コマツナ
Brassica rapa var. perviridis Komatsuna
コマツナは、種まきから30〜50日ほどで収穫できる、家庭菜園向きの代表的な葉物野菜です。生育が早く、暑さ寒さの両方に比較的強いため、真夏と真冬を...
かんたんに言うと
コマツナは日当たりや半日陰に種をまき、間引きながら育てると約1か月で収穫できる、ほぼ一年中作れる育てやすい葉物野菜です。
Profile
基本情報
コマツナは、種まきから30〜50日ほどで収穫できる、家庭菜園向きの代表的な葉物野菜です。生育が早く、暑さ寒さの両方に比較的強いため、真夏と真冬を除けばほぼ一年中栽培でき、プランターひとつで何度も繰り返し作れる手軽さが魅力です。日当たりはもちろん、半日陰でも育つので、栽培場所を選びにくいのも初心者に嬉しいポイント。
栽培で気をつけることはシンプルで、第一に、混み合ったところを2回ほどに分けて間引き、株間を確保して葉を大きく育てること。第二に、土を乾かさないよう水やりをして、やわらかくみずみずしい葉に育てること。第三に、アブラナ科のためアオムシ(モンシロチョウの幼虫)に葉を食べられやすいので、種まき直後から防虫ネットで覆って守ることです。
とくに秋まきは害虫が減って育てやすく、さらに霜に当たると葉に甘みがのっておいしくなるため、初めての葉物栽培には秋が一番のおすすめです。カルシウムや鉄分はホウレンソウを上回るほど豊富で、アクが少なく下ゆで不要のため、おひたしや炒め物、味噌汁の具にとすぐ使える、栄養価も使い勝手も優秀な野菜です。
プランターひとつあれば思い立ったときにすぐ種をまけ、短期間で収穫できるので、食卓にもう一品の青菜を手軽に加えられる、家庭菜園の頼れる常連といえます。
💡豆知識
コマツナの名前は、江戸時代に現在の東京都江戸川区にあたる小松川(こまつがわ)周辺で盛んに栽培されていたことに由来するといわれます。八代将軍・徳川吉宗がこの地で食べた菜を気に入り、地名にちなんで「小松菜」と名づけたという逸話が伝わっています。
アブラナ科の野菜で、関東地方では正月の雑煮に欠かせない「名(菜)を上げる」縁起物の青菜としても親しまれてきました。栄養面では、カルシウムや鉄分の含有量がホウレンソウを上回り、しかもアクの原因となるシュウ酸が少ないため、下ゆでせずそのまま調理できる手軽さも魅力です。
Calendar
育成カレンダー
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 種まき | 3月は種まき | 4月は種まき | 9月は種まき | 10月は種まき | ||||||||
| 収穫 | 4月は収穫 | 5月は収穫 | 10月は収穫 | 11月は収穫 | ||||||||
| 病害虫注意 | 4月は病害虫注意 |
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 種まき | 3月は種まき | 4月は種まき | 9月は種まき | 10月は種まき | ||||||||
| 収穫 | 5月は収穫 | 11月は収穫 | ||||||||||
| 病害虫注意 | 4月は病害虫注意 |
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 種まき | 3月は種まき | 4月は種まき | 9月は種まき | 10月は種まき | ||||||||
| 収穫 | 5月は収穫 | 11月は収穫 | ||||||||||
| 病害虫注意 | 4月は病害虫注意 |
数字は月を表します。色帯のある月がその作業の適期です。上のタブで地域を切り替えられます。
At a glance
ひと目でわかる特徴
Specs
形態と環境条件
形態
- 草丈
- 20〜30cm
- 株張り
- 10〜20cm
環境条件
- 日照
- 半日陰
- 耐寒温度
- -3℃
- 耐暑温度
- 30℃
- 土壌pH
- 6.0〜6.5
- 水やり
- 土を乾かさないよう、表面が乾いたらこまめに。
- 肥料
- 元肥中心(化成肥料)・液肥
How to grow
育て方ステップ
-
1
種まき
約4日コマツナは植え替えを嫌うので、育てる場所に直接まく「直まき」が基本です。プランターは深さ15cmあれば十分育ちます。深さ約1cmのまき溝をつくり、種を1cm間隔で線状にまく「すじまき」にして、両側から土を寄せて薄くかぶせ、手で軽く押さえてからやさしく水をやります。
発芽適温は20〜25℃で、3〜5日で発芽します。春まき(3〜5月)と秋まき(9〜10月)が育てやすく、とくに秋まきは害虫が少なく霜で甘みも増すので初心者向きです。複数のまき溝をつくるときは、間隔を10cmほどあけると間引きや収穫がしやすくなります。
💡秋まきは害虫が少なく失敗しにくいので、初めてならまず秋がおすすめです。
-
2
間引き
約10日発芽がそろったら、生育に合わせて2回ほどに分けて間引きます。1回目は双葉が開いたころに、混み合った部分や生育の悪い芽を抜いて株間1〜2cmに、2回目は本葉2〜3枚のころに株間3〜5cmに広げます。間引かずに密集させたままだと、葉が立ち上がってひょろひょろと軟弱に徒長し、病気も出やすくなります。
適度に間隔を空けることで、根元までしっかりした、葉の広がった株に育ちます。抜き取った間引き菜は、やわらかくおいしいので、洗ってサラダや味噌汁、おひたしとして無駄なく食べられます。
