ウチワサボテン
Opuntia Prickly pear
ウチワサボテンは、その名のとおり、平たいうちわのような形の茎(葉状茎)を、上へ上へと継ぎ足すように連ねて育つ、ユニークな姿のサボテンです。平...
かんたんに言うと
ウチワサボテンは平たいうちわ形の茎を連ねて育つ丈夫なサボテン。メキシコでは食用(ノパル)にも。乾燥に強く水やり控えめでOK、初夏に大きな花が咲きます。細かい芒刺に注意し手袋必須。過湿と冬の霜は避けます。
Profile
基本情報
ウチワサボテンは、その名のとおり、平たいうちわのような形の茎(葉状茎)を、上へ上へと継ぎ足すように連ねて育つ、ユニークな姿のサボテンです。平たい節(パッド)が次々と増えていく姿は存在感たっぷりで、大きく育つと木のように立ち上がります。原産は南北アメリカの乾燥地で、メキシコでは「ノパル」と呼ばれ、若い平たい茎を野菜として、赤紫の実を果物として食べる、暮らしに根づいた食用サボテンとしても有名です。
日本でも食用や観賞用に栽培され、丈夫で生長が早く、初夏には黄色やオレンジの大きな花を咲かせます。乾燥に非常に強く、水やりも少なくてよいので、ほとんど手をかけずに育てられる、丈夫なサボテンです。日光を大好きで、よく日に当てると、平たい茎が厚く締まって丈夫に育ち、花つきもよくなります。
注意したいのが、トゲの根元にある「芒刺(ぼうし)」と呼ばれる、細かくて柔らかいトゲの束。これが手や衣服に刺さると、目に見えにくく抜きにくいので、扱うときは必ず厚手の手袋を使います。過湿による根腐れと、冬の寒さ(霜)には弱いので、水やりは控えめにし、寒い地域では冬は室内や軒下に取り込みます。平たい茎を切って挿すだけで簡単にふやせる、たくましく育てやすいサボテンです。
💡豆知識
ウチワサボテンは、メキシコの食文化に深く根づいた植物で、若い平たい茎(パッド)は「ノパル」または「ノパリート」と呼ばれ、トゲを取り除いて炒め物やサラダ、煮込みにして食べられます。シャキッとした食感とほのかな酸味が特徴で、メキシコの定番野菜のひとつです。
さらに、花のあとにつく赤紫色の実は「トゥナ」と呼ばれる果物で、甘くてみずみずしく、そのまま食べたりジュースやジャムにしたりします。観賞用に育てられる一方、こうして野菜・果物として利用される、めずらしいサボテンです。気をつけたいのが、太いトゲのほかに、トゲの根元にびっしりと生える「芒刺(ぼうし、グロキッド)」という、細かく柔らかいトゲの束。
これが厄介で、軽く触れただけで皮膚に刺さり、細くて見えにくいため抜きにくく、チクチクと長く痛みます。食用にするときも、まずこの芒刺を焼いたりこそげ取ったりして、ていねいに除く必要があります。
Calendar
育成カレンダー
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 植え替え | 4月は植え替え | |||||||||||
| 開花 | 6月は開花 | |||||||||||
| 追肥 | 5月は追肥 | |||||||||||
| 病害虫注意 | 7月は病害虫注意 |
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 植え替え | 4月は植え替え | |||||||||||
| 開花 | 6月は開花 | |||||||||||
| 追肥 | 5月は追肥 | |||||||||||
| 病害虫注意 | 7月は病害虫注意 |
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 植え替え | 4月は植え替え | |||||||||||
| 開花 | 6月は開花 | |||||||||||
| 追肥 | 5月は追肥 | |||||||||||
| 病害虫注意 | 7月は病害虫注意 |
数字は月を表します。色帯のある月がその作業の適期です。上のタブで地域を切り替えられます。
At a glance
ひと目でわかる特徴
Specs
形態と環境条件
形態
- 草丈
- 30〜200cm
- 株張り
- 30〜150cm
- 花のサイズ
- 黄・オレンジの大きな花が茎のふちに咲く
- 実のサイズ
- 赤紫色の実(トゥナ)
環境条件
- 日照
- 日なた
- 耐寒温度
- 3℃
- 耐暑温度
- 42℃
- 土壌pH
- 6.0〜7.5
- 水やり
- 土が完全に乾いて数日後にたっぷり。冬は断水気味。
- 肥料
- サボテン・多肉植物用肥料
