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植物図鑑
🌸
鮮やかな青に咲くデルフィニウムの花穂
🌸 花

デルフィニウム

Delphinium Delphinium / Larkspur

普通 難易度3(5段階中): 普通 💰 苗は200〜600円

デルフィニウムは、澄んだ青や紫の花を長い花穂いっぱいに咲かせ、初夏の花壇を高く彩る気品ある花です。とくに、ほかの花ではなかなか出せない、目の...

かんたんに言うと

デルフィニウム(大飛燕草)は澄んだ青い花を花穂に咲かせる初夏の花。冷涼を好み夏に弱いため秋まき一年草として育てます。高性種は支柱が必須。全草有毒なので誤食に注意。

Profile

基本情報

デルフィニウムは、澄んだ青や紫の花を長い花穂いっぱいに咲かせ、初夏の花壇を高く彩る気品ある花です。とくに、ほかの花ではなかなか出せない、目の覚めるような鮮やかな青色(ブルー)が最大の魅力で、青い花の代表として古くから愛されてきました。すらりと立ち上がる大型の「エラータム系」、こんもり枝分かれして咲く「シネンセ系(チャイニーズ系)」、その中間の「ベラドンナ系」など、いくつかのタイプがあり、草丈や咲き方が異なります。

和名を「大飛燕草(おおひえんそう)」といい、つぼみの形がツバメ(飛燕)が飛ぶ姿に似ていることに由来します。本来は冷涼な気候を好む多年草ですが、日本の高温多湿の夏に弱いため、秋にタネをまいて翌春に咲かせる「秋まき一年草」として育てるのが一般的です。

日当たりと風通し、水はけのよい場所を好みます。背の高い品種は花穂が重く倒れやすいので支柱が必須。切り花としても人気が高く、花束やアレンジメントで主役級の存在感を放ちます。なお、デルフィニウムはキンポウゲ科で全草に有毒成分を含むため、誤食しないよう扱いに注意が必要です。

澄んだ青の花穂が立ち並ぶ姿は、ガーデナー憧れの景色です。澄んだ青の花穂が立ち並ぶ姿はガーデナー憧れの景色で、切り花でも主役級の存在感を放ちます。

分類
花 / 多年草・宿根草
原産地
ヨーロッパ、北アメリカ、アジア
別名
大飛燕草、オオヒエンソウ、ラークスパー
適期
種まき・植え付けは9月
価格目安
苗は200〜600円

💡豆知識

デルフィニウムの属名「Delphinium」は、ギリシャ語で「イルカ(delphis)」を意味します。これは、花が開く前のつぼみの形が、イルカに似ていることに由来するとされます。英名の「ラークスパー(larkspur=ヒバリの蹴爪)」も、花の後ろに突き出た距(きょ)と呼ばれる部分の形にちなんでおり、和名「大飛燕草」がツバメに見立てられたのと同じく、各国で鳥や生き物の姿が連想されてきた面白い花です。

デルフィニウムが放つ鮮やかな青は「デルフィニウムブルー」とも呼ばれ、青色の色素として絵の具や染料の名にも使われるほど。花言葉も「清明」「高貴」など青空を思わせる言葉が並びます。一方で、キンポウゲ科の多くがそうであるように全草にアルカロイド系の有毒成分を含み、古くは衣類につく虫の駆除に使われた歴史もあります。観賞は安全ですが、口に入れないよう注意が必要な、美しくも少し気をつけたい花です。

Calendar

育成カレンダー

全国の月別育成カレンダー
作業 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
種まき
9月は種まき
開花
5月は開花
6月は開花
剪定
6月は剪定
追肥
3月は追肥
病害虫注意
5月は病害虫注意
関東の月別育成カレンダー
作業 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
種まき
9月は種まき
開花
5月は開花
6月は開花
剪定
6月は剪定
追肥
3月は追肥
病害虫注意
5月は病害虫注意
近畿の月別育成カレンダー
作業 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
種まき
9月は種まき
開花
5月は開花
6月は開花
剪定
6月は剪定
追肥
3月は追肥
病害虫注意
5月は病害虫注意

