インゲン
Phaseolus vulgaris Green bean / Common bean
インゲン(サヤインゲン)は、やわらかいさやを食べる、家庭菜園で人気の定番マメ科野菜です。生育が早く、種まきから2か月ほどで収穫でき、暑い時期...
かんたんに言うと
インゲン(サヤインゲン)はやわらかいさやを食べる育てやすい夏のマメ科野菜。生育が早く次々収穫できます。つるあり・つるなしがあり、チッ素控えめ・連作回避・若採りがコツです。
Profile
基本情報
インゲン(サヤインゲン)は、やわらかいさやを食べる、家庭菜園で人気の定番マメ科野菜です。生育が早く、種まきから2か月ほどで収穫でき、暑い時期にぐんぐん育って次々とさやをつけるため、初心者でもたくさん収穫できる作りやすさが魅力。シャキッとした食感とほのかな甘みで、塩ゆで、おひたし、ごま和え、炒め物、天ぷらなど和洋中どんな料理にも合います。
関西で「三度豆(さんどまめ)」と呼ばれるのは、年に三度(何度も)作れるほど栽培期間が短く育てやすいことに由来します。インゲンには、支柱を立てて2mほどに伸ばす「つるあり種」と、草丈50cm前後でコンパクトに育つ「つるなし種」があります。つるあり種は収穫量が多く長く採れ、つるなし種は支柱が小さく済んで手軽。
ベランダのプランターなら、つるなし種が育てやすくおすすめです。日当たりと水はけのよい場所を好み、暑さに強い夏野菜。マメ科なので根粒菌の働きで肥料は控えめでよく、チッ素を与えすぎると「つるぼけ」になるので注意します。連作を嫌うので、マメ科を数年育てていない場所を選びます。
とり遅れるとさやが硬くなるので、若いうちに収穫するのがおいしさのコツです。生育が早く次々と実り、和洋中どんな料理にも合う、家庭菜園の頼もしい定番野菜です。
💡豆知識
インゲンマメ(Phaseolus vulgaris)は中南米が原産で、メキシコやペルーでは数千年前から栽培されてきた、トウモロコシやカボチャと並ぶ古い作物です。日本へは江戸時代に、明(中国)から来日した隠元(いんげん)禅師が伝えたとされ、その名にちなんで「隠元豆(インゲンマメ)」と呼ばれるようになりました。
ただし、隠元禅師が実際に伝えたのは別のマメ(フジマメ)だったという説もあり、地域によっては今でもフジマメをインゲンと呼ぶところがあります。関西などで「三度豆」と呼ばれるのは、生育が早く一年に何度も種をまいて収穫できることに由来します。若いさやごと食べる「サヤインゲン」のほか、完熟させて豆(種子)を収穫し、煮豆や白あんの原料にする「インゲン豆」としても利用され、金時豆・うずら豆・大福豆などはすべてこのインゲンマメの仲間です。一つの作物で、さやも豆も楽しめる懐の深い野菜です。
Calendar
育成カレンダー
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 種まき | 5月は種まき | |||||||||||
| 開花 | 6月は開花 | |||||||||||
| 収穫 | 7月は収穫 | 8月は収穫 | ||||||||||
| 追肥 | 6月は追肥 | |||||||||||
| 病害虫注意 | 7月は病害虫注意 |
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
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| 種まき | 5月は種まき | |||||||||||
| 開花 | 6月は開花 | |||||||||||
| 収穫 | 7月は収穫 | 8月は収穫 | ||||||||||
| 追肥 | 6月は追肥 | |||||||||||
| 病害虫注意 | 7月は病害虫注意 |
| 作業 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 種まき | 5月は種まき | |||||||||||
| 開花 | 6月は開花 | |||||||||||
| 収穫 | 7月は収穫 | 8月は収穫 | ||||||||||
| 追肥 | 6月は追肥 | |||||||||||
| 病害虫注意 | 7月は病害虫注意 |
数字は月を表します。色帯のある月がその作業の適期です。上のタブで地域を切り替えられます。
At a glance
ひと目でわかる特徴
