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植物図鑑
🫐
実った紫色のブドウの房
🫐 果樹

ブドウ

Vitis Grape

普通 難易度3(5段階中): 普通 💰 苗は1200〜4000円

ブドウは、つるを伸ばして育つ落葉性の果樹で、棚やフェンスに這わせれば緑のカーテンにもなり、夏には涼しい木陰をつくりながら甘い実を実らせる、家...

かんたんに言うと

ブドウはつる性の落葉果樹で、棚や支柱に誘引し、雨よけと摘房・摘粒で大きく甘い房に仕上げ、冬の剪定で毎年の実つきを整えるのがコツです。

Profile

基本情報

ブドウは、つるを伸ばして育つ落葉性の果樹で、棚やフェンスに這わせれば緑のカーテンにもなり、夏には涼しい木陰をつくりながら甘い実を実らせる、家庭果樹のなかでも人気の高い植物です。鉢植えで「行灯仕立て」にすればベランダでもコンパクトに育てられ、地植えなら棚仕立てで大量の収穫も狙えます。

品種は、小粒で甘く育てやすい「デラウェア」、大粒で食べごたえのある「巨峰」や「ピオーネ」、皮ごと食べられて種なしの「シャインマスカット」など多彩で、初心者にはまず病気に強く作りやすい品種を選ぶのが成功の近道です。栽培のポイントは、第一に、つるが伸びる性質に合わせて棚や支柱で枝を誘引し、日当たりと風通しを確保すること。

第二に、雨に当たると病気が出やすいため、簡単な雨よけや袋かけで実を守ること。第三に、実つきが良すぎると粒が小さくなるので、房の数を制限する摘房や、粒を間引く摘粒で大きく甘い房に仕上げること。そして冬の落葉期に行う剪定が品質を大きく左右します。

少し手はかかりますが、自分で育てた一房を収穫したときの喜びは格別で、つる性ならではの仕立ての楽しさもある奥深い果樹です。鉢植えなら場所を取らずに、棚づくりにすれば夏の強い日ざしをやわらげる緑陰も得られ、観賞と日よけ、そして収穫の喜びを一度に味わえるのも、家庭で育てる大きな魅力といえます。

分類
果樹 / 落葉果樹
原産地
西アジア、コーカサス地方、北アメリカ
別名
葡萄、デラウェア、巨峰、シャインマスカット
適期
植え付けは12月
価格目安
苗は1200〜4000円

💡豆知識

ブドウは人類が最も古くから栽培してきた果樹のひとつで、その栽培とワイン造りの歴史は数千年前のメソポタミアやコーカサス地方にさかのぼります。世界の生産量の多くがワイン用に使われ、品種は1万を超えるともいわれます。大きくは、ヨーロッパ原産でワインや高級生食用の「ヨーロッパ系(ヴィニフェラ)」と、北アメリカ原産で病気や寒さに強い「アメリカ系(ラブルスカ)」、そして両者をかけ合わせた「欧米雑種」に分けられ、日本の高温多湿で育てやすいのは病気に強い欧米雑種やアメリカ系です。

種なしブドウは、ジベレリンという植物ホルモンの処理によって種をなくし、粒を大きくする技術で作られています。皮ごと食べられるシャインマスカットの登場で、家庭栽培の人気も高まりました。

Calendar

育成カレンダー

全国の月別育成カレンダー
作業 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
植え付け
12月は植え付け
開花
5月は開花
収穫
8月は収穫
9月は収穫
剪定
2月は剪定
6月は剪定
追肥
1月は追肥
病害虫注意
6月は病害虫注意
関東の月別育成カレンダー
作業 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
植え付け
12月は植え付け
開花
5月は開花
収穫
8月は収穫
9月は収穫
剪定
2月は剪定
6月は剪定
病害虫注意
6月は病害虫注意
近畿の月別育成カレンダー
作業 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
植え付け
12月は植え付け
開花
5月は開花
収穫
8月は収穫
9月は収穫
剪定
2月は剪定
6月は剪定
病害虫注意
6月は病害虫注意

数字は月を表します。色帯のある月がその作業の適期です。上のタブで地域を切り替えられます。

At a glance

ひと目でわかる特徴

育てやすさ 普通
収穫・開花の早さ 長期
手軽さ(コスト) 高め

Specs

形態と環境条件

形態

草丈
150〜300cm
株張り
150〜500cm
花のサイズ
淡黄緑色の小花が房状に咲く
実のサイズ
1粒直径0.5〜3cm(品種による)