数字は月を表します。色帯のある月がその作業の適期です。上のタブで地域を切り替えられます。

At a glance

ひと目でわかる特徴

育てやすさ 普通
収穫・開花の早さ 普通
手軽さ(コスト) ほどほど

Specs

形態と環境条件

形態

草丈
40〜180cm
株張り
30〜50cm
花のサイズ
花穂30〜80cm

環境条件

日照
日なた
耐寒温度
-10℃
耐暑温度
28℃
土壌pH
6.0〜7.0
水やり
表面が乾いたら与える。過湿を避ける。
肥料
緩効性化成肥料・液体肥料

How to grow

育て方ステップ

  1. 1

    秋にタネをまく・苗を植える

    約14日

    デルフィニウムは冷涼な気候を好み、高温多湿の夏に弱いため、日本では秋にタネをまいて翌春に咲かせる「秋まき一年草」として育てるのが一般的です。タネまきの適期は9〜10月。発芽適温は15〜20度で、暑すぎると発芽しにくいので、涼しくなってからまきます。

    デルフィニウムの種は嫌光性ぎみなので、しっかり覆土して暗くすると発芽がそろいます。育苗はやや手間がかかるので、手軽に始めたい場合は、秋〜春に出回るポット苗を購入するのが確実です。植え付け場所は、日当たりと風通し、水はけのよい場所を選びます。

    過湿と蒸れを嫌うので、水もちのよすぎる土は避けます。株間は、高性種で40〜50cm、矮性種で20〜30cmほどあけて植えます。植え付け後はたっぷり水を与えて根づかせます。

    💡秋まきが基本。種は覆土してしっかり暗くします。苗からが手軽です。

  2. 2

    冬越しと日当たり管理

    約90日

    デルフィニウムは、小さな株(ロゼット状)で冬を越します。寒さには比較的強いですが、小さな苗のうちは強い霜で傷むことがあるので、寒冷地では不織布で覆ったり、株元をマルチングしたりすると安心です。冬の間は生育がゆっくりですが、日当たりのよい場所でしっかり日光に当てることが大切で、これが春の花つきを左右します。

    水やりは、冬は土が乾いてから午前中に控えめに与えます。デルフィニウムは過湿に弱く、常に湿った状態だと根腐れするので、水はけのよい環境を保ちます。冬の間に株をしっかり育てておくと、春の気温上昇とともに勢いよく茎を伸ばし、立派な花穂を立ち上げます。葉が茂って株が充実してくるのが、よい花を咲かせる準備が整ったサインです。

    💡冬もよく日に当てます。過湿に弱いので水はけよく管理します。

  3. 3

    支柱立てと開花

    約60日

    春になって暖かくなると、デルフィニウムは株の中心から花茎をぐんぐん立ち上げ、初夏(5〜6月)に青や紫の花を花穂いっぱいに咲かせます。とくに高性種は、花穂が1m以上に伸び、花の重みと風で非常に倒れやすいので、花茎が伸び始めたら早めに支柱を立てて支えることが欠かせません。

    支柱に花茎をやさしく結びつけて、倒伏を防ぎます。生育・開花期は水と肥料をしっかり必要とするので、土の表面が乾いたらたっぷり水を与え、緩効性肥料や液体肥料で追肥します。ただし過湿は禁物なので、水はけは保ちます。風通しをよくしておくことが、後述するうどんこ病やアブラムシの予防にもなります。澄んだ青い花穂が立ち並ぶ姿は、初夏の庭で格別の美しさ。切り花にする場合は、花穂の下のほうの花が咲き始めたころに切ります。

    💡高性種は早めに支柱を立てて倒伏を防止。生育期は水と肥料を切らさず。

  4. 4

    花がら摘みと切り戻し

    約45日

    デルフィニウムの花は、花穂の下のほうから順に咲き上がります。花穂全体が咲き終わったら、その花茎を株元近くから切り取る「切り戻し」を行います。咲き終わった花穂を放置すると、種づくりに養分が使われて株が消耗するためです。早めに切り戻すと、株元のわき芽から新しい花茎が伸びて、夏や秋に二番花を楽しめることがあります。

    これがデルフィニウムを長く楽しむコツです。咲いている途中でも、傷んだ下部の花がらをこまめに取り除くと、花穂全体の見栄えが保てます。切り戻し後は、お礼肥として肥料を施し、株の体力を回復させます。なお、全草に有毒成分を含むので、剪定や花がら摘みの作業をした後は手を洗い、切り取った茎葉を小さな子どもやペットが口にしないよう処分します。

    💡咲き終わった花穂は早めに切り戻すと二番花が上がります。作業後は手を洗います。

  5. 5

    夏越し(または片づけ)

    約30日

    デルフィニウムは本来多年草ですが、高温多湿の夏が最大の苦手です。暖地では夏越しが難しいため、秋まき一年草として育て、花が終わったら梅雨の蒸れで傷む前に株を片づけるのが現実的です。一方、北海道や高原など涼しい地域、あるいは管理しだいでは、夏越しに成功して翌年も花を咲かせる多年草として育てられます。

