ハクサイ
Brassica rapa var. pekinensis Chinese Cabbage
ハクサイは、鍋料理や漬物、煮物に欠かせない、冬の食卓を代表する葉物野菜です。葉が幾重にも重なって、ずっしりと大きく結球した一玉は冬の菜園の主...
かんたんに言うと
ハクサイは秋まき初冬どりの結球野菜。まきどき(8月下旬〜9月)を守ることが最重要で、防虫ネットでアオムシを防ぎ、肥料を効かせて大きな玉に育てます。
Profile
基本情報
ハクサイは、鍋料理や漬物、煮物に欠かせない、冬の食卓を代表する葉物野菜です。葉が幾重にも重なって、ずっしりと大きく結球した一玉は冬の菜園の主役で、自分で育てた採れたてのみずみずしさは格別。秋に種をまいて初冬に収穫する、秋冬野菜の定番です。育て方の手応えは中級ですが、ポイントを押さえれば家庭でも立派な玉に育てられます。
栽培で最も大切なのが「種まき・植え付けの適期を守ること」。ハクサイは結球するまでに一定の生育日数が必要で、まきどきが遅れると、寒くなるまでに葉が十分育たず、結球しないまま終わってしまいます。地域に合った適期(多くは8月下旬〜9月)に種をまくことが成功の絶対条件です。
次に重要なのが害虫対策。アブラナ科のハクサイはアオムシやヨトウムシ、アブラムシなどに非常に狙われやすく、生育初期に食害されると結球できません。種まき・植え付け直後から防虫ネットでしっかり覆うことが鍵になります。さらに、大きな玉を作るには肥料をしっかり効かせること。
適期の種まき・防虫・施肥の三つを守れば、冬にずっしりと締まった甘いハクサイを収穫できます。大きな一玉を自分で育て上げて、鍋や漬物でその甘さを味わう満足感は格別で、寒い季節の食卓を支えてくれる、育てがいのある冬野菜の代表格です。
💡豆知識
ハクサイは中国で生まれた野菜で、日本へ本格的に伝わり広まったのは、実は明治以降と意外に新しい歴史を持ちます。当初は結球させるのが難しく、日清・日露戦争に従軍した兵士が中国で食べたハクサイの種を持ち帰るなどして、各地で栽培と品種改良が進み、大正から昭和にかけてようやく日本中に普及しました。
今では冬の鍋に欠かせない野菜として定着しています。同じアブラナ科の仲間で、カブやコマツナ、ミズナとは近縁。水分が多く淡白な味わいですが、加熱すると甘みが増し、煮汁にうま味が溶け出すため、鍋物や煮物にぴったりです。霜に当たると、凍らないように糖をためる性質があり、寒さにさらされた冬のハクサイは甘みが増しておいしくなります。ビタミンCやカリウム、食物繊維を含み、低カロリーなのも魅力です。
Calendar
育成カレンダー
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 種まき | 8月は種まき | 9月は種まき | ||||||||||
| 植え付け | 9月は植え付け | |||||||||||
| 収穫 | 11月は収穫 | 12月は収穫 | ||||||||||
| 追肥 | 10月は追肥 | |||||||||||
| 病害虫注意 | 9月は病害虫注意 |
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 種まき | 8月は種まき | 9月は種まき | ||||||||||
| 収穫 | 11月は収穫 | 12月は収穫 | ||||||||||
| 追肥 | 10月は追肥 | |||||||||||
| 病害虫注意 | 9月は病害虫注意 |
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 種まき | 8月は種まき | 9月は種まき | ||||||||||
| 収穫 | 11月は収穫 | 12月は収穫 | ||||||||||
| 追肥 | 10月は追肥 | |||||||||||
| 病害虫注意 | 9月は病害虫注意 |
数字は月を表します。色帯のある月がその作業の適期です。上のタブで地域を切り替えられます。
At a glance
ひと目でわかる特徴
Specs
