ナスタチウム
Tropaeolum majus Nasturtium
ナスタチウムは、赤・オレンジ・黄色の、ビタミンカラーの花と、まるい愛らしい葉が魅力の、食べられる花(エディブルフラワー)として人気のハーブで...
かんたんに言うと
ナスタチウム(キンレンカ)は、赤やオレンジの花も葉も食べられる、ピリ辛のエディブルフラワーハーブ。種から簡単に育ち、初夏から秋まで次々咲きます。日当たりを好み、肥料が多いと花が咲きにくくなるので控えめに。サラダの彩りや、家庭菜園のコンパニオンプランツにも人気です。
Profile
基本情報
ナスタチウムは、赤・オレンジ・黄色の、ビタミンカラーの花と、まるい愛らしい葉が魅力の、食べられる花(エディブルフラワー)として人気のハーブです。和名を「キンレンカ(金蓮花)」といい、ハスに似た、まるい葉と、金色(黄〜オレンジ)の花から、その名がつきました。
花も葉も、つぼみも、種も、すべて食べられ、ピリッとした、わさびや、クレソンに似た、さわやかな辛みが特徴。サラダに、花を散らせば、彩りと、ピリッとしたアクセントになり、見た目も味も楽しめる、おしゃれなハーブです。英名「インディアンクレス(クレソンのような辛み)」のとおり、ピリ辛の風味が、料理を引き立てます。
ナスタチウムは、つる性、または、こんもりと茂う、わい性の一年草(暖地では、こぼれ種でふえることも)。生育が早く、種から、簡単に育てられ、初夏から秋まで、次々と花を咲かせる、育てやすさも魅力です。日当たりを好み、やせ気味の土でも、よく育ち、むしろ、肥料が多すぎると、葉ばかり茂って、花が咲きにくくなる「つるぼけ」になるので、肥料は控えめでよい、手間のかからない植物。
コンテナや、ハンギングバスケットで、つるを垂らして楽しんだり、花壇の彩りにしたり、家庭菜園の、コンパニオンプランツ(アブラムシを引き寄せて、ほかの野菜を守る「おとり」になるなど)として使ったりと、使い道が幅広いのも特徴です。ガーデニングと、料理の、両方で活躍する、楽しいハーブです。
💡豆知識
ナスタチウムは、南アメリカ(ペルーなど、アンデス地方)が原産のハーブで、大航海時代に、ヨーロッパへ伝わり、観賞用としても、食用・薬用としても、広まりました。花・葉・つぼみ・種と、すべての部分が食べられる、数少ない植物のひとつで、その、ピリッとした辛みは、わさびや、クレソン、からし菜などと同じ、辛み成分(からし油配糖体)によるもの。
ビタミンCも豊富で、昔は、ビタミン補給や、薬用にも利用されました。とくにおもしろいのが、種の使い方。まだ若い、緑色のつぼみや、未熟な種を、酢漬け(ピクルス)にすると、高級食材「ケッパー」の代用品になり、ピリッとした風味が楽しめます。ナスタチウムは、家庭菜園で、コンパニオンプランツとしても重宝されます。
アブラムシが、ナスタチウムに集まりやすい性質を利用して、トマトや、キュウリなどの近くに植え、害虫を、ナスタチウムに引き寄せる「おとり(トラップ)」にしたり、その香りで、害虫を遠ざけたりする効果が、期待されています。英名「Nasturtium」は、ラテン語で「鼻がねじれる」という意味の言葉に由来し、あの、ツンとくる辛みを、かいだときの表情に、ちなむといわれます。見て、食べて、菜園にも役立つ、一石何鳥もの、楽しいハーブです。
Calendar
育成カレンダー
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 種まき | 4月は種まき | |||||||||||
| 開花 | 6月は開花 | |||||||||||
| 収穫 | 7月は収穫 | |||||||||||
| 剪定 | 8月は剪定 |
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
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| 種まき | 4月は種まき | |||||||||||
| 開花 | 6月は開花 | |||||||||||
| 収穫 | 7月は収穫 | |||||||||||