環境条件

日照
日なた
耐寒温度
-15℃
耐暑温度
38℃
土壌pH
6.0〜7.0
水やり
地植えは根づけば降雨任せ。鉢植えは表面が乾いたらたっぷり。
肥料
有機質肥料・果樹用化成肥料

How to grow

育て方ステップ

  1. 1

    品種選びと植え付け

    約7日

    ブドウは品種選びが成功の大きな分かれ目です。初心者には、病気に強く育てやすい小粒の「デラウェア」や、皮ごと食べられる「シャインマスカット」、大粒の「巨峰」「ピオーネ」などが人気。日本の高温多湿では、病気に強い欧米雑種やアメリカ系が作りやすくおすすめです。

    植え付けは落葉している休眠期の11〜3月。日当たりと水はけの良い場所を選び、根鉢の倍ほどの穴を掘って堆肥を混ぜて植えます。つる性なので、地植えなら棚やフェンス、鉢植えなら支柱を立てた「行灯仕立て」にします。鉢は10号以上の大きめを使い、果樹用の土で植え付けます。植えたら主となるつるを1本伸ばし、支柱や棚に沿って誘引していきます。

    💡初心者はデラウェアなど病気に強い品種を。休眠期に棚や支柱とセットで植え付けます。

  2. 2

    誘引と新梢の管理

    約60日

    春になると芽が動き、新しいつる(新梢)が勢いよく伸びます。これを棚や支柱に沿わせて誘引し、葉が重ならないよう間隔をとって日光と風が通るようにします。込み合った芽や、実をつけない不要な新梢はかき取って整理します。つるの先に出る巻きひげは、放っておくと余分な養分を使うので適宜取り除きます。

    新梢が伸びすぎると養分が分散するので、実の先の葉を数枚残して先端を摘む「摘心」を行うと、房に養分が集まります。ブドウは枝の管理が品質に直結するので、伸ばす枝と止める枝をこまめに見極めるのがポイントです。鉢植えの行灯仕立てでは、支柱にらせん状に誘引すると省スペースで育てられます。

    💡新梢を誘引して風通しを確保し、不要な枝・巻きひげを整理。摘心で房に養分を集めます。

  3. 3

    開花・摘房・摘粒

    約21日

    5〜6月、淡い黄緑色の小さな花が房状に咲きます。実つきが良すぎると粒が小さく甘みも乗らないため、数を制限する作業が重要です。まず「摘房」で、1本の新梢につき1房を目安に余分な房を落とします。次に、花のあとや実が小さいうちに「摘粒(粒抜き)」を行い、1房の中の混み合った粒や内向きの粒を間引いて、残した粒が大きく育つようにします。

    種なしにしたい場合や粒を大きくしたい場合は、ジベレリン処理を満開時と数日後の2回行います(家庭では任意)。手間はかかりますが、この摘房・摘粒が、市販品のような立派な一房に仕上げる最大のコツです。

    💡新梢1本に1房を目安に摘房し、混み合う粒を摘粒。残した粒が大きく甘くなります。

  4. 4

    雨よけ・袋かけと収穫

    約30日

    ブドウは雨に当たると、うどんこ病や灰色かび病、晩腐病などが出やすくなります。簡単なビニールの雨よけを房の上に設けたり、実に専用の袋をかけたりすると、病気や害虫、鳥の食害から守れて見た目もきれいに仕上がります。袋かけは摘粒後、粒が小豆大になったころが目安です。

    収穫は品種により8〜10月。房全体が品種本来の色に色づき、軸の近くの粒まで甘くなったら、房の根元をハサミで切って収穫します。試しに数粒食べて甘さを確かめてから採るとよいでしょう。採りたての完熟ブドウの甘さは格別です。採った房は日持ちしないので、早めに食べるか冷蔵します。

    💡雨よけ・袋かけで病気と鳥害を防止。色づき軸元まで甘くなったら収穫します。

  5. 5

    冬の剪定

    約7日

    落葉した12〜2月の休眠期に剪定します。ブドウは、その年に伸びた枝(新梢)に実がなるので、前年に伸びた枝を毎年切り戻して、新しい枝を出させる「更新」が基本です。仕立て方により、枝を短く2〜3芽残して切る「短梢剪定」と、長めに残す「長梢剪定」があり、棚仕立てや鉢の行灯仕立てでは管理しやすい短梢剪定が向きます。