形態と環境条件
形態
- 草丈
- 30〜50cm
- 株張り
- 40〜50cm
- 実のサイズ
- 結球(玉)の重さ1.5〜3kg
環境条件
- 日照
- 日なた
- 耐寒温度
- -3℃
- 耐暑温度
- 28℃
- 土壌pH
- 6.0〜6.5
- 水やり
- 土の表面が乾いたらたっぷり。結球期は乾かさない。
- 肥料
- 元肥(化成肥料)・追肥
How to grow
育て方ステップ
-
1
適期の種まき・植え付け
約7日ハクサイ栽培で最も重要なのが、種まき・植え付けの時期を守ることです。ハクサイは結球するまでに60〜90日の生育日数が必要で、寒くなる前に十分な大きさの株(外葉)に育てておく必要があります。まきどきが遅れると、寒さで生育が止まり、結球しないまま終わってしまいます。
種まき適期は、多くの地域で8月下旬〜9月。地域や品種の適期を必ず確認します。畑に直接まく直まきか、ポットで育苗して植え付けます。直まきは1か所3〜4粒、株間40〜45cmで。アブラナ科は酸性土を嫌うので、種まき2週間前に苦土石灰で中和し、元肥を入れておきます。早どり・少スペース向けのミニハクサイなら、プランターでも育てられ、株間も狭くてすみます。
💡まきどき(8月下旬〜9月)を守るのが最重要。遅れると結球しません。地域の適期を確認。
-
2
防虫ネットと間引き
約20日ハクサイはアブラナ科で、生育初期の暖かい時期は害虫の活動も盛ん。アオムシ(モンシロチョウ)、ヨトウムシ、コナガ、アブラムシなどに非常に狙われやすく、やわらかい新芽や葉を食害されると、生育が止まって結球できません。そこで、種まき・植え付け直後から「防虫ネット(不織布)」でトンネル状に覆い、虫の侵入と産卵を物理的に防ぐのが、成功の絶対的な鍵です。
すそは土でしっかり押さえ、隙間を作らないようにします。直まきの場合は、発芽後に生育を見ながら間引き、本葉5〜6枚までに1か所1本立ちにします。間引き菜は食べられます。元気でまっすぐな株を残します。ネットの中もときどき確認し、入り込んだ虫は捕殺します。
💡種まき直後から防虫ネットで覆い害虫を防ぐのが必須。直まきは1本立ちに間引きます。
-
3
追肥と外葉づくり
約30日ハクサイは、中心が結球する前に、外側の葉(外葉)を大きく育てることが、大きな玉を作る鍵です。外葉が大きく茂るほど、光合成で作られた養分が中心に送られ、ずっしりと結球します。そのため、肥料を切らさないことが重要。種まき・植え付け時の元肥に加え、本葉が増えてくる頃と、結球が始まる前の2回を目安に、株のまわりに追肥します。
あわせて株元に土を寄せると、株が安定します。水やりは、土の表面が乾いたらたっぷりと。とくに結球期に水切れすると、玉の締まりが悪くなります。外葉が20枚前後にしっかり育つと、いよいよ中心の葉が立ち上がって内側に巻き込み始め、結球がスタートします。それまでにいかに外葉を充実させるかが勝負です。
💡結球前に2回追肥して外葉を大きく育てると、養分が中心に集まり大きな玉になります。
-
4
結球
約30日外葉が十分に育つと、中心の若い葉が立ち上がって内側へ重なり合い、だんだん固く締まった玉になっていきます。これが結球です。結球期は水と養分をよく使うので、水切れと肥料切れに注意します。気温が下がる涼しい時期に向かって結球が進むのがハクサイの自然なリズムで、適期にまいて順調に育てば、晩秋から初冬にかけてしっかり巻いた玉になります。
寒さが厳しくなる地域や、霜・雪から外葉や玉を守りたい場合は、外葉を持ち上げて玉の上で束ね、ひもで縛る「鉢巻き(はちまき)」をすると、防寒になり、より長く畑に置いておけます。順調に結球すると、手で押さえて玉がだんだん固く締まってくるのが分かります。固く締まれば収穫間近です。
💡結球期は水・肥料を切らさず。寒地は外葉を束ねて縛る「鉢巻き」で防寒できます。
-
5
収穫
約14日収穫適期は、玉を手で上から軽く押さえてみて、しっかり固く締まっていると感じられたとき。中身が詰まってずっしりと重くなっています。多くの地域で11〜12月が収穫期です。収穫は、玉を片手で傾けて、株元の芯を包丁やナイフで切り取ります。外葉を数枚つけたまま切ると、保存中の乾燥や傷みを防げます。
