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植物図鑑
🌵
金色のトゲをまとった球形のキンシャチ(金鯱)
🌵 サボテン

キンシャチ

Echinocactus grusonii Golden barrel cactus

やさしい 難易度2(5段階中): やさしい 💰 鉢植えは800〜8000円

キンシャチ(金鯱)は、金色のトゲをびっしりとまとった、まんまるな球形が美しい、もっとも人気のある玉サボテンのひとつです。和名の「金鯱(きんし...

かんたんに言うと

キンシャチ(金鯱)は金色のトゲと丸いフォルムが美しい人気の玉サボテン。乾燥に強く水やり控えめでOK。日光を好み、よく日に当てると締まって育ちます。過湿の根腐れと冬の寒さ(霜)に注意し、冬は室内の明るい窓辺へ。

Profile

基本情報

キンシャチ(金鯱)は、金色のトゲをびっしりとまとった、まんまるな球形が美しい、もっとも人気のある玉サボテンのひとつです。和名の「金鯱(きんしゃち)」は、城の屋根を飾る金のシャチホコのような金色のトゲに由来し、英名のゴールデンバレル(金の樽)のとおり、成長すると樽のように大きな球形に育ちます。

メキシコの乾燥地が原産で、生長はとてもゆっくり。直径10cmほどになるまでに何年もかかり、大きな株は数十年をかけて育った貴重なものです。サボテンらしいサボテンの代表格で、丸いフォルムと金色のトゲのコントラストが美しく、一鉢あるだけで存在感があります。

乾燥に非常に強く、水やりも少なくてよいので、ほとんど手をかけずに育てられ、サボテン・多肉植物の入門としても人気があります。日光を好み、よく日に当てると、トゲが太く色濃く、球がよく締まって美しく育ちます。丈夫な反面、過湿による根腐れと、冬の寒さ(霜)には弱いので、水やりは控えめにし、冬は室内の明るい窓辺に取り込みます。

花は、ある程度の大きさに育った成株が、初夏に球の頂部へ黄色い花を輪のように咲かせますが、開花までには長い年月がかかります。ゆっくり、長く付き合える、サボテンの王様ともいえる存在です。

分類
サボテン / 玉サボテン(球状)
原産地
メキシコ
別名
金鯱、キンシャチ、ゴールデンバレル、ゴールデンボール
価格目安
鉢植えは800〜8000円

💡豆知識

キンシャチは、観賞用として世界中で広く栽培され、ホームセンターでも手軽に手に入る身近なサボテンですが、じつは原産地のメキシコでは、自生地がダム建設などで水没し、野生のものは絶滅が心配される希少種になっています。栽培下では大量にふやされている一方、自然の姿は失われつつあるという、不思議な立場の植物です。

生長は非常にゆっくりで、直径40cmほどの大きな株になるには、数十年という長い年月がかかります。そのため、大きく育った立派な株は、それだけで価値があり、サボテン愛好家のあいだで珍重されます。和名の「金鯱」は、金色のトゲを、お城の天守を飾る金のシャチホコに見立てたもの。トゲは身を守るためのものですが、強い日差しから球体を守り、夜露を集めて根元に落とす役割もあるといわれます。

Calendar

育成カレンダー

全国の月別育成カレンダー
作業 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
植え替え
4月は植え替え
開花
6月は開花
追肥
5月は追肥
病害虫注意
7月は病害虫注意
関東の月別育成カレンダー
作業 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
植え替え
4月は植え替え
開花
6月は開花
追肥
5月は追肥
病害虫注意
7月は病害虫注意
近畿の月別育成カレンダー
作業 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
植え替え
4月は植え替え
開花
6月は開花
追肥
5月は追肥
病害虫注意
7月は病害虫注意

数字は月を表します。色帯のある月がその作業の適期です。上のタブで地域を切り替えられます。

At a glance

ひと目でわかる特徴

育てやすさ やさしい
収穫・開花の早さ
手軽さ(コスト) 高め

Specs

形態と環境条件

形態

草丈
10〜90cm
株張り
10〜80cm
花のサイズ
黄色い花が球の頂部に輪状に咲く

環境条件

日照
日なた
耐寒温度
5℃
耐暑温度
40℃
土壌pH
6.0〜7.5
水やり
土が完全に乾いて数日後にたっぷり。冬は断水気味。
肥料
サボテン・多肉植物用肥料

How to grow

育て方ステップ

  1. 1

    置き場所を決める(日光が好き)

    約7日

    キンシャチは、強い日光を好むサボテンです。一年を通して、できるだけよく日の当たる場所に置きましょう。屋外なら、雨の当たりにくい南向きのベランダや軒下が理想的。室内で育てる場合も、一日を通して光がよく入る、明るい南向きの窓辺に置きます。日光をたっぷり浴びると、トゲが太く金色に色濃くなり、球体ががっしりと締まって、美しく丈夫に育ちます。

