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植物図鑑
🥬
大きなハート形の葉を茂らせたサトイモ
🥬 野菜

サトイモ

Colocasia esculenta Taro

やさしい 難易度2(5段階中): やさしい 💰 苗は300〜800円

サトイモ(里芋)は、大きなハート形の葉を茂らせ、地中で、ねっとりとした独特の食感の「いも」を太らせる、秋の味覚を代表する野菜です。食用にする...

かんたんに言うと

サトイモ(里芋)は、地中のいもを食べる秋の野菜。高温多湿を好み、乾燥を嫌うので、夏の水切れに注意し、たっぷり水を与えるのがいもを太らせるコツ。春に種芋を植え、土寄せと追肥をして、霜が降りる前に収穫します。比較的育てやすい根菜です。

Profile

基本情報

サトイモ(里芋)は、大きなハート形の葉を茂らせ、地中で、ねっとりとした独特の食感の「いも」を太らせる、秋の味覚を代表する野菜です。食用にするのは、地中の茎(塊茎)が肥大したもので、中心の大きな「親芋(おやいも)」のまわりに、たくさんの「子芋(こいも)」「孫芋(まごいも)」がつき、品種によって、子芋を食べるもの、親芋を食べるもの、親子ともに食べるものがあります。

煮物やけんちん汁、芋煮など、和食に欠かせない、なじみ深い食材で、お月見にお供えする「衣かつぎ」でも親しまれています。原産は東南アジアの熱帯で、高温多湿を好み、日本の夏によく育ちます。乾燥を嫌い、たっぷりの水を必要とするのが大きな特徴で、水もちのよい場所や、こまめな水やりが、いもをよく太らせるコツ。

春に「種芋(たねいも)」を植え付け、夏に大きな葉を茂らせて、秋に、霜が降りる前に収穫します。家庭菜園では、植え付けたら、あとは水切れと、土寄せ・追肥に気をつければ、比較的手間がかからず、たくさんのいもが収穫できる、つくりがいのある野菜です。

掘り上げたときに、ひとつの種芋から、いもがごろごろとついている様子は、収穫の喜びもひとしお。また、サトイモは、いもだけでなく、葉柄(ずいき)を食べる品種もあり、余すところなく楽しめます。葉が大きく茂る姿は、緑のカーテンや、庭の景観としても見ごたえがあります。

分類
野菜 / 根菜
原産地
東南アジア、インド
別名
サトイモ、里芋、タロイモ、いもがしら(親芋)
適期
植え付けは4月
価格目安
苗は300〜800円

💡豆知識

サトイモの「サト(里)」は、山に自生するヤマイモ(自然薯)に対して、里(人里)で栽培されるいも、という意味からきているといわれます。日本へは、稲作よりも古く、縄文時代には伝わっていたとされ、米が主食になる前の、重要な主食のひとつだったとも考えられている、たいへん歴史の古い作物です。

お月見に、サトイモをお供えする風習があるのは、その名残で、十五夜を「芋名月(いもめいげつ)」と呼ぶ地方もあります。サトイモの、あの独特のぬめりは、ガラクタンやムチンといった成分によるもので、これが、体にやさしい食感と、栄養をもたらします。サトイモを切ったときや、皮をむくときに、手がかゆくなることがあるのは、シュウ酸カルシウムの、針のような結晶が、皮膚を刺激するため。

塩や酢を使ったり、手を乾いた状態で扱ったり、加熱したりすると、かゆみを抑えられます。サトイモの仲間には、観葉植物として人気のクワズイモや、巨大な葉のアロカシアなどがあり、いずれもサトイモ科。大きなハート形の葉は、サトイモ科に共通する特徴です。秋、葉が枯れ始めるころが、いよいよ収穫の合図です。

Calendar

育成カレンダー

全国の月別育成カレンダー
作業 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
植え付け
4月は植え付け
収穫
10月は収穫
追肥
7月は追肥
病害虫注意
8月は病害虫注意
関東の月別育成カレンダー
作業 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
植え付け
4月は植え付け
収穫
11月は収穫
追肥
7月は追肥
病害虫注意
8月は病害虫注意
近畿の月別育成カレンダー
作業 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
植え付け
4月は植え付け
収穫
11月は収穫
追肥
7月は追肥
病害虫注意
8月は病害虫注意

