キャベツ
Brassica oleracea var. capitata Cabbage
キャベツは、サラダ・炒め物・煮込みと食卓で大活躍する、家庭でも親しみ深い葉物野菜です。葉が幾重にも重なって、ずっしりと丸く結球していく姿は見...
かんたんに言うと
キャベツは冷涼期に結球する葉物で、苗を品種の作型に合わせて植え、植え付け直後から防虫ネットでアオムシを防ぎ、結球期に追肥するのがコツです。
Profile
基本情報
キャベツは、サラダ・炒め物・煮込みと食卓で大活躍する、家庭でも親しみ深い葉物野菜です。葉が幾重にも重なって、ずっしりと丸く結球していく姿は見ごたえがあり、自分で育てた一玉を収穫する満足感は格別。冷涼な気候を好み、品種を選べば春・夏・秋とほぼ一年を通して栽培でき、家庭菜園の主役になります。
育て方の手応えとしては中級ですが、ポイントを押さえれば初心者でも立派な玉を収穫できます。栽培で大切なのは、第一に、苗から育てるのが手軽で、植え付け時期を品種に合わせること。冷涼期に結球するよう、春まき(初夏どり)、夏まき(秋冬どり)など、品種ごとの作型を守ります。
第二に、最大の難関がアオムシ(モンシロチョウの幼虫)をはじめとする害虫対策。アブラナ科は虫がつきやすいので、植え付け直後から防虫ネットでチョウの産卵を防ぐのが成功の鍵です。第三に、結球期にしっかり肥料を効かせて、玉を大きく締まらせること。外葉を大きく育てると、その養分で中心がよく巻きます。
生育には日数がかかりますが、無農薬に近い形で育てた、甘くみずみずしい採れたてキャベツの味は、手間をかけた人だけが味わえるごちそうです。葉が一枚一枚重なって、ずっしりとした一玉に育っていく過程を観察するのも楽しく、収穫したときの達成感は、ほかの葉物野菜にはない大きな喜びを与えてくれます。
💡豆知識
キャベツの祖先は、地中海沿岸に自生する結球しない野生のケールでした。これが長い年月をかけて改良され、葉が巻いて結球するキャベツになりました。同じ祖先から、ブロッコリー、カリフラワー、芽キャベツ、ケール、コールラビなど、姿のまったく異なる多くの野菜が生まれており、これらはすべて植物学的には同じ種という驚きの事実があります。
日本へは江戸時代に観賞用として伝わり、本格的に食用として広まったのは明治以降。胃の粘膜を守る働きがあるとされるビタミンU(キャベジン)を含むことで知られ、胃腸薬の名前の由来にもなりました。とんかつに添えられる千切りキャベツは、油の消化を助ける理にかなった組み合わせ。ビタミンCも豊富で、外葉や芯にも栄養が多く含まれています。
Calendar
育成カレンダー
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 種まき | 3月は種まき | 8月は種まき | ||||||||||
| 植え付け | 3月は植え付け | 9月は植え付け | ||||||||||
| 収穫 | 6月は収穫 | 11月は収穫 | 12月は収穫 | |||||||||
| 病害虫注意 | 9月は病害虫注意 |
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 種まき | 8月は種まき | |||||||||||
| 植え付け | 9月は植え付け | |||||||||||
| 収穫 | 11月は収穫 | 12月は収穫 | ||||||||||
| 病害虫注意 | 9月は病害虫注意 |
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 種まき | 8月は種まき | |||||||||||
| 植え付け | 9月は植え付け | |||||||||||
| 収穫 | 11月は収穫 | 12月は収穫 | ||||||||||
| 病害虫注意 | 9月は病害虫注意 |
数字は月を表します。色帯のある月がその作業の適期です。上のタブで地域を切り替えられます。
At a glance
ひと目でわかる特徴
Specs