    反対に、日照が不足すると、球が間延びして縦長にひょろひょろと徒長したり、トゲの色が悪くなったりして、サボテンらしい締まった姿が崩れてしまいます。ただし、ずっと室内に置いていた株を、急に真夏の直射日光に当てると、表面が白く焼ける「胴焼け」を起こすことがあるので、屋外に出すときは、数日かけて少しずつ日差しに慣らします。風通しのよい場所に置くことも、蒸れを防ぎ、健康に育てるうえで大切です。

    💡よく日に当てるとトゲが太く球が締まる。日照不足は徒長、急な直射は胴焼けに注意。

  2. 2

    水やり(乾燥に強い・冬は断水)

    約30日

    キンシャチは、球体に大量の水をためられるため、乾燥に非常に強く、水やりはごく控えめでかまいません。サボテンを枯らす原因の大半は、水のやりすぎによる根腐れです。「土が完全に乾いてから、さらに数日おいて、鉢底から流れ出るまでたっぷり与える」くらいのペースが目安。

    受け皿にたまった水は必ず捨て、常に湿った状態が続かないようにします。生長する春と秋はこのサイクルで管理し、生育が止まる真夏の高温期は、やや控えめにします。とくに注意したいのが冬で、気温が下がると生育がほぼ止まるため、11月ごろから水やりを徐々に減らし、真冬はほとんど水を与えない「断水」気味に管理します。

    冬に水を与えて土が湿ったままだと、低温と過湿が重なって、一気に根腐れを起こしてしまいます。球体にしわが寄ってきたら水切れのサインですが、キンシャチは水切れにも強いので、慌てずに与えれば回復します。

    💡完全に乾いて数日後にたっぷり、冬はほぼ断水。過湿による根腐れが最大の敵。

  3. 3

    土と植え替え(トゲに注意)

    約14日

    キンシャチは過湿を嫌うので、水はけのよい土が欠かせません。市販の「サボテン・多肉植物用の土」を使うのが、いちばん手軽で確実です。鉢は、必ず底に穴のあいた、通気性のよいものを選びます。生長はゆっくりですが、2〜3年に一度を目安に、ひとまわり大きな鉢へ植え替えます。

    鉢の中で根がいっぱいに回って水はけが悪くなったり、株が鉢に対して大きくなりすぎたりしたら、植え替えのサインです。適期は、生育が始まる春(4〜5月)。鉢から株を抜き、古い土を落として、枯れた根や傷んだ根を整理します。キンシャチは全身に鋭いトゲがあるため、植え替えのときは、厚手の革手袋をはめたり、丸めた新聞紙や厚い布で球体を挟んで持ったりして、トゲでケガをしないよう十分に注意します。植え替えた直後は、傷んだ根の切り口が乾くまで、1週間ほど水やりを控えてから、通常の管理に戻すと、根腐れを防げます。

    💡水はけのよいサボテン用の土で。2〜3年に一度、春に植え替え。鋭いトゲは手袋や厚布で防御。

  4. 4

    冬越し(寒さ・霜に弱い)

    約120日

    キンシャチ栽培でいちばん注意したいのが冬越しです。サボテンは乾燥には強くても、寒さ、とくに霜には弱く、凍るとぶよぶよに溶けて枯れてしまいます。屋外で育てている場合は、最低気温が5度を下回るころ(おおむね11月)には、明るい室内の窓辺に取り込みます。

    室内でも、夜間に冷え込む窓ガラスのすぐそばは意外と寒くなるので、夜は窓から少し離すと安心です。前述のとおり、冬は水やりをほぼ止めて断水気味にし、低温と過湿が重ならないようにするのが、無事に冬を越すコツ。乾かし気味に、かつ日によく当てて管理すれば、寒さへの耐性も上がります。

    暖地で、霜の当たらない軒下などでは、屋外で冬を越せることもありますが、無理をせず、室内に取り込むほうが安全です。春になり、暖かくなって生育が始まったら、少しずつ水やりを再開し、徐々に日差しにも慣らしていきます。

    💡最低5度を下回る前に室内の窓辺へ。冬はほぼ断水。低温と過湿を重ねない。

  5. 5

    ふやし方と花を楽しむ

    約30日

    キンシャチは、株の根元に子株(かき子)を出すことがあり、これを外して挿す「株分け(かき子取り)」でふやせます。子株を、清潔なナイフやハサミでていねいに切り取り、切り口を数日から1週間ほどよく乾かしてから、水はけのよい土に挿すと、やがて発根します。