How to grow
育て方ステップ
-
1
置き場所を決める(日光が大好き)
約7日ウチワサボテンは、強い日光を大好きなサボテンです。一年を通して、できるだけよく日の当たる場所に置きましょう。屋外なら、雨の当たりにくい南向きのベランダや軒下、暖地では日なたの庭が向いています。室内で育てる場合も、一日を通して光がよく入る、明るい南向きの窓辺に置きます。
日光をたっぷり浴びると、平たい茎(パッド)が厚くがっしりと締まって丈夫に育ち、初夏の花つきもよくなります。反対に、日照が不足すると、茎が薄く間延びして、ひょろひょろと弱々しく徒長し、倒れやすくなります。生長が早く、上へ上へと茎を継ぎ足して大きくなるので、背が高くなったら支柱で支えるか、こまめに切り戻して大きさを調整します。風通しのよい場所に置くことも、蒸れを防ぎ、健康に育てるうえで大切です。
💡よく日に当てると茎が厚く締まり花つきも向上。日照不足は徒長して倒れやすい。
-
2
水やり(乾燥に強い・冬は断水)
約30日ウチワサボテンは、平たい茎に水をためられるため、乾燥に非常に強く、水やりはごく控えめでかまいません。枯らす原因の大半は、水のやりすぎによる根腐れです。「土が完全に乾いてから、さらに数日おいて、鉢底から流れ出るまでたっぷり与える」くらいのペースが目安。
受け皿にたまった水は必ず捨て、常に湿った状態が続かないようにします。生長する春から初夏はこのサイクルで管理し、生育がやや鈍る真夏は控えめにします。とくに冬は、気温が下がると生育がほぼ止まるため、11月ごろから水やりを徐々に減らし、真冬はほとんど水を与えない「断水」気味に管理します。
冬に土が湿ったままだと、低温と過湿が重なって、一気に根腐れを起こします。平たい茎にしわが寄ったり、薄くしぼんできたりしたら水切れのサインですが、乾燥には非常に強いので、慌てず与えれば回復します。地植えで根づいた株は、ほとんど水やりが要りません。
💡完全に乾いて数日後にたっぷり、冬はほぼ断水。過湿による根腐れが最大の敵。
-
3
土と植え替え(芒刺に注意)
約14日ウチワサボテンは過湿を嫌うので、水はけのよい土が欠かせません。市販の「サボテン・多肉植物用の土」を使うのが、いちばん手軽で確実です。鉢は、必ず底に穴のあいた、安定感のあるものを選びます。生長が早いので、根が回って鉢が窮屈になったら、1〜2年に一度を目安に、ひとまわり大きな鉢へ植え替えます。
適期は、生育の始まる春(4〜5月)。鉢から株を抜き、古い土を落として、枯れた根や傷んだ根を整理します。このとき、太いトゲだけでなく、トゲの根元にある細かい「芒刺(ぼうし)」が、手や衣服に刺さると非常に抜きにくいので、必ず厚手の革手袋をはめ、丸めた新聞紙や厚い布、トングなどで茎を挟んで持って作業します。
背が高い株は、植え替えと同時に切り戻して、大きさを整えるとよいでしょう。植え替えた直後は、根の切り口が乾くまで、1週間ほど水やりを控えてから、通常の管理に戻します。
💡水はけのよい土で1〜2年に一度、春に植え替え。細かい芒刺に注意し必ず手袋を着用。
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4
冬越し(寒さ・霜に弱い)
約120日ウチワサボテン栽培で注意したいのが冬越しです。サボテンは乾燥には強くても、寒さ、とくに霜には弱く、凍ると平たい茎がぶよぶよに溶けて傷んでしまいます。鉢植えの場合は、最低気温が5度を下回るころ(おおむね11月)には、明るい室内の窓辺や、霜の当たらない軒下に取り込みます。
冬は水やりをほぼ止めて断水気味にし、低温と過湿が重ならないようにするのが、無事に冬を越すコツです。乾かし気味に、かつ日によく当てて管理すれば、寒さへの耐性も上がります。種類によっては比較的寒さに強いものもあり、暖地では庭植えのまま冬を越せることもありますが、寒い地域や、寒さに弱い種類は、無理をせず室内に取り込むほうが安全です。春になり、暖かくなって生育が始まったら、少しずつ水やりを再開し、徐々に日差しにも慣らしていきます。
💡最低5度を下回る前に室内・軒下へ。冬はほぼ断水。種類により耐寒性に差がある。
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5
ふやし方(平たい茎を挿す)
