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植物図鑑
🥬
黄色い花を咲かせたラッカセイ(落花生)の株
🥬 野菜

ラッカセイ

Arachis hypogaea Peanut

やさしい 難易度2(5段階中): やさしい 💰 苗は200〜500円

ラッカセイ(落花生)は、地上で咲いた花が、やがて、地面の中にもぐって実をつける、という、たいへんユニークな育ち方をする、マメ科の野菜です。漢...

かんたんに言うと

ラッカセイ(落花生)は、地上の花が地面にもぐって土の中で実をつける、ユニークなマメ科の野菜。春に種をまき、夏に咲いた花が地中で実り、秋に株ごと掘り上げて収穫します。とれたての塩ゆでは格別。丈夫で肥料も少なくてよく育てやすい野菜です。

Profile

基本情報

ラッカセイ(落花生)は、地上で咲いた花が、やがて、地面の中にもぐって実をつける、という、たいへんユニークな育ち方をする、マメ科の野菜です。漢字で「落花生」と書くとおり、花が落ちたあと、その付け根から、子房柄(しぼうへい)という、つる状のものが、下に向かって伸び、地面に突き刺さって、土の中で、おなじみのさや(殻)をふくらませて、実(豆)を太らせます。

この、地上の花から、地中の実へ、という、変わった生態が、観察していて、とてもおもしろく、子どもの食育や、家庭菜園の楽しみとして人気です。とれたてを、さやごと塩ゆでにした「ゆで落花生」は、市販の乾燥ピーナッツとは、まったく違う、みずみずしくホクホクとした味わいで、自家栽培ならではのごちそう。

煎れば、香ばしいピーナッツになります。原産は南アメリカで、高温を好む、夏の作物。日本では、千葉県などが産地として有名です。育て方は、春に種(殻つきの豆)をまき、夏に黄色い花を咲かせて、秋に、株ごと掘り上げて収穫します。やせ地でも育つほど丈夫で、マメ科なので、根に共生する菌の働きで、肥料も、それほど必要としません。

日当たりと水はけ、そして、子房柄が地面にもぐりやすい、やわらかい土を好みます。地中で実るという、自然の不思議を、収穫の喜びとともに味わえる、つくって楽しい野菜です。

マメ科
分類
野菜 / 豆類
原産地
南アメリカ、ブラジル、ボリビア
別名
ラッカセイ、落花生、ピーナッツ、南京豆
適期
種まき・植え付けは5月
価格目安
苗は200〜500円

💡豆知識

ラッカセイの「落花生」という名前は、まさに、その不思議な育ち方を表しています。地上で咲いた黄色い花は、受粉すると、しぼんで、花の付け根から「子房柄(しぼうへい)」という、針のようなものが、ぐんぐん下に伸びていきます。これが、地面に到達すると、そのまま土に突き刺さり、土の中で、先端がふくらんで、さやと実をつくるのです。

「花が、落ちて、土に入り、実を生む」――この様子から、「落花生」と名づけられました。英名の「ピーナッツ(peanut)」は、「豆(pea)」のような「木の実(nut)」という意味。私たちが「ナッツ」として食べていますが、植物としては、アーモンドやクルミのような木の実ではなく、エンドウやダイズと同じ、マメ科の「豆」の仲間です。

ラッカセイは、土の中で実るため、収穫まで、実の様子が見えないのも、特徴のひとつ。掘り上げてみるまで、どれだけ実っているか分からない、宝探しのような楽しみがあります。また、マメ科の植物として、根に「根粒菌(こんりゅうきん)」が共生し、空気中の窒素を取り込むため、やせた土地でも育ち、肥料が少なくてすむ、という、たくましい性質をもっています。

Calendar

育成カレンダー

全国の月別育成カレンダー
作業 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
種まき
5月は種まき
開花
7月は開花
収穫
10月は収穫
病害虫注意
8月は病害虫注意
関東の月別育成カレンダー
作業 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
種まき
5月は種まき
開花
7月は開花
収穫
10月は収穫
病害虫注意
8月は病害虫注意
近畿の月別育成カレンダー
作業 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
種まき
5月は種まき
開花
7月は開花
収穫
10月は収穫
病害虫注意
8月は病害虫注意