形態と環境条件
形態
- 草丈
- 25〜40cm
- 株張り
- 40〜60cm
- 実のサイズ
- 結球(玉)直径15〜25cm
環境条件
- 日照
- 日なた
- 耐寒温度
- -5℃
- 耐暑温度
- 30℃
- 土壌pH
- 6.0〜6.5
- 水やり
- 土の表面が乾いたらたっぷり。結球期は乾かさない。
- 肥料
- 元肥(化成肥料)・追肥
How to grow
育て方ステップ
-
1
品種選びと苗の植え付け
約7日キャベツは種からも育てられますが、初心者は苗から育てるのが手軽で確実です。重要なのは品種ごとの「作型」を守ること。キャベツは冷涼な気候で結球するので、春に植えて初夏に採る「春まき」、夏に植えて秋冬に採る「夏まき(秋冬どり)」など、品種に合った時期に植えます。
初心者には病害虫の少ない涼しい時期にとれる秋冬どりがおすすめです。よい苗は、本葉4〜5枚で茎ががっしりし、葉色の濃いもの。日当たりと水はけのよい場所に、株間40〜45cmで植えます。アブラナ科は酸性土を嫌うので、植え付け2週間前に苦土石灰で土を中和し、元肥を入れておきます。植え付け後はたっぷり水を与えます。プランターは大型のものに1株植えます。
💡品種の作型(植え付け時期)を守るのが基本。初心者は秋冬どりが育てやすい。
-
2
防虫ネットで害虫対策
約30日キャベツ栽培の最大の難関が害虫です。アブラナ科の葉はやわらかく、モンシロチョウの幼虫アオムシ、ヨトウムシ、コナガ、アブラムシなど、多くの虫に狙われます。とくにアオムシは葉を食い荒らし、放置すると葉が穴だらけになります。最も効果的な対策は、植え付け直後から株全体を「防虫ネット(不織布)」でトンネル状に覆い、チョウやガが卵を産みつけるのを物理的に防ぐこと。
これで農薬をほとんど使わずに育てられます。ネットは収穫まで基本的にかけたままにし、すそに隙間ができないよう土でしっかり押さえます。それでも虫がついたら、葉裏まで見回って捕殺します。早い段階からネットで守ることが、きれいなキャベツを育てる最大の秘訣です。
💡植え付け直後から防虫ネットで覆い、チョウの産卵を防ぐのが最大の害虫対策です。
-
3
追肥と外葉づくり
約40日キャベツは、中心が結球する前に、外側の葉(外葉)を大きく育てることが大切です。外葉が大きく茂るほど、光合成で作られた養分が中心に送られ、しっかり巻いた大きな玉になります。そのため、肥料を切らさないことが重要。植え付けの2〜3週間後に1回目、葉が茂って結球が始まる前に2回目の追肥を、株のまわりに施します。
あわせて株元に土を寄せると、株がぐらつかず根張りもよくなります。水やりは、土の表面が乾いたらたっぷりと。とくに結球が始まったら水切れさせないようにします。雑草は養分を奪うのでこまめに取り除きます。外葉が15〜20枚ほどしっかり育つと、いよいよ中心の葉が内側に巻き込み始め、結球がスタートします。
💡結球前に2回追肥して外葉を大きく育てると、中心がよく巻いて大玉になります。
-
4
結球
約30日外葉が十分に育つと、中心の若い葉が内側へ重なり合って巻き始め、だんだん固く締まった玉になっていきます。これが結球です。結球期は生育の山場で、水と養分をよく使うので、水切れと肥料切れに注意します。気温が結球に適していること(多くは15〜20℃の冷涼期)が大切で、暑すぎたり寒すぎたりするとうまく巻きません。
これが品種ごとの作型を守る理由です。順調にいけば、手で押さえてみて玉がだんだん固く締まってくるのが分かります。途中で害虫が中に入り込まないよう、引き続き防虫ネットで保護します。結球が進み、玉がしっかり固く締まれば収穫間近。じっくり巻いていく様子を観察するのも、キャベツ栽培の楽しみのひとつです。
💡結球期は水・肥料を切らさず、適温(冷涼期)を保つことが固く締まった玉のカギです。
-
5
収穫
約14日収穫適期は、玉を手で上から軽く押さえてみて、しっかり固く締まっていると感じられたとき。中身が詰まってずっしりと重くなっています。収穫が遅れると、玉が割れたり(裂球)、とう立ち(花茎が伸びる)したりして食味が落ちるので、適期を逃さないことが大切です。
