カブ
Brassica rapa var. rapa Turnip
カブは、まるく愛らしい根と、栄養豊富な葉の両方を楽しめる、家庭菜園向きのアブラナ科の野菜です。生育が早く、小カブなら種まきから40〜60日ほどで...
かんたんに言うと
カブは種をまいて間引きながら育てると、小カブなら約1.5か月で収穫できる、根も葉も楽しめる育てやすい野菜です。
Profile
基本情報
カブは、まるく愛らしい根と、栄養豊富な葉の両方を楽しめる、家庭菜園向きのアブラナ科の野菜です。生育が早く、小カブなら種まきから40〜60日ほどで収穫でき、暑さ寒さの厳しい時期を除けばほぼ周年栽培が可能。プランターでも手軽に育てられ、コマツナなどと並ぶ葉物・根菜の入門野菜です。
みずみずしく甘い根は、サラダ・浅漬け・煮物・汁の実にと幅広く使え、ビタミンCを含む葉のほうはβカロテンやカルシウム・鉄分が豊富で、捨てずに食べたい優秀な部位です。春の七草の「すずな」としても古くから親しまれてきました。育て方のコツは、第一に、混み合うと根が太らないので、2回ほどに分けてしっかり間引き、株間を確保すること。
第二に、土の乾湿差が大きいと根が割れる(裂根)ので、水を切らさず一定に保つこと。第三に、アブラナ科のためアオムシ(モンシロチョウの幼虫)などの害虫がつきやすいので、種まき直後から防虫ネットで覆って守ることです。とくに秋まきは害虫が少なく、霜に当たると甘みが増しておいしくなるため、初めての栽培には秋が一番のおすすめ。
小カブから大カブまで品種が豊富で、用途に合わせて選べます。短期間で収穫でき、根も葉も丸ごと味わえる、家庭菜園にうれしい万能な野菜です。
💡豆知識
カブはアブラナ科の野菜で、ダイコンやハクサイ、コマツナなどと同じ仲間です。日本では古くから各地で栽培され、地域ごとに個性豊かな在来種が数多く残っています。京都の「聖護院かぶ」、滋賀の「日野菜かぶ」、東日本に多い小型の「金町小かぶ」など、その土地に根づいた品種は伝統野菜として親しまれています。
春の七草のひとつ「すずな(鈴菜)」はカブのことで、まるい根を鈴に見立てた呼び名です。私たちが食べるまるい部分は、根の上部と「胚軸(はいじく)」と呼ばれる茎の根元が一緒にふくらんだもの。葉には根よりも多くのビタミンやミネラルが含まれ、栄養面でも優秀な野菜です。
Calendar
育成カレンダー
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 種まき | 3月は種まき | 4月は種まき | 9月は種まき | 10月は種まき | ||||||||
| 収穫 | 5月は収穫 | 10月は収穫 | 11月は収穫 | |||||||||
| 病害虫注意 | 4月は病害虫注意 |
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 種まき | 3月は種まき | 4月は種まき | 9月は種まき | 10月は種まき | ||||||||
| 収穫 | 5月は収穫 | 11月は収穫 | ||||||||||
| 病害虫注意 | 4月は病害虫注意 |
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 種まき | 3月は種まき | 4月は種まき | 9月は種まき | 10月は種まき | ||||||||
| 収穫 | 5月は収穫 | 11月は収穫 | ||||||||||
| 病害虫注意 | 4月は病害虫注意 |
数字は月を表します。色帯のある月がその作業の適期です。上のタブで地域を切り替えられます。
At a glance
ひと目でわかる特徴
Specs
形態と環境条件
形態
- 草丈
- 20〜40cm
- 株張り
- 10〜25cm
- 実のサイズ
- 小カブで直径5〜8cmの根
環境条件
- 日照
- 日なた
- 耐寒温度
- -3℃
- 耐暑温度
- 30℃
- 土壌pH
- 6.0〜6.5
- 水やり
- 土を乾かさないよう、表面が乾いたらこまめに。
- 肥料
- 元肥中心(化成肥料)・追肥
How to grow
育て方ステップ
-
1
種まき
約4日カブは植え替えを嫌うので、育てる場所に直接まく「直まき」が基本です。プランターは深さ15〜20cmあれば小カブを育てられます。深さ約1cmのまき溝をつくり、種を1cm間隔ですじまきにして、両側から薄く土をかぶせ、手で軽く押さえてからやさしく水をやります。
発芽適温は20℃前後で、3〜5日で発芽します。種まきの適期は春(3〜4月)と秋(9〜10月)で、とくに秋まきは害虫が少なく失敗しにくいので初心者向き。複数のまき溝をつくるときは、間隔を15cmほどあけると間引きや収穫がしやすくなります。
💡秋まきは害虫が少なく霜で甘みも増すので、初めてなら秋がおすすめです。
-
2
間引き
約14日カブをまるく太らせるには「間引き」が欠かせません。発芽後、生育に合わせて2〜3回に分けて間引きます。1回目は双葉が開いたころに混み合った部分を、2回目以降は本葉が増えるたびに間隔を広げ、小カブなら最終的に株間8〜10cm、大カブなら15〜20cmを確保します。
間引かずに密集させたままだと、根が太らず葉ばかりになり、形もいびつになります。間引き菜は、やわらかくおいしいので、サラダや味噌汁、浅漬けで無駄なく食べられます。間引きの際は、残す株の根を傷めないよう、ハサミで地ぎわを切るのが安心です。