    込み合った枝、古く弱った枝、枯れ枝を整理し、全体に日光が当たるようにします。切り口が大きいと樹液が出やすいので、寒い時期に早めに済ませます。剪定後は寒肥を施します。毎年この冬剪定でつるを更新することが、安定した収穫と品質の維持につながります。

    💡実は新梢につくので前年枝を切り戻して更新。鉢や棚は短梢剪定が管理しやすいです。

Checklist

育てる前のチェックリスト

  • ブドウの苗

    デラウェア・巨峰・シャインマスカットなどから選ぶ。

    1,200〜4,000円
  • 支柱・棚・誘引資材

    つるを這わせる仕立て用。

    1,000〜4,000円
  • 雨よけ・果実袋 (任意)

    病気と鳥害から実を守る。

    500〜2,000円
  • 大型鉢(10号以上) (任意)

    行灯仕立てで鉢栽培する場合。

    1,000〜3,000円
初期費用の目安(必須のみ) 2,200〜8,000円

Pests & Diseases

かかりやすい病害虫

害虫

アブラムシ

時々

症状: 新芽が縮れる、葉がべたつく、すす病を誘発。

予防: 風通しを良くし、窒素過多を避ける。シルバーマルチで忌避。

対処: 見つけ次第捕殺、牛乳スプレーや薬剤で防除。

病気

うどんこ病

よく発生

症状: 葉表が白い粉をまぶしたようになる。

予防: 風通しと日当たりを確保、過湿を避ける。

対処: 罹病部を除去し、重曹スプレーや殺菌剤を散布する。

病気

灰色かび病

時々

症状: 花弁や果実が褐変し灰色のカビに覆われる。

予防: 枯れ花をこまめに除去、密植を避ける。

対処: 罹病部を処分し殺菌剤を散布。

Harvest

収穫の情報

収穫までの年数
苗から2〜3年で本格収穫
受粉樹
不要
収穫量の目安
成木1株で数房〜数十房
樹の寿命
つる性落葉樹(10〜30年以上)
剪定時期
冬(落葉期・12〜2月)の剪定

Common mistakes

失敗あるある TOP3

⚠ 雨による病気(うどんこ病・灰色かび病)

葉や実に白い粉やカビが出て腐ります。

原因: 雨に当たることと多湿、風通しの悪さ。

対策: 雨よけ・袋かけで実を守り、風通しを確保。発生時は薬剤で防除します。

⚠ 粒が小さく品質が上がらない

房は多いが粒が小さくまばらです。

原因: 摘房・摘粒をせず実つきが多すぎる。

対策: 新梢1本に1房に摘房し、混み合う粒を摘粒して数を絞ります。

⚠ つるばかり茂って実がならない

枝葉は元気だが花や実がつきません。

原因: 窒素過多、冬剪定不足で枝が更新されない。

対策: 肥料を控えめにし、冬に前年枝を切り戻して新梢を更新します。

FAQ

よくある質問

小粒で病気に強く作りやすい「デラウェア」が定番です。大粒なら「巨峰」「ピオーネ」、皮ごと食べたいなら「シャインマスカット」が人気。日本の多湿には病気に強い欧米雑種が向いています。

なります。10号以上の大きな鉢に植え、支柱に這わせる「行灯仕立て」にすればベランダでも収穫できます。鉢は乾きやすいので、夏の水切れにとくに注意します。

実つきが多すぎると粒が育ちません。新梢1本に1房を目安に摘房し、房の中の混み合った粒を摘粒して数を減らすと、残した粒が大きく甘くなります。

うどんこ病や灰色かび病など、雨と多湿による病気です。雨よけや袋かけで実を守り、風通しを良くして、発生時は早めに罹病部を除去し薬剤で防除します。

家庭ではジベレリンという植物ホルモン液に、満開時と数日後の2回、房を浸けて処理します。種なし化と粒の肥大を兼ねますが、必須ではなく、種ありのまま育てても問題ありません。

窒素肥料の効かせすぎや、冬の剪定不足が原因のことが多いです。肥料は控えめにし、冬に前年枝を切り戻して新梢を更新すると、実つきが改善します。

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