霜に当たったハクサイは、凍結を防ぐために糖をためるので甘みが増し、いっそうおいしくなります。畑に置いたまま、必要な分だけ順次収穫することもできます(その場合は鉢巻きで防寒を)。採れたてのハクサイは、葉がみずみずしく甘みがあり、鍋や漬物、煮物でそのおいしさを存分に味わえます。一玉まるごと収穫できたときの満足感は格別です。
💡玉が固く締まりずっしり重くなったら収穫。霜に当たると甘みが増します。
Checklist
育てる前のチェックリスト
-
✓300〜500円
ハクサイの種
地域の適期に合う品種・ミニ品種を選ぶ。
-
✓800〜2,000円
防虫ネット・支柱
アオムシ対策のトンネル用に必須。
-
✓500〜1,200円
化成肥料・苦土石灰
追肥と酸度調整に。
-
○400〜800円
野菜用培養土 (任意)
プランター栽培用。
Pests & Diseases
かかりやすい病害虫
アブラムシ
よく発生症状: 新芽が縮れる、葉がべたつく、すす病を誘発。
予防: 風通しを良くし、窒素過多を避ける。シルバーマルチで忌避。
対処: 見つけ次第捕殺、牛乳スプレーや薬剤で防除。
ヨトウムシ
よく発生症状: 葉に大きな食害痕、株元の地中に潜む。
予防: 防虫ネットで産卵を防ぐ。
対処: 夜間または株元を掘って捕殺、薬剤を使用。
アオムシ
よく発生症状: 葉に穴があき緑色の糞が残る。
予防: 防虫ネットで成虫の産卵を防ぐ。
対処: 見つけ次第捕殺、BT剤を使用。
Nutrition
栄養と食べ方
- エネルギー
- 13kcal
- ビタミンC
- 19mg
- ビタミンA
- 8μg
- ビタミンK
- 59μg
- 葉酸
- 61μg
- 鉄
- 0.3mg
- カルシウム
- 43mg
- カリウム
- 220mg
- 食物繊維
- 1.3g
旬・味: 冬が旬。霜に当たると糖をためて甘みが増す。加熱で甘くなる。
保存: 丸ごとは新聞紙に包み冷暗所に立てて保存。カットは切り口をラップして冷蔵。
Common mistakes
失敗あるある TOP3
⚠ 結球しない
葉は広がるのに中心が巻きません。
原因: まきどきの遅れ、肥料不足、株間が狭い。
対策: 適期(8月下旬〜9月)にまき、結球前に追肥して外葉を育て、適切な株間を確保します。
⚠ アオムシ・ヨトウムシの食害
葉が食い荒らされ生育が止まります。
原因: アブラナ科を好む害虫の食害。
対策: 種まき直後から防虫ネットで覆い、入った虫は捕殺します。
⚠ 玉の締まりが悪い
結球しても玉がふかふかで軽いです。
原因: 肥料・水不足、生育不足。
対策: 結球期に追肥と水やりを十分に行い、外葉を充実させます。
FAQ
よくある質問
最も重要なのが種まき時期です。多くの地域で8月下旬〜9月が適期。結球までに60〜90日かかるため、遅れると寒くなるまでに育たず結球しません。地域と品種の適期を必ず確認しましょう。
まきどきの遅れが最も多い原因です。ほかに、肥料不足で外葉が十分育っていない、株間が狭すぎる、なども考えられます。適期に種をまき、結球前に追肥して外葉を大きく育てます。
アオムシやヨトウムシ、コナガなどアブラナ科を好む害虫です。種まき・植え付け直後から防虫ネットで覆い、産卵を防ぐのが最も効果的。生育初期の食害は結球できなくなるので特に注意します。
結球前に外葉を大きく育てることです。適期にまき、本葉が増える頃と結球前に追肥して肥料を切らさず、水切れも防ぎます。外葉が20枚前後に育つとしっかり結球します。
ハクサイは寒さに比較的強く、霜に当たると甘みが増します。厳寒地や長く畑に置く場合は、外葉を持ち上げて玉の上で束ねて縛る「鉢巻き」をすると防寒になり、傷みを防げます。
結球する普通サイズは大きくなるので、ミニハクサイ品種なら大型プランターで育てやすいです。深さと幅のあるものを選び、防虫ネットと追肥を忘れずに行います。
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