💡段階的に間引いて株間を確保。間引き菜も葉ごとおいしく食べられます。
-
3
防虫対策
約40日カブはアブラナ科のため、モンシロチョウの幼虫「アオムシ」やアブラムシ、ダイコンハムシなどの害虫に葉を食べられやすいのが弱点です。とくに葉も食べる野菜なので、被害は見た目にも収量にも直結します。最も効果的な対策は、種まき直後から畝やプランター全体を「防虫ネット」や不織布で覆い、成虫に卵を産み付けさせないこと。
すそに隙間ができないよう、しっかり押さえて張ります。それでも葉に穴や食害を見つけたら、葉裏に潜む幼虫を探して捕殺します。無農薬で育てたい場合は、この物理的な予防が何より確実で、安心して根も葉も食べられます。
💡種まき直後の防虫ネットが、無農薬でアオムシ被害を防ぐ最大のコツです。
-
4
水やり・追肥
約30日カブはみずみずしい根を育てるため、土を乾かさないことが大切です。土の表面が乾いたら、株元にたっぷりと水を与えます。とくに注意したいのが「裂根(れっこん)」で、土が乾いたあとに急にたっぷり水をやるなど、乾湿の差が大きいと、根が急に水を吸って割れてしまいます。
水やりは一定のリズムで、土を常に適度な湿り気に保つのがコツです。追肥は、2回目の間引き後に化成肥料を株間に少量施すと、根の肥大が良くなります。ただし窒素過多は葉ばかり茂る原因になるので控えめにします。プランターは特に乾きやすいので、水やりはこまめにチェックします。
💡乾湿差は根割れのもと。水は一定に保ち、土を乾かしすぎないようにします。
-
5
収穫
約1日小カブは種まきから40〜60日、根の直径が5〜6cmほどになったら収穫適期です(大カブは品種により60〜90日以上)。地面から出ている根の肩の張り具合で、太り方を判断できます。良いサイズになったものから、葉の付け根を持ってまっすぐ引き抜きます。
カブは収穫が遅れると、根に「す」が入ってスカスカになったり、ひび割れたり、固くなったりして食味が落ちるので、適期を逃さず早めに収穫するのが、やわらかくおいしく食べるコツです。収穫後は、葉が根の養分を吸ってしまうので、すぐに葉と根を切り分けて、それぞれ保存します。葉も栄養豊富なので捨てずに調理しましょう。
💡とり遅れると「す」が入ります。良いサイズになったら早めに収穫します。
Checklist
育てる前のチェックリスト
-
✓150〜400円
カブの種
小カブ・大カブなど品種を選ぶ。
-
✓400〜800円
野菜用培養土(14L)
プランター栽培用。
-
✓500〜1,200円
プランター(深さ15cm以上)
小カブ向け。
-
○300〜800円
防虫ネット (任意)
アオムシ対策に。
Pests & Diseases
かかりやすい病害虫
アブラムシ
時々症状: 新芽が縮れる、葉がべたつく、すす病を誘発。
予防: 風通しを良くし、窒素過多を避ける。シルバーマルチで忌避。
対処: 見つけ次第捕殺、牛乳スプレーや薬剤で防除。
べと病
まれ症状: 葉表に黄色い角張った斑、葉裏に灰白色のカビ。
予防: 水はけと風通しを改善、過湿を避ける。
対処: 罹病部を除去し殺菌剤を散布。
アオムシ
よく発生症状: 葉に穴があき緑色の糞が残る。
予防: 防虫ネットで成虫の産卵を防ぐ。
対処: 見つけ次第捕殺、BT剤を使用。
Nutrition
栄養と食べ方
- エネルギー
- 18kcal
- ビタミンC
- 19mg
- ビタミンA
- 0μg
- ビタミンK
- 微量
- 葉酸
- 48μg
- 鉄
- 0.3mg
- カルシウム
- 24mg
- カリウム
- 250mg
- 食物繊維
- 1.5g
旬・味: 春と秋〜冬が旬。根は甘く、葉は栄養豊富。
保存: 葉と根を切り分け、それぞれポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室へ。
Common mistakes
失敗あるある TOP3
⚠ アオムシの食害
葉に穴があき、ひどいと葉脈だけになります。
原因: モンシロチョウの産卵・幼虫の食害。
対策: 種まき直後から防虫ネットで覆い、見つけ次第捕殺します。
⚠ 裂根(根割れ)
根が割れて見た目と日持ちが悪くなります。
原因: 土の急な乾湿差、収穫遅れ。
対策: 水やりを一定に保ち、適期に早めに収穫します。
⚠ 根が太らない
葉は茂るが根がふくらみません。
原因: 間引き不足の密植、窒素過多。
対策: しっかり間引いて株間を確保し、追肥を控えめにします。
FAQ
よくある質問
春(3〜4月)と秋(9〜10月)が適期です。とくに秋まきは害虫が少なく、霜に当たると甘みも増すので、初心者には秋が育てやすくおすすめです。
土の乾湿差が大きいと、急な吸水で根が割れます。水やりを一定にして土を乾かしすぎないこと、収穫を遅らせないことで防げます。
間引き不足による密植や、窒素肥料の与えすぎが原因です。しっかり間引いて株間を確保し、追肥は控えめにしましょう。
アオムシなどの食害です。種まき直後から防虫ネットで覆って産卵を防ぎ、見つけたら捕殺します。葉も食べるので無農薬対策がおすすめです。
食べられます。むしろ葉のほうがβカロテンやカルシウム・鉄分が豊富で栄養価が高いので、炒め物や菜飯、味噌汁にして無駄なく活用しましょう。
小カブなら深さ15〜20cmのプランターで十分育てられます。土が乾きやすいので、根割れを防ぐためにも水やりはこまめに行います。
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