さから、ヨーロッパの野原や、道ばたに、ごくふつうに自生し、野草としても、なじみ深い植物。花が、平らな面で集まって咲くため、テーブルのように、虫が止まりやすく、ミツバチやチョウ、さまざまな益虫を引き寄せる、ナチュラルガーデンの人気者でもあります。
花を、逆さに吊るして乾かすと、色あせしにくい、美しいドライフラワーになり、リースや、アレンジに、長く楽しめます。また、コンパニオンプランツ(共栄植物)として、近くの植物を、丈夫にするともいわれ、菜園の隅に植えられることもある、多才なハーブです。
Calendar
育成カレンダー
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 植え付け | 4月は植え付け | |||||||||||
| 開花 | 6月は開花 | |||||||||||
| 収穫 | 7月は収穫 | |||||||||||
| 病害虫注意 | 7月は病害虫注意 |
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
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| 植え付け | 4月は植え付け | |||||||||||
| 開花 | 6月は開花 | |||||||||||
| 収穫 | 7月は収穫 | |||||||||||
| 病害虫注意 | 7月は病害虫注意 |
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 植え付け | 4月は植え付け | |||||||||||
| 開花 | 6月は開花 | |||||||||||
| 収穫 | 7月は収穫 | |||||||||||
| 病害虫注意 | 7月は病害虫注意 |
数字は月を表します。色帯のある月がその作業の適期です。上のタブで地域を切り替えられます。
At a glance
ひと目でわかる特徴
Specs
形態と環境条件
形態
- 草丈
- 30〜100cm
- 株張り
- 30〜60cm
- 花のサイズ
- 小花が平らな傘状に集まって咲く(白・ピンク・赤・黄)
環境条件
- 日照
- 日なた
- 耐寒温度
- -20℃
- 耐暑温度
- 38℃
- 土壌pH
- 6.0〜7.5
- 水やり
- 乾燥に強い。土が乾いたら与える程度。過湿を避ける。
- 肥料
- 緩効性化成肥料
How to grow
育て方ステップ
-
1
置き場所・植え付け
約7日ヤロウは、日光を好み、乾燥に非常に強い宿根ハーブなので、日当たりと風通しのよい場所に植え付けます。植え付けの適期は、春(3〜5月)か、秋(9〜10月)。種からも育てられますが、苗を植えるのが手軽です。ヤロウは、とにかく丈夫で、暑さ・寒さ・乾燥に強く、やせ地でも、よく育つので、土質は、ほとんど選びません。
むしろ、肥えすぎた土や、過湿の場所では、間延びして、倒れやすくなったり、蒸れたりするので、水はけのよい、乾き気味の、やせ気味の土のほうが、しまった、よい株に育ちます。植え付け場所は、生育旺盛で、地下茎で横に広がるので、株間を、30〜50cmほど、ゆったりとあけます。
背が高くなる品種もあるので、花壇では、後方や中ほどに植えると、バランスがよくなります。ヤロウは、ナチュラルガーデンや、野草風の庭、ボーダーガーデンに、とてもよくなじみ、平らに咲く花が、ほかの草花と組み合わせると、景色に、変化とリズムを生みます。
地下茎で広がるので、広げたくない場合は、鉢植えにするか、地中に仕切りを入れて、広がりを抑えます。日当たりが悪いと、花つきが悪くなり、徒長して、倒れやすくなるので、できるだけよく日の当たる場所を選ぶのが、丈夫に育てるコツです。
💡春か秋に、日当たり・風通し・水はけのよい場所へ。やせ気味・乾き気味でしまった株に。地下茎で広がるので株間と広がり対策を。
-
2
水やりと肥料(乾燥に強い)
約30日ヤロウは、乾燥に非常に強いハーブなので、水やりは、ごく控えめでかまいません。地植えで根づいた株は、基本的に、雨水だけで育ち、よほど乾燥が続くとき以外は、水やりは、ほとんど不要です。むしろ、水のやりすぎや、過湿は、根を傷めたり、株が間延びして倒れたり、高温多湿で蒸れて、うどんこ病などが出たりする原因になるので、注意します。
「乾いたら与える、乾き気味に育てる」のが基本。鉢植えの場合は、地植えより乾きやすいので、土の表面が乾いたら、たっぷり与えますが、過湿にはせず、受け皿の水は捨てて、水はけのよい状態を保ちます。肥料も、やせ地でも育つ丈夫な植物なので、ほとんど必要ありません。