| 剪定 | 8月は剪定 |
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 種まき | 4月は種まき | |||||||||||
| 開花 | 6月は開花 | |||||||||||
| 収穫 | 7月は収穫 | |||||||||||
| 剪定 | 8月は剪定 |
数字は月を表します。色帯のある月がその作業の適期です。上のタブで地域を切り替えられます。
At a glance
ひと目でわかる特徴
Specs
形態と環境条件
形態
- 草丈
- 20〜200cm
- 株張り
- 20〜60cm
- 花のサイズ
- 径3〜5cmの花(赤・オレンジ・黄)
環境条件
- 日照
- 日なた
- 耐寒温度
- 3℃
- 耐暑温度
- 35℃
- 土壌pH
- 6.0〜7.5
- 水やり
- 土の表面が乾いたらたっぷり。過湿は避ける。
- 肥料
- 緩効性肥料(控えめ)
How to grow
育て方ステップ
-
1
種まき・植え付け(やせ地でよい)
約14日ナスタチウムは、種から、とても簡単に育てられます。種まきの適期は、暖かくなる春(4〜5月)。寒さに弱いので、霜の心配がなくなってからまきます。ナスタチウムの種は、大きく、扱いやすいので、初心者にも、まきやすいのが魅力。発芽をよくするため、種を、一晩、水につけてからまくと、よく揃って発芽します。
直まき(育てる場所に直接まく)でも、ポットにまいて苗を育ててから植えてもよく、移植を、やや嫌うので、直まきか、根を傷めないよう、そっと植えるのがコツです。種は、深さ1〜2cmほどに、点まきして、土をかけます。植え付け場所は、日当たりのよい場所を選びます。
ここで大切なのが、土。ナスタチウムは、やせ気味の土を好み、肥えすぎた土や、肥料の多い土では、葉ばかり、こんもりと茂って、花が咲かない「つるぼけ」になります。そのため、元肥は、ごく控えめか、なしでよく、やせた土のほうが、花つきがよくなる、という、ちょっと変わった植物です。
鉢やプランター、ハンギングバスケットでも、よく育ちます。水はけのよい土を使い、肥料は控えめにします。生育が早く、まいてから2か月ほどで、花が咲き始める、手軽さも魅力です。
💡霜後の春に種まき。種は一晩水につけると発芽が揃う。移植を嫌うので直まきが手軽。やせ気味の土・肥料控えめが花つきの鍵。
-
2
水やりと肥料(控えめに)
約30日ナスタチウムの水やりは、土の表面が乾いたら、たっぷりと与えるのが基本です。やや乾燥に強い植物なので、水のやりすぎは禁物。いつもじめじめした、過湿の状態が続くと、根が傷んだり、株が蒸れたりするので、土が乾いてから、水を与える、めりはりを心がけます。
とくに、鉢やプランター、ハンギングバスケットは、乾きやすいので、夏は、水切れに注意しつつ、与えすぎないように、土の状態を見て、水やりします。ナスタチウム栽培で、いちばん大切な、そして、ほかの植物と違う、ポイントが「肥料を控えめにする」こと。
多くの植物は、肥料を、しっかり与えると、よく育ち、よく咲きますが、ナスタチウムは、逆。肥料、とくに、窒素分が多いと、葉ばかりが、こんもりと茂って、肝心の花が、ほとんど咲かない「つるぼけ」の状態になってしまいます。そのため、元肥は、ごく控えめか、なしでよく、追肥も、基本的には不要。
やせ気味の環境で育てるほうが、花が、たくさん咲きます。もし、葉ばかり茂って、花が咲かない場合は、肥料が多すぎるサインなので、肥料を止めて、日当たりのよい場所で、乾かし気味に育てると、花が咲いてきます。手をかけすぎないほうが、よく咲く、ある意味、ものぐささんに、ぴったりのハーブです。
💡乾いたらたっぷり、過湿は避ける。最大のコツは肥料を控えること(多肥は葉ばかりで花が咲かない)。やせ気味でよく咲く。
-
3
花と葉を収穫して食べる
約60日ナスタチウムは、初夏から、赤・オレンジ・黄色の、鮮やかな花を、次々と咲かせます。この花も、まるい葉も、つぼみも、すべて食べられる「エディブルフラワー(食べられる花)」「食用ハーブ」なのが、ナスタチウムの、いちばんの楽しみです。花や、若い葉を、必要なときに、必要な分だけ、摘み取って、料理に使います。