    子株が出にくい場合は、種から育てる「実生(みしょう)」でふやすこともできますが、発芽からある程度の大きさになるまでには、長い年月がかかります。いずれにしても、生長がゆっくりなサボテンなので、じっくり時間をかけて育てる心づもりで楽しみましょう。

    花は、十分に育った成株が、初夏に球の頂部へ、黄色い花を輪のように咲かせます。ただし開花までには、栽培環境にもよりますが、十数年という長い年月がかかります。すぐに花が見られなくても、金色のトゲと美しい球形そのものを観賞して、ゆっくりと長く付き合うのが、キンシャチの醍醐味です。

    💡子株を乾かしてから挿す株分け、または実生でふやせる。開花は十分育った成株で初夏。

Checklist

育てる前のチェックリスト

  • キンシャチの苗(鉢)

    小さな株は手頃、大株は高価。

    800〜8,000円
  • サボテン・多肉植物用の土

    水はけのよい土。

    400〜1,000円
  • 鉢(底穴のあるもの) (任意)

    植え替え用。通気性のよいもの。

    300〜2,000円
  • サボテン用肥料 (任意)

    生育期に少量。

    400〜1,000円
  • 厚手の革手袋 (任意)

    トゲから手を守る。植え替え時に便利。

    500〜2,000円
初期費用の目安(必須のみ) 1,200〜9,000円

Pests & Diseases

かかりやすい病害虫

害虫

アブラムシ

まれ

症状: 新芽が縮れる、葉がべたつく、すす病を誘発。

予防: 風通しを良くし、窒素過多を避ける。シルバーマルチで忌避。

対処: 見つけ次第捕殺、牛乳スプレーや薬剤で防除。

害虫

ハダニ

時々

症状: 葉に白いかすり状の斑点、ひどいと葉が枯れる。

予防: 葉裏への葉水で乾燥を防ぐ。

対処: 葉裏への葉水を継続し、専用の殺ダニ剤を使用する。

Common mistakes

失敗あるある TOP3

⚠ 過湿・冬の寒さで根腐れ・溶ける

球体が黒っぽく、ぶよぶよに溶けるように傷みます。

原因: 水のやりすぎ、霜・低温、低温時の過湿。

対策: 乾かし気味に管理し、冬は室内の窓辺へ。冬はほぼ断水にします。

⚠ 徒長して縦長にひょろひょろ

球が間延びして縦長になり、トゲの色も悪くなります。

原因: 日照不足。

対策: よく日が当たる明るい場所に移します。

⚠ 胴焼けで表面が白く傷む

球の表面が白っぽく焼けて跡が残ります。

原因: 室内育ちの株を急に強い直射日光に当てた。

対策: 屋外に出すときは数日かけて少しずつ日差しに慣らします。

FAQ

よくある質問

乾燥に非常に強く、水やりが少なくてよいので、初心者でも育てやすいサボテンです。ほとんど手をかけなくても育ちます。水のやりすぎ(過湿)による根腐れと、冬の寒さ(霜)にだけ注意すれば、長く楽しめます。生長がゆっくりなので、じっくり育てる気持ちで付き合いましょう。

ごく控えめで十分です。土が完全に乾いてから数日おいて、鉢底から流れ出るまでたっぷり与え、受け皿の水は捨てます。春と秋はこのサイクルで、真夏はやや控えめ、真冬はほとんど水を与えない断水気味にします。水のやりすぎによる根腐れが、枯らす最大の原因です。

寒さ、とくに霜に弱いので、最低気温が5度を下回るころ(おおむね11月)には、明るい室内の窓辺に取り込みます。冬は水やりをほぼ止めて断水気味にし、低温と過湿が重ならないようにします。暖地の霜の当たらない軒下なら屋外で越せることもありますが、室内のほうが安全です。

十分に大きく育った成株が、初夏に球の頂部へ黄色い花を輪のように咲かせます。ただし開花までには、栽培環境にもよりますが、十数年という長い年月がかかります。すぐに花が見られなくても、金色のトゲと美しい球形そのものを観賞して、長く付き合うのが魅力です。

株の根元に子株(かき子)が出たら、それを切り取り、切り口を数日から1週間乾かしてから水はけのよい土に挿す「株分け」でふやせます。子株が出にくい場合は、種からの「実生」でもふやせますが、大きくなるまでに長い年月がかかります。

全身に鋭いトゲがあるので、植え替えのときは厚手の革手袋をはめるか、丸めた新聞紙や厚い布で球体を挟んで持つと、トゲでケガをせずに作業できます。適期は生育の始まる春(4〜5月)で、2〜3年に一度、ひとまわり大きな鉢へ植え替えます。

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