数字は月を表します。色帯のある月がその作業の適期です。上のタブで地域を切り替えられます。

At a glance

ひと目でわかる特徴

育てやすさ やさしい
収穫・開花の早さ 普通
手軽さ(コスト) 手軽

Specs

形態と環境条件

形態

草丈
80〜150cm
株張り
40〜80cm
実のサイズ
いも(塊茎)。子芋は3〜6cmほど

環境条件

日照
日なた
耐寒温度
5℃
耐暑温度
38℃
土壌pH
5.5〜6.5
水やり
乾燥を嫌う。夏は特に水切れさせないよう、土が乾く前にたっぷり。
肥料
緩効性化成肥料・有機質肥料

How to grow

育て方ステップ

  1. 1

    種芋を植え付ける

    約14日

    サトイモは、種から育てるのではなく、いも(種芋)を植え付けて育てます。植え付けの適期は、十分に暖かくなった、桜が散るころから初夏(4〜5月)。サトイモは高温を好み、寒さに弱いので、遅霜の心配がなくなってから植えます。種芋は、園芸店やホームセンターで購入できるほか、食用のサトイモから芽が出たものでも育てられます。

    芽の出る上の部分を上にして、深さ7〜10cmほどに植え付けます。株間は、大きく育つので、40〜50cmほど、たっぷりあけます。植え付け場所は、日当たりがよく、何より「水もちのよい」場所が理想的。サトイモは乾燥を嫌うので、乾きやすい砂地より、保水性のある土が向きます。

    やせ地では育ちが悪いので、植え付け前に、堆肥や元肥をしっかりすき込んで、肥えた土をつくっておきます。植え付け後は、たっぷりと水を与えます。発芽までは、やや時間がかかり、地温が上がってから、3〜4週間ほどで、芽が地上に出てきます。プランターや袋で育てる場合も、深さのある大きな容器を選び、水もちのよい土を使います。

    💡4〜5月、遅霜後に芽を上にして深さ7〜10cmに植える。株間40〜50cm。水もちのよい肥えた土に。

  2. 2

    水やり(乾燥は大敵)

    約60日

    サトイモ栽培で、いもをよく太らせる、最大のコツが「水やり」です。サトイモは、もともと熱帯の湿った場所に育つ植物で、乾燥をとても嫌い、たっぷりの水を必要とします。水が不足すると、葉がしおれるだけでなく、いもが大きく太らず、収穫量がぐっと落ちてしまいます。

    とくに、生育の盛んな夏(7〜8月)は、いもが太る大事な時期であり、いちばん水を必要とするので、絶対に水切れさせないように注意します。畑では、晴天が続いて乾燥するときは、株元に、たっぷりと水を与えます。畝のまわりに、わら(敷きわら)や、刈った草を敷く「マルチング」をすると、土の乾燥を防ぎ、水もちがよくなるので、とても効果的です。

    サトイモは、水を好むあまり、田んぼのように、水を張って育てる方法もあるほど。プランターや袋栽培は、畑よりずっと乾きやすいので、夏は毎日のように、たっぷり水やりが必要です。「サトイモは水で育てる」といわれるほど、水やりが収穫を左右します。葉が大きく、暑い日には葉から水分がどんどん蒸発するので、夏の水切れには、くれぐれも気をつけましょう。

    💡乾燥が最大の敵。夏は水切れ厳禁でたっぷり。敷きわら(マルチング)で乾燥を防ぐ。容器栽培は毎日水やり。

  3. 3

    土寄せと追肥

    約60日

    サトイモを大きく、たくさん収穫するために欠かせないのが「土寄せ」と「追肥」です。サトイモは、植え付けた種芋(親芋)のまわりに、上へ上へと、子芋・孫芋を作りながら、いもが育っていきます。このとき、土の量が足りないと、いもが土から飛び出してしまい、緑色になったり、よく太らなかったりします。

    そこで、生育の途中で、株元に土を寄せて、いもがしっかり土の中で育つようにする「土寄せ」を行います。土寄せは、生育期に2〜3回、株が大きくなるのに合わせて、株元にこんもりと土を盛り上げるように行います。この土寄せと同じタイミングで、追肥を行うのが効率的。