味は、わさびや、クレソンに似た、ピリッとした、さわやかな辛みが特徴。サラダに、鮮やかな花を、ぱっと散らせば、見た目が、ぐんと華やかになり、ピリ辛のアクセントが、加わります。葉は、サラダに混ぜたり、サンドイッチに、はさんだりして、ピリ辛のクレソン感覚で楽しめます。
花は、中に、ほんのり甘い蜜があり、葉より、マイルドな辛み。オープンサンドや、カナッペ、ケーキの飾りにも使えます。摘んだ花や葉は、香りと、彩りが、すぐに落ちやすいので、使う直前に摘むのが、いちばん。食べる際は、無農薬で育てたものを使い、よく洗ってから使います。
また、若い緑色のつぼみや、未熟な種を、酢漬け(ピクルス)にすると、高級食材「ケッパー」の代用になり、ピリッとした、しゃれた味わいが楽しめます。育てる楽しみと、食べる楽しみの、両方を味わえる、ぜいたくなハーブです。
💡花・葉・つぼみ・種が食べられる。ピリ辛でサラダの彩りに。使う直前に摘み、無農薬のものをよく洗って。つぼみ・種はピクルスに。
-
4
コンパニオンプランツとして使う
約90日ナスタチウムは、家庭菜園で「コンパニオンプランツ(共栄作物)」としても、よく利用される、便利なハーブです。コンパニオンプランツとは、ある植物のそばに、別の植物を植えることで、害虫を防いだり、生育を助けたりする、植物どうしの組み合わせのこと。
ナスタチウムは、その代表選手のひとつです。ナスタチウムには、アブラムシが、集まりやすい性質があります。これを逆手にとって、トマトや、キュウリ、キャベツ、豆類など、守りたい野菜の、近くに、ナスタチウムを植えておくと、アブラムシが、ナスタチウムのほうに、優先的に集まり、大事な野菜を、害虫から守る「おとり(トラップクロップ)」の役目を果たす、とされています。
集まったアブラムシは、てんとう虫などの、益虫を呼び寄せる効果も期待できます。また、ナスタチウムの、独特の香りが、一部の害虫を、遠ざける効果がある、ともいわれます。さらに、地面を、こんもりと覆うように茂るので、株元の、雑草を抑えたり、土の乾燥を防いだりする、グランドカバーの役目もします。
ピリ辛で、食べられる、おまけつき。家庭菜園の、野菜の近くや、すき間に、ナスタチウムを植えておくと、彩りと、収穫と、害虫対策を、いっぺんに楽しめる、一石何鳥もの、頼れる相棒になります。
💡アブラムシを引き寄せる「おとり」として、トマト・キュウリ等の近くに植えると野菜を守る。香りで害虫を遠ざけ、雑草も抑える。
-
5
夏越し・花を長く楽しむ・種とり
約90日ナスタチウムは、初夏から秋まで、長く花を楽しめますが、いくつか、コツがあります。まず、花を長く、たくさん咲かせるには、咲き終わった花を、こまめに摘み取る「花がら摘み」が効果的。しぼんだ花を、放っておくと、種づくりに、養分が取られて、花数が減るので、花がらを摘むと、次々と、新しい花が上がってきます。
注意したいのが、真夏の高温多湿。ナスタチウムは、もともと、涼しいアンデス原産で、暑さと、湿気が、やや苦手です。日本の、蒸し暑い真夏には、株が、弱ったり、間のびして、乱れたり、花が、一時的に、少なくなったりすることがあります。真夏に、株が、疲れて乱れてきたら、思い切って、つるを、半分ほどに切り戻し(刈り込み)、風通しのよい、やや涼しい場所で、夏を越させると、秋に、再び、わき芽が伸びて、涼しくなった秋に、もう一度、たくさんの花を、楽しめます。
ナスタチウムは、一年草ですが、暖地では、こぼれ種で、翌年も、芽を出すことがあります。種をとりたい場合は、花後にできる、ごつごつした種を、茶色く熟してから採取して、乾かして保存し、翌春にまきます。寒さに弱いので、冬は、霜で枯れる、一年草として、楽しむのが基本ですが、こぼれ種や、自家採取の種で、毎年、手軽に、つないでいける、楽しいハーブです。
💡花がらをこまめに摘むと次々咲く。暑さに弱く真夏は乱れがち、切り戻すと秋に再び咲く。こぼれ種や採種で翌年も楽しめる。
Checklist
育てる前のチェックリスト
-
✓200〜400円
ナスタチウムの種
大きくまきやすい。一晩水につけると発芽良好。
-