数字は月を表します。色帯のある月がその作業の適期です。上のタブで地域を切り替えられます。

At a glance

ひと目でわかる特徴

育てやすさ やさしい
収穫・開花の早さ 普通
手軽さ(コスト) 手軽

Specs

形態と環境条件

形態

草丈
25〜50cm
株張り
30〜60cm
花のサイズ
黄色い小花(受粉後、子房柄が地中へ)
実のサイズ
さや入りの豆(地中で実る、さや2〜4cm)

環境条件

日照
日なた
耐寒温度
10℃
耐暑温度
38℃
土壌pH
5.5〜6.5
水やり
土が乾いたらたっぷり。開花〜子房柄が伸びる時期は乾かしすぎない。
肥料
化成肥料(リン酸・カリ中心)・苦土石灰

How to grow

育て方ステップ

  1. 1

    種をまく(暖かくなってから)

    約14日

    ラッカセイは、高温を好み、寒さに弱いので、十分に暖かくなってから種をまきます。種まきの適期は、遅霜の心配がなくなった、5月ごろ。種は、殻(さや)から出した、薄皮つきの豆を使います(市販の食用ピーナッツではなく、種まき用のものを使うと、発芽がよく安心です)。

    畑に直まきする場合は、株間を30cmほどあけて、1か所に2〜3粒ずつ、深さ3〜4cmにまきます。ポットにまいて、苗を育ててから植え付けてもよいでしょう。発芽には高温が必要で、地温が上がってから、1〜2週間ほどで芽が出ます。鳥が、まいた豆を掘り返して食べてしまうことがあるので、発芽までは、ネットや不織布をかけておくと安心です。

    植え付け場所は、日当たりがよく、何より「やわらかい土」が大切。あとで、花から伸びた子房柄が、地面にもぐる必要があるので、土が固いと、もぐれずに、実がつきません。植え付け前に、土をよく耕して、ふかふかにしておきます。ラッカセイはマメ科で、根粒菌の働きで窒素をまかなえるので、肥料、とくに窒素分は控えめでよく、やせ地でも育ちます。むしろ、窒素が多すぎると、葉ばかり茂って、実つきが悪くなるので注意します。

    💡5月、暖かくなってから種まき。株間30cm。やわらかい土が必須(子房柄がもぐるため)。マメ科なので窒素肥料は控えめに。

  2. 2

    生育と開花を見守る

    約60日

    ラッカセイは、芽が出ると、こんもりと、横に広がるように茂っていきます。生育期の管理は、比較的、手がかかりません。水やりは、土が乾いたら、たっぷりと与えますが、ラッカセイは、ある程度の乾燥には耐えるので、極端に乾くとき以外は、与えすぎないようにします。

    夏の、生育の盛んな時期は、よく日に当てて、のびのびと育てます。やがて、夏(6〜7月ごろ)になると、株の根元のほうに、小さな黄色い花が、ぽつぽつと咲き始めます。この花が、ラッカセイの育ちの、いちばんおもしろいところの始まり。花は、朝に咲いて、昼にはしぼむ、一日花ですが、受粉すると、花の付け根から「子房柄(しぼうへい)」という、針のようなものが伸び出して、下に向かって、地面を目指していきます。

    この子房柄が、地面に届いて、土に突き刺さり、土の中で、実をつくるのです。花が咲き始めたら、この子房柄が、スムーズに地面にもぐれるように、次のステップの「土寄せ」を意識して、株元の土を、やわらかく、整えておきます。地上の花から、地中の実へと向かう、不思議な過程を、ぜひ観察してみましょう。

    💡横に広がって茂る。乾燥にやや強く水やりは控えめでよい。夏に黄色い花が咲き、花の付け根から子房柄が地面へ伸びる。

  3. 3

    土寄せ(子房柄を地中へ)

    約30日

    ラッカセイ栽培で、収穫量を左右する、大切な作業が「土寄せ」です。前のステップのとおり、ラッカセイは、花の付け根から伸びた「子房柄」が、地面にもぐって、土の中で実をつくります。このとき、子房柄が、スムーズに地面にもぐれるよう、株元の土を、やわらかく、こんもりと盛り上げてあげるのが、土寄せです。

    花が咲き始めたら、株元のまわりの土を、軽く耕して、やわらかくし、株元に向かって、土を寄せて、軽く盛り上げます。こうすると、四方八方に伸びる子房柄が、やわらかい土に、もぐりやすくなり、たくさんの実がつきます。土が固いと、子房柄が、もぐれずに、空中で止まってしまい、実がつきません。