約30日ウチワサボテンは、平たい茎(パッド)を切って挿すだけで、とても簡単にふやせます。適期は、生育の盛んな春から初夏(5〜6月)。元気な平たい茎を、節のつなぎ目で1枚切り取ります。このときも、芒刺が刺さらないよう、必ず手袋とトングを使います。切り取った茎は、切り口を直射日光の当たらない風通しのよい場所で、3日から1週間ほどしっかり乾かして、傷口をふさぎます。
乾いたら、水はけのよい土に、切り口を下にして、倒れない程度に浅く挿します。挿したあとは、明るい場所に置き、すぐには水をやらず、1週間ほどしてから少しずつ水やりを始めると、やがて根が出て、新しい茎が伸び始めます。生長が早く、発根しやすいので、すぐに大きく育ちます。
切り戻した茎を使えば無駄がなく、どんどんふやせます。なお、メキシコでは若い茎を野菜(ノパル)として、実を果物として利用しますが、食用にするときは芒刺をていねいに取り除いてから調理します。
💡平たい茎を1枚切り、切り口を数日乾かして浅く挿すだけ。手袋とトングで芒刺対策を。
Checklist
育てる前のチェックリスト
-
✓600〜4,000円
ウチワサボテンの苗(鉢)
丈夫で手頃に入手できる。
-
✓400〜1,000円
サボテン・多肉植物用の土
水はけのよい土。
-
○400〜2,500円
鉢(底穴のある安定したもの) (任意)
大きく育つので安定感のあるもの。
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○400〜1,000円
サボテン用肥料 (任意)
生育期に少量。
-
○500〜2,000円
厚手の革手袋・トング (任意)
芒刺から手を守る。植え替え・剪定に必須。
Pests & Diseases
かかりやすい病害虫
アブラムシ
まれ症状: 新芽が縮れる、葉がべたつく、すす病を誘発。
予防: 風通しを良くし、窒素過多を避ける。シルバーマルチで忌避。
対処: 見つけ次第捕殺、牛乳スプレーや薬剤で防除。
ハダニ
まれ症状: 葉に白いかすり状の斑点、ひどいと葉が枯れる。
予防: 葉裏への葉水で乾燥を防ぐ。
対処: 葉裏への葉水を継続し、専用の殺ダニ剤を使用する。
Common mistakes
失敗あるある TOP3
⚠ 過湿・冬の寒さで根腐れ・溶ける
平たい茎が黒っぽく、ぶよぶよに溶けるように傷みます。
原因: 水のやりすぎ、霜・低温、低温時の過湿。
対策: 乾かし気味に管理し、冬は室内・軒下へ。冬はほぼ断水にします。
⚠ 徒長して薄くひょろひょろ
茎が薄く間延びして弱々しく、倒れやすくなります。
原因: 日照不足。
対策: よく日が当たる明るい場所に移し、切り戻して整えます。
⚠ 芒刺が手や衣服に刺さる
細かいトゲが刺さり、抜きにくくチクチク痛みます。
原因: 素手や薄い手袋で触れた。
対策: 必ず厚手の革手袋とトング、厚い布を使って扱います。
FAQ
よくある質問
とても育てやすいサボテンです。乾燥に非常に強く、生長も早く、平たい茎を挿すだけで簡単にふえます。水のやりすぎ(過湿)による根腐れと、冬の寒さ(霜)、そして細かい芒刺の扱いにだけ注意すれば、丈夫で長く楽しめます。
はい。太いトゲのほかに、トゲの根元に「芒刺(ぼうし)」という細かく柔らかいトゲの束があり、軽く触れただけで皮膚に刺さります。細くて見えにくく抜きにくいため、扱うときは必ず厚手の革手袋をはめ、トングや厚い布で茎を挟んで作業してください。
はい。メキシコでは若い平たい茎を「ノパル」と呼んで野菜として、赤紫の実を「トゥナ」と呼んで果物として食べます。食用にするときは、まず芒刺やトゲをていねいに取り除いてから調理します。観賞用として丈夫に育てつつ、こうした利用も楽しめるサボテンです。
ごく控えめで十分です。土が完全に乾いてから数日おいて、鉢底から流れ出るまでたっぷり与え、受け皿の水は捨てます。春から初夏はこのサイクルで、真夏は控えめ、真冬はほとんど与えない断水気味にします。水のやりすぎによる根腐れが、枯らす最大の原因です。
寒さ、とくに霜に弱いので、最低気温が5度を下回るころ(おおむね11月)には、明るい室内や霜の当たらない軒下に取り込みます。冬は水やりをほぼ止めて断水気味にします。種類によっては比較的寒さに強く、暖地では庭で越せることもありますが、寒地では室内が安全です。
とても簡単です。春から初夏に、平たい茎を節のつなぎ目で1枚切り取り、切り口を3日〜1週間しっかり乾かしてから、水はけのよい土に浅く挿すだけ。生長が早く発根しやすいので、すぐに大きく育ちます。作業時は芒刺対策に手袋とトングを使います。
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