    株のまわりに、化成肥料や有機質肥料をまき、土と混ぜながら土寄せをします。追肥は、植え付け後、1か月〜1か月半ごとを目安に、2〜3回行うと、いもがよく太ります。土寄せには、いもを太らせるほか、株が倒れるのを防ぎ、雑草を抑える効果もあります。サトイモは、葉が大きく茂って、株元が見えにくくなりますが、株元の土の状態を、ときどき確認して、いもが露出していたら、土をかけてあげましょう。

    💡生育期に2〜3回、追肥と合わせて株元に土寄せ。いもの露出を防ぎよく太らせる。倒れ防止・雑草抑制にも。

  4. 4

    収穫する

    約14日

    サトイモの収穫は、秋。葉が黄色く枯れ始め、霜が降りるころが、収穫の合図です。地域によりますが、おおむね10〜11月ごろ。霜に当たると、いもが傷み、日もちも悪くなるので、霜が本格的に降りる前に、収穫を始めます。収穫は、まず、地上部の茎葉を、株元から少し残して刈り取り、それから、株のまわりに、スコップやくわを入れて、株ごと、いもを掘り上げます。

    サトイモは、根が深く張り、いもがごろごろとついて重いので、株のまわりから、いもを傷つけないように、ていねいに掘り起こします。掘り上げると、中心の親芋のまわりに、子芋・孫芋が、塊になってついています。これを、ひとつずつ手で外して、調理に使います。

    子芋を食べる品種、親芋を食べる品種、両方食べる品種があるので、育てた品種に合わせて利用します。収穫したては、ぬめりがあって、皮がむきにくいので、いもを乾かしてからむくか、ゆでてからむくと、扱いやすくなります。皮むきで手がかゆくなる場合は、塩や酢を使うとよいでしょう。とれたてのサトイモは、香りも食感も格別。煮物や芋煮、けんちん汁などで、秋の味覚を楽しみましょう。

    💡10〜11月、葉が枯れ霜が降りる前に。茎を刈ってから株ごと掘り上げる。親芋のまわりの子芋・孫芋を外して使う。

  5. 5

    保存と種芋の確保

    約90日

    サトイモは、収穫後の保存と、翌年の種芋の確保もできる野菜です。サトイモは、寒さと乾燥に弱いので、冷蔵庫に長く入れると、低温で傷みやすく、味も落ちます。すぐに使わない分は、土つきのまま、新聞紙に包んで、冷暗所(10度前後)で保存すると、比較的長もちします。

    たくさん収穫できた場合や、翌年の種芋を確保したい場合は、昔ながらの「埋め戻し(土中保存)」が向きます。これは、収穫した株(親芋と子芋がついたまま)を、畑の、水はけのよい場所に掘った穴に、逆さにして埋め戻し、わらや土をかぶせて、寒さと乾燥から守りながら、冬を越させる方法。

    こうして保存したいもを、春に掘り出して、食用にしたり、芽の出たよいものを種芋にしたりします。家庭で、種芋を確保すれば、翌年も、また苗を買わずに育てられます。ただし、寒冷地では、土中保存でも凍ってしまうことがあるので、その場合は、室内の暖かい冷暗所で保存します。

    サトイモは、保存がきき、種芋でつないでいけるので、毎年、自分で育て継ぐ楽しみがあります。連作をやや嫌うので、毎年、植える場所を変えると、より健康に育ちます。

    💡土つきで冷暗所(10度前後)保存。冷蔵庫は傷みやすい。土中保存(埋め戻し)で越冬・種芋確保。連作はやや避ける。

Checklist

育てる前のチェックリスト

  • サトイモの種芋

    春に出回る。食用いもの芽出しでも可。

    300〜800円
  • 堆肥・元肥(土づくり) (任意)

    水もちと肥えた土をつくる。

    400〜1,200円
  • 化成肥料・有機質肥料 (任意)

    生育期の追肥用。

    400〜1,000円
  • 敷きわら・マルチ (任意)