春の芽出しのころに、緩効性肥料を、少量与える程度で十分。肥料、とくに窒素分を与えすぎると、葉や茎が、軟弱に、間延びして、ひょろひょろと伸び、花の重みで倒れやすくなったり、蒸れやすくなったりするので、控えめが鉄則です。手をかけすぎず、乾かし気味に、肥料控えめで育てるほうが、株がしまって、丈夫に、たくさんの花を咲かせる、おおらかなハーブ。乾燥に強い性質を生かして、水やりのあまりできない場所や、ロックガーデンなどでも、活躍します。
💡乾燥に非常に強いので水やりは控えめ、乾き気味に。過湿・多肥は徒長・倒伏・蒸れのもと。肥料は春に少量で十分。
-
3
花を楽しむ・切り戻し
約60日ヤロウは、初夏から夏(5〜8月ごろ)にかけて、平らな傘のように、小花が集まった花を、たくさん咲かせます。白、ピンク、赤、黄色など、品種によって、さまざまな花色があり、平らに咲く花が、群れて咲くと、見ごたえがあります。花を、長く、きれいに楽しむには、咲き終わった花を、こまめに摘み取る「花がら摘み」が効果的。
咲き終わった花を残しておくと、種をつけるのにエネルギーを使い、株が疲れて、次の花が咲きにくくなります。花がらを摘むと、次々と、新しい花が上がってきます。また、ひととおり花が咲き終わって、株が乱れたり、間延びしたりしてきたら、株全体を、半分ほどの高さに、切り戻すと、新しい芽が伸びて、株がすっきりと整い、再び花を咲かせることもあります。
切り戻しは、高温多湿の時期の、蒸れを防ぐのにも、役立ちます。ヤロウは、切り花としても優秀で、まっすぐ伸びた茎の先に、平らに咲く花は、花束やアレンジに、よく使われます。そして、ヤロウの大きな楽しみが、ドライフラワー。花を、満開の少し手前で切って、逆さに吊るして乾かすと、色あせしにくい、美しいドライフラワーになり、リースや、スワッグ、アレンジメントに、長く楽しめます。生の花も、乾いた花も、両方楽しめるのが、ヤロウの魅力です。
💡初夏〜夏に平らな花。花がら摘みで次々咲く。乱れたら切り戻し(蒸れ防止にも)。切り花・ドライフラワーにも最適。
-
4
薬用・蜜源としての利用
約30日ヤロウは、観賞用だけでなく、古くから、薬用ハーブ(メディカルハーブ)として利用されてきた、利用価値の高い植物です。学名アキレアの由来のとおり、ヨーロッパでは、傷の手当てや、止血、風邪や発熱のときのハーブティーとして、民間療法で、長く使われてきました。
葉や花を乾燥させて、ハーブティーにすると、ほろ苦い、独特の風味があります。ただし、薬効が強く、人によっては、体質に合わなかったり、キク科アレルギーの人は、注意が必要だったりするので、利用は、信頼できる情報を確認したうえで、少量を、楽しむ程度にとどめ、妊娠中の方や、持病のある方は、医師に相談するなど、慎重に行います。
家庭では、無理に薬用にせず、まずは、観賞用として、花を楽しむのがおすすめです。また、ヤロウは、平らに咲く花が、虫の止まり場になりやすく、蜜も多いため、ミツバチや、チョウ、さらに、アブラムシを食べてくれるヒラタアブや、テントウムシなどの益虫を、たくさん引き寄せる、優秀な蜜源・益虫誘引植物です。
菜園の隅に植えておくと、益虫が集まって、まわりの野菜の、害虫対策に役立つ「コンパニオンプランツ」としての効果も期待できます。生き物でにぎわう、ナチュラルな庭づくりに、ヤロウは、心強い味方になってくれます。
💡古くからの薬用ハーブだが、利用は少量で慎重に(キク科アレルギー・妊娠中は注意)。蜜源・益虫誘引でコンパニオンにも。
-
5
冬越し・株分けでふやす
約120日ヤロウは、丈夫な宿根草(多年草)で、冬越しも簡単です。耐寒性が非常に強く、冬になると、地上部は枯れますが、地下の根や地下茎は生きていて、春になると、また新しい芽を出して、毎年、花を咲かせます。地上部が枯れたら、枯れた茎を、地際で刈り取って、片付けておきます。
防寒は、基本的に不要で、寒冷地でも、地中で冬を越せます。鉢植えも、屋外で冬を越せます。ヤロウは、生育旺盛で、地下茎で、年々、横へ広がって、株が大きくなり、込み合ってきます。込み合うと、株の中心が蒸れて、傷んだり、花つきが悪くなったりするので、2〜3年に一度を目安に、株分けをして、株をリフレッシュさせ、密度を下げるのがおすすめ。
株分けの適期は、芽が動き出す前の早春か、秋。掘り上げた株を、芽のついた状態で、いくつかに切り分けて、植え直します。株分けは、同時に、株をふやす方法にもなるので、増えた株を、庭のいろいろな場所に植えたり、人に分けたりできます。ヤロウは、こぼれ種でも、よくふえるほど、繁殖力が強いので、広げたくない場合は、花がらを早めに摘んで、種をつけさせないようにします。