Specs
形態と環境条件
形態
- 草丈
- 50〜200cm
- 株張り
- 20〜40cm
- 花のサイズ
- 白・淡紫の小花
- 実のサイズ
- さや長さ10〜15cm
環境条件
- 日照
- 日なた
- 耐寒温度
- 5℃
- 耐暑温度
- 35℃
- 土壌pH
- 6.0〜6.5
- 水やり
- 表面が乾いたら与える。開花〜収穫期は水切れに注意。
- 肥料
- 野菜用化成肥料・有機質肥料
How to grow
育て方ステップ
-
1
種まき(つるあり・つるなしを選ぶ)
約7日インゲンは種から育てるのが一般的です。まず、支柱を立てて2mほどに伸びる「つるあり種」か、草丈50cm前後でコンパクトな「つるなし種」かを選びます。つるあり種は収穫量が多く長く採れ、つるなし種は支柱が小さく済んで早く収穫でき、プランター向きです。
種まきの適期は、十分に暖かくなった4月下旬〜6月。インゲンは寒さに弱く、発芽には20度以上の地温が必要なので、気温が上がってからまきます。連作を嫌う野菜なので、マメ科を2〜3年育てていない場所を選びます。1か所に3〜4粒ずつ点まきにし、2〜3cm覆土します。
豆を鳥に食べられやすいので、発芽までは不織布で覆うと安心。元肥のチッ素は控えめにします。発芽して本葉が出たら、生育のよい株を2本ほど残して間引きます。
💡つるあり・つるなしを選んで暖かくなってから点まき。連作を避けます。
-
2
支柱立てと誘引(つるあり種)
約14日つるあり種は、本葉が数枚に育ってつるが伸び始めたら、支柱を立てて誘引します。1.8〜2mほどの支柱を立て、ネットを張るか、数本の支柱を上で合掌形に組んで、つるが巻きつくようにします。インゲンのつるは自分から支柱に巻きついて登っていきますが、最初のうちは誘引を手伝うと、きれいに登って管理しやすくなります。
つるが支柱の先端まで届いたら、先を摘んで(摘心して)、わき芽の伸長と着果を促す方法もあります。つるなし種は支柱がほとんど不要ですが、草丈が伸びて倒れやすい場合は、短い支柱や横ひもで軽く支えると安定します。いずれの場合も、株が混み合うと風通しが悪くなり病害虫が出やすくなるので、適度な株間を保つことが大切です。日当たりと風通しのよい環境を保ちましょう。
💡つるあり種は1.8〜2mの支柱とネットで誘引。つるなし種は支柱ほぼ不要です。
-
3
水やりと追肥
約30日インゲンは生育が早く、暑い時期にぐんぐん育ちます。水やりは、土の表面が乾いたら与えます。とくに花が咲いてさやが育つ時期に水切れすると、花や小さなさやが落ちたり、さやの太りが悪くなったりするので、開花〜収穫期は乾かさないよう注意します。プランターは特に乾きやすいので、夏はこまめに水やりします。
肥料は、インゲンはマメ科で、根の根粒菌が空気中の窒素を取り込むため、チッ素肥料を与えすぎると、つるや葉ばかり茂って花やさやがつきにくくなる「つるぼけ」になります。元肥・追肥ともにチッ素は控えめにし、開花が始まったころから、リン酸・カリ分を中心に少量ずつ追肥します。収穫が始まると株は次々とさやをつけて消耗するので、追肥で勢いを保つと、長くたくさん収穫できます。
💡開花〜収穫期は水切れ注意。チッ素控えめでつるぼけを防ぎます。
-
4
収穫(若どりが基本)
約30日インゲンは生育が早く、種まきから50〜70日ほどで収穫が始まります。さやが10〜15cmほどに伸び、中の豆がまださほど膨らんでいない、やわらかい若いうちに収穫するのが、おいしく食べる最大のポイントです。さやの表面につやがあり、ポキッと折れるくらいが収穫適期。
とり遅れて中の豆が大きく膨らんでくると、さやが硬く筋っぽくなり、食感が悪くなってしまいます。また、とり遅れたさやを株につけたままにすると、株が種を成熟させようとして疲れ、新しいさやのつきが悪くなります。こまめに若どりすることが、株の負担を減らし、長く次々と収穫を続けるコツです。
収穫が始まると、つるあり種は特に毎日のように採れるので、採り遅れないよう、こまめに収穫しましょう。さやの付け根をハサミで切るか、手で摘み取ります。
💡さやがやわらかい若いうちに収穫。とり遅れると硬く筋っぽくなります。
-
5
収穫終盤と片づけ
約14日インゲンは収穫期間が比較的短く、つるなし種は1か月ほど、つるあり種でも2か月ほどで収穫が一段落します。収穫の最盛期を過ぎて、花つき・さやつきが落ちてきたら、株の役目は終わりです。なお、生育期間が短く育てやすいので、春から初夏に時期をずらして何度かまく「ずらしまき」をすると、夏の間、長く収穫を楽しめます。