    土の乾燥を防ぎ水もちをよくする。

    300〜1,000円
初期費用の目安(必須のみ) 300〜800円

Pests & Diseases

かかりやすい病害虫

害虫

アブラムシ

時々

症状: 新芽が縮れる、葉がべたつく、すす病を誘発。

予防: 風通しを良くし、窒素過多を避ける。シルバーマルチで忌避。

対処: 見つけ次第捕殺、牛乳スプレーや薬剤で防除。

害虫

ハダニ

時々

症状: 葉に白いかすり状の斑点、ひどいと葉が枯れる。

予防: 葉裏への葉水で乾燥を防ぐ。

対処: 葉裏への葉水を継続し、専用の殺ダニ剤を使用する。

Nutrition

栄養と食べ方

エネルギー
58kcal
ビタミンC
6mg
ビタミンA
0μg
ビタミンK
0μg
葉酸
30μg
0.5mg
カルシウム
10mg
カリウム
640mg
食物繊維
2.3g

旬・味: 秋から冬が旬。ねっとりした独特の食感とやさしい甘み。カリウムと食物繊維が豊富で、ぬめり成分も特徴。

保存: 土つきのまま新聞紙に包み冷暗所(10度前後)へ。冷蔵庫は低温障害で傷みやすいので避ける。

🍴 煮物・芋煮🍴 けんちん汁・豚汁🍴 衣かつぎ(蒸し)🍴 揚げ出し・コロッケ

Common mistakes

失敗あるある TOP3

⚠ 夏の水切れでいもが太らない

葉がしおれ、収穫したいもが小さい・少ない。

原因: 乾燥に弱いのに、夏に水が不足した。

対策: 夏は水切れさせずたっぷり水やりし、敷きわらで乾燥を防ぎます。

⚠ 土寄せ不足でいもが緑化・露出

いもが地表に出て緑色になります。

原因: 土寄せ不足で、いもが土から飛び出した。

対策: 生育期に2〜3回、株元に土寄せして、いもを土中で育てます。

⚠ 霜・寒さでいもが傷む

収穫が遅れ、いもが傷んで日もちが悪い。

原因: 霜に当たった、寒さに弱い。

対策: 本格的な霜が降りる前に収穫し、保存は冷暗所か土中で行います。

FAQ

よくある質問

はい、サトイモは種芋を植えれば、あとは手間が少なく、ひとつの種芋からたくさんのいもが収穫できる、つくりがいのある野菜です。最大のコツは、乾燥を嫌うので、夏に水切れさせないこと。あとは、土寄せと追肥をしておけば、秋にごろごろといもが収穫できます。

サトイモは乾燥を非常に嫌い、たっぷりの水が必要です。とくに、いもが太る夏(7〜8月)は水切れ厳禁。畑では乾いたら株元にたっぷり与え、敷きわらで乾燥を防ぎます。プランターや袋栽培は乾きやすいので、夏は毎日のように水やりが必要。「サトイモは水で育てる」といわれるほど、水やりが収穫を左右します。

サトイモは、種芋の上のほうに、子芋・孫芋を作りながら育つため、土が足りないと、いもが地表に出て緑化したり、太らなかったりします。生育期に2〜3回、株元に土を寄せると、いもが土中でしっかり育ち、よく太ります。追肥と同時に行うのが効率的で、株の倒れ防止や雑草抑制の効果もあります。

秋、葉が黄色く枯れ始め、霜が降りるころ(おおむね10〜11月)が収穫期です。霜に当たるといもが傷むので、本格的な霜の前に収穫します。地上部を刈ってから、株ごと掘り上げ、親芋のまわりについた子芋・孫芋を外して使います。とれたては香りも食感も格別です。

サトイモに含まれるシュウ酸カルシウムの結晶が皮膚を刺激するためです。手を乾いた状態で扱う、塩や酢をつける、いもを乾かしてからむく、またはゆでてからむくと、かゆみを抑えられます。手袋を使うのも有効。かゆくなったら、塩でこすってから洗うと和らぎます。

できます。すぐ使わない分は、土つきのまま新聞紙に包み、冷暗所(10度前後)で保存します。冷蔵庫は低温で傷みやすいので避けます。たくさん収穫したら、昔ながらの土中保存(埋め戻し)で越冬させ、春に掘り出して食用や種芋にできます。種芋でつなげば、翌年も育て継げます。

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