こうして、株分けで更新しながら、ヤロウは、毎年、平らな花で、庭を彩り、切り花やドライフラワー、蜜源として、長く活躍してくれる、頼れる宿根ハーブです。
💡耐寒性が強く冬は地上部が枯れて春に再生、防寒不要。2〜3年に一度、早春か秋に株分けして更新・ふやす。こぼれ種でも増える。
Checklist
育てる前のチェックリスト
-
✓300〜800円
ヤロウの苗
春・秋に出回る。花色の品種が豊富。
-
○200〜500円
ヤロウの種 (任意)
種からも育てられる。
-
○400〜1,000円
草花・ハーブ用培養土 (任意)
水はけのよい土。
-
○400〜1,000円
緩効性肥料 (任意)
春に少量。多肥は不要。
Pests & Diseases
かかりやすい病害虫
アブラムシ
まれ症状: 新芽が縮れる、葉がべたつく、すす病を誘発。
予防: 風通しを良くし、窒素過多を避ける。シルバーマルチで忌避。
対処: 見つけ次第捕殺、牛乳スプレーや薬剤で防除。
うどんこ病
時々症状: 葉表が白い粉をまぶしたようになる。
予防: 風通しと日当たりを確保、過湿を避ける。
対処: 罹病部を除去し、重曹スプレーや殺菌剤を散布する。
Nutrition
栄養と食べ方
- エネルギー
- 14kcal
- ビタミンC
- 微量
- ビタミンA
- 微量
- ビタミンK
- 微量
- 葉酸
- 微量
- 鉄
- 微量
- カルシウム
- 微量
- カリウム
- 微量
- 食物繊維
- 微量
旬・味: 初夏〜夏が花の収穫期。葉・花はほろ苦く独特の風味。古くから薬用ハーブやハーブティーに利用されるが、利用は少量で慎重に。
保存: 生の花は切り花で水あげ。乾燥は満開少し手前で切り逆さに吊るす。ドライフラワーや乾燥葉として密閉保存できる。
Common mistakes
失敗あるある TOP3
⚠ 多肥・過湿で徒長して倒れる
茎が間延びして、花の重みで倒れます。
原因: 肥料の与えすぎ、水のやりすぎ、肥えた土。
対策: やせ気味・乾き気味・肥料控えめで育て、必要なら支柱や切り戻しを。
⚠ 高温多湿で蒸れる
株の中心が蒸れて傷み、うどんこ病も出ます。
原因: 過湿、風通しの悪さ、株の混み合い。
対策: 乾かし気味に、風通しよく育て、花後に切り戻して蒸れを防ぎます。
⚠ 広がりすぎる
地下茎やこぼれ種で予想以上に広がります。
原因: 生育旺盛で繁殖力が強い。
対策: 鉢植えや地中の仕切りで抑え、花がらを早めに摘んで種を防ぎます。
FAQ
よくある質問
はい、ヤロウは暑さ・寒さ・乾燥に非常に強く、病害虫も少なく、やせ地でも育つ、たいへん丈夫な宿根ハーブで、初心者に最適です。日当たりと風通しのよい場所に植え、乾かし気味・肥料控えめで育てれば、毎年たくさんの花を咲かせます。手をかけすぎないほうが、株がしまってよく育ちます。
乾燥に非常に強いので、どちらも控えめでよいです。地植えで根づけば、ほぼ雨水だけで育ちます。過湿や多肥は、間延びして倒れたり、蒸れて病気が出たりするもと。乾き気味に、肥料は春に少量与える程度で、株がしまって丈夫に育ち、花つきもよくなります。
はい、ヤロウはドライフラワーに最適です。花を満開の少し手前で切って、逆さに吊るして乾かすと、色あせしにくい美しいドライフラワーになります。リースやスワッグ、アレンジメントに長く楽しめます。生の切り花としても、平らに咲く花が花束によく合います。
ヤロウは古くから止血や傷の手当て、ハーブティーとして使われてきた薬用ハーブですが、薬効が強く、体質に合わない場合や、キク科アレルギーの人は注意が必要です。妊娠中や持病のある方は医師に相談を。利用は信頼できる情報を確認のうえ少量にとどめ、家庭ではまず観賞用として楽しむのがおすすめです。
はい、ヤロウの平らに咲く花は、虫の止まり場になりやすく蜜も多いので、ミツバチやチョウのほか、アブラムシを食べるヒラタアブやテントウムシなどの益虫も引き寄せます。菜園の隅に植えると益虫が集まり、まわりの野菜の害虫対策に役立つコンパニオンプランツとしても期待できます。
はい、耐寒性の強い宿根草で、冬に地上部が枯れても春に芽を出して毎年咲きます。防寒も不要。地下茎で年々広がり、2〜3年に一度、早春か秋に株分けして更新すると健康に咲き続けます。株分けや、こぼれ種で簡単にふえます。広げたくない場合は花がらを早めに摘みます。
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