○200〜500円
ナスタチウムの苗 (任意)
春に出回る。八重咲きや葉色の品種も。
-
○400〜1,000円
草花用培養土 (任意)
水はけのよい土。肥料分は少なめでよい。
-
○300〜1,500円
鉢・ハンギングバスケット (任意)
垂らして楽しむハンギングにも。
Pests & Diseases
かかりやすい病害虫
アブラムシ
よく発生症状: 新芽が縮れる、葉がべたつく、すす病を誘発。
予防: 風通しを良くし、窒素過多を避ける。シルバーマルチで忌避。
対処: 見つけ次第捕殺、牛乳スプレーや薬剤で防除。
アオムシ
時々症状: 葉に穴があき緑色の糞が残る。
予防: 防虫ネットで成虫の産卵を防ぐ。
対処: 見つけ次第捕殺、BT剤を使用。
Nutrition
栄養と食べ方
- ビタミンC
- 豊富(葉・花)
- ビタミンA
- 葉に含む
- ビタミンK
- 葉に含む
- 葉酸
- 少量
- 鉄
- 微量
- カルシウム
- 微量
- カリウム
- 微量
- 食物繊維
- 微量
旬・味: 初夏〜秋が旬。わさびやクレソンに似たピリッとした辛み。ビタミンCを含み、花・葉・つぼみ・種が食用になる。
保存: 香りと彩りが落ちやすいので使う直前に摘む。摘んだものは湿らせた紙に包み冷蔵し早めに使う。
Common mistakes
失敗あるある TOP3
⚠ つるぼけで花が咲かない
葉ばかり茂って花がほとんど咲きません。
原因: 肥料(窒素分)の与えすぎ、日照不足。
対策: 肥料を止め、日当たりのよい場所で乾かし気味に育てます。やせ気味でよく咲きます。
⚠ アブラムシの発生
新芽やつぼみにアブラムシが群がります。
原因: アブラムシが好む性質(コンパニオンの裏返し)。
対策: 見つけ次第取り除く。おとりとして利用する場合は野菜から離して管理します。
⚠ 真夏の暑さで弱る・乱れる
株が間のびし、花が減って乱れます。
原因: 高温多湿が苦手なため。
対策: 切り戻して風通しよく涼しく夏越しさせると、秋に再び咲きます。
FAQ
よくある質問
はい、ナスタチウムは種から簡単に育ち、生育も早く、やせ地でもよく育つ、とても育てやすいハーブです。むしろ、肥料を与えすぎると葉ばかり茂って花が咲かないので、手をかけすぎないほうがよく咲きます。日当たりのよい場所で、肥料控えめ、乾かし気味に育てるのがコツ。初夏から秋まで次々と花を楽しめます。
「つるぼけ」といい、肥料(とくに窒素分)の与えすぎが原因です。ナスタチウムはやせ気味の土を好むので、肥料を止めて、日当たりのよい場所で、乾かし気味に育てると、花が咲いてきます。元肥も追肥も控えめか、なしでよい、ちょっと変わった植物です。日照不足でも花が咲きにくくなります。
はい、ナスタチウムは花・葉・つぼみ・種のすべてが食べられるエディブルフラワーです。わさびやクレソンに似たピリッとした辛みがあり、サラダの彩りやサンドイッチに使えます。つぼみや未熟な種はピクルスにするとケッパーの代用に。食べる際は、無農薬で育てたものを、よく洗って、使う直前に摘んで使います。
そばに植えることで、害虫を防いだり生育を助けたりする植物の組み合わせのことです。ナスタチウムはアブラムシが集まりやすい性質を利用し、トマトやキュウリなど守りたい野菜の近くに植えて、害虫を引き寄せる「おとり」になります。香りで害虫を遠ざけ、地面を覆って雑草も抑える、家庭菜園の頼れる相棒です。
ナスタチウムは涼しいアンデス原産で、暑さと高温多湿がやや苦手です。蒸し暑い真夏は、株が疲れて間のびし、花が減ることがあります。乱れてきたら、つるを半分ほどに切り戻し、風通しのよい涼しい場所で夏を越させると、秋に再びわき芽が伸びて、たくさん花を咲かせます。
ナスタチウムは寒さに弱い一年草で、冬は霜で枯れるので、基本は一年草として楽しみます。ただし暖地では、こぼれ種で翌年も芽を出すことがあります。種をとりたい場合は、花後にできるごつごつした種を、茶色く熟してから採取し、乾かして保存して翌春にまきます。手軽に毎年つなげるハーブです。
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