    また、株元のまわりに、雑草が生えていると、子房柄の邪魔になったり、土が固くなったりするので、土寄せのときに、雑草も取り除いておきます。土寄せは、開花期に、1〜2回行います。あわせて、実の充実には、カルシウム(カルシウムは、さやの形成に重要)が役立つので、土寄せのときに、苦土石灰や、カルシウム分を含む資材を、株元にまいておくと、実つきがよくなります。子房柄が、無事に地面にもぐっていく様子も、観察の楽しみのひとつです。

    💡開花期に、株元の土をやわらかくして寄せ、子房柄がもぐりやすくする(実つきの要)。雑草を除き、カルシウム資材も有効。

  4. 4

    収穫する

    約14日

    ラッカセイの収穫は、秋(10月ごろ)。地中で実っているので、収穫の見極めが、少し難しいところですが、目安は、株全体の、下のほうの葉が、黄色く色づいてきたころ。種まきから、150〜180日(5〜6か月)ほどが目安です。収穫が早すぎると、実が、まだ十分に充実しておらず、遅すぎると、さやが土の中で傷んだり、発芽したりすることがあるので、適期を逃さないようにします。

    心配なら、まず、株の端を、試しに少し掘って、さやの中の実が、ふくらんでいるか、確認してから、本収穫をするとよいでしょう。収穫は、株の根元を持って、株ごと、引き抜くように、掘り上げます。子房柄の先に、さやが、たくさんぶら下がってついてくる様子は、まさに、土の中の宝探し。

    掘り上げたら、さやを、株から外します。とれたての、生のさやを、塩ゆでにした「ゆで落花生」は、自家栽培ならではの、みずみずしいごちそう。市販の乾燥ピーナッツとは、まったく違う味わいです。煎ったり、乾燥させたりするなら、収穫後、株ごと、または、さやを、風通しのよい場所で、よく乾燥させます。土の中から、たくさんの実が出てくる、収穫の喜びは格別です。

    💡10月ごろ、下葉が黄色くなったら株ごと掘り上げる。見極めは試し掘りで。とれたての塩ゆでが格別、保存は乾燥させる。

  5. 5

    乾燥・保存と楽しみ方

    約30日

    ラッカセイは、収穫後の楽しみ方も豊富です。とれたての生のさやは、いちばん新鮮なうちに、塩ゆで(ゆで落花生)にするのが、自家栽培の特権。さやごと、塩を入れたお湯で、30分〜1時間ほどゆでると、ホクホク、しっとりとした、市販品にはない味わいが楽しめます。

    生のさやは日もちしないので、すぐにゆでるか、冷凍します。長く保存して、煎り豆(ピーナッツ)として楽しむなら、しっかり乾燥させることが大切。収穫した株を、さやがついたまま、逆さにして、風通しのよい場所に吊るすか、さやを外して、ざるや、ネットに広げて、天日で、カラカラになるまで、よく乾燥させます。

    乾燥が不十分だと、カビが生えやすいので、しっかり乾かすのがコツ。よく乾いたら、殻つきのまま、湿気を避けて、涼しい場所で保存します。食べるときに、殻ごと煎るか、殻をむいて、フライパンやオーブンで煎ると、香ばしいピーナッツになります。また、よく乾燥させた豆を、翌年の「種」として、とっておくこともできます。

    ラッカセイは、育ちのおもしろさ、収穫の宝探しのような喜び、そして、とれたてのおいしさと、いくつもの楽しみを味わえる、家庭菜園にぴったりの野菜。連作をやや嫌うので、毎年、植える場所を変えると、より健康に育ちます。

    💡生さやはすぐ塩ゆでか冷凍。煎り豆にするならよく乾燥(カビ注意)。種も取れる。連作はやや避ける。

Checklist

育てる前のチェックリスト

  • ラッカセイの種(種まき用)

    殻つき・薄皮つきの種。発芽のよい種まき用を選ぶ。

    300〜600円
  • 苦土石灰・カルシウム資材 (任意)

    さやの形成を助け実つきをよくする。

    300〜800円
  • 化成肥料(リン酸・カリ中心) (任意)

    窒素は控えめに。

    400〜1,000円
  • 防鳥ネット・不織布 (任意)