これが「三度豆」と呼ばれるゆえんです。収穫が終わった株は片づけますが、マメ科のインゲンは根に根粒菌が共生して土に窒素を残すため、刈り取った地上部を片づけ、根は土に漉き込むと、次の作物のための土づくり(緑肥的な効果)になります。連作を嫌うので、翌年は同じ場所でマメ科を続けて栽培せず、別の場所で育てます。完熟させて豆を採りたい場合は、収穫せずにさやを枯れるまで残し、中の豆が乾いてから採取します。
💡ずらしまきで長く収穫。連作は避け、根は土に漉き込むと土づくりになります。
Checklist
育てる前のチェックリスト
-
✓200〜500円
インゲンの種
つるあり・つるなしを選ぶ。点まき。
-
✓400〜1,000円
野菜用培養土
元肥入りの培養土が手軽。
-
○500〜2,000円
支柱・ネット (任意)
つるあり種の誘引に。つるなし種は不要。
-
○400〜1,000円
野菜用化成肥料(チッ素控えめ) (任意)
開花後の追肥に。
Pests & Diseases
かかりやすい病害虫
アブラムシ
よく発生症状: 新芽が縮れる、葉がべたつく、すす病を誘発。
予防: 風通しを良くし、窒素過多を避ける。シルバーマルチで忌避。
対処: 見つけ次第捕殺、牛乳スプレーや薬剤で防除。
ハダニ
時々症状: 葉に白いかすり状の斑点、ひどいと葉が枯れる。
予防: 葉裏への葉水で乾燥を防ぐ。
対処: 葉裏への葉水を継続し、専用の殺ダニ剤を使用する。
Nutrition
栄養と食べ方
- エネルギー
- 23kcal
- ビタミンC
- 8mg
- ビタミンA
- 49μg
- ビタミンK
- 60μg
- 葉酸
- 50μg
- 鉄
- 0.7mg
- カルシウム
- 48mg
- カリウム
- 260mg
- 食物繊維
- 2.4g
旬・味: 夏が旬。シャキッとした食感とほのかな甘み。若いさやはやわらかく筋が少ない。
保存: ポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室へ。乾燥を防ぐ。固ゆでして冷凍も可能。
Common mistakes
失敗あるある TOP3
⚠ つるぼけで実がつかない
つるや葉は茂るのに花や実が少ないです。
原因: チッ素肥料の与えすぎ。
対策: チッ素を控え、開花後にリン酸・カリ中心の追肥にします。日当たりを確保します。
⚠ さやが硬く筋っぽい
収穫したさやが硬く筋が多いです。
原因: とり遅れて中の豆が膨らんだ。
対策: やわらかい若いうちにこまめに収穫します。
⚠ 花やさやが落ちる
花や小さなさやが落ちてしまいます。
原因: 開花〜結実期の水切れ、高温乾燥。
対策: 開花〜収穫期は乾かさないよう水やりします。マルチングも有効です。
FAQ
よくある質問
とても育てやすい野菜です。生育が早く丈夫で、種まきから2か月ほどで次々と収穫できます。とくにつるなし種は支柱が小さく済み、プランターでも手軽。チッ素控えめ・連作回避・若どりを押さえれば失敗が少ないです。
つるあり種は2mほどに伸びて収穫量が多く長く採れます。つるなし種は草丈50cm前後でコンパクト、早く収穫でき支柱も小さくて済むのでプランター向き。ベランダ栽培や手軽さ重視ならつるなし種がおすすめです。
マメ科は根粒菌が窒素を供給するため、チッ素肥料を与えすぎると「つるぼけ」になり、つるや葉ばかり茂って実がつきにくくなります。チッ素は控えめにし、開花後にリン酸・カリ中心の追肥をします。
とり遅れが原因です。さやが10〜15cmで中の豆がまだ膨らんでいない、やわらかい若いうちに収穫しましょう。表面につやがありポキッと折れるくらいが適期。とり遅れると筋っぽく硬くなります。
できません。インゲンはマメ科で連作障害が出やすいため、同じ場所で続けて育てると生育不良になります。マメ科を2〜3年育てていない場所を選び、プランターは新しい土で育てましょう。
生育期間が短いので、春から初夏に時期をずらして何度かまく「ずらしまき」をすると、夏の間長く収穫できます。また、さやをこまめに若どりして株の負担を減らすと、次々と新しいさやがつきます。
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