収穫は、玉の下に包丁やナイフを入れ、外葉を数枚つけた状態で芯を切り取ります。朝のうちに収穫すると、葉がみずみずしくシャキッとしています。採れたてのキャベツは、葉がやわらかく甘みがあり、生のままサラダや千切りで食べると、その新鮮さに驚きます。外葉や芯にも栄養が多いので、無駄なく使いましょう。一玉まるごと収穫できたときの達成感は、家庭菜園ならではの喜びです。
💡玉が固く締まり重くなったら収穫適期。遅れると裂球するので適期を逃さないように。
Checklist
育てる前のチェックリスト
-
✓100〜300円
キャベツの苗
作型に合った品種の苗を選ぶ。
-
✓800〜2,000円
防虫ネット・支柱
アオムシ対策のトンネル用。
-
✓500〜1,200円
化成肥料・苦土石灰
結球期の追肥と酸度調整に。
-
○400〜800円
野菜用培養土 (任意)
プランター栽培用。
Pests & Diseases
かかりやすい病害虫
アブラムシ
よく発生症状: 新芽が縮れる、葉がべたつく、すす病を誘発。
予防: 風通しを良くし、窒素過多を避ける。シルバーマルチで忌避。
対処: 見つけ次第捕殺、牛乳スプレーや薬剤で防除。
ヨトウムシ
時々症状: 葉に大きな食害痕、株元の地中に潜む。
予防: 防虫ネットで産卵を防ぐ。
対処: 夜間または株元を掘って捕殺、薬剤を使用。
アオムシ
よく発生症状: 葉に穴があき緑色の糞が残る。
予防: 防虫ネットで成虫の産卵を防ぐ。
対処: 見つけ次第捕殺、BT剤を使用。
Nutrition
栄養と食べ方
- エネルギー
- 21kcal
- ビタミンC
- 41mg
- ビタミンA
- 4μg
- ビタミンK
- 78μg
- 葉酸
- 78μg
- 鉄
- 0.3mg
- カルシウム
- 43mg
- カリウム
- 200mg
- 食物繊維
- 1.8g
旬・味: 春キャベツはやわらかく甘い。冬キャベツは固く締まり加熱向き。
保存: 芯をくり抜いて湿らせた紙を詰め、ポリ袋で冷蔵庫の野菜室へ。
Common mistakes
失敗あるある TOP3
⚠ アオムシなどの食害
葉が穴だらけになり結球できません。
原因: モンシロチョウやガの幼虫の食害。
対策: 植え付け直後から防虫ネットで覆い、産卵を防ぎます。ついた虫は捕殺します。
⚠ 結球しない
葉は茂るのに中心が巻きません。
原因: 肥料不足、不適な気温、株間が狭い。
対策: 結球前に追肥して外葉を育て、品種に合う時期に適切な株間で栽培します。
⚠ 裂球(玉割れ)
結球した玉が割れます。
原因: 収穫遅れ、急な吸水。
対策: 玉が締まったら適期に収穫します。遅れないことが大切です。
FAQ
よくある質問
品種ごとの作型に従います。春に植えて初夏に採る春まき、夏に植えて秋冬に採る夏まき(秋冬どり)などがあります。初心者には病害虫の少ない涼しい時期にとれる秋冬どりがおすすめです。
アオムシやヨトウムシ、コナガなどの食害です。最も効果的なのは、植え付け直後から防虫ネットで覆い、チョウやガの産卵を防ぐこと。ついた虫は葉裏まで見回って捕殺します。
肥料不足で外葉が十分育っていない、気温が結球に合わない(暑すぎ・寒すぎ)、株間が狭すぎる、などが原因です。結球前に追肥して外葉を大きく育て、品種に合った時期に栽培します。
アブラナ科のキャベツは虫がつきやすく、とくにアオムシの被害が大きいためです。植え付け直後からネットで物理的に守れば、農薬をほとんど使わずに育てられます。
収穫遅れによる「裂球」です。玉が固く締まったら適期なので、遅れないように収穫します。急な雨で水を吸いすぎても割れやすいので、適期になったら早めに採りましょう。
大型のプランターなら1株育てられます。深さと幅のあるものを選び、株が大きくなるので肥料と水を切らさないようにします。防虫ネットで覆う対策も忘れずに行います。
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