    発芽までの鳥の食害を防ぐ。

    300〜1,200円
初期費用の目安(必須のみ) 300〜600円

Pests & Diseases

かかりやすい病害虫

害虫

アブラムシ

時々

症状: 新芽が縮れる、葉がべたつく、すす病を誘発。

予防: 風通しを良くし、窒素過多を避ける。シルバーマルチで忌避。

対処: 見つけ次第捕殺、牛乳スプレーや薬剤で防除。

害虫

ヨトウムシ

時々

症状: 葉に大きな食害痕、株元の地中に潜む。

予防: 防虫ネットで産卵を防ぐ。

対処: 夜間または株元を掘って捕殺、薬剤を使用。

Nutrition

栄養と食べ方

エネルギー
562kcal
ビタミンC
0mg
ビタミンA
0μg
ビタミンK
0μg
葉酸
76μg
1.6mg
カルシウム
50mg
カリウム
740mg
食物繊維
7.4g

旬・味: 秋が収穫の旬。とれたての塩ゆではホクホクみずみずしく格別。良質な脂質・たんぱく質、ビタミンE、食物繊維が豊富で高カロリー。

保存: 生のさやは日もちしないのですぐゆでるか冷凍。煎り豆にするならよく乾燥させ、殻つきで湿気を避け涼しい場所へ。

🍴 ゆで落花生(塩ゆで)🍴 煎り落花生(ピーナッツ)🍴 ピーナッツ和え・ピーナッツバター🍴 甘煮・お菓子

Common mistakes

失敗あるある TOP3

⚠ 土が固く子房柄がもぐれず実がつかない

花は咲くのに、実がほとんどつきません。

原因: 株元の土が固く、子房柄が地面にもぐれなかった。

対策: 開花期に株元の土をやわらかくして土寄せし、子房柄がもぐりやすくします。

⚠ 窒素過多で葉ばかり茂る

葉は茂るのに実つきが悪い。

原因: マメ科なのに窒素肥料を与えすぎた。

対策: 窒素は控えめにし、リン酸・カリ中心に、カルシウム資材も活用します。

⚠ 低温・早まきで育たない/鳥の食害

発芽しない、まいた豆が掘り返される。

原因: 高温性なのに寒い時期にまいた、鳥が種を食べた。

対策: 5月以降の暖かい時期にまき、発芽までネットや不織布で鳥を防ぎます。

FAQ

よくある質問

はい、ラッカセイはマメ科で丈夫、肥料も少なくてよく、やせ地でも育つ育てやすい野菜です。地中に実る不思議な生態を観察でき、子どもの食育にも人気。やわらかい土に種をまき、開花期に土寄せをして、秋に株ごと掘り上げるだけ。とれたての塩ゆでは格別のおいしさです。

地上で咲いた花が、受粉後、花の付け根から「子房柄」という針のようなものを下に伸ばし、地面に突き刺さって、土の中で実をつくるからです。「花が落ちて、土に入り、実を生む」様子から「落花生」と名づけられました。地上の花から地中の実へ向かう、ユニークな育ち方が観察の楽しみです。

花から伸びる子房柄が、地面にもぐって実をつけるため、株元の土がやわらかくないと、もぐれずに実がつきません。開花期に、株元の土をやわらかくして寄せると、子房柄がもぐりやすくなり、実つきがよくなります。実つきを左右する大切な作業です。さやの形成にはカルシウムも役立ちます。

秋(10月ごろ)、株の下のほうの葉が黄色く色づいてきたころが目安です。種まきから150〜180日ほど。地中なので見えにくいですが、心配なら株の端を試し掘りして、さやの実がふくらんでいるか確認します。株ごと掘り上げると、子房柄の先にさやがたくさんついてきます。

とれたての生のさやは、塩を入れたお湯で30分〜1時間ゆでる「ゆで落花生」が、自家栽培の特権で格別です。煎り豆にするなら、収穫後、さやをよく乾燥させてから、殻ごと、または殻をむいて煎ります。乾燥が不十分だとカビが生えるので、カラカラになるまでしっかり乾かすのがコツです。

いいえ、ラッカセイはマメ科で、根に共生する根粒菌が空気中の窒素を取り込むため、窒素肥料は控えめでよく、やせ地でも育ちます。むしろ窒素が多すぎると、葉ばかり茂って実つきが悪くなります。実の充実には、リン酸・カリや、さや形成を助けるカルシウム(苦土石灰など)が役立ちます。

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