    夏越しを狙う場合は、花後に切り戻して風通しをよくし、株元を涼しく保ち、半日陰になる場所で過湿を避けて夏を乗り切ります。鉢植えなら、夏は涼しい半日陰に移すと管理しやすいです。種を採る場合は、花後にできるさやが熟したら採取し、涼しい場所で秋まきまで保存します。種子を含め全草が有毒なので、取り扱いには注意してください。基本は毎年秋にまき直すと確実に楽しめます。

    💡暖地は一年草扱い。涼しく風通しよく管理すれば夏越しも可能です。

Checklist

育てる前のチェックリスト

  • デルフィニウムの苗

    秋〜春に出回る。手軽に始められる。

    200〜600円
  • デルフィニウムの種 (任意)

    秋まき。覆土して暗くする。

    250〜600円
  • 支柱

    高性種の倒伏防止に必須。

    300〜1,000円
  • 緩効性肥料・液体肥料 (任意)

    生育・開花期の追肥に。

    400〜1,000円
初期費用の目安(必須のみ) 500〜1,600円

Pests & Diseases

かかりやすい病害虫

害虫

アブラムシ

よく発生

症状: 新芽が縮れる、葉がべたつく、すす病を誘発。

予防: 風通しを良くし、窒素過多を避ける。シルバーマルチで忌避。

対処: 見つけ次第捕殺、牛乳スプレーや薬剤で防除。

病気

うどんこ病

時々

症状: 葉表が白い粉をまぶしたようになる。

予防: 風通しと日当たりを確保、過湿を避ける。

対処: 罹病部を除去し、重曹スプレーや殺菌剤を散布する。

害虫

ナメクジ

時々

症状: 不規則な食害痕とテカった粘液の跡。

予防: 鉢の下など隠れ家を減らし乾燥を保つ。

対処: 夜間に捕殺、誘殺剤を設置。

Flower meaning

花言葉

  • 「清明・あなたは幸福をふりまく」

    澄んだ青空のような花色から、清らかさや幸福を表すとされてきました。

  • 「高貴・誰もがあなたを慕う」

    気品ある紫の花穂が立ち並ぶ姿から、高貴さを表すとされます。

  • 「幸福をふりまく」

    清らかな白い花が幸せを運ぶイメージにちなむとされています。

Common mistakes

失敗あるある TOP3

⚠ 花穂が倒れる

伸びた花穂が風や重みで倒れます。

原因: 高性種の倒伏、支柱不足、間延び。

対策: 早めに支柱を立てて結び、日当たりよく育てて株を締めます。

⚠ 夏の高温多湿で枯れる

梅雨から夏に株が傷んで枯れます。

原因: 高温多湿への弱さ、蒸れ。

対策: 暖地は一年草として割り切り、涼しく風通しよく管理。毎年秋にまき直します。

⚠ うどんこ病・アブラムシ

葉が白くなったり新芽に虫が群がります。

原因: 風通しの悪さ、過湿。

対策: 風通しをよくし、被害葉を除去。アブラムシは早めに対処します。

FAQ

よくある質問

秋まき苗を育てれば、春にほかの花では出せない鮮やかな青を楽しめます。ただし高温多湿の夏に弱く、高性種は倒れやすいので、支柱・水はけ・夏越し(または一年草扱い)がポイントです。

秋(9〜10月)にまき、小さな株で冬を越して初夏(5〜6月)に咲かせる秋まきが基本です。種は嫌光性ぎみなのでしっかり覆土します。育苗が難しければ秋〜春の苗から始めると手軽です。

高性種は花穂が重く倒れやすいので、花茎が伸び始めたら早めに支柱を立てて結びつけます。風通しのよい場所で育て、株を間延びさせないよう日当たりよく管理することも倒伏防止になります。

本来は多年草ですが、暖地では高温多湿に弱く夏越しが難しいため一年草として毎年まき直すのが確実です。涼しい地域や、花後の切り戻し・風通し・涼しい環境を整えれば夏越しできることもあります。

花穂が咲き終わったら早めに株元近くで切り戻すと、わき芽から新しい花茎が伸びて、夏や秋に二番花が楽しめることがあります。切り戻し後にお礼肥を与えて株の体力を回復させましょう。

はい。デルフィニウムはキンポウゲ科で全草にアルカロイド系の有毒成分を含みます。観賞する分には安全ですが、口に入れないこと、作業後は手を洗うこと、子どもやペットの誤食に注意することが大切です。

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