💡間引き菜はベビーリーフとして食べられます。捨てずに活用しましょう。
-
3
防虫対策
約40日コマツナはアブラナ科のため、モンシロチョウの幼虫「アオムシ」やアブラムシなどの害虫に葉を食べられやすいのが最大の弱点です。被害を防ぐ最も効果的な方法は、種まき直後から畝やプランター全体を「防虫ネット」や不織布で覆い、成虫に卵を産み付けさせないことです。
ネットは隙間ができないよう、すそをしっかり押さえて張ります。それでも葉に穴や緑色の糞を見つけたら、葉裏に潜むアオムシを探して捕殺します。無農薬で育てたい場合は、この防虫ネットによる物理的な予防が何より確実で、収穫した葉を安心して食べられます。
💡種まき直後の防虫ネットが、無農薬でアオムシ被害を防ぐ最大のコツです。
-
4
水やり・追肥
約40日コマツナはやわらかくみずみずしい葉を育てるため、水を切らさないことが大切です。土の表面が乾いたら、株元にたっぷりと水を与えます。とくにプランターは土が乾きやすいので、晴れた日はこまめにチェックします。乾燥させすぎると、葉が硬くなったり辛みが出たりします。
肥料は、元肥が入っていれば短期間で収穫できるため基本的に追肥は不要ですが、生育期間が長引いたり葉色が薄く感じたりしたときは、薄めの液体肥料を一度与えると葉の色つやが良くなります。肥料を与えすぎると、かえって害虫がつきやすくなるので控えめにします。
💡水切れは葉が硬く辛くなる原因。土を乾かしすぎないよう管理します。
-
5
収穫
約1日草丈が20〜25cmほどに育ったら収穫の適期です。収穫の方法は二通りあります。ひとつは、株ごと根元から引き抜くか、地ぎわをハサミで切り取る方法。もうひとつは、外側の大きな葉から数枚ずつかきとって、中心の新しい葉を残し、長く少しずつ収穫し続ける方法です。
家庭菜園では後者の「かきとり収穫」が便利です。収穫が遅れて大きくなりすぎると、葉が硬くなり、やがて花茎が伸びる「とう立ち」をして味が落ちるので、適期になったら早めに収穫しましょう。とくに春まきは気温の上昇でとう立ちしやすいので、早採りを心がけます。
💡外葉からのかきとり収穫なら、一株から長く少しずつ楽しめます。
Checklist
育てる前のチェックリスト
-
✓150〜400円
コマツナの種
1袋でプランター数回分。
-
✓400〜800円
野菜用培養土(14L)
浅型プランター向け。
-
✓500〜1,200円
標準プランター(浅型)
深さ15cmで十分。
-
○300〜800円
防虫ネット (任意)
アオムシ対策に必須級。
Pests & Diseases
かかりやすい病害虫
アブラムシ
時々症状: 新芽が縮れる、葉がべたつく、すす病を誘発。
予防: 風通しを良くし、窒素過多を避ける。シルバーマルチで忌避。
対処: 見つけ次第捕殺、牛乳スプレーや薬剤で防除。
べと病
まれ症状: 葉表に黄色い角張った斑、葉裏に灰白色のカビ。
予防: 水はけと風通しを改善、過湿を避ける。
対処: 罹病部を除去し殺菌剤を散布。
アオムシ
よく発生症状: 葉に穴があき緑色の糞が残る。
予防: 防虫ネットで成虫の産卵を防ぐ。
対処: 見つけ次第捕殺、BT剤を使用。
Nutrition
栄養と食べ方
- エネルギー
- 13kcal
- ビタミンC
- 39mg
- ビタミンA
- 260μg
- ビタミンK
- 210μg
- 葉酸
- 110μg
- 鉄
- 2.8mg
- カルシウム
- 170mg
- カリウム
- 500mg
- 食物繊維
- 1.9g
旬・味: 冬が旬。霜に当たると甘みが増す。アクが少なく下ゆで不要。
保存: 湿らせた紙で包みポリ袋に入れ、立てて冷蔵庫の野菜室へ。
Common mistakes
失敗あるある TOP3
⚠ アオムシの食害
葉に穴があき、ひどいと葉脈だけになります。
原因: モンシロチョウの産卵・幼虫の食害。
対策: 種まき直後から防虫ネットで覆い、見つけ次第捕殺します。
⚠ 軟弱徒長
茎ばかり細長く伸びて葉が小さく倒れやすい。
原因: 間引き不足による密植、日照不足。
対策: しっかり間引いて間隔を確保し、日当たりを良くします。
⚠ とう立ち
花茎が伸びて葉が硬く味が落ちます。
原因: 高温・長日や収穫遅れ。
対策: 春まきは早めに収穫し、適期を逃さないようにします。
FAQ
よくある質問
真夏と真冬を除けばほぼ周年まけますが、育てやすいのは春(3〜5月)と秋(9〜10月)です。とくに秋まきは害虫が少なく霜で甘みも増すので初心者向きです。
アオムシ(モンシロチョウの幼虫)の食害です。種まき直後から防虫ネットで覆って産卵を防ぎ、見つけたら捕殺します。無農薬ならネットが最も確実です。
育ちます。葉物野菜のなかでも日照への要求が少なく、半日陰のベランダでも栽培できます。日当たりが良いほど生育は早くなります。
水切れや収穫遅れが原因です。土を乾かさないよう水やりをし、適期サイズになったら早めに収穫しましょう。
花茎が伸びて花芽がつく現象で、こうなると葉が硬く味が落ちます。春まきは気温上昇でとう立ちしやすいので、早めの収穫が大切です。
外側の大きい葉から数枚ずつかきとる「かきとり収穫」にすると、中心の葉が育ち続け、一株から長く少しずつ収穫できます。
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